最近メカドックを読んでみました。
ここの絡みが見たいだけ。



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 別作品のプロットが出来ては壊してを繰り返しているので息抜き。

 ただL28改3.1ツインターボと打ちたかっただけです。


首都高の伝説とメカドック

 

 

 

 

 

 ────昼過ぎ、神奈川某所。

 

 

「ククク・・・俺もヤキが回ったかね」

 

 

 10ミリの工具が割れちまうとは思わなかったぜ。当然代替可能な工具は手元にあるものの、コイツしか使えない場面はメカやってる日には山ほどある。

 

 特に表の自転車屋に客も来てないので、そのまま工具を買いに出向いてるワケだ。

 

 

 とりあえず工具屋に足を向けてるわけだが、途中の通りにある広告が目に入ってきた。

 

 

 

 ────クルマのことならおまかせ! アナタのメカニカル・ドクター『メカドック』へ!! 

 

 

 

 最近は手広くやり始めた普通の整備工場も増えてきたな。とはいえ、手軽なチューンだったらそういったとこの方が敷居が低く感じやすい。

 

 チューニング競走の第二波が来るかと予想でもして歩いていたら、ちょうどそれらしき店が見えてきた。

 

 

 

「えーっとぉ? コイルの交換で対処出来るならいっそCDIか? どうせならよりパワー出したいって言ってたしな」

 

 

 

 従業員の一人らしき男が雑誌を睨みながら呟いてた。

 メガネをかけてザンバラ頭のまま鉛筆で部品を吟味してやがる。どうやら点火系のアップグレードを企んでいるらしい。

 

 

 ───フン、ヨタハチか。中々シブいじゃねぇか。見た所アシとアルミ、排気しか弄られてないカンジか。

 マフラーで流量が変わったまま乗り続けて点火系に負担がかかって劣化が進んだってトコだろ。

 

 初期症状は高回転時のパワー感の減少と高負荷時の些細な息継ぎが出てくる。

 回すドライバーならアクセルオフの時に吹き返しが多いから、スロットル部の掃除だけでも合わせてやっとけばいくらかマシだ。距離走ったならベンチュリ下のフロートも見た方がいい。この頃の燃料フィルターは精度ワリーからな。

 

 

 ま、オレにはカンケーないハナシだナ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ✣✣✣✣✣

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しばらくして工具を買い帰路についてると、またさっきの工場が見えてきた。

 どーやらまだ作業は始まってないらしいな。

 

 

 

「さーて。部品も揃ったし、いっちょやったりますか!」

 

 

 

 アイツ、コイル類触るのにそのまま行こうとしてやがる。よくあるコトだが・・・。

 そのまま始めようとしていたので思わず声を掛けた。

 

 

 

「おいアンタ、コンデンサ外すんだろ」

 

 

「んぉっ!? あ、いやー悪いねお客さん、今ちょいと取り込み中で・・・」

 

 

「コンデンサに高電圧が残ってる場合が多いから絶縁グローブしとけヨ、それで広範囲に漏電してやらかした奴を何人も見た」

 

 

「おっと・・・もしかして同業の方ですかい?」

 

 

「ま、昔ちょいとナ」

 

 

 

 そのまま工場に入ってみる。

 整頓された工具類に作業場。エンジン周りで使う工具と足回り類の工具を分けてる辺り、もう数人はスタッフが居るんだろう。

 どういう風の吹き回しか、気が向いたのでそのまま見てやるか、と少し付き合うことに。

 

 

 

「ホラ、コンデンサとっぱらってコードもバラシな」

 

 

「え、ちょっとぉオレが作業してんだからさぁ」

 

 

「ククク・・・いーからバンバン外してけ」

 

 

 

 ふん、工具の使い方とチョイスは悪くない。が、手つきが覚束無い。

 作業経験の浅いメカに多く見られる迷いがある。

 

 ヘタすりゃ凡ミスでクルマおじゃんにしても可笑しくねーなコイツは。

 

 

 

「次はベースだ。そいつを撤去してユニットに繋ぎ変えろ、そこからコイルに配線を引け」

 

 

「あー、ハイハイっと・・・ん? センターはデスビにいくとして、プラスは?」

 

 

「オイオイ、コイルの構造をよく見ろ」

 

 

「へ? ・・・あーコッチか」

 

 

 

 見ててあやしい手つきだが、何とか完成に漕ぎ着けた。

 正直もっと掛かるかと思ったが、意外と早かったな。

 

 

 

「よーし、俺だってやれば出来るんだ!」

 

 

「ククク・・・古くてガチガチの、高電圧非対応のコードをそのまま使おうとしたヤツのセリフか?」

 

 

「うっ、うるせえやい」

 

 

 

 おーい、終わったぞー! と隣のバスに向かったヤツと入れ替えに、同じツナギを着た別のスタッフが帰ってきた。

 そういやもう夕方になってたな。用事があったにせよ、出ていた人間が戻るには十分な時間が経ってる。

 

 ───なるほど、工具の取り扱い方やオイルの染み付いた手だな。手を見るに、どうやらコイツがメインのメカニックらしい。

 

 

 

「あれ、いっつぁんたらお客放ったらかしてパドック行きやがって」

 

 

「フッ、気にするな。オレはただの通りすがりの自転車屋のオヤジだ」

 

 

「ハハ、通りすがりですかい・・・。あれ? 小町ちゃんのヨタハチだ。ふーんCDIか・・・これ、いっつぁんがやったんです?」

 

 

「さっきのボーヤのことならそうだぜ」

 

 

「・・・これ、あなたが手助けしたんじゃないですか?」

 

 

「フン、どーしてだ?」

 

 

「いっつぁん・・・彼はあんまメカの仕事やんないんで、基本説明書通りにしか組めないんですよ。でも、配線のこのまとめ方と、余分な長さを切り詰めて無駄を削いだ後が見られるんで、経験ある人じゃなきゃこんなコトできない」

 

 

「クッククク・・・若いのによく見てるじゃねーか」

 

 

 

 そうこうしてるうちに持ち主が来てカルく試走に行き、満足した様子で戻ってきた。

 

 

 

「ありがとう! 調子も良くなったし、高回転のパワー感が段違いになったわ! まったく息つかないの!」

 

 

「ウン、そーだろそーだろ」

 

 

「おいおいいっつぁん、手助けしてもらったんだろ? ぜーんぶオレがやった! みたいにしてもバレてんぜ」

 

 

「や、やかましいぞ風見! アドバイスは貰ったが、俺のウデあってこそだい!」

 

 

「ククク、どーだろーナ」

 

 

「えーと、おじさんが手助けしてくれたから早く終わったってコト?」

 

 

「そーだぜ小町ちゃん。この人そーとうなウデだと思うぜ」

 

 

「クク、ジョーダンはそこまでだな。オレはただの自転車屋だ」

 

 

「へ? 自転車屋さん?」

 

 

 

 鳩が豆鉄砲喰らったみたいな顔してやがるな。ま、正直既に二台のマシンをチューンしてるから半分ウソになるが。

 

 

 

「お嬢ちゃん、今回プラグの熱価がひとつ上がってるから、熱が入るまで下のトルクが薄くなる。上手く乗りこなすんだな」

 

 

「へへーん、アタシは女暴小町(すけぼうこまち)よ! そんなの朝飯前ってもんよ!」

 

 

「フッ、大した自信だナ・・・にしても、妙にこの辺は古めのクルマが多いな、なんか理由あるのか?」

 

 

 

 あの年代のは弄りやすいが、球数が多くて値が落ちてるというわけでもない。現役で走ってるヨタハチなんざ久しぶりに見た。

 

 

 

「さーねぇ。ウチとしては顧客が多くて大助かりな面もあるから、あんま気にしたことないなぁ」

 

 

「アタシは一目見てビビッ! と来たからこの子にした訳だしねぇ」

 

 

 

 

 

「───おや、北見さん? 何故ここに?」

 

 

 

 

 

 数日前に聞いた声に振り返ると、あの男が立っていた。

 湾岸の帝王、ブラックバード。

 現在あのZと張り合えるマシンを駆る男、島 達也。

 

 

 ま、現在そのマシンは工場にある訳だがな。

 

 

 

「そいつはコッチのセリフだな。今夜が待ちきれないのか?」

 

「えぇ、(はや)る気持ちがあるのは否定しません。ですが今回は隣のカフェに立ち寄りに来たんですが、姿が見えたので」

 

「クク、10年来の行きつけの1つってワケか。・・・どーする? 作業はあと1時間ってトコだ。さっさと試走するか?」

 

「えぇ、お願いします。リヤのセッティングも幾つか試してみたいので」

 

「フッ、なら早速続けるとするか。コーヒー楽しんだ後に来な」

 

「ええ、分かりました」

 

 

 残りはその他の油脂類の交換とクーラントのエア抜き、各部の軽いチェックで終わる。そのタイミングで一息がてらオシャカになった工具を買いにでたワケだしな。

 そのまま店を後にしようとして、後ろから声がかかってきた。

 

 

「北見さん! ・・・で、いいんですよね。お願いがあります」

 

「ん? どーしたメカのボーヤ」

 

「今の話・・・恐らく車のチューニングですよね。

 お願いします! どうかオレに車を見せてください! 少しでいいんです!」

 

 

 深々と頭を下げるボーヤ・・・確か風見だったか。

 

 

「クク・・・まぁ見るのは自由だが、それがお前の糧になるかはまた別の話だ。・・・どうだ、お前は見せても平気か?」

 

「ご自由にどうぞ。では飲み終えたらすぐに僕も向かうので」

 

「だ、そーだぜ。ついてきな」

 

「ありがとうございます!! ・・・あっ、いっつぁーーん!! ちょっと店閉めといてーーー!!」

 

 

「バカタレェ!! んな面白そうなの俺らも行くに決まってんだろーがぁ!! オマエも手伝えアホ!!」

 

 

 

 結局、あいつがコーヒーを楽しみ終わるのが早かったのは余談だろうな。

 

 

 

 

 ✣✣✣✣✣

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 side 風見

 

 長めの休憩がてらの外出から帰ってきたら店に居た、自称自転車屋のおっちゃんに何かを感じ、飛びつく勢いでチューニングを見せてくれと頼み込んだのがついさっき。

 

 CDI1つをとっても取り付け方なんて人それぞれ。

 それでもあんなにメカに対して寄り添った調整なんて普通は無理だ。無数の要素をひとつひとつ突き詰めて自分のウデに落とし込んだ年季が見え隠れしていた。

 

 

 頭のどっかで早計だったかなー、と残っていた考えは、案内された工場の中のマシンを見てすぐに吹っ飛んだ。

 

 

 

「こ、これってポルシェかぁ・・・!?」

 

 

「いっつぁん、しかもこれは964の3.6ターボでっせ!! いくらするんやろな・・・」

 

 

「ポ、ポルシェってすっごい高級車でしょ!? こーんな若い人が乗ってるなんて、信じられない!!」

 

 

 

 騒ぐいっつぁん達の声がどこか遠くに聞こえる。

 

 あぁ間違いなくこれは964ターボだ。だけど・・・それだけじゃない。

 

 

 リアだけがジャッキでウマを掛けた状態だろうと分かる・・・。 このマシンは本物だ。

 

 それも、首都高速において間違いなく最速格。

 

 

 高速域での効きに的を絞った大型のスポイラー。

 湾岸タイプのビックフォグランプを取り付けた、飛び石まみれのフロントバンパー。

 社外品の大口径ブレーキキットに一流ブランドであるBBSの極太ホイール。端まで使われた形跡のあるハイグリップタイヤ。

 

 確定だ。 ───これはあのマシンだ。

 

 

 

「北見さん・・・これ、"ブラックバード"ですよね」

 

 

「ククク・・・さすがに分かるか。 あぁそうだ。そしてここに居るヤツが、10年以上湾岸最速を謳われる、湾岸の帝王の繰り手ってワケだ」

 

 

「改めて、島 達也です」

 

 

 

「ふ、ブラックバードだってェ・・・!?!?」

 

 

 

 このやり取りを聞いていた皆が騒ぎ出す。

 

 当然だろう。ブラックバードの名は伊達や酔狂でもない。名だたるチューナーやマシンを一切寄せつけずに最速の名を背負い続ける・・・ 言わば生ける伝説と言っても良い。

 

 そしてこの人もタダ者じゃないと思っていたところで、いっつぁんが衝撃の事実に気付いた。

 

 

 

「ん・・・? あぁッ!! 北見ってアンタ、地獄のチューナーか!!??」

 

 

「おっと、懐かしい名前だな。もう手広くはやってないんで、そいつはちょっと違うが」

 

 

「じ、地獄のチューナー・・・??」

 

 

 

 小町ちゃんが置いてけぼりを喰らってるが、俺たちの界隈では有名な話となる。

 

 

 俺たちがまだガキの頃───東名レースと呼ばれるものがあった。

 全長47kmにも及ぶ超高速ステージにて、最速は誰だと競い合うぶっ飛んだ世界。

 

 

 その中で彼の組んだマシン・・・通称"北見チューン"は最速格筆頭だったらしい。あくまでも人伝に聞いた話だから真偽は怪しかったけど、このマシンを目にしたら疑う余地なんてない。

 

 

 

「丁寧なアルミ溶接のどデカいインタークーラー・・・インコネル製の特注らしきエキマニ・・・左右バンクで独立して掛けられるツインターボとそれを同調させる技術・・・これはとんでもないパワーになるに違いない!!」

 

 

「大まかな予測でしかないが・・・およそ600馬力は出てるな。ま、セッティングが煮詰まればあるいは、だが」

 

 

 

 クックックッ、と笑いながら言う北見さん。

 

 見たところ他に別人の手が入った箇所は見られない。他者が触ったなら、そこだけ真っ白なキャンパスに色が付けられたように目立つ。

 

 これだけのマシンを、全てこの人自身で組み上げているのは間違いない。

 でもこれだけのマシンだ。もう既に湾岸最速と謳われているあのブラックバードが、ここまで手を入れる必要などあるのだろうか。

 

 

 

「しっかしここまでやるとは・・・。予算もバカにならんが、そもそもこれだけのマシンに張り合える相手なんて居んのかねぇ?」

 

 

 

 ちょうどいっつぁんが同じ疑問を口に出すと同時に、それは確かに・・・。という空気が俺たちの間に流れる。

 

 ポルシェは速い。それは事実だ。

 RR特有の強烈なトラクション性能。最も重いパワートレインが車両最後方に位置する故、ブレーキをかけた際はリアの制動力とグリップさえもフルに使える。

 

 扱うのは難しいが、手懐けてさえしまえば旧型だろうと一線級の戦闘力を秘めている。それがポルシェ911という車なのだから。

 

 

 

 

 

 

「いるよ」

 

 

 

 

 

 

 呟くように放たれた北見さんの声に、俺たちは思わず凍りついた。

 

 今・・・なんと言った??? 

 

 

 

「いるんだよ。走ってる・・・このポルシェの好敵手とも呼べる存在が、たった1台だけな」

 

 

 

「い・・・いくらなんでもそりゃあ嘘だろ? こーんな怪物みたいなクルマ、誰が相手できるってんだよ」

 

 

「でもいっつぁん、冗談言ってるふうには見えまへんで。もしかしたらGT-Rとかの事かもしれへんし」

 

 

「あー、Rかぁ。うーむ・・・なら納得も───「違う」───へ?」

 

 

「コイツにとってGT-Rは敵じゃない。ショップの看板背負ってきた800馬力の33Rだろうと、赤子のように撃墜して見せたからな。・・・コイツの宿敵。表裏一体。コインの表と裏。互いが互いの存在を求めあい、そして否定し合う。ある1台のZとな」

 

 

「はぁ!? Zって・・・フェアレディZのことかぁ!? GT-Rを鼻で笑うレベルのこのポルシェと、対等に走るZ!?」

 

 

 

 思わずといった様子でいっつぁんがまた叫んだ。

 フェアレディZ。日産が生み出したスポーツカーであり、古くは1969年まで誕生を遡る。しかし首都高での主流はもっぱらGT-Rだ。あえてFRのZをチョイスしているとは・・・。現行はZ33だけど、この口ぶりだとそう新しい年式のものではなさそうだ。

 

 

 首都高で速いなら、最高速向けだろう。ならZ32・・・? 

 

 

 

「そいつはずっと昔に、オレが作り上げた1台だ」

 

 

 

「L28をベースに、89mmピストンとL20用コンロッド、特注のLD28をベースにしたクランクを使って排気量を上げ3.1ℓ化。

 K26タービンをツインで組みウェーバーの55πデュアルの加工品を3連装。800ccの追加インジェクターをレビックで制御し、不足する燃料をエンジンに直接ぶち込む。そうして、あのS30Zにとてつもないパワーを与えた」

 

 

「Lの2800を3100にして、ツインターボ化・・・」

 

 

「S30って・・・初代フェアレディZか!」

 

 

「こ、このツインカム全盛の時代にL型エンジンやて・・・!?」

 

 

「んー・・・アタシ全然わかんないんだけど???」

 

 

「・・・小町ちゃん、L型エンジンの登場は1965年。俺らの親世代もまだ子供の頃の話なんだ。確かに80年頃までは耐久性がウリなL型のメカチューンが前線張ってたらしいけど、32RやらRX7やらの台頭でもうすっかり追いやられて久しいんだ。S30なんてうちのお客さんでもごく少数だよ。年式の古い車でも未だに通用するモノなんて極わずか・・・それこそポルシェくらいさ」

 

 

「じゃあ、ホントに島さんくらいなのね」

 

 

 

 RBなんて実質L型の後継エンジンだしなぁ、とオレの説明に付け足すようにいっつぁんは呟く。

 

 実際L型エンジンはもう過去の遺物と言っても差し支えないし、そもそも基本設計から見ると実用エンジンに分類される。規格外の耐久性と拡張性によってチューニングベースとして人気になり、タマ数も豊富だったから夜の公道に溢れたのだ。実際うちのお客さんでも、車種は様々だけどLメカチューンを載せてる人は割と居る。

 

 L28は当初国内では入手不可能だったが、後のラインナップ拡充でローレルなどに採用され、チューニングベースとして世に放たれた。

 そこにK26タービンを2機・・・。KKK製のタービンでも特に風量が多いモデルで、まともに過給が始まるのは3.1にしててもたぶん4000回転くらいからだろう。下を捨てて中高回転域のパワーに的を絞っているのがよく分かる。

 

 コンピューター制御で緻密にコントロールされるこのチューニング時代に、まだ現役のキャブターボが生き残っているなんて・・・。

 

 

「それ、まだキャブターボなんですか? だって絶対インジェクションの方がパワーだって・・・」

 

 

「あぁそーだナ。当然キャブよりインジェクションの方が無駄なく、より確実で安全にパワーを出せる。そっくりそのまま変えるだけでもあと80は乗るだろうな。ま・・・なんとゆーかな。オーナーの願いってやつだ」

 

 

 

 ある種、俺たちの願いでもある。そう北見さんは言った。

 

 なんでも、"Zらしさ"を残したい。そんな願いだったらしい。

 そのZの核となるのはキャブターボ。点火系を電子化しようと、どれだけのトライ&エラーを繰り返そうとも、決して持ち主が変えようとしない。変えてしまえば、文字通りZが死んでしまうという。

 

 

 

「風見のボーヤ、お前さんにも経験あるだろ? まるでクルマが意志を持つかのような出来事が。────────あのZは特別なんだ」

 

 

 

「まるで意志を持つように、身を捩り狂おしく走る・・・事故を繰り返し続けいつしか"悪魔"と呼ばれるようになった」

 

 

 

「今もまだあの湾岸で走り続けている。600馬力のL28改3.1ツインターボを載せた、悪魔のZが時速300キロ──いや、それ以上でな」

 

 

 

 

 






 チューンの内容に関しては、例の赤いS130を参考にしています。

 文章は1日クオリティなので適当です。


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