勇者カリナ/未来戦線クロスロード ―魔王を倒した少女は、AI戦争の未来世界で、聖剣精霊と豪剣人機とともに人類を救う― 作:美風慶伍
そして――
カリナの新しい毎日が始まった。
ルーカスに送られてエレナのところに戻る。ルーカスと1泊したことにエレナは尋ねた。
「何もなかったのかい?」
「はい、ルーカスがすごく素敵な紳士だったので」
「そうかい。でもキスぐらいはしたようだね」
「え?」
「顔に書いてるよ?」
いきなり言い当てられてカリナはあっけに取られた。
その日は、愛機のスティールウォーリアをメンテナンスし、操縦の練習をしながら時間を過ごした。そして午後4時――連絡が入った。
『カリナ、いるか?』
声の主はレオンだった。
「レオン隊長?」
『緊急迎撃任務だ。今すぐ出れるか?』
「はい! 10分で出撃準備可能です」
『よし、こっちで手配したヴァンガード空輸用の大型ヘリで迎えに行く。そこで絶対防壁外部、70キロ地点のところに向かい、接近してくる敵アイアンオーダーのクロムハウンド部隊を阻止する。生物的な個体も複数見受けられる。白兵戦闘が必要になるはずだ』
「承知しました。必ずや成果を出して見せます」
『期待しているぞ』
そう伝えてレオンからの通信は来た。急ぎ、ルーカスからプレゼントしてもらったパイロットスーツを身につけて、スティールウォーリアーへと乗り込む。
『カリナ、燃料も武器装備も抜かりなく補充が終わってる。思いっきりやってきな』
「分かりました! それでは行ってきます」
機体を立ち上げて、表通りへと向かう。すると絶妙なタイミングで2ローターの大型ヘリがスティールウォリアーにかぶさるように接近し瞬く間にスティールウォリアーを空へと舞い上がらせた。
『カリナさん、ブレイブハーツアライアンスからの指令に従いあなたを絶対防壁外部の作戦目的地点へとお送りいたします』
「よろしくお願いします」
さらにはルーカスからも励ましの声が聞こえた。
『カリナ、俺はピースセーファーの仕事があるから今回は同行できない。しかし君なら鮮やかに勝利をもぎ取ってくれると信じている』
「わかりました。全力を尽くして戦ってきます」
『頑張れ、君ならできる! 武運を祈る』
「はい!」
そして夕暮れの空を北西へと向かう途中、他にも十数機の空輸ヘリが集まってきた。その中にはレオン隊長の愛機の姿も見えた。
「レオン隊長、今日はよろしくお願いいたします」
『期待しているぞ。カリナ』
その言葉と同時に他のヴァンガードも片腕と指を動かしてサムズアップする。仲間としての親愛を示す仕草だ。
「皆さん、ありがとうございます。ご期待に添えるように全力を尽くします」
『よし! 緊急迎撃任務! 行くぞ』
「
茜色の空を十数機のヴァンガードが行く。
カリナのこの世界での戦いは始まったばかりである
【第一章、完】
【第二章に続く】