白翼の機械人形になった転生者は海賊(人助け)をしながら、世界を見守る。 作:キング・クリムゾン!!
エースの救出に成功し、白ひげ海賊団と混成軍は一斉にマリンフォードからの「全軍撤退」へと舵を切り始めていた。
「野郎どもォ!! エースは救い出した! 無駄な命を散らすな! これより全員、船へ戻り退却するぞォ!!」
“白ひげ”エドワード・ニューゲートの地鳴りのような撤退命令が響き渡る。
ルフィ、エース、ジンベエ、そして漆黒の翼を休めたレオン・ユイもまた、前線から離脱すべく海岸線へと駆け出していた。
しかし、その撤退の波を遮るように、ドロドロと不気味に蠢く赤黒いマグマが広場を焼き払いながら立ち塞がった。
「逃がすかァ……! “海賊王”の血脈も、“ドラゴン”の息子も、ここで根絶やすのが海軍の正義じゃ……!」
大将“赤犬”サカズキである。レオンの先制攻撃と不条理な火力によって大幅にスタミナと覇気を削られていたものの、その「執念」と「過激な正義」は1ミリも衰えていなかった。
サカズキは、走っていくエースの背中に向けて、通り通る冷酷な声を浴びせかけた。
「……ハァ、ハァ……。ええか、エース。お前を救って死んでいく者どもが哀れでならんわい。――“白ひげ”は所詮……先の時代の“敗北者”じゃけェ!!!」
「……っ!?」
その言葉が耳に届いた瞬間、エースの足がピタリと止まった。全身の血液が逆流するような強烈な怒りが、その瞳に宿る。
「……引き返すな、エース!! 奴の挑発に乗るな!!」
ジンベエが叫び、ルフィもまたエースの腕を掴もうとした。
「おい……今、何て言った……? 取り消せよ、今の言葉……!!!」
エースが自らの体を炎へと変え、赤犬の方へと引き返そうとしたその刹那――。
ガシィィィィィン!!!!!
凄まじい硬度を持った漆黒の装甲の腕が、エースの胸元を力強く押し止めた。
「……そこまでだ、ポートガス・D・エース」
レオン・ユイだった。エメラルドグリーンの瞳を冷徹に光らせ、四枚の黒い羽を壁のように広げてエースの視界を遮る。
「退け、レオン!! あいつは親父を……白ひげを侮辱したんだぞ!!!」
「非効率な感情に支配されるな。お前がここで命を落とせば、お前を救うために散った数万の仲間の犠牲がすべて無に帰す。……白ひげの誇りは、お前が生き延びることによって証明される」
冷淡で、しかし圧倒的な説得力を持ったレオンの言葉に、エースはハッと息を呑み、握りしめた拳を震わせながら踏みとどまった。
「フン……。情に流されぬ機械のようなガキめ。そうやって貴様ら海賊は、正義から逃げ回ることしか出来んのか」
サカズキが憎々しげにマグマの拳を握り締め、レオンを睨みつける。
「世界政府を乱し、市民を脅かす悪党どもが……! 正義である海軍こそが絶対であり、弱者である海賊は淘汰されるのがこの世界の理じゃ!!!」
その独善的な言葉を聞いた瞬間、レオンの口から静かに解き放たれる。
「……赤犬。お前は大きな勘違いをしている」
レオンは二挺のツインバスターライフルを静かに構え直し、冷徹な眼光で赤犬を射抜いた。
「――人類すべてが弱者だ。だが、お前はそれよりも弱い。」
「……何……!?」
サカズキの顔が不快感で歪む。
「国も、組織も、お前たちの言う『絶対的な正義』すらも、傷つき、過ちを犯す『弱者』の集合体に過ぎない。自分たちが強者であると錯覚し、正義を盾にして他者の尊厳を押し潰さねば己を保てないお前たちの思想こそが、最も歪み、脆く、弱い」
「口の減らん……ガキがァァァァァァ!!!!!!」
サカズキの堪忍袋の緒が完全に切れ、顔面を真っ赤に染めて激怒した。
全開のマグマが噴出せしめ、大気を焼き尽くす巨大な拳『犬噛紅蓮』が、猛烈な勢いでレオンへと襲いかかる!
「ぬかせ小童がァ! 貴様もろとも骨も残さず焼き尽くしてやるわい!!!!」
「――システム、最終戦闘モード。赤犬の排熱限界を計測開始」
漆黒の堕天使の羽が紫の瘴気を爆発的に吹き出し、レオンは赤犬のマグマの濁流へと真っ向から飛び込んでいくのだった。
原作はあまり見たことがないので、内容がガタガタかもしれませんので、ご了承ください。
間違いがあれば遠慮なく申し上げてください。
次回:第二十五話 『赤犬の咆哮、漆黒のゼロ・フレーム』