剣丞の親友だけが外史に向かった話   作:まくろ

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第3話

「あ~旭でいいよ。一応正式に織田家に入っているわけじゃないから。」

 

しばらくほど音をなるべく立てずに走ると俺が真っ先に本陣を見つけた。

そこには今川のだと思われる軍旗と本陣がそこには存在していた。

見張りの数もかなり少ない。あとはどこを攻めればいいのかを考える。この人数だろうしなるべく騒ぎは起こしながらも逃げられるようではならない。だから一直線で今川義元の首を取る必要がある。

 

「そうなの?」

「策をたてたのが俺ってだけだよ。まぁ、この四人の誰かが今川の頸を取らないと織田家が滅亡するってだけで。」

「そんなぁ、」

「それってこの四人が武功を独占できるってこと?」

「そういうことなんだろうけど。まぁ死地に入りこませて悪いけど。」

「どうせ、このままだったらそうなるわ。私は久遠様にはよくしてもらったから特に問題ないわよ。」

「武功に飢えてるなぁ。まぁ、俺は策を成功させた時点ですでに武功を立てたわけになるんだけど。」

「そうね。でもあなた小太刀はどこにしまっているの?腰に刺さっているのは刀でしょうし、貴方鎧もつけてないじゃない。」

「鎧は動きが鈍るからつけない。小太刀は。」

 

俺は指輪を触ると二つの小さな鞘が出てくる。

 

「この指輪に収納してある。」

「指輪に!?」

「まぁ、俺にしか使えないけどな。」

「しかもこの小太刀も相当業物じゃないの?」

「親父が作ったぞ。」

「あんたの父さん何者よ。」

 

まぁ異世界を救った魔王なんて誰も信じてくれないだろうしな。

まぁ問題はもう一人の女の子なんだけど。全く声も出ておらず、正直不安そうに脅えている。

 

「えっと。ひよさんだっけ。もしかしてだけどこれが初陣か?」

「そ、そういうことではないんですけど。いつもは裏方仕事なので。」

「あ~。」

「そういう貴方は余裕あるわね。」

「まぁ、これくらいの修羅場なら幾らか経験あるしな。」

「経験あるってどんな人生送ってきたのですか。」

 

少しだけ俺のことが気になるのか小平太俺に質問してくる。まぁ余裕もあるし少し話そうか。

 

「だって俺は初めて戦場にたったの5歳とかそこらへんだぞ。」

「…へ?」

「それくらい。それも敵は大人で初めて人を殺したのもその辺りか?」

「…それはそれで壮絶ね。」

 

同情するようにしている新介という少女に俺は苦笑する。

 

「まぁ、簡単にいうなら、俺は武でなら負けるつもりはない。今回の件も最悪俺一人でもなんとかなるだろうから」

「いうわね。」

「まぁ、せっかくだし、俺はひよと組むか。俺は雑魚をやって義元公への道を切り開くから小平太と新介の二人で頸をとれ。」

「へ?いいの?それあんた相当負担大きいけど。」

「いいよ。ひよを守りながら戦うのであればこれが一番利にかなってる。正直俺はこの中の一人でも今川の頸をとった時点で手柄とれるし。」

「えっ?私をですか?」

 

ひよは驚いているが俺は頷く。

 

「それに一人の頸よりも多くの敵を皆殺しにする方が俺には合ってる。それにこんな任務で可愛い女の子を死なせるのも目覚め悪いし。」

「か、可愛いって。そんなことないですよ。」

「……いやつっこむところそこ?こんな任務で死なせないってどれだけ大変なのか分かってるの?」

「ん?そこまで難しいことではないだろ。雨も降り、気配も消せてる。だからこそ」

 

 

俺は歩くとそこには大勢の人だまりがあった。

 

「こんなところまで気づかれずに近づけたのだから。」

 

俺の言葉に三人は息を吞む。

今川軍の拠点は兵はいるものの槍すら持たず。談笑しているものもいる。まぁ戦というよりも通過点みたいな扱いだろうから、まさかだとは思ってないのであろう。そうしながら今川の拠点を見ていると新介が声を上げる。

 

「……いた。」

「どこ?」

「ほらあれ。一際大きな木の根元。雨を避けているんでしょうけど。」

「うへっ戦場なのに鎧脱いでいるのかよ。」

「でも、それって好機ってことですよね。」

「あぁ。攻め時だろうな。……どうする?俺はもう突っ込むべきだと思うが。」

「賛成。せっかく私たち四人が来たのだもの。武功は独占してなんぼ。呼子を鳴らしたら、四人で突っ込みましょう。」

「四人でですか?」

「ひよも武功が欲しいって言っていたじゃない。それにすぐに壬月様も来てくれるのでしょう?」

「まぁな。まぁ攪乱は任せろ。道は作ってやるから。」

「えぇ、策の通りよ。それじゃあ……今よ。」

 

俺は名乗りもせずに俺は二刀を振りかぶる。合図がなった瞬間に俺は崖から飛び降りすぐ近くの人を斬り捨てる。

ひよの庇える範囲にいながら俺自身が暴れられる範囲にいて、名乗りすら上げずに斬り捨てながら問答無用で。

 

 

「なっ!?」

「悪いけど死んでもらうよ。」

「曲者だ。織田方の奇襲だ!?殿に知らせ」

「おせぇよ。」

 

俺は二刀の小太刀を振り鎧ごと小太刀で斬り捨てる。

ひよは驚きながらも一番層の厚い方へ自身のスピードを保ち斬り捨てていく。

 

「お、おい。こいつ鎧ごと斬り捨ててるぞ。それに早くて捕まらない。」

「囲んで殺せ。槍で囲んで殺すんだ。」

 

そんな声が聞こえる。相当人を使っているのであろう。その隙に新介たちが抜けていくのが見える。人を寄せ付けるというのは正解だろう。

そうした中で囲もう槍を構え近づこうとしている足軽たちの視線や息遣いを確認。そして少し油断していた一人のところに突っ込みそいつを斬り捨てる。瞬時に速度を付け始める。

足を止めたらさすがに囲まれるので速さで瞬時に足軽を斬り捨てていく。ある程度勢いが弱まったところで俺の傍に二頭の馬が駆けてきた。

 

「旭様。ひよさん。」

「おい。小僧!!サル。無事か!?」

「壬月様!?」

「お~。こっちは無事だけど。あっちは」

「織田上総介久遠信長馬廻廻り組組長、毛利新介。東海一の弓取り、今川殿、討ち取ったり!!」

 

ちょうど声が聞こえる。

すると今川側が同様。何なら逃げ出すものもいるので完全決着がついただろう。

 

「決着か。あっち行かなくていいのか?」

「久遠様がいっている。しかし本当に成し遂げるとは。」

「別に奇襲の条件は整っていたかたしおかしな条件ではないだろ。」

「それは小僧の回りの死体の数含めか?」

 

俺の周囲には短時間で斬りとった死体の山がある。それに少し引いていながらも二人は話かけてきた。

 

「まぁ。100~200程度か?まぁ名のある武将ぽいのは見つけられなかったけど。」

「……」

「そこまで警戒しなくてもいいよ。久遠様は狙うつもりないし。」

「それはここまでされたら信じますが、旭様は本当に久遠様に仕えないですか?」

「まぁ、麦穂様は聞いているかもしれないけど久遠様俺を使う気だったから好条件引き出す交渉材料みたいなもんだよ。まぁ実際嘘は言ってないし、条件次第かなぁ。策を組み立ててこういう風に武功も立てたし、仕えるにしろ傭兵になるにしろ自分の価値は織田家には示せたでしょ。」

「……そんなことまで言うんだな。」

「別にいいでしょ。俺を登用したいから二人が来たって思っていたんだけど?違った?」

「……はぁ。壬月様。私たちの負けみたいですよ。」

「あぁ。お見通しというわけか。」

 

呆れたようにしている二人に俺は首を振る。

 

「でも傭兵のほうが気楽なのは本当だよ。正直ここにきて知り合いがいるわけでもないしな。」

「まぁ、そうなんだが実際お主が他家に行かれる方が尾張のためにはならないだろう。」

「あ~。そっちも隠し事なしですか?」

「どうせ分かっているだろうからな。」

「……了解。士官されるかはともかく、一旦は織田家で厄介になります。」

「おう。」

「はい。よろしくお願いします。えっと。」

「改めまして。南雲旭。以後お見知りおきを。」

 

俺は一礼すると二人も言葉を紡ぐ。

 

「丹羽五郎左衛門尉長秀。通称麦穂と申します。」

「柴田権六勝家。通称は壬月。」

 

その言葉に俺は声がでそうになるのを堪える。いや大物すぎるだろ。

織田家の老中じゃねーか。俺は少しばかり目を細める。

久遠の声が聞こえるとともに兵が来た方向へ退却している。

 

「おい。サル。」

「は、はい!!」

「こやつを城まで案内してやれ。」

「は、はい!!」

 

あ~ってことはひよが豊臣秀吉か。織田でサルって結構有名だしな。

……まぁ。ちょっとだけ通せるんなら、やりたい放題しますか。

知り合いもいないし、せっかく自分の人生だ。

自分の武を試すにはうってつけだろう。

とりあえず褒美をもらうところからかな。少しだけ楽しみにしている俺がいた。

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