「出ました!IS反応です!」
「織斑教師に連絡を!至急確保するように!」
武「あははは…」
ここは、ある学校の体育館。ここに第二世代のIS【打鉄】が鎮座している。それに触れて、IS反応を出してしまった僕
その事情は前日に遡る…
突然だが、神山武は転生者だ。そもそも武の世界には、ISなどなく彼は普通の高校生だった。
当日16歳だった武は、道端で大きな荷物を背負っているおばあちゃんを見かけた。どうやら、横断歩道を渡って行くところだった。
武「おばあちゃん、大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だよ。ありがとうね」
武「よかったら、その荷物持ってあげますよ」
「いや、それは悪いよ…」
武「平気ですよ。これでも、部活で鍛えているので」
そう言って、親切心からおばあちゃんの荷物を受け取り、歩行者信号が青色になって、渡り始めた。
その時だった。右側から大型トラックが信号無視をして、武めがけて突進して来たのだ。
「あ、危ないー!」
武「え?」
ドシーン
荷物を持っていた武に、運転手は存在に気付くことなく武は荷物ごと跳ね飛ばされた。
即死レベルの衝撃を受けた武は、宙を舞い上がり勢い良く地面に激突した。
慌てて駆け寄って来るトラック運転手。オロオロとするおばあちゃん。周りの大人達。
薄れゆく意識の中で武は願った。
“どうか荷物が無事でありますように”と…
それから、しばらくして武は目が覚めた。周りは真っ暗な空間だった。上下左右がわからない空間。武は一抹の不安を抱えていた。
武「えっと…ここはどこだ」
『ようこそ神山武さん』
武「え?」
そこに居たのは、金髪碧眼の美少女。薄水色のドレス姿の人物がいた。
武「えっと…どちら様ですか?」
『私は、あの世とこの世を繋ぐ世界にいる女神です』
武「はぁ、ご丁寧にありがとうございます」
『突然の出来事で申し訳ございません。神山武さん、貴方は今危険な状態にいます』
武「え…そうだ!あのおばあちゃんの荷物は大丈夫でしたか!?」
『…ご自身の身体よりも相手の事を気遣う気持ち。とても、感服致しましたわ。ご安心ください。武さんが身をもって、持っていたのでお荷物は大丈夫でした』
武「よ、良かった~」
武は自身の事故よりも、おばあちゃんの荷物の方が気になっていたのだ。それを見ていた女神はある提案をして来たのだ。
『神山武さん。貴方の敬意を表して別世界へ転生して差し上げましょう。その際の特典いわゆるチートというのも、制限は設けないこととします』
武「えっと…」
『どうしましたか?何か問題でもありますか?』
武「その…とっても嬉しい提案なのですが…僕はそんなことで、おばあちゃんを助けた訳じゃないので、特典は別に要らないです」
『…』
武の提案にポカンとしてしまう女神。生死を彷徨ってなお、この状態である。あまりのおかしさに女神は笑ってしまうのであった。
武「あ、あの~女神様?」
『アハハハ!そうですか…流石武さんですね。わかりました!特典はなしとします』
武「良かったです」
『ですが、それですと私も女神の端くれ。他の神々に笑われてしまいますので、武さんが転生後に特典を与えます。それまでは、転生先にて人生を謳歌していてくださいね』
武「まぁ、女神様がそう言うのであれば…」
武は渋々と行った状況で納得した。そう思っていると、一筋の光が現れた。どうやら、転生先が決まったらしい。
『それでは、転生先でも武さんに幸があらんことを…』
武「行ってきます。女神様」
そう言って武は光の方へと歩き出した。
光が晴れると武は、ある高校の前にいた。皆高校の中へと入っていく。武も恐る恐る中に入って行った。
「おはよう~!神山くん」
「おっす!神山」
武「お、おはよう…」
武に声を掛けてきた人を武自身は知らない。それもそのはず、ここは武が生前通っていた高校とは、別の高校なのだ。
しかし、武はこの高校の制服を来ているので、恐る恐る入って行った。そんなこともあり武は下駄箱を見ながら自身のクラスへと向かった。
中では、クラスメイト達が談笑していた。
「あ~昨日のガチャマジくそだったわ」
「わかる。俺も同じだったもん」
「ねぇねぇ、駅前に美味しいカフェが出来たんだって!今度行こうよ!」
「え~アンタ金欠だから行かないって言ってなかった?」
彼らにとっては、何気ない日常だが武は初めてだらけである。そんな中担任が入って来た。どうやら、連絡事項があるらしい。
「え~政府より、以前からの連絡があった件が本校で行われることとなった。それじゃあ、全員体育館に向かうように」
そう言って担任は出て行った。それを聞いていた生徒達、主に男子生徒達は大喜びしていた。
「よっしゃー!遂に俺の時代が来たぜ!」
「ちょっと、うるさいよ男子!」
「そうよ、そうよ」
武はどうして男子生徒が、そんなに興奮しているのかわかりかねていた。そんな中武は、クラスメイト達と一緒に体育館に行っていた。そこに鎮座していたのは…
武「噓だ…どうして、【打鉄】がここにあるんだ…」
そう、第二世代IS【打鉄】が鎮座していたのだ。実は武、IS事態はライトノベル知識しかなかった。
そのため本物のISを見るのは初めてなのだ。そんな事を思っていると、ビジネススーツを着た女の人が現れた。
「え~それではこのIS【打鉄】に触れてみてください」
そう言って、女の人は去って行った。とりあえず男子生徒達は【打鉄】の前に立って、手を触れて行く。
しかし、ISが反応するはずがなく、1人、また1人と去っていく。そして、武の番となった。
武「えっと…これに触れればいいんですよね」
「ええ、お願いしますね」
武は意を決して、【打鉄】に触れた。その瞬間、武の頭の中に凄まじい量の情報が流れ込んでくる。
思わず武は手を離したが、時すでに遅し。そこに居たのは【打鉄】を纏って、空中浮遊している武の姿あった。
「出ました!IS反応です!」
「織斑教師に連絡を!至急確保するように!」
「
武「あははは…え?」
その後、武は政府の人達によって校長室に隔離された。そんな中武は、必死に考えていた。ここから脱出する算段?どうすれば研究施設行きを免れるか?そんな事ではない。
その時校長室のドアが開き入ってきた人物を見て、武は驚いた。
?「初めまして。私は織斑千冬だ。IS学園で教師をしている」
武「えっと…神山武といいます」
織斑千冬。第一回「モンド・グロッソ」の総合部門及び格闘部門の優勝者であり、戦乙女
そんな人物が武に何の用かと思いつつ千冬は事の重大さを話し始めた。
千冬「先ずは、こんな事になってしまってすまなかった」
そう言って千冬は頭を下げてきた。これを良しとしない、武はやめる様に言い始めた。
武「あ、頭をあげて下さい!僕は気にしていませんから大丈夫です…」
千冬「本当か?」
武「ええ、だから頭をあげてください」
千冬「まぁ、神山がそう言うのであれば…」
武「はい。そう言えば、先ほどIS学園って言いましたけど…」
千冬「ああ、そうだ。神山には悪いが、これからIS学園へ入学してもらう。これは、日本政府及び国際IS委員会からの決定事項だ」
IS学園。アラスカ条約に基づいて日本に設置された、IS操縦者育成用の特殊国立高等学校。
学園の土地はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されないという国際規約がある。
そのIS学園へ入学となったのだ。
千冬「IS学園へ入学すれば、3年間の身の安全と、卒業後はIS機関への就職も約束しよう。それに、もし神山に身の危険が迫れば我々教師陣が
全力の部分が強調されたが、武はこの条件を飲まずにいられなかった。ここで拒否すれば、どこかの研究施設に行き、実験動物され最終的に…
ゾッとする展開を振り払い、武はIS学園へ入学を決めたのだ。
武「…わかりました。IS学園へ入学します」
千冬「ありがとう。こちらこそよろしく頼む」
そう言って、千冬は右手を差し出して握手を求めて来た。武はその手を握り返したのだ。
千冬「では、明日にでもISの教材を届けさせよう」
武「はい。よろしくお願いします」
そう言って、千冬は校長室から出ていった。数歩だけ歩いて、千冬は握り返された手のひらを見つめていた。
千冬「意外と逞しかったなぁ…神山の手///」
何度も、何度もにぎにぎしながら時折頬を赤らめていた。
千冬「神山…多分
次の日。武のもとにIS学園の教材一式とISの法律・法令集。国際IS法etc…
とにかく、武はIS学園へ入学するまでの一週間で覚えてなければならない。六法全書並みの厚さある
武「あ!そう言えば、織斑さんに弟がいる事を聞き忘れた…まぁいいや。あの後大変だったし…」
あの後とは、千冬が校長室から出て行った後である。
勉強道具を取りに教室へと向かうと、男子生徒達からは、羨望と嫉妬の視線が。女子生徒達からは憧れのブリュンヒルデとどんな事を話したのか、生のブリュンヒルデはどうだったかなどを根掘り葉掘り聞かされた。
そして、本日付でIS学園へ転校されることをクラスメイト達に言い渡され、連絡先を交換する間もなく武は、黒色のリムジンへと案内され、都内某所のホテルへと連れて行かれた。
そこからは軽度の軟禁生活が始まった。ホテルからの外出は一切禁止。その代わりにルームサービスは呼び放題。ルームサービスを中に入れる際は、スマホの持ち込み禁止に加えて、外に待機していた屈強なガードマンが護衛として入って来る。
そんな中武はISの知識をスポンジの如く吸収し、覚えて行った。
そして、IS勉強の間にやっていた事があった。それは…
「失礼します神山様。例の物を持ってきました」
武「ありがとうございます。それじゃあ…始めましょうか!…清掃を!」
「はい!」
女性スタッフと一緒に、雑巾とコロコロ。そして、清掃道具一式を持って、部屋を掃除し始めた。
「神山様と掃除していると、色々な知識が身に付いて助かります」
武「いや、実家にいた時にやっていたので…」
そう言って、掃除を続けて1時間。部屋をピカピカになった。これには、女性スタッフも大喜びだった。
「ありがとうございました!今回の方法をスタッフ一同で共有して、最高のお部屋環境を整えてまいります」
武「ありがとうございます。そう言って、いただけると幸いです」
そう言って、女性スタッフはルンルン気分で部屋を後にした。そして、入れ替わる形で屈強なガードマンが入って来て、IS学園へと向かうのであった。
「お時間になりました。こちらです」
武「ありがとうございます。これからもよろしくお願いしますね」
『は!』
ホテルを出ると、黒色のリムジンが待っていた。それに乗り込み、IS学園へ向かうモノレール駅へと向かう。ガードマン達とは駅で別れた。
そして、モノレールへ乗り込むと乗客全員が女性だった。ISは女性しか扱えないので当然のことであるが、慣れない環境で武は素数を数えてやり過ごすしかなかった。
やがて、海上にポツンと浮かんでいる人工島が見えてきた。IS学園へ着くと、校門前に1人佇んでいる人がいた。
千冬「来たか。待ちくたびれていたぞ」
武「お久しぶりです織斑さん。これからよろしくお願いします」
千冬「うむ、それとここでは織斑先生で頼む。私は教師をしているのでな」
武「わかりました。織斑先生」
千冬「それじゃあ、付いて来てくれ。移動しながら今後の予定を話しておく」
武「はい!」
そう言って、1年1組のプレートが見える教室へと向かうのであった。