もしも、外道神父になる前の言峰綺礼が殺せんせーを召喚したら....?的な妄想のフルコースなので、そこら辺のことはご了承ください。
暗殺教室は良いぞ!!殺せんせーは良いぞ!!
言峰綺礼という男は、ワケあって聖堂教会に属している聖職者である。
そのためか、当たり前だが教会にその身を捧げる者として信心深いところはあったものの、人として当たり前の感覚を持たないことに疑問を抱き、そして悩んでいた。
その悩みはもうすぐ始まるであろう魔術師同士の戦いこと、聖杯戦争に参加するために使い魔である英霊を....サーヴァントを召喚する際でも変わらなかった。
本来、聖堂教会の関係者である彼は聖杯戦争の参加者としてカウントされることはなかった。
しかし、そんな彼の手の甲にサーヴァントのマスターとしての資格である令呪が現れたがために、言峰綺礼は冬木の地にて行われる四回目の聖杯戦争に参加することになったのである。
そして、いざ彼は師匠である遠坂時臣や父親である言峰璃正に見守られる形にて、サーヴァントの召喚に必要な聖遺物とセットした上で、詠唱を唱えたのだが......その英霊の座では、少しだけイレギュラーな出来事が起きていた。
そのイレギュラーな出来事というのは、並行世界から魂が迷い込んだ末に、英霊の座に登録されるという前代未聞のことだったのだが.....更に言えば、その魂はどういうわけか英霊として召喚されたようで
「....は?」
「ニュヤ?」
今現在の言峰綺礼の目の前には、教職者らしき格好をした黄色のタコ型生物が居たため、彼は分かりやすく戸惑っていた。
それは黄色のタコ型生物も同じだったようで、その顔には何とも言えない表情を浮かべていた。
自身はアサシンクラスのサーヴァントであるハサンを召喚したはずなのに、目の前には黄色のタコが居る。
現実とは思えない状況に対し、言峰綺礼は困惑していたのだが....それは遠坂時臣も同じだったのか
「これは一体....どういうことなのだ?」
呆然とした顔でそう声を漏らしていた。
それを見た黄色のタコ型生物は、自身を召喚したであろう言峰綺礼の様子を見たからか、何となく状況を把握した様子になった後、ニヤッと笑うと......彼に向けてこう言った。
「ニュルフフフ、まさか私が怪物ではなく英雄として召喚されるとは思いませんでしたよ」
黄色のタコ型生物はそう言った瞬間、言峰綺礼は戦いの術を学んだ者として何かを感じ取ったようで、即座に目の前に居る生物が本物のアサシンクラスのサーヴァントだと察したのか、少しだけ警戒するような様子になっていた。
何だったら、黄色のタコ型生物が突然攻撃してきたとしても対応できるように、いつでも攻撃できるような構えを取っていたとか。
だがしかし、黄色のタコ型生物そのことを見通していたのか.....目の前からいきなり消えたかと思えば、マスターである言峰綺礼に対して一気に近づいて来たかと思えば、その口に熱々のタコ焼きを放りこんだのだった。
「っ!?」
「栄養不足は万病の素です!!ですので....モータニアから直接捕まえた栄養満点のタコを使ったタコ焼きをどうぞ☆」
世話焼きなは母親のようにそう言いつつ、タコ焼きを差し出す黄色のタコ型生物。
この一瞬の出来事を見た遠坂時臣、そして言峰璃正は何が起こったのかを理解できていなかったのか、素直に状況を受け入れられずにいた。
それは言峰綺礼も同じだったのか、自身に対してタコ焼きを差し出そうとする自らのサーヴァントに対し、ワケが分からないとばかりにこう言った。
「貴様は....何者だ?」
「ニュッ?私ですか?」
「......お前以外に誰が居る」
言峰綺礼がそう言うと、そりゃそうだという反応になる黄色のタコ型生物。
しかし、それでもなお黄色のタコ型生物は落ち着いた様子を見せていたため、言峰綺礼が不気味に思っていたのは言うまでもない。
その落ち着いた様子の黄色のタコ型生物はというと.......彼が何かをするのかと察したようで、それを待つかのようにタコ焼きを食べていた。
なお、それを見た遠坂時臣と言峰璃正は思わずこう思った。
見た目が完全にタコっぽいのに、タコ焼きは食べるのか....と。
「私は貴方が召喚したサーヴァント、アサシンです。どうぞ触手共々仲良くしてくれると嬉し」
「アサシンだと!?」
「話聞いてました?」
明らかに人外な見た目をしている黄色のタコ型生物....アサシンに対し、驚くかのように声を上げる言峰綺礼。
アサシンの発した言葉は、どこからどう見てもタコにしか見えない生物が自身のサーヴァントであり、聖杯戦争での勝利が絶望的という事実を突きつけられていたため、彼がそうなるの無理はなかった。
しかし、当の言峰綺礼自身は自分がそんな反応を取るとは思ってもいなかったようで、少しだけ戸惑っていた。
その様子の言峰綺礼を見たアサシンはおや?と思ったのか、思わず首を傾げていた。
そんな彼とアサシンを尻目に、我に帰った遠坂時臣はコホンと咳払いをすると一言
「ま、まぁ......何はともあれ、これで君は晴れて聖杯戦争の参加者となった。これで我々は一歩前進したと言えるだろう」
と言ったため、言峰綺礼は師匠である彼の方を向くとコクリと頷いていた。
もうこうなったら、最悪の場合は補助役として務めるしかない。
そう思っている言峰綺礼を尻目に、その会話を聞いたアサシンは前職の仕事病なのか、すぐさま言峰綺礼と遠坂時臣の関係性を理解したようで、突然何本かの触手でマスターである言峰綺礼を拘束していた。
「なっ!?これは........!?」
「ご安心を。人間が耐えられる速度には下げますので」
「人間が耐えられる速度!?」
明らかに物騒な言葉を聞いたからか、何をするつもりなのかと身構える言峰綺礼。
そして、彼に向けてアサシンは大胆不敵な笑みを浮かべると、今度は遠坂時臣と言峰璃正の方を向くとこう言った。
「それでは....さいなら〜!!」
二人が状況を飲み込む前に、天井を突き破る形でその場から逃亡するアサシンと言峰綺礼。
彼はこの出来事を予想していなかったのか、それとも空を物凄いスピードで飛行するアサシンに呆然としていたのか、冬木の空にて風圧を浴びつつ半ば巻き込まれる形で移動していた。
それなら数秒も経たないうちに山へと移動したアサシンは、自らの衣服の中に避難させていた言峰綺礼を下ろしていた。
「ヌルフフフ、どうでしたか?生まれて初めての空の旅は?」
「......」
アサシンの言葉に対し、彼はしばらく黙っていたのだが.....自らのサーヴァントの恐ろしさの片鱗を見たからか、その顔を見つつこう尋ねていた。
「貴様は......一体何なのだ?」
それを聞いたアサシンはニヤッと笑うと、触手をクネクネと動かしながら再び自らのことを紹介するようにこう名乗った。
「そうですね......とりあえず、私のことは殺せんせーと呼んでください」
言峰綺礼、殺せんせーを召喚するの巻。
殺せんせーって、マジのガチで良い先生だからきっと本作の言峰綺礼にも強い影響を与えるんだろうな....的なことを思いながら書きました。
なので、基本的には本作では言峰綺礼を救済する方向性で書きます。