怪物だって無目を見たい~化け物だって英雄に~   作:森下 竜胆

9 / 9
楽しめ 戦闘訓練その4

《芦戸 三奈》

 

「だめこっちも壊されてる」

「オイオイ準備時間五分であいつら床を壊したのかよ」

 

たった5分間でヴィランチームは真正面のルート以外をつぶしてきた

これで私たちはあの罠が仕掛けられている道を行くしかない

 

「切島作戦考えよっか」

「お、おう」

「相手の個性の確認からしよっか」

「待来がオールマイトから聞いた強化形、峯田は多分髪から粘着性のボールをつくる個性だろうな」

「そして多分これをしたのは待来のほう」

「そんで残っているのは罠が仕掛けられている道のみ」

「ここは正面突破だね」

 


 

「待来また来たみたいだぜ」

「ん」

 

私たちは部屋の正面の道に立つ

 

「いくよ切島

準備はいい?」

「いつでもいいぜ」

 

作戦通り私が戦闘で酸を溶かし切島がその後ろに続く

 

「いけるよ切島」

「おうよ」

 

飛びこせるくらいになったら前後をチェンジして切島が突っ込む

ここまでは作戦通り

 

「おらぁ」

 

切島が待来に向かって殴っていく

切島の拳を待来が両手で防ぐ

 

「・・・」

 

ガキィィィィン

 

鉄同士がぶつかり合うような音がして両者がぶつかり合った

 

「俺が待来をとどめる、芦戸は核を」

「おう、任せろ~」

「いかせる分けねぇだろうが」

 

峰田が核との間に立ち頭のボールを投げてくる

 

超やっかい

 

「オイラが投げるのとお前が溶かすのどっちが早いかな」

 

ヤバ、一個靴に当たった

・・・仕方ないここは靴を脱ぐしかない

 

私は素早くブーツを脱いだ

 

「ち、あと少しだったのに」

 

峰田のボールはは溶かすのに少し時間がかかるし

それにこのちっさい部屋じゃ避けにくい

 

「いてぇ」

 

私が四苦八苦していると後ろから声がしてくる

 

「切島」

 

振り返ると地雷が切島の足を持ち切島を持ち上げていた

 

「おいやめろ放せおい」

 

待来はそれを聞く気がないのか持ち上げながら

核の方へ進んで行く

切島も自由になろうと待来を殴っていく

しかし

 

ガンガンガキン

 

鉄がはじける音を出しながらもむなしく待来は一切顔色を変えていなかった

 

「くっそ、こいつ俺の攻撃ぜんぜん気かねぇ」

 

待来は核を通りすぎ窓の方にずんずんと歩を進めていった

進んでいる間も切島は床や柱に手をかけ抵抗していたが待来の進みは一歩も変わらなかった

 

「・・・まさか!?」

「おいマジかよ」

「まさかそこまではしないよな」

 

待来は腕と切島を窓から出した

 

これは動くと切島の命はないってこと!?

何て悪質なの

これは聞くしかないか

 

「分かった私達の

 

負けと言おうとしたら

 

「ん」

 

待来はそのまま手を放し切島は宙を落ちていった

 

「うぁぁぁぁー」

 

切島の声が窓の外から聞こえる

 

《/big》ガァァァァァン《/big》

 

「・・・は!!

切島!!」

 

やばい一瞬あっけにとられたそれより切島は

 

「おい待来大丈夫なのかよ」

「血 見えない」

 

待来がのぞき込んで返してくる

 

「血が見えないからって大丈夫なわけないでしょ」

「この高さから落とされると切島死んじゃうじゃん」

「死なない」

「何でそう言えるの」

「個性 してた」

「個性・・・!!」

 

個性使ってたってことは『硬化』が間に合ったんだ

 

「ぶどう」

「だからおいらはぶどうじゃねぇって」

 

ブニュ

 

「やば」

 

切島のことで峰田に気を遣う暇がなかった

 

「待来があいつのことは何とかするって策戦立てた時はどうするんだって思ったが

まさか俺も窓から落とすと思ってなかったら心配しちまったぜ

ま、先生からもやめの合図がないってことは大丈夫なんだろうけど

今だ待来やっちまえー」

 

窓から切島を落とし終えた待来がゆっくりと近づいてくる

 

やばい早く足についたボールを溶かさないと

 

「よし、溶けた」

 

そして待来が手の届く範囲にやってきていた

 

「ケガ させない」

 

ただゆっくりと手を伸ばしているだけなのに

 

中学の頃のあれがよみがえる

 

巨大で、原あに響くような強く低い声、私にとってとっても恐ろしい思い出

 

なぜかあのフードと待来が重なって見える

 

いや、辞めてこないで

 

あの時と違うはずなのに

 

来ないで来ないで来ないで

 

どうして

 

来るな来るな来るな

 

 

「くるなーー」

 

無意識だった

恐怖で制御できなかった

私はやっていけないことをした

 

酸強度最大での酸の放出

 

その酸は耐性のあるはずの私自身の手が焼けるほど

足の遅い待来は当然よけることができず

正面から酸がぶっかかった

 

 

 

やってしまった

 

 

 

私は人を殺してしまった

 

 

 

私の目の前にいる待来からはブシュブシュと酸の音が聞こえてくる

私でも痛みを感じるほどの酸をぶつけてしまった

考えるまでもなくこんなもの当ててしまっては人は死ぬ

私はヒーローになる前に人を殺してしまったのだ

 

私が現実を理解し絶望していた

 

 

「なにこれ」

 

 

・・・あり得るはずのない声が聞こえた

 

目の前のものは何もなかったかのように右手を動かし顔をぬぐった

拭った後の顔は予想して人の骨と肉が見えるようなものではなく

酸がかかる前と何も変わっていなかった

 

良かった私は制御のミスはしてなかったんだ

 

「汚い」

 

しかし待来が振るった右手の酸が容赦なく現実を突きつける

飛び散る酸は地面に触れるとブシュブシュと音を立て床を貫通していた

 

私が呆けているうちに待来から手が伸びてくる

私はぺたんと座りながら迫って来る手を見ていた

 

「捕まえた」

 

私の首に待来の手がかかる

 

グイッ

 

私の体が地面に押し付けられる

 

「殺さないように ゆっくりと」

 

首に万力かの力がゆっくりとゆっくりとかかる

だんだん息が吸えなくなってくる

私は当たり目の抵抗として待来の腕を首から放そうともがく

 

くるしい

 

私の腕から徐々に感覚がなくなって来る

それでも首には力は収まるどころかさらに力がかかる

 

あたまがはたらかない

もうだめ

 

めがあった

 

ガラッ

 

わたしはじゅりょくにひかれていった




ただそこにいるだけなのにトラウマを思い出しちゃうって
この子心弱すぎでしょそんなんでほんとにヒーローになれるのかな~
圧倒的に勝った彼だけど何かまだ続きがあるみたい
彼はこの試合圧勝できるなかね~

次回「楽しめ 戦闘訓練その5」
更に向こうへ プルスウルトラ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
点
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。