MCU版スパイダーマンを見て、
2026年の新作キャッチコピー「世界が僕を忘れても。」
を見て。

もし、大親友を自称しているDeadpoolがスパイダーマンを覚えていたら?

という思いつきネタをGeminiに相談しながら、ショートショートな作品にしてみました。
この手の二次創作小説を投稿するのは初めてなので。
拙いところがあるのは、ご容赦下さい。



1 / 1
第1話

冒頭:ままならない「隣人」

「くそっ、あと数ミリ……!」

 

夜のニューヨーク、高層ビルの狭間。ピーター・パーカーは必死に手を伸ばしたが、放った蜘蛛の糸は風に流され、標的のヴィランの足首をかすめただけに終わった。

 

ピーター自身の筋力や反射神経は、素の状態でもアベンジャーズ屈指の超人的なものだ。しかし、ミシンで縫い合わせた自作の布製スーツは、かつてトニー・スタークからもらったハイテクスーツのように、その強大すぎるパワーを100%制御してはくれない。

 

(トニーのスーツなら、AIが風速を計算してウェブの軌道をミリ単位で補正してくれたし、超高速の跳躍からコンクリートに激突しても、衝撃吸収システムが全部逃がしてくれたのに……!)

 

頭の中で完璧な戦術のイメージは浮かんでいる。しかし、それを実行するためのコンバット・ナビもなければ、着地時に生じる凄まじいG(重力加速度)から身体を保護する外骨格システムもない。

生身の肉体で強引に着地した衝撃がダイレクトにピーターを襲い、その拍子にウェブシューターのノズルが歪んで火花を散らした。

 

「はは……これじゃ『親愛なる隣人』どころか、ただの厄介な居候だな……」

 

誰も自分を覚えていない孤独の中、脳内の完璧な戦術に技術(ガジェット)が追いつかないもどかしさと、思うように街の人々を助けられない無力感。

疲れ切ったピーターは、ボロアパートの屋上に這い上がり、冷たいコンクリートの上に体を横たえた。冬の夜気が、破れた布スーツの隙間から容赦なく肌を刺す。

 

その時、空気を読まない大音量でスマホが鳴り響いた。

 

『Wade Wilson(自称大親友)』

 

「よぉー!オレちゃん、ちょっとスパイディーに相談があるんだけどさぁ〜!」

スピーカーから飛び出してきたのは、鼓膜が震えるほどの超ハイテンションな声だった。

「今日さ、チミチャンガ屋の店員が『お得意様ですね!』って言ってくれたんだけど、これ脈あり? それともただの客商売? どう思う?」

 

「……ウェイド?」ピーターの思考が完全にフリーズする。

 

「そう!オレちゃん! 忘れてねえよな? 『世界が僕を忘れても』ってやつ!」

 

ピーターは跳ねるように立ち上がった。「なんで僕を覚えてるんだよ!? どうやってこの番号知ってるし!」

 

「オレちゃんが、大親友のスパイディーを忘れるワケがないだろう?! 例え世界が滅んだって、忘れやしないさ! 第四の壁? 回復因子? それとも俺がちょっと前まで別の世界線にチミチャンガ食べに行ってたから? まあ細かいことはいいじゃん!」

 

「ゴメン!急用ができたから電話切る!」

恐怖すら覚えて通話終了ボタンを連打したピーターは、冷や汗を流しながら独りごちた。

「ヤバい……ドクター・ストレンジに確認しないと。またマルチバースのヴィラン連中が来るかも……!」

 

 

冒頭シーン2:乱入?

 

ピーターは息を切らせてサンクタム・サントラムへ向かったが、不運にもストレンジは留守だった。重い鉄の扉の前でがっくりと肩を落とす。その背後で、緊迫感を台無しにする「ポンッ」という軽い電子音が響いた。

 

「よおー!親愛なる隣人! ってか、世界中が『スパイダー・フー?』状態なのマジ?!」

 

振り返ると、そこには両手にピザの箱とチミチャンガの袋を抱えた赤と黒のヒーローが立っていた。

 

「……ウェイド!? どうやってここ……いや、なんで忘れてないんだよ!?」

 

ウェイドはピーターの肩にぐいっと腕を回し、マスク越しでも分かる満面の笑みを浮かべた。

「ヒーリング・ファクターって便利だな〜。あ、チミチャンガ奢るから愚痴とか全部聞けよ! さあ今日から俺が君の相棒だ! デッドプール&スパイダーマン、略してスパイディプール復活祭り!!」

 

 

メイン前:二人の日常?親友改善計画

 

そこからの数日間は、ピーターにとって別の意味での地獄だった。

ウェイドの「スパイディーの人生を豊かにしてやるぜ!」という暴走は、文字通りの破壊工作へと変わる。

 

「家賃が安くて狭いアパート? 任せろ!」とウェイドがどこからか搬入してきた最高級のイタリア製大理石デスクは、配置した瞬間に「ミシッ、バリバリ!」と床を突き破って下の階へ落下した。

大学の講義にまで「ピーターの保護者でーす!」と赤マスク姿で乱入し、教授に手榴弾の安全ピンをプレゼントしようとして大パニックを引き起こす始末。

ピーターの精神はガリガリと削られていた。

 

しかし、そんな大失敗の連続の中で、一度だけ「それ」は起きた。

 

 

 

メイン:親友改善計画の「成功」と、隠蔽が生んだ「大惨事」

 

いつもの夜のパトロール中、自作スーツでの動きに耐え切れなくなったウェブシューターが、完全に限界を迎えた瞬間、事態は変わった。

 

ハイテク武器で武装したちんけなヴィラン集団に囲まれ、残弾ゼロになった絶体絶命のスパイダーマン。そこへウェイドがテレポートで現れた。

 

「任せろ! オレが調達してきたぜ!」

 

手元に小型のデバイスを力任せに押し込まれ、ピーターが第六感でそれを手首に装着すると、青いホログラムがパッと光った。

 

『ピーター・パーカー、認証完了。あなたは唯一の正規ユーザーです。スターク・グローバル・セキュリティ・ネットワークへのフルアクセスを許可します。武器システムは現在制限中です。解除しますか?』

 

聞き覚えのある、落ち着いた静かな声――E.D.I.T.H.(イーディス)だ。かつてのトラウマがよぎったピーターは、息を呑みながら叫んだ。

 

「E.D.I.T.H.、セキュリティレベルを確認。デッドプール……ウェイド・ウィルソンのアクセス権限はどうなってる!?」

 

『ウェイド・ウィルソンは外部協力者として仮登録されています。データ取得・ファブリケーター使用権限のみ付与。武器・衛星システムはロックされています。……彼、かなり強引な方法でアクセスルートを確保していましたね』

 

後ろでウェイドがニヤニヤしながら親指を立てる。「褒め言葉だろ? 複数の世界線跨いで正規書類(っぽいもの)集めてきたんだぜ!」

 

武器システムはロックされ、自分の戦闘サポートとファブリケーター(製造機)だけが動く状態。ウェイドがピーターに危険を及ぼさないよう、裏で必死に調整したのだと理解したピーターは、即座に思考を切り替えた。

ファブリケーターにより高精度なウェブカートリッジが瞬時に生成され、シューターに自動補充される。完璧な戦術支援のおかげで、ピーターは戦況を瞬時に逆転させ、ヴィランたちを制圧した。

 

冒頭のあのみじめな失敗が嘘のようだ。トニーが死んで以来、久しぶりに「ちゃんと役に立った」という確かな実感が、ピーターの胸を心地よく満たした。

 

(ピーターの胸に、ほんの少しだけウェイドを許容する雰囲気が流れる。……が、悲劇はその直後に起きた)

 

「よーし、この調子でもっとスパイディーを輝かせてやるぜ!」

テンションの上がったウェイドがファブリケーターの基盤をいじくり回した瞬間、「パチパチ!」と不穏な紫色の火花が散った。エネルギーの過負荷――明らかにちょっとした設定ミスだ。

 

(やべっ、これピーターにバレたらまた怒られる! つーか、裏で進めてる『パーカー社設立計画』のデータが入ったメインフレームまでぶっ壊れるぞ!?)

焦ったウェイドは、ピーターにバレないよう、そのミスを隠蔽しようと思いつく。

「ちょっとオレちゃん、あっちの電柱の陰で野良猫と交渉してくるわ!」

 

ウェイドはファブリケーターの暴走エネルギーを「見えない別の場所へ一気に逃がす」という、あまりにも短絡的な隠蔽工作を勝手に実行した。近くの地上変電施設に、デバイスの全負荷を無理やり流し込んだのだ。

 

――ドガアアアアアン!!

 

凄まじい爆発音と共に、ニューヨークの数ブロックが完全に暗闇に包まれた。

大規模停電。それだけにとどまらず、過電流を流された変電施設は火柱を上げ、今にも大爆発を起こしそうな限界状態に陥る。周囲のビルはパニックに陥り、悲鳴が響き渡った。

 

「うわっ! ヤベェ! これバレたらマジで絶交される! とりあえず隠せ隠せ!」

煤まみれで右往左往するウェイドの元へ、スパイダーマンが飛び込んでくる。目撃した大惨事の光景に、ピーターは呆然と立ち尽くした。

 

「ウェイド……お前、何やってんだよ……!?」

 

「ごめんって! 違うんだ、ちょっとしたお茶目な不手際で……!」と言い訳するウェイドを押し退け、ピーターの頭脳がフル回転する。

「E.D.I.T.H.、Lights-out防止シーケンス! ファブリケーターで耐電ウェブの組成を開始して!」

 

ここから、スパイダーマンの大活躍が始まった。

迫り来る二次爆発を未然に防ぐため、決死の覚悟で変電所の中心部へ飛び込み、導線をウェブで絶縁。

暗闇と火災に包まれたビルからは、超人的なスピードで蜘蛛の糸の救護ネットを張り巡らせ、逃げ遅れた市民たちを迅速に地上へと避難誘導していく。

ファブリケーターで即座に生成した消火カプセルをウェブで叩きつけ、燃え盛る火災を次々と消し止めていった。

 

それはピーター本来の超怪力と、E.D.I.T.H.の戦術サポートが噛み合った、非の打ち所がない完璧なレスキューだった。

 

夜空にスパイダーマンのシルエットが浮かび上がる。集まった市民や、駆けつけた警察官たちから、地鳴りのような歓声と拍手が沸き起こった。

「スパイダーマン、凄い!」「やっぱりあいつは本物だ! 俺たちのヒーローだ!」

 

しかし――歓声の中心に立つピーターは、マスクの下で、酷く歪んだ複雑な表情を浮かべていた。

 

(みんなが、僕を褒めてくれる。僕を思い出してくれたみたいに、讃えてくれる。……でも、これってウェイドが起こした惨事を、僕が解決しただけじゃないか。ただのマッチポンプだ。結局、僕はあいつのめちゃくちゃな暴走に利用されて、お膳立てされた舞台で踊らされてるだけなんじゃないのか……?)

 

胸を痛烈に刺すのは、かつてミステリオが仕掛けた「自作自演のヒーローショー」の忌まわしい記憶だった。自分がそれと同じことをしているような嫌悪感が、ピーターの心を冷たく支配していく。

 

 

戦闘後、静まり返ったビルの屋上で、二人は沈黙の中で向かい合っていた。

ピーターの肩は激しく上下し、疲れと、上手く処理しきれない怒りで声が震えていた。

 

「ウェイド……お前、さっきの停電と爆発、絶対お前がやっただろ? 隠そうとして、余計に悪くしたんだろ!?」

「いや、その、オレちゃんはただ……」珍しく、ウェイドが大きな体を縮こまらせる。

 

「僕のため、って言ってるけどさ……!」ピーターは声を荒げた。「結局、僕を英雄扱いさせて、注目を集めようとしただけじゃないのかよ! あんな危険な目にみんなを遭わせて……そんなの、ベックのやってることと同じだ!」

 

「違うんだって……!」ウェイドはマスクのアイパーツを悲しげに落とした。「お前が……世界中のみんなに忘れられて、すげえ寂しそうだったから……ちょっと目立たせて、またみんなに愛されるきっかけを作ってあげようと……。失敗しちゃったけどさ……」

 

本気で自分を心配して空回りしたのだと、その不器用な優しさが伝わってくるからこそ、ピーターはそれ以上強く叱ることができなかった。怒りは行き場を失い、深い深い溜息へと変わる。

 

「もう……いいよ。もう帰れよ、ウェイド」

ピーターは力なく首を振った。「本当に……今回は色々助かった。そのデバイスも、ありがたかったよ。でも、もうこれ以上、僕に関わらないでくれ」

 

ウェイドはしばらく黙っていたが、やがてしょんぼりとした声で呟いた。

「悪かったよ……わかったよ。一度帰っておくわ。……でもオレちゃん、親友のことは本気で心配してたんだぜ?」

「ポンッ」と軽い電子音が響き、赤と黒の背中は夜風の中に消えた。

 

 

エンディング:静かな驚き

数日後。ピーターのボロアパートに、分厚い国際便の封筒が届いた。

中身を引っ張り出したピーターは、言葉を失う。

 

『Parker Innovations LLC(パーカー・イノベーションズ)』の設立書類。

スターク・インダストリーズとの正式なライセンス契約書、桁の違う銀行口座の残高通知、そして――完全版E.D.I.T.H.とファブリケーターの所有権移譲書類。あの大惨事の裏で、ウェイドが必死に隠そうとして守り抜いた「本物のプレゼント」がそこにあった。

 

部屋の隅で、デバイスからE.D.I.T.H.のホログラムが静かに起動する。

『デッドプール氏からの依頼で処理しました。複数の世界線から必要書類を揃え、正規の手続きを完了。ピーター・パーカー氏の学生生活に支障のない範囲で、安定した収入を確保しています』

 

ピーターは書類をめくりながら、ぽつりと呟いた。

「……あいつ、裏でこんなに動いてたのか。バカだけど……今回は本気だったんだな」

窓の外のニューヨークの街並みを見つめ、ピーターの口元に、久しぶりに温かい苦笑が浮かぶ。

 

「ありがとう、ウェイド」

 

 

エンドロール(メタ全開・NG集風)

画面が切り替わり、ポップで軽快なBGMが流れ出す。

黒ベースのエンドロールの背景に、本編ではカットされていた、ウェイドの暴走による被害者たちの怒号とNGシーンが次々と映し出された。

 

教授:「なんてことをするんだあ!!」

大家:「警察呼ぶぞこの野郎!!」

運転手たち:「スパイダーマンじゃねえだろお前は!!」

店主:「またお前かあああ!!」

 

画面の中央では、デッドプールがカメラ目線でニヤニヤしながら手を振っている。

 

ウェイド:「次は俺が主人公のMCU映画を作ろうぜ! タイトルは『デッドプール&スパイダーマン』でR指定全開、予算無制限! さあみんな、俺を推せー!」

 

しかし、背景の被害者たちの怒号がどんどん大きくなり、ウェイドの映像の上に赤い「×」マークが容赦なく連発でスタンプされていく。

 

ウェイド(慌てて):「うわっ! あ! ちょ! 今のシーンは無しだって! 話を付けただろう!? プロデューサー!! カットカット!!」

 

その時、ウェイドの懐からスマホが大音量で鳴り響いた。

 

ウェイド:「ちょ! 今、それどころじゃないんだけど!?」

(不貞腐れながら電話に出る)

ウェイド:「……はい、ウェイドですけど……え? マーベル本社? ケヴィン・ファイギさん? ……はい……主役の話、ダメですか……? 了解です……」

 

ガクッと肩を落とし、完全にしょんぼりするウェイド。彼はカメラに向かって、消え入りそうな小さな声で呟いた。

 

ウェイド:「…………MCU単独主役、却下されました」

 

その瞬間、画面がレトロな丸い形に狭まっていくアイリス・アウトの演出。

中央に取り残されたウェイドの顔が、最後に必死に叫ぶ。

 

ウェイド:「世界が忘れても、オレは親友を忘れない。……ただし、被害届は忘れてくれ!頼む!!」

 

(画面が完全に真っ暗になり、中央に白い文字が浮かび上がる)

 

『世界が忘れても、ちょっとだけ厄介な親友がいてくれた』

 

 

 

ポストクレジット風(音声のみ)

(真っ暗な画面のまま、ピーターの静かな部屋の環境音。そこへ電子音が響く)

 

E.D.I.T.H.:「デッドプール氏から追加メッセージです。

『次は絶対俺が主役だからな!』」

 

ピーター(ため息混じりの、だけど少し嬉しそうな笑い):

「はあ……もう関わるなよ……」

 

 

(完)




自作スーツで活躍しきれないPeter。

世界が忘れても、親友を忘れないデップー。

怒ると叱るの区別と、上手い使い方が出来ない、青年Peter。

ギャグ行動で、全てをぶち壊して前に進めるデップー。

そんな二人が親友?だと知ったので、描いてみました。
まぁ、映画が上映されたら、設定ちがうじゃん!
って、突っ込まれるところだろうけど。
映像が頭に浮かんだんだから、仕方がない。
浮かんだ妄想は、出力するに限る。
徒然草で、私はそう学習した。

追伸:AIで映像化まで出来たら、面白いのだが。
そこまで私にはスキルが無かった。
出来る人、よろ~^^!

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。