今回紹介するのはサブカルバンド…ただしリアルでも活動する、というやつ。
みんな大好きバンドリ。
タイトルと、ガチムチ+フリル+仮面のビジュアルだけで正体を察した方、たぶん同類です。
ガチムチ、ゴシックに堕ちる
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グリグリで盛り上がった次の日、ふと思い出して、声が出た。
「あ……! 一個忘れてた!」
頭の中で、ずっと引っかかっていたものがあった。メディアミックス系の、声優が実際に演奏しているバンド。あれを紹介していない。
配信を開始する。
来た来た
今日は何だ……
画面が映った瞬間、コメント欄が止まった。
ガチムチアニキが、黒のレースとフリル、臙脂色の装飾が施された、耽美でゴシックな衣装を纏っていた。仮面まで着けている。筋肉の上に、繊細なレースと宗教的な意匠がのっている。
は?
ゴシックwwww
ガチムチがゴスってるwwwww
仮面まで着けてるの、もう本気度が違うwww
筋肉とフリル、仮面の組み合わせは、自分で着せていても笑ってしまった。
そんな中、いくつかのコメントが、明らかに様子が違っていた。
仮面?!は? Mujica?!!! マジか
え?! マジでか! そっちもいけるんか!!!!
待って、待って、これは……これは、もしや……?
仮面でこの臙脂色の使い方、これもう確信した
一部のリスナーだけが、衣装の段階で既に何かに気づいて、明らかに様子がおかしくなっていた。他のリスナーが「は?」で止まっているのに対して、こちらは「キター!」の温度になっている。
なんだ、お前らだけ様子が違うな
ガチムチでMujicaやるとか、想定外すぎる
いや普通こんなん予想できんだろwww
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今日も、国じゃないです。Ave Mujicaです。
キター!!!!やっぱりそうだった!!!
ガチムチでAve Mujicaやる発想、誰が予想できるんだwww
アベムジカ……? 国名じゃないんだな
なんか聞いたことあるような
「BanG Dream!」っていうメディアミックス作品に出てくる、5人組のバンドです。作中設定としてはゴシックメタルのバンドで、メンバー全員に仮面とステージネームがあって。
バンドリ!? あれ知ってるぞ
声優がアイドルやってるみたいなやつだよな
そうです。ただ、Ave Mujicaがすごいのは……これ、ちゃんと声優さんたちが本物の楽器を弾いて、リアルにバンド活動をしているんです。7弦ギター、5弦ベース、2バスドラムっていう、かなりヘヴィな編成で。
え、声優が実際に演奏してるのか!?
二次元の設定じゃなくて、ガチでバンドやってるってことか
はい。設定だけのバンドじゃなくて、本物のライブもやって、アルバムも出してるんです。
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で、どんな曲があるんだ?
気になってきた
あ、じゃあ!えっと……「Mas?uerade Rhapsody Re?uest」、「Sophie」、「八芒星ダンス」、「Crucifix X」とか……あ、もう、止まらなくなりそうなんですけど、いいですか?
さっきまでの落ち着きどこ行ったwww
また早口の顔になってるぞwww
まず「Mas?uerade Rhapsody Re?uest」!これ、タイトルが「仮面舞踏会」なんですよ。仮面のバンドが、仮面舞踏会を歌う。もうコンセプトとして完璧で。曲調もめちゃくちゃドラマティックで、クイーンみたいな大仰さと、ゴシックの耽美さが同居してて……「q」の文字を「?」で書く表記まで含めて、全部が「仮面」の意匠なんです。バンドの世界観の、ど真ん中の一曲だと思います。
いきなりガチ語り始まったwww
表記の意味まで拾うやつおる?www
でも確かにあのタイトル表記は癖になる
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そして……「八芒星ダンス」!これは、ちゃんと語らせてください!
お、本気の顔だ
これがいちばん語りたいやつだな?
これ、アニメ最終話の挿入歌なんですけど。「八芒星」って、再生とか、循環とか、あと「完全」っていう意味があって。アルバムのタイトル、『Completeness』――「完全」と、ちゃんと繋がってるんです。タイトルだけで、もう伏線回収なんですよ。
タイトルで伏線回収って何www
そこまで読み込むのか
歌詞も、すごくて。「赤の象 獅子 熊」とか、「クラッカー 首謀者」とか、暗号みたいな単語が並んでて。怪しい夜のサーカスの情景が、ぶわっと浮かんでくるんです。意味が分かるようで分からない、その不穏さが、このバンドの世界観に、ぞっとするくらい合ってて。
歌詞そらで言うなwww
サーカスの比喩、確かにあの曲それだわ
しかも演奏が鬼みたいに難しいのにちゃんとこなすんですよね。全体が弦楽器とのユニゾンだから、一音も間違えられない。アコーディオンの音が、だんだん壊れていくところから始まるんですけど、その不安定さが、最終話のあの感じと、完全に重なってて……もう、たまんないんですよ……!
息継ぎしろwwwww
また「たまんない」出たwww
でもこの子の「たまんない」は信用できる
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あれで見た目は完全に二次元のキャラだからなww
実際の演奏が本格的って、ギャップすご。
わかります。わたしも最初知ったとき、すごく驚いて。アニメだと思って聴いてたら、演奏が本当にちゃんとしてるんですよ。曲もゴシックメタルとかシンフォニックメタルの様式美をちゃんと踏まえていて。耽美で、重くて、宗教的なモチーフが多くて。
二次元のガワに、三次元の本気が乗ってるってことか
それ、わたしたちがやってるガチムチアニキと、ちょっと近い構造だな
その指摘に、思わず黙ってしまった。
(……確かに)
ガワと中身のギャップ。考えてみれば、似たような構造を、自分もやっていた。
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ちなみに、ボーカルの方は、もともと爽やかなポップロックを歌ってた方らしくて。それが、こんなヘヴィな歌い方に変わるんだって知って、すごく驚いたんです。
声優さんの本気度、なんかすごいな
二次元のキャラのために、本当に演奏スキルまで持っていくのか
ガワは二次元なんですけど、中の人の努力は、完全にリアルなんですよね。
そう言いながら、自分でガチムチアニキの仮面を、少し触る。
(わたしも、似たようなことしてるんだよな……)
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……ちなみに、この仮面、結構視界が狭いです。
はい、いつもの感想枠www
今日は二次元枠まで来たか、守備範囲広すぎるwww
そんな会話をしながら、配信を終える時間が来た。
今日は新しい角度だったな、二次元と三次元の境目
じゃあ、また明日!
そう言って、配信を終えた。
仮面を外しながら、ふと思う。
(ガワと中身、似たもの同士だったのかもしれないな……)
なんだか、親近感が湧いた夜だった。
Ave Mujica回でした。
作中でこの子が必死に言ってる通り、これ全部ほんとの話です。
二次元のキャラに持ち曲があって、中の人が実際に楽器を弾いて、ライブもアルバムも出してる。
「設定上のバンド」じゃなくて、ちゃんと鳴ってるバンドなんですね。
曲は本当に実在するので、ちょっとでも気になったら本家を聴きに行ってみてください。
作中で一番早口になってるところ(最終話の挿入歌のやつ)だけでも聴いてもらえると、この子があそこで息継ぎを忘れた理由が、わりと分かると思います。
次回やるなら、もう少しだけ「中の人が本気」な話を続けます。