ゲッターロボ対ストライクウィッチーズ   作:座椅子崩壊

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四話

 流竜馬は溜息をつく。

 

 あの時、竜馬は見張りの上着を着ていたことや百鬼獣に注意がひかれていたこともあり、ゲッターが置かれていると聞いたハンガーまで誰にも止められることがなく辿り着くことができた。そこで難なくゲットマシンを見つけたがそこにはさすがに人がいた。そこでどうにかゲットマシンにまで近づこうと考えたところで少女と男が竜馬を見つけて近づかれてしまった。技術者は数人ほどなんどかゲッターのことを聞きに来たことがあり、二人の顔も見覚えがあったが声をかけられたことで焦りを感じてそれに脇目を振らずに突破した。

 後ろから「せめてデーターだけでも」、「無線遠隔爆破」などの声が聞こえたが、それを耳に入れる余裕もなく突きって何とか乗ることが出来たのだが、もっと聞いておけばよかったと今になって後悔していた。

 

「この炉心エネルギー原理はなんだ」

「宇宙でも使えるのか?」

「耐圧限界は?」

「魔力がなんで使われていない?」

「魔女じゃないの?」

「他の形態はどう?」

「こんな兵器がいっぱいあるのか」

「ビームの開発者は?」

「この発振器はどこ製?」

「このエンジンはロケット?」

「細な原理は違うけどこのロケットエンジンはどこから?」

「この斧はどうなっている?」

「この金属はどうやって製造法で?」

「この機械はなんだ? 無線機じゃない…………」

「敷島って製造会社のこと?」

 

 

「だから、日本語じゃなかった扶桑語で……一度に言われてもわからないって。…………あっ敷島は早乙女研究所の職員――」

 

 現在、竜馬は半壊している基地の中で質問攻めにあっている。この基地に来た初日や次の日などしばらく同じようなことを聞かれたのだが真ゲッターを戦闘で動かした後だからまた、再燃したのだろう。

 だが、竜馬は残念ながら技術者ではなくパイロットである。簡単な整備はできるものの、詳しい原理や構造は詳細となると全くわかっていないにも等しい。機械などについてはここ数日でここにいる技術者達は解析して竜馬より詳しくなっているであろう。だが、技術者の性で尋ねずに入られないらしい。

 

「お、おれはいちぱいろっとにすぎないからうごかすことなら…………」

 

 竜馬はしどろもどろになりながら技術者の質問に対応しようと、てんやわんやになっていた。

 

 

 その、竜馬の姿を遠くから見ている少女たちがいた。その中にあの日竜馬の近くにいた芳佳とゲッターが間近を通過したのを見たバルクホルンがいた。

 

「宮藤さん、バルクホルン大尉、どう思う?」

 

 リーダーのミーナが竜馬から二人へ眼差しを向けて尋ねた。

 この二人がおそらく自分よりも流竜馬やゲッターについて知っているであろうからだ。

 

「無茶苦茶な人だと思いますが。悪い人でないと思いますよ」

 

 芳佳は負傷した人間を心配していたことと、その直後に話も聞かずに勝手にゲッターに乗り込んだとことを思い出しながら言った。でも、よくよく考えて見れば自分たちも相当無茶なことを何度もやったなとふっと考えた。

 

「直接戦いを見たが確かにすさまじい性能だった。死にかけたが」

 

 バルクホルンはゲッターの戦闘の様子を思い出しながら語り、あの時のゲットマシンなるものに撥ねられかけたことを思い出していた。

 同時にこれの量産できればこれからの戦いは楽になるかもしれないが、竜馬が自分を運んだ時に鼻血を垂らしていたらしいことを考えるともしかしたら、負担が酷いものかもしれないと考えていた。

 

「マロニーみたいなのがいたら、大変だっただろうな…………」

 

 トレヴァー・マロニー元ブリタニア空軍大将

 ウィッチの存在を快く思っていないものは世の中少なからずおり、軍内も例外ではなく。彼はその筆頭みたいな軍人であり、また、世界の軍事の主導権をも自国に握ろそうとも考えていた野心家でもあった。そのため、ネウロイの技術を基にウォーロックという兵器を秘密裏に作りだした。

 そのことで発覚を恐れるあまりに焦りながら邪魔になった501を解散へと追い込み、さらに未完成のウォーロックを運用、ウォーロックは多大な戦果をあげるものの暴走をした事件を引き起こし、失脚した。

 ただ、これらは彼女達、501や一般からの目線の話で、ネウロイへの新しい対抗手段を得るために戦力の統一を更に強くしたかった、年端の行かない女の子が戦場に行くのが見てられなかった義憤などの彼なりに人類のために行った行動という噂も出回っており、彼を擁護するものもいなくはないが、それが真実がただの噂かは本人しか知らないことである。

 だが、事件の結果として彼は失脚で軍を半ば追い出され、それからは多かれ少なかれやましいところがある者や野心を持つと言われているものはおとなしくしているようである。

 

「それが…………ウォーロック開発に関わった数名が先日から行方不明になったっていう知らせが入ったわ」

「えっ!?」

 

 知らせによると、失踪したのはオーペレーションマルスの後らしい。

あれだけの事件を起こした以上は首謀者のマロニーほどでないにしても監視の目もあったはずなのだが。

まるで煙のようにウォーロックの件で失脚した技術者や研究者も同様の失踪をして消えてしまったということらしい。

 マロニーが裏で復権を狙っている、テロリストに回った、集団亡命などの憶測が飛び回っているが。マロニー本人がそのことを聞いて驚いており、その様子を見た心理学者や感知系の魔女も嘘をついていないと判断した。

 結局は真実はわからないままで、マロニーやその一派に恨まれていてもおかしくはない501の代表のミーナにも警戒を忘れないようにその連絡が来たらしい。

 

「こっちは…………美緒のこともあるのに」

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 坂本美緒はベッドの上で仰向けになりながら天井の蛍光灯を眺めていた。その片手にはよう見終えた本を握りしめていた。

 

「信じられないがこの世界はやはり違う世界なのか」

 

 

 坂本美緒は神隼人から手渡されたこの世界について資料に驚いていた。

 その資料の幾つかは学校の教科書なども入っており、この世界のこの国の人間であれば美緒ぐらいの年齢ならば誰でも知っているようなことも多い。だが、別の世界から来た彼女からしてみれば、驚かされるような内容であった。

 この世界の西暦が美緒の世界のものに当てはめるていいのかは分からないが当てはめて考えてみると、数十年ほど先の未来にあたる。

 この世界の自分が生きていた時期に戦争が起きていたことは一緒であるが、大きく異なることはネウロイという人外ではなく、同胞であるはずの人間同士で戦っていたこと。いつか、もしもネウロイがいなければ人類同士で戦っていたであろうとは思ったこともある。それは美緒以外にも多くの人が思っていたことでもあるが、理由や経緯などの前提が自分が知っている世界と多く違うかも知れないが、この世界では起こってしまったということなのかもしれない。

 他にもこの世界では神君とも言われている織田信長公が志半ばで討たれたことが大きな違いであろう。

 さらにこの研究所が美緒について、この世界にもそんざいするかなどの可能性を考えて調べているらしいが、おそらく時間をかけてもわからないままだろう。

 美緒自身も知人のことを調べようとして、大戦中などの資料を調べたが似たような名前のパイロットは何人か見つけたものの全くの別人であった。

 歴史以外にも異なるものもあり、この世界と自分の世界の地図を見るとおおまかな大陸の配置は似ているが、形が異なっていた。

 それに加えて国も大きく変わっている。カールスラントはドイツと表記され東西に分かれ、オラーシャがソビエト連邦、ロマーニャがイタリア、ガリアがフランス、ブリタニアがイギリス、スオムスがフィンランド、リベリオンがアメリカ。

 そして、扶桑皇国のあるべきところには日本と書かれていた。

 

 

 だが、「無駄にいろいろ考えても仕方ない」と本を棚に戻してベットから立ち上がる。

 

「ふん」

 

 美緒が淡い光りに包まれてその頭部に使い魔の耳が、臀部にはしっぽが現れる。

 この世界と彼女の世界で大きな違いの一つには魔力という概念があるかないである。彼女の世界では遥かな昔から魔力は常識的なものでそれを操る魔女は歴史に大きく関わってきた。

 だが、この世界では伝承としてあるだけで、まるで実在しないかのような扱いである。

 坂本美緒はこの世界では存在しないはずの魔力を使うことができる者、魔女である。彼女は魔女としてのピークを既に超えていて、もはやほとんど力は残されていないものの、多少はまだ、使うことだけは出来る。彼女と一緒に持ち込まれた装置も通常通りに動作するらしくエーテル、もしくはそれに似たような働きをするものが存在しているらしい。

 そして、この世界に来てから数日で実験などで今のように魔力を使えるか試したことは何度かある。年齢による魔力の減衰で戦い続け、前の作戦による反動のために魔力はもうほぼ使えないとも考えていたが、実際にはこの世界で目が覚めてから二、三日はまともに使えなかった程度で実戦にかつてほど魔女として出られる程にないにせよ今はある程度は回復している。心なしか違和感があるのだが、この世界の影響によるものなのか原因を確かめるすべはない。

 

「っく…………」

 

 美緒は疲労に襲われるとともに使い魔の耳と尾は消える。ベッドの横に備え付けられている鏡に映される息切れしている自分の姿を見て不甲斐なさと無力感を実感しベッドのシーツを握りしめる。

 

 

 

 

 

 

 世界有数の火山大国である日本。百を超える火山に浅間山という活火山がある。そこに世界有数の砦の早乙女研究所という施設が存在し、そこには多くの職員が在籍している。

 そのため、近くには最低限だが数多くの施設が充実していてその中の一つに野球場もある。恐竜帝国や百鬼帝国との本格的な戦いが終わった現在では最近使われることも多くなっているもののさすがに朝から利用するものはいることは殆ど無い。その空きを狙って弁慶は早乙女博士の息子の元気をキャッチボールに誘っていた。

 弁慶がキャッチボールに誘ったのも最近元気が心なしか落ち込んでいることを心配したからだ。原因は元気とも中の良かった竜馬のことだろう。竜馬が行方不明になったことがやはりショックが大きいのだろう。実の兄や弁慶の前任者の巴武蔵や研究所職員、数多くの人との死別は経験しているが、それは戦いの中でのことで幾らかは覚悟はできていたと思われるが、今回はその戦いも終わり平和になった矢先のことで心の準備が出来なかったりしているのかもしれない。

 

「弁慶さん! あれ!」

 

 久しぶりに元気の大きめの声を聞いたような気がした。 

ただ、その声は驚きが混じっていた。

 

「なんだ、元気? そんなに珍しいものでもみ――――た、た、た、た、た!」

 

 元気が指をさす方向にその珍しいもの存在した。

 先日、保護された女、坂本美緒。朝の鍛錬のためか木刀で素振りをしていた。

弁慶は剣術に明るいわけではないが、その素人目に見ても美緒の素振りの姿は様になっている。同時に今までの戦闘の経験からかなりの手練だというのも感じ取った。

ただ、弁慶と元気が驚いているのは美緒がここにいることや剣術の腕前ではない。

 

「おや?」

 

 どうやら、美緒の方も弁慶達に気付いたらしい。

 当然かのように素振りをやめて、弁慶達の方に近づく。

 それを弁慶達はただ、呆然と見ている

 

「そうだ、あの教本を返したいのだが。ん? どうした?」

「え、あああ!」

 

 弁慶は現実に引き戻されるとすぐにさすがに少年の元気には刺激が強すぎる目の前の光景から彼を守るためにその目を手で隠し返事をした。

 

「もういいのか?」

「ああ、全部目を通させてもらった。ありがとう」

 

 弁慶はこの世界の資料として渡した本。

これらの本はミチルが中高生の時に使っていた日本史、世界史、地理などの教科書や教材である。

弁慶も同様のものに目を通したこともあるが、ただの学校で使われる教材であるが、この坂本美緒はまるで食い入るように真剣に読んでいた。隼人によるとこの美緒は「別の世界から来た」と言っていた。自分のことを「体育会系たから」とごまかした弁慶には細かい理屈まではよくわからないが感覚で明らかにオカシイことにも気づいている。最初に発見された状況も謎の軍艦と一緒の上に格好も水着の上に昔の軍服と靴代わりのおかしな機械。

 

 極めつけはズボンを履かずに外に出て行ったり。

 ズボンを履かずに施設内にいたり。

 ズボンを履かずに部屋から出ていたり。

 今の姿もそれらと同様に水着に上着を軽く羽織ったとにかく刺激が強い格好なのだ。

 

「そういえば、午後からゲッターというものにのせてもらえるらしいが」

「そ、そうだな、そんじょそこらの乗り物の比じゃないから吐かないようにな」

 

 ゲッターに乗せるのは敷島博士の発案で、魔力というものに敷島は興味抱いている。

そのために、ここ数日は美緒の魔力を使用していくつかの実験を行っていて、

美緒が持ち込んだ飛行脚や大和の魔力関係の装置を作動のメカニズムを研究している。

根本的な技術が違うものの着実に解析が進んでいる。ゲッター線と魔力が反応することが判明しているが、その仕組みがいまいちとつかめていない。

この事件はゲッター線によるものだけではないなんらかのものが絡んでいると早乙女博士は考えているようで根を詰めていて、打開することにつながればという試みでもあった。

 

「心配いらんさ。鍛錬は積んでいるつもりだ。そう簡単にへばらん」

「では、昼前に…………」

「ゲヘヘへェェ」

 

 弁慶の手にかすかな振動と生ぬるい感触がした。視線を下に向けると元気が鼻の下を伸ばして、鼻血を垂らしていたのだ。指もよく見ると元気がずらしていて全く目が隠れていずに見えていた

 

「あっ! 鼻血が出ているぞ? ぶつけたか?」

「こら! 見ていたのか」

「弁慶さんもそんな鼻血出しながら入っても説得力ないよ」

 

 はっと弁慶は鼻を触ると何も付いていない。嘘でからかわれたということに気付いた。そもそも真下である程度拘束されていた元気が弁慶の顔を見ること自体が困難なのだ。

 

「こんにゃろ」

「どうした? 大丈夫か?」

 

 じゃれあう二人を見ながら当の美緒は首を傾げていた。本人にとってはいつもの格好であり、故郷の扶桑でも珍しいという格好でもない。だが、今いる世界、日本では珍しい格好でしかも、いささか青少年には刺激が強すぎる姿であった。

 

「そこにいたのか失礼する」

 

 声をかけたのは背の高い神隼人という男と妖怪のような敷島という老人だ。彼らはこの早乙女研究所に所属しているらしい。この早乙女研究所は宇宙開発をしていて、その宇宙開発の研究をしているらしいのだが、彼らにはそのような単なる科学者としての雰囲気はしない、どこか自分と同じ軍人やそれらに携わる者に近い匂いを彼女の嗅覚は捉えていた。確証はないものの油断できないと心に置いていた。

 

「今日も実験に協力してもらう」

「ああ、ただで居候する気もないさ」

 

 ここ最近、魔力に関する実験をこの男たちと行っている。

 基本的には魔法使用の様子を見せたり、魔力についての話をしている。

 他の世界の母国のような国と言えど、機密など問題などがるかもしれないが美緒は自分の世界の一般常識程度のことしか情報を教えていないし、それ以上のことを言われても専門の分野でないことと相手は概念すらない状態のために説明のしようがない。

 その状態のために彼女の世界の最先端技術のの塊とも言える彼女の飛行脚や大和を今、この時にも調べられているのは分かっているが彼らが順調に進んでいるかは分からない。

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