これから書く予定のオリジナルのお話との試験的(誰得)クロスオーバー(?)です。
念のためクロスオーバータグを付けておきます。
設定起こしの書きなぐりなので、細かいところまでは描写していません。
好評そうであれば、数話完結のモノにします。

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第1話

―――繧医j濶ッ縺�ワ繝�ヴ繝シ繧ィ繝ウ繝峨r豎ゅa縺セ縺吶€�

 

ここではないどこか、今ではないいつかで。

誰かがぼくに頼みごとをした―――ような気がした。

 

ぱしゃん。

ぼくはいつの間にか、水の上に立っていた。

 

「…あれ?ぼく、昨日はたしか宿屋で寝ていたような…?」

なんで水の上なんかに…?

とりあえず今いる場所がどこなのか、あたりをぐるっと見回してみる。

すると、すぐに変なものが見つかった。

「なんだろう、この…門?みたいなの」

そこには、てっぺんが黒く塗られ、その下は夕焼けの色のような朱色の建物…みたいなナニカ。

ぼくはこれに門のような何かしらの「境界」を定めるものを感じたんだけど…実際何なんだろう?

 

しばらくその何かの周りをグルグルと回って観察してみていたら、後ろからぱしゃん、と音がした。

振り返ってみるとそこには、白い綺麗な長い髪を二つに結った、お腹のあたりにピンクの不思議な生き物がくっついた服を着ているお姉さんがいた。

「アクセス元が不明な信号を辿ってきてみたけど…子供?

ねえきみ、ここにどうやって入ったの?」

「ぼく、寝てたはずなんだけど気が付いたらここにいたんだよねぇ。だからどうやって入ったのか、とかは分かんないや」

「ふぅん…。ま、いっか!私の名前は月見(るなみ)ヤチヨ!ここ、仮想空間<ツクヨミ>の管理人兼電子の歌姫やってま~す♪ささ、あなたのお名前は?」

お姉さん…ヤチヨお姉さんは少しだけ怪しんでるみたいな目をぼくに向けてきたけど、次の瞬間にはそんな目を向けていたことを少しも出さずに笑顔で自己紹介をしてくれた。

こんな子供を怪しんでも仕方がないって思ったのかな。

「ぼくの名前は…フタバ。」

「フタバ…。あれ、苗字は?」

「苗字はないよ。ぼくはただのフタバ。

…まあ、この名前も、服も、この子たちも。ぜーんぶ借りものなんだけどね。

それでも良ければ仲良くしてくれると嬉しいな」

「うん、よくわからないけどフタバね、よろしく!

…ところで、そのすごそうな武器とかはいったい…?

なんかすごいデータ量なんだけど」

「この子たち?…『器』だけど?」

「器って何?」

「え?」

「え?」

 

 

器を知らないことに違和感を覚えたぼくとヤチヨお姉さんはお互いに情報交換をした。

するとどうやら、ここは夢のような世界で、ぼくはどうやら迷い込んでしまったらしい。

「なるほどねぇ…。」

「うん、なるほど。…日本に、仮想空間、科学かぁ…。全然聞きなじみがないや」

「こっちだって上位種に器、魔法何て見たことも聞いたこともないよ。…つまり」

「つまりぼくは、別の世界に迷い込んじゃった、ってことなんだね」

ヤチヨお姉さんの言葉を引き継いでぼくは結論を口にした。

さてどうやって帰ろうか、と途方に暮れているとヤチヨお姉さんから声が掛かった。

「なにか寝る前に異変とかなかったの?」

そう聞かれてうーん、と考えてみる。

「異変かぁ…。あっ、そういえば。誰かの声?がしたような…なんて言ってたかわからなかったけど」

「そっか…。まあ、なにはともあれ、<ツクヨミ>はあなたを歓迎するよ!帰るまでの間、ゆっくりしていってね!」

そんなふうに言ってくれたヤチヨお姉さんに「ありがとう」とお礼を言うと―――いきなり僕の真下に穴が開いた。

 

「「へ?」」

 

途端に真っ逆さまに落ちていくぼくに、「フタバ~~~!?」と悲鳴を上げるヤチヨお姉さんが印象的だった。

 

 

やっと訪れた3連休、その前日。私―――酒寄彩葉は安息の地である家に帰る直前、元光りたるゲーミング電柱に出会った。

閉めようと思っても無理やり開く扉に「力づくかよ」と心でも実際にもぼやく私。

そうして現れたのは―――赤ちゃんだった。

一度は見切れないと立ち去ろうとするが、あまりにも周りの環境がよろしくないことに気が付き、数瞬の葛藤の末保護しようと抱き上げる。

そうして抱き上げた瞬間扉が閉じると同時に消えてしまったため、電柱に抗議しようとした瞬間―――

「ぶぎゅる!!!」

と目の前に少年?が何もない空間から突然現れた。

「は?…っておーい!キミ、大丈夫!?…ダメだ、気を失ってる」「……」

思わず声が出てしまうが、少年は落ちた衝撃で気を失ってしまったらしく、だらんと体の力が抜けていた。

「…あ~もう!」

こんな状態の子供を置いたままにしては寝ざめが悪い―――そう考えた私は急いで赤ちゃんを家の中に入れた後、少年も背負って運んだ。

そうして家の中に少年を運んで床に寝かせると今度は赤ちゃんが泣いていたので、最推しのヤチヨの歌「Remember」を歌うと泣き止んでくれた。ヤチヨはやっぱりすごい!神!

「あ~、どっと疲れた…。この後のことは、いいや。明日の私に丸投げしよっと」

私は今後のことを考えると頭が痛くなってきたので、今日のところは赤ん坊と少年を抱きよせて、眠るのだった。

 

「…ん、うぅ…?」

翌朝、私は湿り気を布団から感じて意識を覚醒させた。

するとそこには―――

「だぁ~~!あうぅ♪」

「おお~、元気だねぇ。よしよし♪こんなぼくに懐いてくれるなんて、将来はきっと器量よしのお姫様になるに違いない」

赤ちゃんと少年がニコニコ笑顔で遊んでいる癒し空間が形成されていた。

「…ハッ!?ね、ねえキミ大丈夫?痛いところとかない?」

少年が赤ちゃんの面倒を見ているさまをぼ~っと眺めていた私は意識を取り戻し、昨夜気を失っていた少年に話しかける。

少年も今私が起きたことに気が付いたようで

「あ、起きたんだねお姉さん。ぼくが起きたらこの赤ちゃんも起きちゃって…ごめんね?うるさかった?

それと、痛いところは…なさそう。ありがとね、お姉さん。」

「い、いや。むしろ面倒を見てくれてありがたい限りだったんだけど…。なんで昨日、何にもないところから現れたの、キミ?」

お礼を言ってくれる少年にこちらも赤ちゃんの面倒を見てくれたお礼を言いつつ、昨日の出来事を聞いてみた。

すると少年も意外だったようで首を傾げつつ、

「何もないところから、かぁ…。ぼくの記憶だとヤチヨお姉さんとお話してたら急に落とされてそのまま地面にダイブ!って感じだったから何にもわからないなぁ…。ごめんね?お姉さん」

「ふーん…。え、ちょっと待ってヤチヨとお話してたって言った?今」

「わっ。そんなに急に近づかれるとびっくりしちゃうよ」

「あ、ご、ごめん。…でも仮想空間から落とされたら急に地面に激突したって…。まあ、あの光景を見たら信じるしかない、のかな」

ちょっと聞き捨てならない言葉に反応して我を忘れそうになってしまったが、落ち着いて言われたことをまとめていく。

う~ん、嘘を言っているようには見えないしなぁ…。

「それで、キミこれからどうするの?」

「うーん、ぼくに家とかないしなあ…。あと戸籍も。お姉さんにも迷惑かけられないし。帰れるようになるまで野宿かな」

そんな恐ろしいことを言う少年にさすがに待ったをかける。

「いやいや、ソレはダメでしょ。…はぁ、しょうがない。帰るまでウチにいていいよ。こんなところでよければ、だけどね」

「…いいの?ぼく子供だし、ただのゴクツブシ?になっちゃうと思うけど」

不安げに言う少年に対して「子供が余計なこと考えないの」と額をピン、とはじく。

「私がいいって言ってるんだから遠慮しない!」

少年は私の言葉にふにゃり、と笑みを見せて

「そっかぁ…お姉さんもあの人たちと同じように「良き人」なんだね…。うん、それじゃあしばらくの間、お世話になります。」

「はい、お世話します。…それで、早速なんだけどキミの名前、教えてもらってもいいかな?私は酒寄彩葉っていいます」

「うん、わかったよ彩葉お姉さん。ぼくの名前は―――フタバ。苗字もないし、この名前も、来てる服も、この子たち―――は今はいいか。とにかく、何もかも借り物なぼくだけど、どうかよろしくね?」

私の自己紹介にうんうんと頷いた少年―――フタバは、そう言って私に笑いかけるのだった。

「あ゛~~~~!!!!」

突然の泣き声に、びくっとする私を横に、フタバは慣れたように赤ちゃんを抱き上げる。

「ありゃ、お~よしよし。ほったらかしにしちゃってごめんねぇ。はいはいっと」

「あ、そうだ布団濡れてる!洗濯して干さなきゃ!」

「ぼくこの子見てるからそっちお願いしちゃってもいい?」

「早速めちゃくちゃ助かるよ…!」

「あはは、それほどでも~」

 

 

その日の夜。

流石に一緒に寝るのはちょっと…というフタバにクッションをあげて寝た私。

そんな私をゆする誰かがいた。

 

「ねえ、お腹空いたー。ミルク~」

「はいはい少々お待ち下され~……へっ!?」

ミルクの要求に寝ぼけながらキッチンに向かう…その声にバッと振り返ると、そこには10歳くらいまで急成長した女の子がいた。

私はすぐさまベビー用品を段ボールに入れ、少女の前に突き出す。

そして出て行かせようとするが、抵抗されてそのまま手が離れてしまい少女がゴロゴロと転がって窓に激突する。

「あうっ!…いたい~!たすけてぇ~!」

そしてその声が届いたのか「んう…?」と起きるフタバ。

「あ、フタバ!頭打った~、なでなでして~」

「…この女の子は?」

「たぶんあの赤ちゃん…」

「…不思議なこともあるもんだねえ」

フタバはどうやらそういうモノだと受け入れたようで、少女の頭を撫でている。

 

ぐぅ~~。

派手な腹の虫の音が鳴る。どうやら少女のお腹の音らしい。

「…助けてぇ~~?」

 

その私を見上げる綺麗な目に、私は抗うことができなかった。

 

そんなこんなで夜食を食べている中で、少女が月から来たことや、「自分でハッピーエンドにする!彩葉とフタバも一緒に!」発言なんかがありはしたものの、その日は何とか寝ることができたのだった…。疲れる…。それにしてもフタバ全然ご飯食べないけど小食なのかな?結局夜食もおにぎり一個だったし。半分少女にあげてたし。

 

次の日、学校に行くために家を出る際に少女から縋りつかれることもあったけど、フタバが説得してくれて何とか家を出ることができた放課後。友人の芦花と真実に連れていかれたカフェでパンケーキを食べようとしていた私を絶望に叩き落したのは―――少女だった。

そこでかぐやと名前を付けていろいろと誤魔化して、かぐやを連れて店を出ようとした時、運悪くかぐやを探しに来てたフタバと出会ってしまった。

「あ、フタバ~!ねえねえ、私、かぐやだって!」

「ん?…ああ名前がってこと?そっかぁ、よかったねぇ。

…でも、勝手に出て行っちゃうのはダメだよ?」

「はあい、気を付けま~す」

「その男の子も親戚の子~?」

真実がツッコんでくる。すると意外にも答えたのはフタバで

「あ、はい。フタバって言います。よろしくお願いします。

ぼくはかぐやを迎えに来たので、これで。彩葉お姉さんはどうする?いっしょに帰る?」

「あ、うん。…ごめん、また今度ゆっくりできるときにご飯食べに行こう!それじゃ!」

そう言って店を出てしばらく。私の説教やかぐやがスマコンを買ってしまったことに対して呆然自失となりながらも、何とか帰宅。

めちゃくちゃおいしいかぐやの料理を平らげ、(フタバはやっぱり全部は食べられなかったけど)しばらくして。

テンテレン、テンテン♪

「あー!もうこんな時間!?」

ヤチヨのライブまでに自習を進めておきたかったが仕方ない。

縋りついてくるかぐやも連れて行くことになったが…あれ、そういえばフタバのは?

 

「ああ、ぼくはいいよ。帰ることが分かってるのにあんまり負担をかけるっていうのもね。それに、さっきかぐやのをつけさせてもらったけどぼくはログイン(・・・・)できない(・・・・)みたい(・・・)だった(・・・)から(・・)。だから、二人で楽しんできて~」

そんな、少し距離を感じるようなことを言って遠慮するフタバに寂しい感情を抱きながら、私はかぐやと一緒に<ツクヨミ>に入っていった。

 

 

「フタバ!かぐやライバーになることにした!そんでヤチヨカップ優勝してコラボするの!」

 

かぐやは現実に帰ってきた途端そう言って、なにやらガチャガチャと作業をしているし、彩葉お姉さんは机に突っ伏してニヨニヨしてるし。いったいあっちで何があったんだろう…?

 

かぐやのライバー活動はその後、とんでもない勢いで進んでいっているらしく、どんどんと順位を伸ばしている。さっき自慢されたから頭を撫でてあげた。めっちゃ喜んでたけど、そういうところは赤ちゃんの時と変わらないんだなぁ。

 

そうそう、ぼくの方にも変化があった。なんとぼくが寝ていると、たまーに<ツクヨミ>に入ることがあるのだ。

そのたびにヤチヨお姉さんが見つけてくれていろんなところを案内してくれたり、お話してくれるようになって、けっこう仲良くなったと思う。

…ただ、ぼくが同居人(彩葉お姉さんとかぐや)の話をするととても悲しそうな眼をするんだけど…何なんだろう?

 

そんな日々を過ごしていたある日のこと。お出かけしてたら急に彩葉お姉さんがしゃがみこんでしまった。頭を触ってみたらすごい熱で、半泣きのかぐやと頑張って家に帰って布団に寝かせて途中で買った冷えピタ?を頭に乗せた。

かぐやは病人食を作るといって台所に行ったため、ぼくが時折熱を測りながら彩葉お姉さんが目覚めるのを待っていた。

 

「…はっ!?」

「彩葉お姉さん!かぐや、彩葉お姉さん起きたよ!

大丈夫?起きなくていいから今は寝てよ?ね?」

急に起き上がる彩葉お姉さんを寝かせようとするが、バイトに行くといって聞かない。もう休みの連絡を入れたと聞いて、やっと落ち着いてくれた。

かぐやがなんでそんなに頑張らなくちゃいけないのか聞くと、ぽつりぽつりと親との確執を話してくれた。

かぐやが普通じゃないことを伝えると、彩葉お姉さんは途中で切ったが「かぐやとフタバにはわからないよ」と言いたかったんだろうな、と察した。

…話すなら今かな。

「…そうだね。じゃあ、彩葉お姉さんが話してくれたし、ぼくもちょっとだけ話そうかな。…実はぼくは―――」

 

ぼくの身の上話をすると、かぐやも彩葉お姉さんも泣きながらぼくを抱きしめてくれた。

「フタバ~~~!!!これからはかぐや達とずっと一緒にいようねぇ~~~!!!」

「…ぐすっ」

「え、ええ~。ぼくのお話、そんなに悲しかったかなぁ?

今はとっても幸せだし、今が良ければよくない?」

「そんなことないよ!その時に辛い思いしたのはフタバでしょ!良いんだよ、辛かったことは泣いて!無理に忘れようとなんてしなくていいんだから!」

「そうそう!でも今が幸せって言ってくれたのはすごい嬉しいから、ありがと!」

二人とも涙を浮かべながらそう言ってくれた。

そんな二人の涙を見て、ぼくの心が解けていくのを感じた。

そう思ったら、涙が無意識に溢れてきた。

「そ、っかあ…。うん、辛かった、痛かった!あの時、ぼくは嫌だったんだよ…!ああ、うああぁあ…!」

 

ぼくが泣き止んでしばらくして。

なんだか恥ずかしい気持ちになったけど、ぼくたちの心の距離はとても近づいたな、と思える出来事だった。

 

 

「それでね、とってもうれしかったんだぁ」

「…そっか、よかったねぇ」

 

今は<ツクヨミ>の中でヤチヨお姉さんとお話し中。

ヤチヨお姉さんにあった瞬間、「なにか憑き物が落ちたような顔をしているね~。何かいいことあった?」と見事に当てられたので、いろいろとお話していた。

ヤチヨお姉さんは優しい目で僕を見守ってくれていて、でも時折悲しい目をしていることが、やっぱり気になった。

 

「…ねえ、ヤチヨお姉さん」

「ん~?なんだいなんだい?」

「なんでヤチヨお姉さんはたまにそんなに悲しい目をするの?

…やっぱり、かぐやと同じ魂の形をしていることに関係してる?」

「…!?…なんでそんなことが分かるの?」

「器の話をしたでしょ?ぼくに力を貸してくれる子の能力にね、魂の感知があるんだ。それで分かったの」

「そっか…。そこまでバレてるんじゃ、しょうがないなぁ。

…お姉さんのお話、きっとすんご~~く長いけど、聞いてくれる?」

そう言ったお姉さんの顔は、誰かに聞いてほしいような、縋りつくような顔をしていて―――ぼくは、確かに頷いた。

 

その後のお姉さんのお話は、信じがたいモノだった。なんとヤチヨお姉さんは8000年前にタイムスリップしてしまったかぐやなのだという。そんなお姉さんはいろんな綺麗なものや汚いものを見すぎて大人に…いや擦り切れてしまいそうになっていた。

でもここまで頑張ってこられたのは、ひとえに彩葉お姉さんとの再会のためなんだと、そう語ってくれた。

 

「う~~~ん。なるほど。どおりで彩葉お姉さんとかぐやの話をした時だけ悲しい目をしていたんだね」

「信じて、くれるの?」

そう不安げに言うヤチヨお姉さん(かぐや)に、ぼくは笑いかけて

「もちろん!」

と頷いて見せたのだった。

 

「それにしても、ヤチヨお姉さんの時にはぼくはいなかったんだねえ」

「そうなんだよねぇ…。」

「かぐやを助けることってできないのかな」

ぼくがそう言うと

「輪廻が今まで終わってないってことは、無理なんだと思う

まあ、何とかなったら私も消えちゃうけどねー」「あっ、そっか。う~ん、これがいわゆる『詰んでる』って状況なのかー」

 

ネット用語を口に出したぼくにヤチヨお姉さんは笑って

「あはは、フタバもこの世界になじんできたねえ。『ネムッテ。ネムッテ』ありゃりゃ、もう寝る時間になっちゃった」

「ん、そっか。それじゃあ、今日はおやすみ、だね」

「うん。それじゃあまたね。さらば~い」

 

そう言ったタイミングを見計らっていたかのように真下に穴が開いて落ちていく。

ぼくは落ちながらかぐやとヤチヨお姉さんの両方を救う方法はないか、考えるのであった。

そしてヤチヨお姉さんの話してくれたことの通りに日々は進み…ヤチヨお姉さんとかぐや、彩葉お姉さんのコラボライブの日がやってきた。

ぼくは普通には<ツクヨミ>に入れないので、現実から応援だ。

 

―――そして、いよいよ幕が上がる。

『ワールドイズマイン』『Ex-Otogibanashi』。

すごかった。

圧倒された。

何より、あの3人がとても楽しそうで、幸せそうで。

ぼくはその姿が何よりうれしかった。

…月の人には邪魔されちゃったけど。

 

そうして波乱の中終わったコラボライブの後。

彩葉お姉さんが月の人を迎え撃つ話を帝さん?って人たちにしに行っている間に、かぐやから話を切り出された。

「ねえ、フタバ。彩葉のこと、お願いね?」

「…かぐやは、月に帰りたいの?」

そう聞くと、かぐやはかっとなった様子で

「そんなの!…帰りたくないよ。でも、無理なんだもん」

「…そっか。でも、かぐやは帰りたくないんだね?」

「…うん」

「うん、わかった」

この時。正直、輪廻を止めるか悩んでいたぼくは、覚悟を決めた。

 

 

かぐやの卒業ライブ当日。

ぼくはかぐやと彩葉お姉さんの見送りに来ていた。

 

「それじゃ、フタバ。…じゃあね」

 

「うん、またね(・・・)。かぐや」

お別れの言葉を口にするかぐやに、ぼくは再会の言葉を口にした。

「…!うん、またね!」

そう言って笑顔になるかぐやと対照的に、彩葉お姉さんは真剣な様子だ。

 

「…ね、彩葉お姉さん」

小声で話しかける。

「…ん?なに、フタバ?」

彩葉お姉さんもつられてか小声で返してくれた。

「頑張ってね。…でも、どうしようもなくなっちゃったときは、ぼくの名前を呼んで。どうにかするから、さ」

「…?ログインできないのに?」

「ありゃ、痛いところを突かれたなぁ。…でも、頭の片隅には置いておいてほしいな。あ、あとこれ、お守り。持っててね」

「なにこれ、鉄みたいなナニカ?…まあでも、ありがと」

 

「うん。…そろそろ時間だ。行ってらっしゃい、二人とも!」

ぼくがそう言うと、二人は笑顔で

「「―――行ってきます!」」

と言ってログインしていった。

 

…さて、こっちも準備しないとね。

 

 

かぐやの卒業ライブが始まり、月人と戦っていた私や黒鬼、芦花と真実は―――負けてしまった。

 

「はっ、はっ…!?」

かぐやの元に、月人が集まる。

 

「待って…待ってよ」

そうして連れて行こうとする月人たちを目に、どうにかできないか探る私。

でも、もう方法が見つからなくて目の前が真っ暗になりそうになった時。

ある言葉を、思い出した。

 

『どうしようもなくなっちゃったときは、ぼくの名前を呼んで。どうにかするから、さ』

 

私は無意識に現実にあるお守りを握りしめながら叫んだ。

「かぐやを…かぐやを助けて!フタバッ!」

 

「――――うん、その言葉を待っていたよ…彩葉お姉さん」

その声が聞こえた瞬間、いつの間にかかぐやと月人の間に、フタバが立っていた。

 

「え、フタバ!?どうしてここに…。来てくれたのは嬉しいけど、フタバじゃどうにも…」

 

「でも、かぐやは帰りたくないんでしょ?…なら、ぼくも頑張らなくちゃ、ね」

「で、でもフタバは普通の男の子でしょ?この状況で何が…?」

「…そうだね。確かにぼくは何もできないね。…今のぼくには、だけど」

「へ…?」

 

「…さあ、覚醒()きて『尾を喰らう蛇(繝ィ繝ォ繝 繝ウ繧ャ繝ウ繝)』。家族を守る戦いだ、キミもより熱が入るってものじゃないかな?」

そう謎の言語を言うと、フタバは緑色の宝石のような何かがはまっている指輪を左手の中指にはめた。

すると―――フタバの姿が青年くらいの姿に変わった。

唖然としている私たちを置いていくかのように、フタバはどんどんと行動を起こしていく。

「さあ、出番だよ。『生と死司る凍れる国の女王(繝倥Ν)』。今回も、ぼくに力を貸してね」

そう言ってポンポンと、首にかける透明な結晶がはまっているネックレスを撫でる。

すると、いきなり周りの月人たちが凍りだした(・・・・・・・・・・・・・)

月人たちもいきなりの出来事に驚いたようで、慌てた様子で離れた後、光弾でフタバを遠距離から仕留めようとした。

だが―――

ゾグン!!!

何かに食べられたかのように(・・・・・・・・・・・・・)、光弾がかき消えた。

「ありがとう。やっぱりキミは優しいなぁ。

…ごめんね、せっかく寝ていたのに。でも、ぼくももうなりふり構ってられなくなっちゃった。

―――だから、すべてを喰らえ、『神殺しの大狼(繝輔ぉ繝ウ繝ェ繝ォ)』」

バリバリバリッ!!!

とフタバが何かを言った瞬間、空間が裂けた。

その中から出てきたのは―――片刃の、鎖が付いている何かの牙のような剣。

それを持ったフタバは、残った月人たちに向けて一振りした。

瞬間、月人たちが消えた。

まるで、最初からいなかったかのように。

そして、また何振りかすれば―――残るは、あの目を閉じた月人たちの親玉だけだった。

 

「…さて、いきなりごめんね?キミたちを喰べちゃって。

やっぱり外野がいっぱいだと話しにくいと思ってさ。

…ああ、ちなみに。ぼく、現実でも同じことできるから攻めてこない方がいいよ?」

「――――」

「うん、そうだよね。そこはかぐやが悪いと思ってるよ。

だから―――ヤチヨお姉さん」

「はいはい、承ま畏ま仕り~☆」

フタバが呼ぶと、いきなりヤチヨが出てきて、なにかを月人に渡した。

それを受け取った月人は、一度頷いた後、ゆっくりと消えて行ったのだった。

「終わった…の?」

 

 

「…ふう。おわったぁ…。」

「お疲れ様、フタバ。め~っちゃかっこよかったよ!」

「あはは…、ありがとう。ヤチヨお姉さん」

とても褒めてくれるヤチヨお姉さんに苦笑で返す。

…さて、後ひと踏ん張りだ。

 

「ねえ、ヤチヨお姉さん。もしかして、これでヤチヨお姉さんは消えちゃうって思ってない?」

「え?違うの?私、だからすんごく今泣きそうなんだけど」

「そんな悲しい終わり方をぼくがするわけないでしょ?

ねえ、ヤチヨお姉さん。ぼくを、信じてくれる?」

そう言うと、ヤチヨお姉さんは優しい顔になって

「もちろん」

と一言、返してくれた。

「…うん、ありがとう。

それじゃあ―――『再現:氷と霧に覆われた女王の國(ニヴルヘイム)』」

そう言って、ヤチヨお姉さんの存在を凍らせた。

「ひゃっ、つめたっ!…え?今ので終わり?」

「うん、ぼくがヤチヨお姉さんの存在を凍らせて固定化したから。これでヤチヨお姉さんは消えなくて済むよ!」

「……。~~~~~!!!!ありがとう、フタバ!」

そう言って抱き着いてくるヤチヨお姉さんを受け止めつつ、ぼくは大団円に導けた事実を噛みしめるのだった。

 

 

さて、その後のお話。

ヤチヨお姉さんは、自身の正体を彩葉お姉さんたちに明かした。

そこでは驚きあり、笑いあり、涙ありの怒涛の展開があったのだけど―――今回はカットで。

ぼくも隠してたものを洗いざらい話せてすっきりした。

…帝さんたち黒鬼には戦ってほしいとお願いされたけど、お断りしました。

そして、彩葉お姉さんがヤチヨお姉さんの体を作るといってめっちゃ頑張り―――いつの間にか10年が経っていた。

 

ウィーン…

「うあ、体おもいなぁ」

「どう?ヤチヨお姉さん。8000年ぶりの現実は?」

「う~ん!空気の匂い、空気の暑さ!さいっこうだね!」

「ふふふ…。これから、もっともっと最高になるよ」

「―――うん!」

 

さて、ここまでのお話はどうだったかな?

みんなが楽しめるお話だった?

…これからのことは分からないけど、「きっと幸せに暮らしましたとさ」って締めくくれるように頑張るよ。

…え、タイトル?そうだなあ…。

よし、これにしよう!

 

 

超かぐや姫!

 

 

蛇足:

ヤチヨ「そういえばフタバってなんでずっとちんちくりんのままなの?」

 

フタバ「あ~、ヤチヨお姉さんには話してなかったっけ。実は―――」

 

いろかぐ「「いきなり重い話を始めようとしないで!?」」

 

 




どうも、ど素人ことあさらこです。
もしこの作品を読んでくださった方の中で私のことを知ってくださっている方がいてくだされば、他の作品ほっぽり出して何やってんだと思われる方もいるでしょう。
いやほんと何してるんでしょうね…。

反省はこれくらいにして、あらすじにも書いた通り、これは試験的な作品です。
簡単に言うと、自分のこれから書く(はずの)オリジナルの作品のキャラと設定をぶち込んだものになります。
細かいところ、隠したいところは描写していません。
なので読みにくい部分、よくわからない部分もあるとは思いますが、ご寛恕いただければと。

それでは今回はこの辺で。また気が向いた時にでも。

何処かで誕生日記念も書きたいですね。

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