日向真昼には、人の感情が数字で視える。
教室のクラスメイト、廊下ですれ違う先輩、話しかけてくる教師——誰もが頭上に「好意の数値」を浮かべている。0から100まで。数字が高いほど、自分に好意を持っている証拠だ。
真昼は誰とも深く関わらない。笑顔は最小限。会話は必要最低限。そうしないと、相手の数字が勝手に上がっていくからだ。彼女は知っている。数字が高まりすぎた先に、何が起きるかを。
だから彼女は、誰にも期待せず、誰からも期待されずに生きてきた。
転校生の東雲氷華が現れるまでは。
教室でただ一人、真昼に無関心だった彼女。完璧な容姿と振る舞いで周囲を魅了する彼女の、真昼への好意の数値は
「∞」
初めて見る表示。初めて体験する眩暈と吐き気。そして氷華は、初対面から真昼に異様なまでに接近してくる。
「私はね、真昼さんと同じなんだと思う」
氷華が微笑むたび、その数字は微動だにしない。普通なら上下するはずの好意が、彼女だけは完全に固定されている。
これは好意なのか。執着なのか。それとも——
数字が視えるからこそ、数字の意味がわからない。
数値化された感情のその先にあるものは、愛か、狂気か。
教室のクラスメイト、廊下ですれ違う先輩、話しかけてくる教師——誰もが頭上に「好意の数値」を浮かべている。0から100まで。数字が高いほど、自分に好意を持っている証拠だ。
真昼は誰とも深く関わらない。笑顔は最小限。会話は必要最低限。そうしないと、相手の数字が勝手に上がっていくからだ。彼女は知っている。数字が高まりすぎた先に、何が起きるかを。
だから彼女は、誰にも期待せず、誰からも期待されずに生きてきた。
転校生の東雲氷華が現れるまでは。
教室でただ一人、真昼に無関心だった彼女。完璧な容姿と振る舞いで周囲を魅了する彼女の、真昼への好意の数値は
「∞」
初めて見る表示。初めて体験する眩暈と吐き気。そして氷華は、初対面から真昼に異様なまでに接近してくる。
「私はね、真昼さんと同じなんだと思う」
氷華が微笑むたび、その数字は微動だにしない。普通なら上下するはずの好意が、彼女だけは完全に固定されている。
これは好意なのか。執着なのか。それとも——
数字が視えるからこそ、数字の意味がわからない。
数値化された感情のその先にあるものは、愛か、狂気か。