『青春おじさん』

三十九歳。

仕事もある。

お金もある。

趣味もある。

何でもできる。

けれど、青春だけはしたことがなかった。

ある出社日、男子トイレで出会った一人の地下アイドル――**神門 閾(ごうど しきい)**との偶然の出会いが、止まっていた人生を少しずつ動かしていく。

「歌いたい。」

その一言に、男は静かに答える。

「では、歌える場所を作りましょう。」

バンド。

ゲーム制作。

同人誌。

演劇。

配信。

誰かと何かを作るたび、知らなかった世界が少しずつ広がっていく。

これは、人生をやり直す物語ではない。

人生を、新しく始める物語。

青春は、若者だけのものじゃない。

何かを始めた、その日から始まるのだから。

(※本作はバンドだけでなく、ゲーム制作、同人活動、演劇など、さまざまな「青春」を描く連作長編です。)
  第1話 迫る青春
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