光を手にして   作:ウルトラ8兄弟大好きマン

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第一話後編です。


第一話 光はどこに? 後編

・怪特対本部

 

「巨人…?」

「至急あの巨人についての解析を始めて!」

「「「「了解!!」」」」

隊長のハシモトの指示で、待機していたオペレーター達が一斉に動き始める。

 

「何がどうなってるのよ…」

ハシモト隊長は内心で頭を抱えていた。

 

 

 

同時刻:前線。

 

「何よ…あれ?」

怪特対第1部隊エースパイロットの「シキ ナナ」は突如現れた正体不明の巨人を間近で見たことによって、かなり混乱していた。

 

突如、空から第三の怪獣が出現。

それによって相棒のダイゴが乗ったクロスウィング2号は撃墜された。

辛うじて、第二、第三部隊と連携をとりつつ、三体を相手取っていたが、そこへ巨人が現れた。

 

「流石に4体も相手できないわよ!」

不幸中の幸いとしては、ダイゴが無事だった事と巨人の出現によって3体の怪獣の動きが止まった事。

 

それでも現状は良くない。

まずはこの謎の巨人が敵か、味方か。

それを見極めなければならないのだから。

 

 

 

 

 

同時刻:◯✖️高校

 

「あれは、一体…」

「巨人…ですよね?」

この場所では、避難所から逃げる人々の誘導を行っていたダイゴと、その手助けをしていたユウキが残っていた。

 

「ともかく、避難誘導は完了した。ユウキくんは早くみんなの方へ。」

「わかりました…アキヒサを、お願いします!」

「うん!」

ユウキは深く頭を下げた後、もう一つの避難所の方向へと走っていった。

 

「まずはアキヒサくんの救出、そして、」

ダイゴは巨人と三体の怪獣を見つめながら、ホルスターへと手を添えた。

 

 

 

 

同時刻:◯✖️高校から別の避難所へと移動する民間人

 

「なんだ?」

「巨人、だよな?」

「怪獣が増えたって事か?」

「嘘だろ…」

民間人達がソレを見て、さまざまな反応を見せる中、一人の少女、ヒカリだけは違った。

 

「光の、巨人?」

昔、怪獣が出たから、急いで避難所に逃げ込んだ時、お父さんとユウキとミコて離れて、二人だけになった時、彼が話してくれた。

 

諦めない限り、必ずいつか助けに来てくれるという、光の巨人の話。

 

その巨人は、赤と銀色に輝いていて、胸には丸くて青い光が輝いている。

 

その名は、

 

「ウルトラマン。」

 

 

 

 

人々がそれぞれ考えを巡らせる中、巨人はゆっくりと動いた。

 

腰を低く落とし、両手は前へ。

 

腰が引けているようにも見えるそのポーズは、紛れもなく戦闘体制だった。

 

「シュワッチ!!」

 

大きな掛け声を共に、巨人が走り出す。

 

そのまま正面にいたベムラーへとタックルを繰り出す

その光景を見て、ゴルザてメルバが動き出す

 

巨人はベムラーを掴み上げ、メルバへと投げつけるがメルバはこれを軽々と回避。

 

それを視界の端に収めながら、迫り来るゴルザに向かって前蹴りと回し蹴りを叩き込む。

 

ゴルザも負けじと前足を振るうも、逆にそれを掴まれ、背負い投げで地面へと叩きつけられる。

 

「ジュワッ!!」

上空から奇襲を仕掛けたメルバを地面を転がりながら回避。

即座に立ち上がり、飛びかかりながら手刀を叩き込む。

 

メルバを叩き落とすと同時に起き上がっていたベムラーの体当たりが横腹へと突き刺さる。

 

建物をぶち壊しながら地面を転がるが、何事もなかったかのように立ち上がると、ベムラーに飛び掛かる。

 

サイドヘッドロックで首を締め上げながら、自分ごと一回転しながらベムラーを地面に叩きつける。

 

だが、立ち上がった所へ、メルバからの奇襲が炸裂する。

 

さらに、転がった先にいたゴルザの超振動波が背中に直撃。

 

よろけた所へ、ベムラーが口内のエネルギーを集中し始める。

 

即座に身を翻そうとした所で、その動きを止めた。

 

ベムラーの口から熱線が放たれる。

それでも、彼は避けようとはせずに、その全てを直接体で受け止めた。

 

「ピコン、ピコン、ピコン、ピコン」

胸の光が赤へと変わり、ゆっくりと点滅し始める。

 

だが、それを気にも止めずに、自身の大胸筋で熱線を受け止めた。

 

 

 

怪特対本部

「あの巨人は、一体何を?」

モニターでその光景を見ていたハシモトはそんな疑問を口にした。

 

「ハシモト隊長!あの巨人の後ろに避難所へと移動中の民間人が!!」

「なんだって!?」

オペレーターが放った衝撃の事実に、シンジョウは動揺を隠せなかった。

もちろんそれは隣にいるハシモトも同じだ。

 

「じゃあ、あの巨人は…」

そこまで声が出たところで、ハシモトの指示は決まった。

 

「パイロット、シキ隊員に告ぐ、今すぐにあの巨人の援護を!!」

「了解!!」

そこにいる存在が敵ではないと感じ取っていたシキも、その指示に従った。

 

 

ベムラーの熱線によって、彼が身動きを取れない間、彼の後ろの民間人達は、死への絶望と、目の前の巨人への安心を覚えていた。

 

だが、彼がここから動けないのも事実。

 

このままでは…

 

だが、そのネガティブな思考はそこで打ち切られる。

 

原因は二つ。

 

「頑張れ!!ウルトラマン!!」

彼らの前に立ち、足を振るわせながらも、精鋭を送る少女の姿。

 

そして、

 

「ダダダダダァン」

 

これまで何度も自分たちを守り抜いた、怪特対の対怪獣用戦闘機、「クロスウィング」の機銃の音だった。

 

クロスウィングから放たれたエネルギー弾によって、ベムラーは大きく体制を崩した。

 

そして熱線が途切れると同時に、彼、ウルトラマンは動き出す。

 

大地を蹴って素早く跳躍、そのままごるへとドロップキックを叩き込む。

 

そのまま、片膝立ちの体制へ。

 

両手を胸につけ、左はそのままで右手を頭の後ろへと振りかぶる。

 

そのまま、手のなかに現れたギザギザの刃、八つ裂き光輪をメルバに向かって投げつける。

 

遠距離攻撃がないと思っていたのか、空を飛んでいたメルバはあっさりと光輪をくらい、その羽と首を切り落とされて爆散した。

 

それを見届けた後、ウルトラマンは立ち上がり、ベムラーの方へと向き直る。

 

そして静かに、右腕を立てた。

 

体を前傾姿勢にし、左腕は横からへ垂直に。

 

自身の残り少ないエネルギーを手首へと集める。

 

ベムラーは何をするのか察し、自身の姿をこの地球に現れた時と同じ、青い球体へと変化させ、上空へと逃げ出した。

 

だが、それを許すほど、怪獣退治の専門家は甘くない。

 

十分なエネルギーを貯めると、右腕の側面を上空の球体へと向ける。

 

そして、その右腕に左腕を交差させるように重ねた。

 

次の瞬間、莫大なエネルギーの奔流が放たれる。

 

まさに光線の名がふさわしいその攻撃は一切スピードが落ちることなく一直線にベムラーへと突き進む。

 

光線は大気圏を突破しようとしたベムラーへと直撃。

 

「ギャォォォオオオオオ!!!」

巨大な断末魔を響かせながら、ベムラーは爆散した。

 

それを見届けると、ゴルザは地面へと潜り、逃げ出しました。

 

ウルトラマンはゆっくりと振り返り、首を振ると、空の彼方へと飛び去っていった。

 

 

 

 

「おーい!!」

怪獣とウルトラマンの戦闘から5分後、学校近くの元商店街で、アキヒサを探し回っていた、ダイゴと、ヒカリ、ミコ、ユウキの四人は、遠くから聞こえてきた声に己の耳を疑った。

 

「「「「アキヒサ(くん)!!」」」」

「はは、よっ。」

即座にアキヒサの元へと駆け寄り、近くの瓦礫に座らせながら、それぞれが話し出す。

 

「どこにいってたんだよ!!」

「怪獣達の動いた衝撃で、瓦礫がずれてな、なんとか抜け出せたんだよ。」

 

「怪我の具合は?僕が担ぐからすぐに病院へ!」

「前肢擦り傷だらけなだけなので、大丈夫ですよ。」

 

「本当に!何してんのよ!!光や私たちの気持ちも考えなさいよ!!」

「ごめん。ミコもありがとうな。」

「当たり前じゃない。家族なんだから」

 

「…」

「ヒカリ、」

ヒカリは、アキヒサの服の袖を握ったまま、何も話さない。

したを向いて、俯いている。

 

「ごめん。そばにいてやれなくて、ごめん。」

アキヒサは、謝った。謝ることしか出来なかった。

 

「…本当に…」

不意に、ヒカリが口を開いた。

 

「本当に!!心配したんだよ!!」

「ヒカリ…」

「わかってるよ。わがままだって。それでも怖いの。怪獣が、私たちの日常を壊されるのが!昔言ってくれたよね。ずっと一緒にいるって。絶対に守るって。アキヒサが私を守ってくれなくったっていい。私だって、一人で逃げるぐらいはできる!だから、お願いだから、自分を大切にして。誰かのために身を投げ出したりしないで。私が、アキヒサのそばに…いたいんだから…」

そこまで言ったところで、ヒカリは泣き出した。

 

少しの間、沈黙が続いた

 

アキヒサはゆっくりと、ヒカリを抱きしめて言った。

「ヒカリ、ごめん。でも、それはできない。きっと俺は、また同じ状況になれば、同じことをする。だって、そうすべきだと思うから。仮に、そこで誰かを見捨てたら、俺は、二度とみんなと一緒に、笑えないと思うから。その代わりと言ってはなんだけど、約束する。何があっても、絶対にここへ戻ってくる。やる事をやって、みんなのもとに、ヒカリの所に戻ってきて、みんなと一緒にに笑うって。」

 

「そんなの、どうやって証明するのよ。」

ヒカリが呟くように言った。

だが、それにアキヒサは笑顔で返した。

 

「昔言っただろ。」

 諦めなければ、

 きっときてくれる。

 僕たちを救いに

 はるか彼方から。」

そう言って、アキヒサは空を見上げた。

それにつられて、その場の全員が空を見上げる。

 

「ウルトラマンが。」

そこには、あの戦いによって、空を覆う雲の一部が開かれ、輝く太陽が顔を出していた。




カミヤ アキヒサ

転生者。
前世は生粋のウルトラマンオタクの男。

今世では、幼馴染四人と父親がわりのおやっさんと過ごしている。

少なくとも、複数の世界で確認されている、ティガの石像を探したが、見つからず、かなりの絶望を味わうも、めげずに他の方法を模索し続けていた鋼のメンタルの持ち主。

前世の分もあり、精神年齢が周りの人間よりも高く、いつでも落ち着いた性格。

前世でも心の支えになるほど、彼にとって、ウルトラマンの存在は大きかった。


第一話終了です。

一応続きますし、庭もこんな感じで出すつもりなので、更新はかなり遅くなります。

何かしら質問があれば、感想欄へ。
答えられるものには答えますので。

高評価、お気に入り登録、感想、もらえると嬉しいです。

ちなみに、ここで明言しておきますが、アキヒサがいるこの世界は、現状、どのウルトラマンの世界とも、繋がりはありません。
マルチバースってやつです。
今後の話には、割と原作キャラも出すつもりなので、一切関係のないわけではないですが。
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