「お疲れ様でしたー!」
ライブが無事終わり、夜穂乃果の部屋で打ち上げ兼反省会を行うことになった。
「ライブ、本当に良かったよ」
素直な感想を三人に伝える。
「ほんと!?」
「あぁ、目が離せなかった」
「やったね、穂乃果ちゃん海未ちゃん!」
「そう言って貰えるとなによりです」
実際の所まだ拙いところはあったかもしれない、それでも人を惹きつけるだけのパワーがあった。
「でも良かったよね!?」
「穂乃果?」
「最初はお客さん誰もいなくて、挫けそうになったけど来てくれて!」
「ですね」
あの時は確かに冷や汗をかいた。
「そう言えば」
「ん?」
海未が俺も見て切り出した。
「後から聞きましたが、滉季が各教室を回って宣伝してくれたとか」
「えぇ!そうなの?」
「俺にもなにか出来ないかと思ってな」
「じゃあそのお陰で人がきてくれたのかも?」
「そんなことないさ、穂乃果たちの頑張りだよ」
「滉季くん・・・」
「滉季・・・」
「こうきくん・・・」
「ありがとう!!」
実際の所もしかしたら俺の影響はあったかもしれない。
だがここでそれを言うのも違うだろう。
この結果は穂乃果たちの頑張りのものだと思っている。
「それよりも生徒会長にあれだけ言ったんだ。この先はもっと頑張らないとな」
「もちろん!!私頑張るよ!」
「私たちも同じ気持ちです、ですが」
「海未ちゃん?」
「この先のためにまずは考えなくてはいけないことがあります」
「部員のことだよね」
「ええ、前にもありましたが今後活動していくためには正式に部として認めて貰うことが必要です」
「今四人だから最低でも後一人は必要って事か」
「今後は練習を続けつつ、部員集めも行いましょう」
「今日来てくれた人たちの中にいないかな?」
「どうでしょう・・・興味がある人がいればいいのですが」
「ともかく、明日からまた動きだそう」
「うん!!」
「まっ、その話は置いといて今は頑張った自分たちを褒めてあげるといい」
テーブルには沢山のお菓子とジュース。
ライブのために控えていた物たちだ。
今日くらいはパーッと騒いでも良いだろう。
「わーい!いただきまーす!」
その後はお菓子を食べながら皆んなでワイワイした。
その中に暗い顔をしている人は一人もいなかった。
「かわいい~」
アルパカを前にことりが恍惚の表情を浮かべている。
改めて思うけど何で学校にアルパカがいるんだ?
深く考えてはいけないことなのかもしれない。
「あの・・・」
「ん?」
「お水を替えにきました」
そこには花陽がいた。
「花陽ちゃん!」
「あなたは」
「たしかライブに来てくれた子だよね?」
「え?あっはい・・・」
「もしかしてスクールアイドル興味ある!?」
穂乃果が食い気味に言う。
「いや、あの、その・・・」
か細い声で花陽は答える。
「私にはアイドルなんて・・・」
「そんなこと無いよ!花陽ちゃん可愛いよ!」
「でも・・・」
「穂乃果、強引すぎますよ」
「・・・失礼します」
花陽はそのまま去って行った。
「うーん、いけると思ったんだけどなー」
「諦めるのはまだ早い、また今度だな」
部員集めの作戦会議をしようと穂乃果の部屋に集合。
穂乃果は店番があるために、部屋には海未とことりと俺だけだ。
「それでね、今度の衣装は」
「スカートは長めでお願いします」
「は~い」
「絶対短いな」
適当に話をしていたところ、部屋の扉が開いた。
「見て!花陽ちゃんが来てくれたよ!」
「おじゃまします・・・」
「そうだ!せっかくだから花陽ちゃんも一緒に見ようよ」
ことりが持ってきたPCを開く。
画面にはスクールアイドルのサイト。
その中のμ'sのページを開く。
「~~~♪」
どこかの生徒会長さんが上げてくれた、先日のライブ映像を再生。
「こうやって見ると、私たちアイドルって感じだね!」
「恥ずかしいです・・・」
「あっ、ここの部分綺麗に揃ってる!」
映像を見ながら感想を言い合う。
花陽もその映像に釘付けのようだった。
「すごかったです」
「ありがとう!」
「皆さんとてもキラキラしていて」
「ねぇ、花陽ちゃん」
「はい?」
「アイドル、やってみない?」
穂乃果が再度アイドルに誘う。
「でも・・・」
「小泉はアイドル好きか?」
一歩踏み出せない花陽に対して声をかける。
「好きです」
「穂乃果たちもさ、好きでここまで頑張ってきたんだよ。例えばプロのアイドルだった好きだけじゃダメなのかも知れない。でもスクールアイドルは好きって気持ちが何より大切なんだと思う」
「・・・」
「そうだよ!」
「もし小泉にアイドルになりたい、アイドルが好きだって気持ちがあるなら迷わず挑戦してみるのがいいんじゃないかな」
「先輩・・・」
「きっと小泉は素敵なアイドルになれると思うよ」
「・・・!!」
「俺たちは無理強いはしない、だけど待ってはいるからな」
「考えてみます」
「花陽ちゃん!一緒に歌おう!」
俺たちは出来るだけの勧誘はしたと思う、花陽は話が終わると帰って行った。
「後は、本人次第だな」
「ですね」
「きっと大丈夫だよ!」
「でも~」
ことりがジーと俺を見つめる。
「どうした?」
「こうきくんにあそこまで言われるなんていいなーって」
「もちろん、三人も素敵だよ」
「もう、それで嬉しくなっちゃうことりもことりだなー」
なんてやり取りがあったりしたりしつつその日は解散になった。
「はい、休憩にしましょう」
「はー疲れた」
「お疲れ」
次の日の放課後、俺たちは屋上で練習していた。
丁度休憩していたタイミングで屋上の扉が開いた。
「失礼します」
そちらを見ると花陽、真姫、凛の三人がいた。
「どうしたの?」
穂乃果が訪ねる。
「私・・・」
少しの静寂、だが凜と真姫が花陽の背中を押した。
「私・・・アイドルやりたいです!だからμ'sのメンバーに入れてください!」
「花陽ちゃん!!」
どうやら花陽はアイドルをやることを決意したようだ。
「やった!大歓迎だよ!!」
これで花陽の加入は決まった。となると後は二人だな。
「それで、君はどうするんだい?μ'sの作曲者さん?」
俺は真姫に向かってそう言う。
「えっ!?」
花陽が驚く。
「小泉に対して色々言ってくれてたの見かけたぞ」
「そう・・・」
「俺には君もアイドルやりたいんじゃないかって思ったけどな」
「そうなの?」
花陽が真姫に問う。
「真姫ちゃんも大歓迎だよ!私たち真姫ちゃんが作ってくれた曲大好きだよ!」
「是非一緒にやりませんか?」
「うん!これからも曲作って欲しいな!」
「私は・・・」
「μ'sの事、気にかけてくれていただろ」
「・・・」
「それに君と歌と曲は必ずμ'sの力になる」
「・・・」
「真姫ちゃん!!」
「・・・分かったわよ!!私もやるわ!!」
よし!真姫も加入を決めてくれたみたいだ。
「あなたはどうするの!?」
今度は真姫が凛に問い詰める。
「私たちは覚悟を決めたわ、あなたはどうするの?」
「凛は・・・」
「凛ちゃん!!私凛ちゃんと一緒にスクールアイドルやりたい!!」
「かよちん・・・」
「私知ってるよ、凛ちゃん本当はかわいいもの好きだって」
「ほら、ここで逃げるの?」
「凛ちゃんもすっごく可愛いよ!」
「小泉と一緒にアイドルやるのきっと楽しいぞ」
「凛ちゃん」
花陽が凛に手を差し出す。
「凛、アイドルやれるかな?」
「一緒に頑張ろう!」
「ま、私も手を貸してあげるわよ」
「・・・それじゃあ」
凛は花陽の手をつかんだ。
「凛も・・・凛もアイドルやります!!」
結果的に一年生三人がμ'sに加入することになった。
これでμ'sは六人となり正式に部へと認められるだろう。
好きって気持ちは、何よりも大切なんだ。