ケロロ軍曹 転生して早々記憶喪失!? であります!   作:リボーン2期待ってます

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一部原作とアニメの設定が混ざってます。年齢弄ってるキャラもいます。

感想で1話の前書きに対してブーメラン刺さってるという指摘を受けましたので言い訳します。
パロディ自体はやります。ケロロ軍曹自体、パロディ多いですし。
小説のタグにも最初から思いっきり他作品の能力ってやっちゃってますし。

とまあ、ここにただの開き直りをしておきます。


俺達のラジオ

 彼にとって、腫れ物扱いも、除け者扱いも、陰口も慣れっこだった。

 

『たま〜に緩く登校ってか?けっ、大物気取りかよ。超ムカつく』

 

『男子の評判もメチャ悪いし』

 

『シメちゃわない?』

 

『んだよ。学校辞めたんじゃなかったのかよ…』

 

『サブローの奴、来てんじゃん。めずらし〜』

 

『おいおい、“来て下さった”んだろ?』

 

『授業サボって屋上で昼寝してたんだって』

 

『何それ感じ悪……』

 

『不良だよ不良』

 

『授業受けてなくても頭良いのはもう分かったから……来んじゃねーよ』

 

 いつ学校に行っても扱いは変わらない。周囲からは浮いており、孤立するだけ。

 教師にも味方なんていない。何なら定期テストでも何でもない、不正なんてしようのないIQテストで不正を疑われた。

 

『……気を悪くしないで聞いて欲しいんだけど、審査会から確認要請が来ているの。常識(ふつう)ではあり得ない結果が出てるって……』

 

 

 

 転機が訪れたのは、進級してすぐのあの日。

 

『おい四季!何してんだよ!』

 

『何って人数足りないからその辺で見つけたこの人誘って……なんで引っ張るの』

 

 昼休みにクラスメイトとバスケをして遊んでいた新入生に数合わせでの参加を頼まれて、関わりを持つ事になった。

 

『あいつ二年の北城だよ。知らねーの?』

 

『あんな奴誘ってんじゃねーよ、あいつが入ったら試合にならねーんだよ』

 

 下級生からもこんな扱いだった。

 でもその一年生だけは冷たい目なんてせずにジッと彼を見るだけだった。

 

『……あの人、苗字北城なんだ。初めて知った』

 

 

 

 

 

 退屈。そんな言葉で自分を誤魔化した。つまらないんだと強がった。でも今なら分かる。退屈にしていたのは自分自身。つまらなかったのも自分自身。

 

 本当は辛かった。慣れていたって平気な訳じゃない。

 

『あんな奴、学校来なくて良いんだよ!!』

 

『あはははっ!麻美、ちょー正論!』

 

 いじめという程のものではなかったが、他の“普通”の人間にとって、自分は邪魔者だった。

 

『ふざけんな』

 

 あの時の怒りの一言が、引き金になった。

 

『お前が傷付けているのは、僕の友達だ』

 

 上級生の不良を前に新入生があんな啖呵を切る事なんて普通はできない。

 

 それは何でもない当たり前の怒りだったのだろう。恩を着せる気など欠片も無かっただろう。

 

 それでも……いや、だからこそ彼の世界を一変させる事だった。

 

 前よりは学校に行くようになった。屋上なんかでのサボりが無くなった訳じゃないが、頻度は大きく減った。

 

 それからも色んな事があって、周りの目は少しずつ変わっていった。少しずつ、人が寄るようになった。少しずつ、輪に入れるようになった。

 

 友達のいる学校は楽しいと初めて知った。

 

****

 

 奥東京ラジオ局。その名の通り、奥東京市にあるラジオ局だ。サブロー先輩に連れられてそこに僕は来ていた。何故かって?僕が聞きたい。

 

『623と〜』

 

『シーズの〜』

 

『『俺達ラジオ〜!!』』

 

 なんで僕サブロー先輩と一緒にラジオDJやってんの?

 

 記憶喪失前の生活って本当にどんなだったんだ……!?なんで転生したら芸能人……!?なんか全然別の作品じゃない!?

 

 事前に調べる時間はあったものの、トントン拍子に始まった収録。しかもこれ生放送。僕何にも聞いてないんだけど。

 

『それでは始まりました623とシーズの俺達ラジオ。先週から告知はしてましたが、今週から待望のシーズくんが復帰!いや〜シーズくんが戻って来てくれてホッとしてるよ。やっぱり僕達コンビで売り出して来た訳だし?』

 

『ははは。ちょっとヘマしちゃってね?収録ができなくなっちゃってたんだよね。623っちも僕無しで番組支えてくれてありがとね!今回からまたジャンジャン喋ってくよ〜!』

 

 直前になって四苦八苦して調べてのオンエアなので、内心心臓バクバク。台本なんて用意されてないし……。

 

 どうもサブロー先輩は623、僕はシーズという芸名を使ってこうしてコンビで覆面DJをしていたらしい。

 あぶねー…下手したらサブロー先輩どころかリスナー全員に記憶喪失バレるとこだったじゃん。

 

『さて、葉書が採用されて、その中でも回答がシーズくんの今日の格言になった人には僕のポエム付きサイン色紙とシーズくんの格言付きサイン色紙をセットでプレゼント!』

 

 格言て。毎回収録でそんな事やってんの?そんな狙って言えるもんでもなくない?

 内心滅茶苦茶パニクっているけれど、誰にも僕の記憶喪失についてなんて伝えてないので、助けなんて得られる訳がない。ええい、こうなったらやってやんよ!

 

『では最初のお便りは奥東京市のラジオネーム、ナッチーさんから!』

 

 サブロー先輩は番組に届いた葉書を取り出して読み上げていく。流石に僕でもラジオ番組の基本的な流れは分かる……はず。とにかくこうなったら一つ一つ目の前の事をクリアしていくしかない!

 

『「シーズさん、復帰おめでとうございます!二人揃ってラジオDJをしてくれる日を心待ちにしていました!」早速シーズくんの復帰を祝う葉書だね』

 

『これは嬉しいね。顔出しNGでやってる身としては少しラジオに出ないとすぐ忘れ去られちゃう事なんてザラだから。ありがとうナッチーさん。そう言って貰えただけでも復帰した甲斐があるよ』

 

 まずはそれっぽいコメントを!直前に調べた“シーズ”のキャラを崩さないように気を付けながら対応していくしかない!

 

『「お悩み相談ですが、実は知り合いの普段の行動から、何かあるとすぐにその相手を疑って、罰としてそいつの大切にしてるプラモを没収したりしているのですが、その時没収したプラモを壊してしまって、更にその後誤解していた事も判明しました。でも普段からそいつが色々やらかしているので、素直に謝る事もできません。そんな事をしたら余計につけ上がってしまうと思うんです。シーズさん、623さん、私はどうすれば良いですか?」』

 

『友達との喧嘩は終わってからも気不味いよね〜。シーズくんはどう思う?』

 

『そ〜だねぇ、623っち。……マジレスすっとそれはナッチーさんが悪いよ。甘えちゃダメっしょ。前科があるからって最初から自分の考えが正しいのが前提で判断してねえ?一度相手の立場に立つべし!まぁ僕はナッチーさんみたいな一直線な子、結構好きだけど。少なくとも濡れ衣着せた事とプラモを壊した事だけは謝ろうか』

 

 本当にこんなキャラで人気獲得していたのか?記憶を失くす前の僕は。ただ学生が駄弁ってるようにしか聞こえないんだけど自分では。

 

『でも普段から色々やらかしてるらしいよ?』

 

『いやそりゃナッチーさんの気持ちも分かるけどさ、僕はやっぱりナッチーさんの方から謝っても良いんじゃないかって思うんだよね。どっちが悪いかとかって話はもう意味ないよ。結局仲直りする方法なんてどっちかが謝る以外に無いんだし』

 

 葉書のお悩み相談に関してはもうちゃんと答えるしかない。とにかく悩みを解決できるアドバイスをすれば問題ないはずだ!

 

『先に謝るってのは負けなんかじゃない。その友達との関係を終わりにしたくないのなら、こっちから謝って友達を失わない道こそが勝ちだ!』

 

『おっ。さっすがシーズくん。良い事言うねぇ〜』

 

 よし、これをさっき言ってた今日の格言とやらに使おう。メモメモ…っと。ナッチーさん色紙獲得おめでとう。

 

『お次は同じく奥東京市のガンプラ大好きっ子さん!「理不尽な濡れ衣を着せられて、罰として没収されたガンプラを壊されました!何か良い仕返しを教えて下さい」だってさ』

 

 これナッチーさんとガンプラ大好きっ子さんのお便り繋がってない?

 それからも次々とサブロー先輩がコメントを交えながら読み上げるお悩み相談や質問に“シーズ”としてのキャラを意識しながら答えていく。早く終わってくれ〜!

 

『「シーズさんはどうしてラジオDJをやろうと思ったんですか?」……そう言えばシーズくんへのこの手の質問は初めてだね』

 

『そうだねぇ……ラジオDJである理由は秘密さ。でもちょっとだけ明かすと……人はね、他人の中にいる自分を感じて、初めて生きてる実感を得るんだ。人に知れ渡る仕事を選んだのはそういう事』

 

 勿論アドリブのデタラメだ。記憶喪失の僕が自分がラジオDJやってる理由なんて知る訳ねーだろ。

 

『ではそろそろお時間になりました。最後にシーズくん、今日の格言!』

 

『先に謝るってのは負けなんかじゃない。その友達との関係を終わりにしたくないのなら、こっちから謝って友達を失わない道こそが勝ちだ!以上!』

 

『という訳で僕とシーズくんのサイン色紙セットは奥東京市のラジオネーム、ナッチーさんに贈呈!』

 

『『また来週〜!!』』

 

 やっと終わったぁ……。

 放送が終わったので、今度はプロデューサーさんやディレクターさんと話す。すぐに解散って訳にはいかないのがキツいなぁ。

 

「「お疲れ様でーす!」」

 

「シーズちゃん、復帰早々キレッキレだったね。623ちゃんとのやり取りも息合ってたし、流石超人気DJコンビ!」

 

 まさかサブロー先輩がラジオDJやってたとか、僕もコンビ組んでたとか驚き満載だった。てか、よくアドリブでこんなにできたな僕も。今思えばな〜んか、スッと答えが頭に浮かぶんだよなぁ。

 

 ……ラジオDJ、辞めるという選択肢が取れないのはキツいな。今までとは違うと周りに言えない選択をした事に後悔はないけど。

 スタッフの人達とも久々という体を装って会話を途切れさせる事なく続ける。ヤバい。かなり辛い……。話を合わせるって点でも、何も覚えてないって点でも。

 

 ああ、罪悪感で心が折れそうだ。

 

****

 

 最後にラジオネーム、ナッチーさん宛のサインを書いて漸く解散だったのだが、案外スラスラ書けた事に四季は内心驚いていた。

 記憶がないので実質初めてなのだが、経験は何かしらの形で残っているのかと考えながら四季は大きく伸びをする。

 

「じゃ、サブロー先輩。僕はこっちだから」

 

「うん。じゃ、また明日学校でね」

 

 四季はそそくさとサブローから距離を取って帰路に着く事にした。今は何がなんでもすぐにサブローから離れたかった。記憶を失くしてから10日以上が経過しているが、今日程苦しかった日はない。

 

 学校の誰よりも、告白して来た芋碁や夏美よりも、サブローへの罪悪感が四季の心の多くを占めていた。

 

 実質今日初めて出会った相手だが、向こうからすれば四季は学年は違えど、他の誰よりも距離が近い相手だ。一般的に素性を公開しない覆面DJをコンビでやって来た程なのだから、サブローから向けられる信頼は相当に強い事がすぐに分かった。

 

 そんな相手に自分は記憶喪失である事を黙っている。

 

(でも……もう、決めた事なんだ。記憶の事は隠し通すって……)

 

 病院で目を覚ました日の事はよく覚えている。転生したと思ったら、既に成長した身体で入院する程の怪我をしていると誰が思うか。そして記憶を失った経緯を知った。これは公にする訳にはいかないと自分で判断した。だから病院の医師や学校の教員に頼み込んで、記憶喪失になった事を隠して貰った。

 

 サブローにだけは言うべきかとも思った。でも、言わないと決めた理由に反する。誰か一人にでも言えば危惧している事態になりかねない。サブローがそこまで自分を信頼しているなら尚更だ。

 

(ああ……駄目だ。今すぐ泣きたい……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 帰って行く四季の後ろ姿を見送りながらサブローは何処か悲しそうな目で、それでも口元は嬉しそうに綻びながら小さく呟いた。

 

「……やっぱり四季君は四季君だよ。それだけは変わらない」

 

 心の底からホッとしたような、そんな呟きだった。

 

「……ホントに記憶失くしてんのかぁ?時々ぎこちないトコはあるが、普段は自然体そのものだぜェ。大した役者だな。ラジオ局の奴ら、気付かない所か誰一人違和感すら持ってねェぜ」

 

「クルル」

 

 真上の上空から円盤(ソーサー)に乗ってサブローの隣に降りて来たのはケロロ小隊の一員、クルル曹長だった。今日彼は四季のフォローの為にラジオ局に潜んでいたのだ。

 

「ボロを出したらフォローしてやるつもりだったが、直前の詰め込みとアドリブで対応できちまう辺り、頭のスペックは落ちてねェみてェだなぁ。それともあの反則能力を無意識に使ってんのか?」

 

「多分使ってないし、使えないよ。無意識でも使ってんのなら、夏美ちゃんからの告白についても悩んだりしてないだろうし、そもそも記憶失くす前も安定してなかったからね、アレは」

 

「……まぁ、ちゃんと使いこなせてたら夏美がお前を好きだなんてアホ丸出しの勘違いなんてする訳ねーからな」

 

 四季の様子を見て、記憶があってもなくても頭が良いのか悪いのか分からない奴だとクルルは思った。強いて言うならばやはりクソボケが一番正確な評価か。

 

「……俺は理解できねェな。アイツもお前も……誰も得なんかしねェだろ。大体地球(ペコポン)人の社会で記憶喪失なんて隠し通せるもんじゃねェ。どうせいつかはバレるってのによ。アイツは宇宙規模の鈍感人間だが、それが分からねェ程バカじゃねェ。なのにそこまでする理由がアレか?」

 

「四季君らしいじゃん。むしろ俺は納得したけど?」

 

「確かにらしいっちゃらしいが、あそこまで抱え込んでやる事か?いっそ俺が全部バラしてやろうか?病院や学校側の情報漏洩って形でな。結果的には四季の奴もそっちの方が楽だぜ」

 

「クルルには前に言ったよね」

 

 クルルの提案を暗に却下してサブローはクルルに貰った実体化ペンを取り出してペン回しをする。そのペンを見る目は何処となく寂しそうだった。

 

「四季君のお陰でさ……俺、学校楽しくなったんだよね」

 

「……」

 

 サブローと四季の過去はクルルも良く知っている。あれ程に嬉しそうに昔の事をサブローが語るのはその一件だけだ。だからこそ、四季が何も覚えていない現状に一番堪えているのはサブローのはずなのだ。

 

「だから今度は俺の番。四季君が決めた事なら、俺はとことん付き合うよ。結局クルルもそのつもりだから、今日来てくれたんだろ?」

 

「お前本当アイツ好きだな。その為に逆に記憶喪失の事を知らねぇフリしながら先回りしてヒントや痕跡を教えるたぁご苦労なこったな。俺様はそんなメンドーなやり方はしねェぜ」

 

 事情を知っている事を打ち明ければ良いとも思うが、サブローは敢えて茨の道を選択した。四季が決めた前提を崩せば、今抱えている葛藤も、最初も覚悟も全部踏み躙ってぐちゃぐちゃにする事になる。

 

 そこまでする程の理由かと問われれば、違うかもしれない。というか大多数の人が違うと言うだろう。でも四季の人間性からすれば当然の選択だった。それは記憶を失くしても変わらない。だからサブローはそれを尊重する事にした。

 

 四季の方から打ち明けて頼ってくれるのを待つ事にした。

 

「……やっぱり四季君の記憶、クルルでも治せない?」

 

「今は無理だな。あんだけ脳にダメージ負ってちゃ、手出しできねェ。地球(ペコポン)人の脳味噌ってのは俺らよりずっとデリケートだ。その上アイツのは特別製だからな。医療目的の脳波すら迂闊に浴びせられねェ」

 

 予想通りの答えだった。それこそ、できるならとっくにやっているという事くらい、サブローにも分かる。

 クルルはすぐに話を切り替えて、今後について話し出す。

 

「それよか、俺らの事もまるっと忘れちまってんだ。隊長達を接触させねぇように立ち回るのも限界に近くなってる。どうやって四季に俺らの事前情報を伝えて、信じさせるんだ?宇宙人の存在なんか普通は信じねぇだろ」

 

「さて、それに関してはどうしようか。記憶喪失がみんなにバレかねないし……」




サブロー先輩
「親友の俺が四季君の事分からない訳ないじゃん?」


原作でも北城睦実の周囲からの扱いは、本人は受け流してはいるけど、思う所がない訳じゃなさそうだし、普通に辛いでしょアレは。
原作漫画読んでからは北城睦美としても、何処となく強がってそうだったし、アニメのサブローとしてもあんまり学校生活そのものは楽しくなさそうだなって。
クルルと出会った事で楽しみや刺激は得られたかもしれないけど、それはそれとして根本的な解決かと言われると……。

アニメでのサブローが屋上とかで一人サボってたりしてるのも、原作同様、周囲から浮いてるって面もあり、不良扱いもあった。
周りと壁があるのも単に覆面DJだからって訳じゃないだろうし。ミステリアスなキャラとして設定されているとしても同学年に特定の親しい相手がいないのも気になりました。

的外れな解釈かもしれませんが、この小説ではこういう路線で行きます。
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