小鳥遊ホシノが先生を殺す理由を作りたかっただけ。 作:ホシノ曇らせは都市の意思
原作:ブルーアーカイブ
タグ:R-15 ガールズラブ 残酷な描写 クロスオーバー library of ruina ローラン 曇らせ 原作改変 原作崩壊 小鳥遊ホシノ 梔子ユメ
タイトル通りです。というか、ホシノにローランエミュしてほしかっただけとも言えます。
散々似てるだのくたびれ曇らせられおじさんだの言われてますが、ならもっと寄せてやろう!という感じです。深夜テンションです。
ト〜シッシッシ!ホシノ曇らせは都市の意思トシねぇ!
都市の意思はホシノがローランみたいな人生送るところが見たいだけなんトシねぇ...決して趣味とかではないトシよ。
ちなみに、曇らせは晴らす派です。
私は何処かの路地裏で生まれ育った。
名前も知らない老人に、ブラックマーケットでの生き方を教わった。
そしてその老人すら私の側を離れ、一人になった。
食っていける道を探すため、幼い頃から外れた世界に足を踏み入れた。
自分のためではなく
他人のためだけに働いた。
そうしてだんだんと忘れていった。
私のためにできることってなんだろう。
誰もが奪い合うしか無い、赤裸々な都市の悪意を見て思った。
足りないものがない人生くらいがいいのか……。
学園に入れば幸せになるのか……。
硝煙の匂いと人の匂いに満ちた時代が終わる頃。
「失せろ。こいつは私の物だ。」
「ガキの癖して威勢だけは良いな。変な仮面も被って。」
「失せろと言った。」
「…あ?」ベチャッ!
「前を見て生きろ。そんな風に後ろばかり気にして、一番大切な物を逃したらどうするんだ?」
「…礼は言いませんよ。」
「それは結構な事だ。」
「そしてこいつの首は私のだ。」
「青二才が戦争に参加する理由はなんだ。」
「首を突っ込むな」
「どうせ、大人どもとの契約で大金が貰えるとかだろう。」
「……貴女もそうなのか?」
「私は元々アリウスで生きてきたから、金を得たところで何か変わるものでもない。」
「……じゃあどうして参戦したんだ。」
「本当に世間知らずのガキだな、見ろ。」
「ポルタパシスの門の所属バッチ……」
「直訳で『平和の門』だ、皮肉なことに戦争の引き金そのものなんだがな。」
「私たちのようなポルタパシスの門を信じる者たちを全員『雇用』までしてな。」
「正直、私もどうして戦うのかわからない。戦えるだけの物資も、何も無かった筈なのにな。」
「アリウスがトリニティから排斥されてしばらくして、内部が滅茶苦茶にはなったが……。」
「何も教えてはくれなかったから、私たちはただ命令された相手を殺すだけだ。」
「ただ、全ては虚しいだけだからな。」
「虚しい……。」
「……ガキ。お前が今まで戦争で殺したのは何人だ。」
「23人。」
「お前の命に、23人以上の価値があると思うか?」
「……いや、私も生きるためにひたすら撃ち続けただけだ。」
「私の命は一人分の価値しかないだろうな……。」
「何処かのお高い方々は、この戦争そのものに一万人以上の価値があると考えているらしい。」
「……見ろ、これがあの大人どものやり方だ。本当に醜くてあからさまだな。」
ザザッ
何か黒く、暗く、明るくて、白い。『それ』は、こっちを見たような気がした。黒く暗く闇く昏い、白く眩く煌く輝く、宇宙に丸く開いた穴のような。
私も黒い。
私たちも白い。
わたしのまわりにあって、すべてはわたしだ。
わたしもくらい、わたしもしろい。だんだんとちかく
こくもうすくゆううつながらもゆかいでさむくもあむくするどくやわらかくすずしくもむしあつい
「うぇえっ……。」
「仮面を付けたまま吐くのか?うっ……。」
「……汚いやつだ。私まで吐く羽目になっただろう。」
「あれは……一体何だ……。」
「慣れた方がいいだろう。」
「大人……とりわけウチの上司サマの様な奴の望むものは、皆こういうものだからな。」
「この……はぁ、本当に気持ちの悪い儀式の陣で、私たちが使われて『アレ』を呼び寄せるだの、そういうものだろう。」
「私たちが見たのは、儀式が鏡となって反射してきた『アレ』だったんだろう。でなければあんな悍ましいものでも、子供一つ消せんようではあの薄汚い大人にとっては足りんだろうからな。」
「まあ、この光景を見た以上、お前は記憶消去手順を踏むことになるだろう。それでも嫌な気持ちは消えはしない。」
「なんだって……?」
「大人たちの戦争の締結ってのは、結局こういうものだったのか?」
「こんなもんをただ自分たちの利益の為だけに、私たちはその為に振り回されて破滅してくっていうのか?」
「もっというと、私たちはその利益で作られたものの上で暮らしている。どんなに清貧ぶったトリニティのボンボンでもな。」
「……貴女は、どうするんですか。」
「何だ、急に。そんなことを聞く間柄でもないだろうに。慣れない敬語まで使って。今更私を敬ってどうする。」
「私は……これ以上耐えられる気がしません。この光景も……このネバついて離れない戦争の感覚も。」
「何だ、案外アツい奴だったのか?私と共に逃げろとでも言うつもりか。ガキにしては随分強い奴だと思ったが、精神面はまだまだガキだったらしいな。」
「……」
「図星か?……私はあの儀式の『先』を見てしまったからな。不穏分子として、生きて帰ることは叶わないだろう。」
「最も、帰る場所などあるものがこの戦争に参戦することはないだろうが。」
「……はぁ?さっき、私に記憶消去手順がどうとか言ってましたよね?」
「さっきも言ったろう、ガキ。私はアリウスの生まれだ。この戦争で使い捨てられるべく生まれただけに過ぎない。」
「お前さんは知らんだろうが、アリウスに生まれた者がただ戦争で死ぬだけなんて、幸運と言えるだろうな。」
「私はせめて戦って死ぬことにするよ。死ぬならせめて生まれ故郷が良い、という願いだけは叶う様だな。ここまで生きて来られただけ、あの薄汚い大人にすこしは感謝をしておくべきかな。」
「……ガキ。名前は?」
「……小鳥遊ホシノ、です。」
「そうか、良い名だな。……まあ、これから死ぬ者の名などいらんだろうな。」
「待ってください!!私は!!」
「良い経験になったろう、ガキ。」
その日見た、儀式の『アレ』は思い出せない。
それでも都市を増幅させる、醜悪な姿は忘れられない。
吐き気のする世界そのもの。
自分の利益が、数多の他人の犠牲の上に立っているということすら知らないのだろう。
知りたくないだろう。
戦争が終わってから、私は再び路地裏……とりわけブラックマーケットに溶け込んでひたすらに依頼だけを受けていった。
ただ私の頭の中には、一つの言葉がグルグルと渦を巻いてとめどなく溢れていった。
「……死ぬなら、生まれ故郷が良い。」
別に、死ぬつもりなんてなかった。
死ぬ気力がなかったとも言えるが。
ただ漠然と、この場ではないどこかに行きたかった。
「生まれた場所……何処だろう。……建物、配置……多分、この辺だと思うけど。」
ブラックマーケットはともかく、ただの路地裏にはもちろん何もない、喧騒が広がっているだけだ。
でも、そこを管轄する自治区は存在する。そういうルールだから。
「アビドス自治区……」
聞いたことはある、依頼で何度か行ったこともある。
昔はすごかっただの、砂嵐のせいで商売上がったりだの、80人くらい生徒会長がいた時代があっただの、いろんな噂話を聞いた。
……でも良い印象だけは、聞いたことがなかった。
「アビドス高校……生徒数、1名……?」
……まあ、もう何でも良いだろう。誰かと話すのも疲れたし、丁度いい。
あと一年くらいしたら私も15だ。
とりあえず周辺にでも行って……良さそうなら、申請してみるか。
ホシノは物心つく頃に仮面を付け始めました。
何処かから拾ったそれはおそらくオーパーツの一種で、認識阻害の効果がありました。
被ると関心を受け辛くなり、なにか存在を強く意識できるものを見たり知っていたりしないと誰だかわからないほどでした。
ホシノはその仮面のおかげで、さまざまな依頼によって生じる恨み辛みを最低限に抑えることができました。
ただ、ホシノはその仮面のせいで、路地裏で受けられる小さな感謝すらも、正面から受けることが出来ませんでした。
その仮面は、ホシノを助ける盾であり、ホシノが出られない殻となっているのです。