三十二年前の記録へ訂正を加えるために用意された紙は、驚くほど白かった。
第一庁大審理室の中央には、古い事故台帳と新しい訂正記録が同じ透明保全台の上へ並べられている。事故台帳の頁は黄ばみ、端が乾いて波打っており、ルカ・ヴィアンキの名の横には、時間を経ても色褪せない赤い文字で『無許可発砲』『堕天認定』『国外追放処分』と記されていた。
その隣の新しい紙には、まだ表題しかない。
『沈黙計画第三実験班事故記録・再審査結果および訂正付記』
過去の記録を破棄せず、後から加えられた判断であることが分かるよう、訂正書は別紙として綴じられることになっていた。赤い文字を消すのではなく、その直後へ、なぜその判断が誤っていたのかを残すためである。
審理室の傍聴席には、関係官署の職員とごく少数の報道記録員だけが入室を許されていた。事件の予備審理とは異なり、一般傍聴は認められていない。沈黙計画の技術情報が含まれることに加え、ルカ本人の医療記録や、テオの家族関係に関する審査が行われるからだった。
それでも審理室の外には多くの者が集まっている。アウレリアを人殺しと呼んだ者、彼女の釈放に抗議した者、正義促進官室が判断を変えた理由を知ろうとする者、三十二年前にラテラーノが何を隠したのかを問う者。厚い扉を隔てているため彼らの声は言葉としては届かないが、大勢の足音が床を通して低い振動となり、机の脚へ伝わっていた。
リヴィオはアウレリアの隣に座り、保全台の向こうに並ぶ審査官たちを見ていた。
第一庁の審査官三人、現行制度の教理顧問二人、第六庁の医療鑑定官、第三庁の技術監査官、第二庁の庁務継承官、第七庁からはオレン、そして正義促進官としてベアトリーチェ。
一人の技師を堕天者とした記録を見直すために、今では存在しない官署の代わりを、現存する官署が埋めるように並んでいる。
テオは審理室の反対側に座っていた。隣にはソフィア・マルテッリがいる。神学校の制服ではなく、鐘楼管理所の灰色の作業服を着ていた。
「審理を開始します」
第一庁主席審査官が告げた。声は大きくなかったが、天井の高い室内へ均等に広がった。
「本審理では、三十二年前に発生した沈黙計画第三実験班事故について、事故原因、ルカ・ヴィアンキの発砲行為、同人に対する堕天認定および国外追放処分、ならびに事故記録の封印手続きの適法性を再検討します」
書記官の筆が動く。音響記録装置の灯りが点る。
「同時に、現在の大聖堂鐘楼事件について、マティアス・ロッシーニの死亡原因、アウレリア・セラフィーニおよびテオ・ヴィアンキの刑事上の立場、ならびに旧設備の管理責任について、正義促進官室から最終意見を受け取ります」
アウレリアの手が、机の下で僅かに動いた。一定の拍子でも、意味のある合図でもない。緊張すると指先が落ち着かなくなる、ただそれだけの癖だった。
リヴィオは何も言わず、自分の記録冊子を彼女の方へ少しだけ寄せた。紙の余白には、今日扱われる項目が順番に書かれている。
ルカの発砲。堕天認定。マティアスの署名。テオの発砲。アウレリアの銃。マティアスの死。
何がどの順番で審理されるのかが見えるだけで、アウレリアの指の動きは少し弱くなった。
最初に読み上げられたのは、三十二年前の事故時系列だった。
装置出力の上昇、安全遮断器の作動失敗、共感遮断領域の異常な拡大。そしてその後に行われた、ルカ・ヴィアンキの発砲と、主制御柱の緊急遮断回路が破壊されたことによる装置出力の低下。
発砲と事故開始の間に存在した一・八秒が、今回は省略されることなく記録された。
第三庁の技術監査官は、現在の鐘楼で行われた再現試験の結果を報告した。
「主制御柱の遮断把手からの信号が失われた場合、装置を短時間で停止する手段は下層動力盤の切断か、主制御柱の集束部を物理的に破壊することに限られます。ただし下層動力盤への到達には最短でも五十八秒を要し、事故時の出力上昇速度から見て、広域への影響を防ぐには間に合わなかったと判断します」
「ルカ・ヴィアンキの発砲は、事故を発生させた行為でしたか」主席審査官が尋ねる。
「いいえ」監査官は記録紙と再現試験結果を見比べてから答えた。「事故は発砲より前に始まっており、発砲は暴走した装置を停止させるための行為でした。発砲直後に一時的な出力変動が発生した可能性はありますが、それによる影響は、装置が作動を続けた場合に予想される被害より小さいものです」
「無許可発砲ではあった?」
「はい。ただし当時の緊急手順には、遮断器が作動しなかった場合の代替手段が定められていませんでした。現場技師が即時に判断しなければならない状況だったのです」
「技術上、合理的な判断だったと?」
「はい」
その答えが記録される間、テオは正面の保全台を見ていた。父親の赤い記録が置かれている場所だ。
喜びも安堵も、彼から周囲へ伝わっているのかもしれない。しかしリヴィオには分からない。分かるのは、テオが一度深く息を吸い、固く握っていた手を開いたことだけだった。
続いて、第六庁の医療鑑定官がルカとアウレリアの記録を比較した。
共感反応の喪失。光輪の明度低下。守護銃認証の不安定化。いずれも装置への近距離曝露によって生じたと推定される症状であり、それだけをもって堕天の徴候とは判断できない。
「ルカ・ヴィアンキの事故後の症状が、教理上の堕天によるものだったと医学的に証明できますか」主席審査官が問う。
「できません」
「装置への曝露による障害であった可能性は?」
「極めて高いと判断します」
教理顧問の一人が資料を開いた。
「当時の教理審査官へは、装置の設計、事故時系列、発砲前に安全遮断器が故障していた事実のいずれも開示されていませんでした。審査官が受け取ったのは、共感と光輪の異常を記した医療所見、および無許可発砲によって事故が生じたと読み得る処分概要のみです」
「情報が欠けた状態で認定されたと?」
「はい」
「現在の基準に照らした場合、同じ資料から堕天認定を行いますか」
「行いません」教理顧問は迷わず答えた。「医学上の障害と教理上の身分変化を区別できず、さらに重大な法違反があったという誤った前提によって判断が誘導されています。手続き上も、事実上も、この認定を維持することはできません」
主席審査官は他の審査官と短く意見を交わした。言葉は小さく、傍聴席まで届かなかった。やがて中央の審査官が、新しい訂正書へ視線を落とす。
「第一庁審査部は、ルカ・ヴィアンキに対する堕天認定を取り消します」
テオの肩が僅かに揺れた。
「同人に確認された共感および光輪の異常は、沈黙計画第三実験班装置への曝露による障害であった可能性が高く、教理上の堕天を証明するものではありません。また、認定の前提とされた無許可発砲は事故発生後に行われた緊急停止行為であり、事故原因ではありませんでした」
ニコラとは別の第一庁記録官が、白い訂正書へ文章を書き入れる。赤い文字は消えない。その隣に、黒い新しい文字が加わっていく。
テオの目から涙が落ちた。
彼は顔を伏せなかった。机上へ落ちた涙を拭うこともせず、記録官が書き終えるまで、父親の名を見続けていた。
「国外追放処分については?」ソフィアが尋ねた。
主席審査官が答える。「処分の主要な根拠であった堕天認定および事故原因に関する判断が取り消された以上、国外追放処分も遡って取り消します」
「ルカ本人の現在の所在は不明です」
「承知しています」
「本人が生きていた場合、公民資格は?」
「回復したものとして扱います。死亡していた場合も、身分記録上、国外追放者および堕天者との記載を有効な現行情報として使用することを禁じます」
「家族の審査に用いることも?」
「禁じます」
神学校の審査。官職への任用。守護銃資格。
テオの名を照会するたび、父親の赤い文字が呼び出されることはなくなる。過去の記録から消えるわけではない。だが、現在の判断へそのまま渡されることはなくなるのだ。
「テオ・ヴィアンキの神学校推薦保留については、本人が再申請した場合、父系身分記録に関する追加審査を不要とします」主席審査官が続けた。
テオは涙を拭い、ソフィアの方を見た。「再申請しなければならないのですか」
「申請するかどうかは、あなたが決めることです」ソフィアが答える。
神学校へ行くことは、以前のテオにとって望みだった。しかし事件後も同じ道を望んでいるかは本人にしか分からない。父の記録が訂正されたからといって、息子の人生まで強制的に事件前へ戻す必要はなかった。
マティアス・ロッシーニについての審理は、さらに長い時間を要した。
彼が三十二年前に行ったことは、単純な記録改竄ではない。虚偽の証拠を作ったわけでも、事故時系列の原記録を破棄したわけでもなかった。
提出された事故概要の中にある個々の事実が、原記録にも存在することを確認し、法定記録官として署名した。ルカが発砲したこと、制御柱が破損したこと、装置が停止したこと、共感遮断領域が異常に拡大したこと。いずれも事実だった。
しかし、発砲前に装置が暴走していたことも、安全遮断器が先に故障したことも、ルカの発砲が装置を停止させたことも、事故概要には含まれなかった。マティアスはその不足を知りながら署名し、さらにルカの異議付記を教義上危険な資料として分類し、一般の教理審査から切り離した。
「ロッシーニ記録官には、分類への異議を残す権限がありました」第一庁の審査官が説明した。「決定権は主任監査官および教理顧問にありましたが、法定記録官として、事故概要が原記録の全体を正確に表していないと付記することは可能でした」
「彼は、それを行わなかった」ベアトリーチェが言った。
「はい」
「上司の命令に従ったとしてもですか?」
「命令に従ったことは、処分の程度を考える事情にはなります。しかし、記録の不足を知りながら公証した責任そのものを消すものではありません」
マティアスはすでに死んでいる。懲戒処分を受けることも、法廷で弁明することもできない。それでも責任を記録する意味があるのかと、報道記録員の一人が事前質問の中で尋ねていた。
その答えとして、第一庁はマティアスが事件前に提出していた文書を開示した。
『事実公証訂正申立書』
事件の三日前、マティアスは附属文書院へ申立書を提出し、三十二年前の事故記録とルカの異議付記を公開の再審査へ移すよう求めていた。申立書には彼自身の署名と、対象文書の頁数、封印番号、真正を確認するための公証符号が記されている。最後の頁には、長い自筆の付記があった。第一庁の記録官が読み上げる。
「『私は、当時の記録へ虚偽を加えなかったことを長く自らの弁明としてきた。しかし、事実を削らずとも読む順序を変え、必要な事実を書かなければ、記録は虚偽と同じ働きをする。私はルカ・ヴィアンキの発砲が事故後であることを知りながら、その順序を公的な概要へ残さなかった』」
審理室の中で、紙をめくる音さえ止まった。
「『私は本人へ謝罪する機会を失った。家族へ告白することも、失われた時間を返すこともできない。ゆえに、この申立てを悔恨の表明ではなく、法定記録の訂正要求として提出する。私の後悔が真実であるかを審査する必要はない。確認すべきなのは、事故が発砲より前に始まっていたという記録である』」
マティアスは、自分の心を証拠にしなかった。後悔しているから信じてほしいとも、老いた自分を許してほしいとも書かなかった。確認可能な記録を示し、自分の署名が作った公的な事実を、別の公的な記録によって訂正しようとした。
しかしその申立てが正式な審査へ回される前に、彼は監査印と文書を鐘楼へ持ち出した。アウレリアへ十分な危険を説明せず、テオの父親が関係することも伝えず旧設備を開き、自分の署名が残したものを自分の手で確かめようとしたのだ。
「ロッシーニ公証官の行為は、過去の隠蔽を正そうとする目的によるものでした」ベアトリーチェが最終意見を述べる。「しかしその目的は、現場にいた者へ必要な情報を与えず、現行の安全手続きを経ずに旧設備を開くことを正当化しません。彼がアウレリア・セラフィーニへ三十二年前の事故と装置の危険性を説明していれば、試験打鐘は中止され事故は防げた可能性が高い」
アウレリアは目を伏せた。自分でも、説明されていれば鐘を止めたと供述している。
「同時に、ロッシーニ公証官は装置の異常後、遮断を試み、テオ・ヴィアンキへ緊急停止位置を指示し、自らもアウレリア・セラフィーニの守護銃を使用して上部回路を破壊しようとしました。その行為によって装置は停止し、影響が広場へ拡大することは防がれました」
マティアスは事故を招いた者であり、事故を止めた者でもある。過去を隠した者であり、最後に公開しようとした者でもある。被害者という一語でも、加害者という一語でも足りない。
「死因について、正義促進官室はどのように判断しますか」主席審査官が尋ねた。
ベアトリーチェは、弾道報告書を開いた。
「マティアス・ロッシーニは、装置の上部遮断環を狙ってアウレリア・セラフィーニの守護銃を発射しました。その〇・六秒前にテオ・ヴィアンキが下部回路へ発砲したことで床と譜面台が動き、第二発は譜面台へ衝突した後、跳弾してロッシーニ本人の胸部へ命中しました」
「第三者が、彼を殺害した事実は?」
「認められません」
「自死ですか」
「自らの身体へ向けた意図的な発砲ではありません。緊急停止作業中に生じた事故死です」
ベアトリーチェは一度息を整えてから、続けた。
「正義促進官室は、アウレリア・セラフィーニおよびテオ・ヴィアンキのいずれについても、マティアス・ロッシーニの死亡に関する殺人罪、傷害致死罪または過失致死罪を構成する事実はないと判断します」
傍聴席で、幾人かが深く息を吐き出す音がした。
アウレリアの指が机の上で止まり、テオは目を閉じている。
「テオ・ヴィアンキの守護銃発砲については?」
「多数の者へ影響し得る装置の暴走を停止させるため、他に即時の手段が存在しない状況で行われた緊急行為であり、刑事責任を問いません」
「現場からの離脱、救護要請を行わなかったこと、封印文書を持ち出したことについては?」
ベアトリーチェはテオを見た。共感を通じて少年の恐怖や後悔を感じているのかもしれない。しかし彼女が読み上げたのは、記録された事実だった。
「本人は十八歳であり、父親と同じ発砲記録を作られることへの強い恐怖があった。入口警報が作動し、執行人が到着すると認識していた。さらにマティアス・ロッシーニ本人から異議付記を持ち出すよう求められたと供述し、この供述は現場状況および文書上の血痕によって補強されています」
異議付記の表紙には、マティアスの血が付着していた。死の直前に彼が触れ、テオへ渡したことを示す痕跡だった。
「テオは文書を破棄、改変、売却または国外へ持ち出そうとせず、自ら権利擁護官へ連絡し、発見後は守護銃と文書を任意に提出しました。以上から、救護義務違反については故意を認めず、文書持出しについても犯罪として公訴を提起しません」
ソフィアが、依頼人の前へ置かれた紙を確認する。「行政上の措置は?」
「守護銃の安全使用再講習と、事件後の心理的支援を条件として、登録停止を三か月以内で見直します。これは刑罰ではありません」
テオが顔を上げた。「神学校へ戻るための条件ですか」
「違います」ベアトリーチェが答える。「戻るかどうかを決めるのは、あなたです」
ルカの記録が訂正されても、テオへ以前の夢を強制してはならない。父の名誉回復を息子の進路選択と交換してはならない。その区別も、審理記録へ残された。
最後に、アウレリア本人へ発言の機会が与えられた。
証言台へ立つ必要はないと告げられたが、彼女は自分から席を立ち、保全台の前へ進んだ。
数日前の予備審理では、彼女の沈黙そのものが疑いとして扱われた。共感が届かない。恐怖も後悔も伝わらない。平然として見える。人を殺した者が何も感じていないのではないかと囁かれた。
今日の彼女は同じ光輪を頭上へ浮かべたまま、傍聴席と審査官たちの方を向いた。共感は戻っていない。審理室にいるサンクタたちが何を感じているのかも分からない。外の群衆の恐怖や怒りも、厚い扉と共感の沈黙の両方によって届かなかった。
「私は、マティアス・ロッシーニの死を悲しんでいます」アウレリアは言った。声は少し震えていたが、途中で謝罪を挟まずに言葉を続けた。「私へ危険を説明しなかったことには怒っていますし、あの方が行ったことをすべて許せるとも思っていません。それでも、目の前で亡くなったことを悲しいと思っています」
短い休止の間、誰も口を挟まなかった。
「その悲しみが皆さんへ届かないことも知っています。私の声が震えているか、涙が出ているか、そういうものから推測するしかない。以前の私なら、それは不十分だと思ったかもしれません」アウレリアは傍聴席の方を見た。「でも、届かない感情を証明するために、私は自分が犯していない罪を認めません。人を安心させるために謝ることも、皆さんが期待する悲しみ方を演じることもしません」
ベアトリーチェは動かずに聞いている。リヴィオは自分の前に置かれた記録冊子へ視線を落とさなかった。今だけは、書かれる前の言葉をそのまま聞きたかった。
「私には感情があります。以前と同じようにあるのか、以前より変わったのかはまだ自分でも分かりません。ただそれを他のサンクタへ送ることができず、他の人から受け取ることもできないだけです」
アウレリアは一度、家族が座る席へ目を向けた。母親は両手を組み、娘を見ている。父親も、姉も、妹もそこにいた。
「家族が私を愛していることは、今は言葉で聞かなければ分かりません。私はその言葉が本当かどうかを共感で確かめることができない。それでも、信じることはできます」
母親の目から涙が落ちる。
「法についても、同じだとはまだ思えません」
傍聴席に、僅かな緊張が走った。
「記録が一度、私を殺人者として扱ったことは消えません。広場で呼ばれた言葉も、新聞に書かれた見出しも消えないでしょう。今日の訂正を最初の記録より信じてもらえるかも分かりません」彼女は白い訂正書を見た。「それでも、間違った記録を消して何もなかったことにするより、どこで間違い、なぜ訂正したのかを残してほしいと思います。私だけではなく、ルカ・ヴィアンキや、テオや、マティアス・ロッシーニについても」
主席審査官が尋ねる。「それが、あなたの求める結論ですか」
「いいえ」アウレリアは答えた。「結論ではなく、これから間違えるときのためのお願いです」
審理室のどこかで、誰かが小さく息を吸った。
共感を失った彼女の言葉は、他者の感情へ直接流れ込まない。一人ずつ耳で聞き、自分で意味を考えなければならない。それでも、その遅い伝わり方によってしか届かないものがあった。
訂正書への署名は、審理の最後に行われた。
立会人全員が署名をしていき、最後に利害関係人としてテオが受領を確認する署名を行った。
父親の認定を取り消す文書へ息子が自分の名を書く。筆を持つ手は震えていたが、書き直すことなく最後まで記した。
『テオ・ヴィアンキ』
父親の名と同じ姓。これまで身分審査で障害として扱われてきた姓が、初めて訂正を受け取る者の署名になった。
アウレリアも、現代の鐘楼事件に関する訂正記録へ署名した。
『アウレリア・セラフィーニが発砲した事実は認められない』
『マティアス・ロッシーニの死亡は、緊急停止作業中に生じた跳弾による事故死』
『共感機能の喪失は、殺意、危険性または教理上の堕天を示すものではない』
最初の記録には、彼女が煙を上げる守護銃を持ち、遺体の近くに立っていたと書かれている。ただし、意識を失った後に銃がマティアスによって使用され、アウレリアが目覚めた後に拾ったことが、新しい記録として加えられた。
事実は最初から存在していた。後から変わったのは、それを結ぶ線だった。
審理が終了し、傍聴席の人々が立ち上がる。
扉が開くと、外に集まっていた者たちの声が一気に流れ込んだ。ルカの認定取消しを叫ぶ者、アウレリアの無実を問う者、正義促進官室の責任を追及する者、沈黙装置の存在を説明しろと求める者。事実が公表されたからといって、街全体が一つの理解へ到達するわけではない。共感を持つ者たちでさえ、同じ事実から異なる怒りや安堵を感じる。
ベアトリーチェは正面の扉へ向かった。
「説明するのですか」リヴィオが尋ねる。
「正義促進官室の判断を公表します」
「群衆は、法的な区別を聞きたいと思っていないかもしれません」
「聞きたいことだけを話すのが正義促進官の職務ではありません」彼女は扉の前で足を止めた。「あなたは?」
「アウレリアと家族用の出口から出ます」
「逃げるのですか」
「依頼人を記者会見へ立たせないだけです」
「言葉を分けるのが得意ですね」
「あなたほどではありません」
以前、中庭で交わした言葉を返すと、ベアトリーチェは僅かに笑った。その感情はリヴィオには届かない。だから彼は、見えた笑みだけを受け取った。
三か月後、大聖堂の第七鐘は一日だけ沈黙した。
事故のためではない。改修工事のためだった。
三十二年前の沈黙計画に用いられた装置は第一庁と第三庁の共同立会いの下で撤去され、部品の一つずつに番号が振られた後、教理資料ではなく危険設備として保管された。撤去作業の記録には、誰がどの部品を外し、どの箱へ収め、どの認証権限を失効させたかが記されている。
旧監査印は物理的に破砕された。内部の源石回路が切断され、破片の数まで台帳へ記載された。最後の確認欄には空白を残さず、複数の官署が署名した。
鐘楼の制御設備も更新された。光による警告表示、文字による状態説明、複数の場所から操作できる手動遮断器、回路が故障した場合に自動的に鐘との接続を切る機構が追加された。設計変更の技術顧問欄には、アウレリア・セラフィーニの名がある。正式な現場復帰ではない。第三庁の復職審査は「共感を失った技師が公共鐘律設備を扱う場合の安全基準」そのものが存在しないため、まだ継続していた。
その一方で、安全基準を作る会議には彼女以上に適した者がいなかった。
改修後の試験打鐘の日、アウレリアは鐘楼の上層ではなく広場の端に立っていた。家族と、リヴィオと、テオも一緒だった。
テオは神学校へ再申請しなかった。少なくとも、今のところは。代わりに第二庁の庁務記録補助員として働き始め、廃止官署の未了事項を確認する仕事をしている。父親の記録を訂正したから選んだ職なのかとリヴィオが尋ねると、テオは「そうではないよ」と答えた。本当の理由がそれだけかどうかは分からない。本人がそう言った以上、今はその言葉を額面通りに受け取る他なかった。
マティアスの事実公証訂正申立書は附属文書院で公開記録へ移された。彼の名誉を讃える碑は作られなかった。事故を防げたはずの情報を隠し、再び危険を説明しないまま設備を開いた責任も訂正記録に残されている。同時に、三十二年前の公証を自ら訂正しようとし、最後に装置を停止させたことも記された。
聖人にも悪人にも分類されないまま。一人の法定記録官として。
***
広場には、改修された警告表示が設置されていた。
試験前を示す青い灯り。鐘律系統の正常を示す白い文字。異常時の退避経路を示す矢印。
「始まります」彼女が言った。
鐘楼の上で最初の鐘が鳴る。澄んだ音が石壁へ反射し、広場を渡っていく。二つ目。三つ目。家族の光輪が音に合わせて淡く揺れる。彼らがどのような感情を共有しているのか、アウレリアには分からない。
母親は彼女の手を握り、声に出して言った。
「少し緊張しています」
アウレリアは母の方を見る。「私もです」
「でも、楽しみでもあります」
「私も」
二人の感じ方が本当に同じかは確かめられない。言葉の意味も、緊張の強さも、それぞれ違うかもしれない。それでも同じ言葉を選んだことは分かる。
四つ、五つ。テオは鐘楼を見上げていた。
父親の発砲が事故原因ではなかったことは、今では公開記録に記されている。だが父親がどこで生き、どこで死んだのかはまだ分からない。国外教区への照会は続いているが見つかる保証はない。それでもテオは、父親を堕天者として探す必要はなくなった。
六つ目。広場の人々が最後の鐘を待つ。
三十二年前に装置と結びつけられ、事件当日に遅れ、濁った七つ目の鐘。改修された制御盤では白い文字が表示されている。
『第七鐘 待機』
一拍置いて、文字が変わる。
『打鐘』
七つ目の音が響いた。
わずかに高い。完璧な鐘律ではなかった。隣にいた第三庁の技師が小さく眉を寄せ、次の調整日を口にした。アウレリアはその音を最後まで聞いた。遅れてはいない。濁ってもいない。ただ以前より僅かに高い。
「直しますか」リヴィオが尋ねる。
「いずれ」アウレリアは答えた。「今日は、このままでいいです」
鐘の余韻が広場へ残る。誰かの喜びが共感を通して多くのサンクタへ広がっているのかもしれない。逆に、過去の事件を思い出し不安を感じる者もいるだろう。アウレリアにはどちらも届かない。
それでも母親の手の温度があり、妹の笑い声が聞こえ、父親が高すぎる鐘律について技師へ口を出そうとして姉に止められている姿が見える。テオが、七つ目の音が消えるまで空を見上げている。リヴィオが隣に立っている。
「以前、父から聞いたことがあります」リヴィオが言った。「サンクタの共感は、誰もが自然に参加できる会話のようなものだと」
「あなたは、参加したかったのですか」
「羨ましいと思っていました」初めて口にする言葉だった。
アウレリアは驚いたように彼を見る。「今も?」
リヴィオは広場を見渡した。言葉を使わずに安堵を分け合う者たち。不安を感じ取って手を伸ばす者たち。説明の前に悲しんでいることだけは理解できる者たち。
「今も羨ましいです」彼は答えた。「ですが、自然に参加できない者がいるなら、法はその者の席を別に用意するべきなのでしょう。話す機会と、言葉が届くまで待つ時間を」
「ずいぶん不便な会話ですね」
「人間同士の会話は、本来かなり不便なものです」
以前、面会室で交わした言葉だった。アウレリアは笑った。
今度の笑みは事件後に見せたどの表情よりも自然に見えたが、リヴィオはそう記録するつもりはなかった。自然かどうかは彼の判断にすぎない。彼が確かに知ることができるのは、彼女が笑ったという事実だけである。
七つ目の鐘の余韻が消えた後も、広場には多くの音が残っていた。人々の話し声。紙袋を開く音。子供が石畳を走る足音。改修工事の工具を片づける金属音。言葉にしなければ伝わらない感情を抱えた者たちの声。
天使は悲しまない、と誰かが言った。悲しみが伝わらなければ、存在しないのと同じだと考えたのだろう。
だが、アウレリアは悲しんでいた。怒り、恐れ、愛し、時には安心し、それらを以前より遅い言葉へ変えながら生きていた。悲しみが聞こえないことと、悲しみがないことは同じではない。
鐘が鳴り終わっても、その事実は残った。
---
TIPS 記録の訂正
ラテラーノの公的記録は、後の審査によって誤りが判明しても、原則として元の記載を消去しない。
当時どの証拠に基づいて何が判断されたかを残した上で、訂正理由、新たに確認された事実、訂正を決定した官署と責任者を付記する。
これは過去の誤りを保存するためだけの制度ではない。訂正前の記録がどのように捜査、裁判、身分審査、官職任用へ影響したかを後から検証できるようにするためでもある。
誤った言葉を消せば、誤りそのものが存在しなかったように見える。そのため訂正記録には、正しい結論だけでなく、なぜ以前の結論が誤っていたのかも残される。
記録は過去をやり直すことができない。ただし、次に読む者が同じ誤りを繰り返さないよう、読む順番を変えることはできる。