物語の終着点は決めてあるので経路を決めるだけですが、それが1番難しいんだよコノヤロー。
今回はデーンジャラスで、デーッドリーで、デラーックスなクローンモンスターです。
追記:タイトル忘れてた てへ
“こんにちは、ウタハ。”
「おや、先生じゃないか。随分久しいね」
ミレニアムサイエンススクールのエンジニア部。時間帯としては昼間であり学内にいる生徒が多いので先生は元々抱えていた仕事を終わらせて寄り道していた。
「ここに来るということは、何か作ってほしい物でもあるのかな?喜んで承るよ」
“ありがとう、でも今日は別の用事でね。ナヤはいるかな?“
今回ミレニアムに来たもう一つの目的はエンジニア部所属の細成ナヤ。少し前にて黒服から言われたこともあり黒服の言うことを真面目に聞くのは不本意ではあるが一目見ておこうと思っている。
「ナヤか……すまない、今日はいないんだ」
”いない?どこかに出かけてるのかな“
「行き先までは……ああいや、コトリなら知っているはずだ。コトリ、ちょっと来てくれないか?」
少し遠い場所でヒビキと一緒にアバンギャルド君を弄っていたコトリを呼ぶ。腕と頭部が胴体から離れたままであり少し悲しそうにも見える。
「ナヤ先輩ですか?トリニティに行きましたよ!」
”トリニティ?随分アグレッシブなんだね“
「ちょっと前まで数ヶ月レベルで放浪してたくらいだからね、ミレニアムの中でも随一の行動力を持っていると思うよ」
ちなみに正確には救護騎士団に行ったらしいです!というコトリの言葉を聞き次の目的地を決める。
”そういえば、あの木は?“
「アレかい?ナヤが作ったメイン戦闘システム『ウィスピーウッズ』だよ。見ていくかい?」
”ありがとう。少し気になっていたんだ。“
四肢なき別れギャルド君とは別ベクトルで存在感のある木。特段変わった所は無いが、機械的な空間には似合わない自然だ。
「先生には是非動かしている所を見せたかったんだが、あいにくナヤがいないからね……」
”ナヤの許可が降りていない感じ?“
「と言うより、そもそもナヤ先輩以外動かせないだけですね!バッテリーもナヤ先輩なので」
その言葉に疑問が生じる。バッテリーはナヤが持っているとかではなく、ナヤ自身?先生の様子を見かねて、ウタハはついでだしと提案する。
「ウィスピーウッズの研究調査記録があるが、見るかい?」
”お願いするよ。“
待っている間にウィスピーウッズの胴体を少し調べる。質感は完全な木。アロナに確認してみるも、特に変な所は無いとのこと。そうこうしているうちにウタハが調査記録を持ってくる。
内容としては見た目や攻撃手段、安全面の要検証など。他にはモモイが食べられたとか、よく分からないことばかりだ。幸い中には映像もあるので遠慮なくチェックして行く。
「吸引力は風速15mと嵐レベル。近くに行けばもっと強いという予想が出ているね」
「りんごの重さは5kg、棘付きは4kgです。確かにこれは当たったら痛いですねー」
それを痛いで済ませるのは流石キヴォトス人というべきか。
映像を見ていると一つだけ妙な違和感がある。ナヤのヘイローが薄い……?ウタハにウィスピーを起動する時の映像は無いか聞くが、戦闘開始後からしか撮っていなかったとのこと。
“ありがとうウタハにコトリ。“
「それほどでもないさ。ナヤがいればもっと詳しく話せたと思うから、また今度来てもらえると嬉しいよ」
また来てくださいねーというコトリの言葉を背にエンジニア部の部室を出る。
先程の調査記録だが、普通のアクセス権限では見れない隔離された情報があることにアロナが気付いてくれた。既に削除済みだったが、「スーパーアロナにお任せください!」と難なく見ることが出来た。いちごミルクを買わないと……。
問題は内容だ。話の視点を見るにナヤ自身が書いたものだと思うが、『神秘の運用』『身体機能不全』『吐き気疲労等の後遺症』……見逃すには少しリスクがありすぎる。キヴォトス人の身体でこうなるのだ、子供にここまで危ないことをさせるのは怖い。生徒のやることを後押しして応援するのが先生だが、時には指導も必要だ。
時刻は午後3時ほど、今からでも十分トリニティに行ける。
”お話をしないとね……“
「はい、もう退院しても大丈夫ですね」
「な、長かった……」
トリニティ総合学園。その名の通り3つの派閥によって管理される超お嬢様学園。その中の医療機関である救護騎士団にてナヤは3日前にお願いをしに来ていた。
「私の血を取ってください!」
「…………はい?」
最初の言葉がこれなのだ。脈絡の無い突発的な理不尽要望。思わずセリナも聞き返すほど。
「え、ええと…どのくらいとかは…?」
「2Lお願いします!」
「????????????」
採血で病気を調べるとかでも無く、輸血用にも思えない。
「何に使うとかは……」
「大きい子を作るためです!」
「!?!?!?!?!?!?」
この子ヤバい、怖い。
とりあえずその身体の大きさで2L一気にヤったら死んでしまうことを伝え3日ほどかけて取ることに。診断の時にミレニアムから来たことを知りどこか納得……いやしないだろいくらミレニアムでもこんな気狂った子いない。はず。
合計2L取り、自分の血を抱えてうへうへ言うのははっきり言ってホラーだった。
「そういえばどうして救護騎士団に?他にも医療機関はあったと思うのですが…」
「行ったけど断れられてしまってね。なんでも『なんかの犯罪に巻き込まれそう』『お前ヤバいし怖い』とのことだ。理解出来ないね」
いつの間にか敬語の外れた彼女を見ながら思う。そりゃそうだろうなぁ。
「それじゃあ私は失礼するよ。今回はありがとう」
「お気をつけて……」
嵐のように去った彼女の後ろ姿を眺めつつカルテをしまい記録として残す。すると……
“やあセリナ。”
「あれ先生。どこか具合でも悪いのですか?」
意外な来客。目視出来る外傷は無さそうだが……。
“今回は人を探していてね、ナヤって人来なかった?”
「ナヤさんなら丁度10分前に退院しましたよ。彼女がどうかしました?」
一足遅かったか…と呟く先生。もしやガチの犯罪に巻き込まれたのか?
“少し話をしたかったんだけど、残念。そういえばナヤはここに何しに?”
本来患者の情報は公開してはいけないが、犯罪疑惑があるのと相手が先生なら大丈夫だろう。
「ナヤさんは血を取りに来ましたよ、2Lほど」
“2L!?それ大丈夫なの?”
「ちゃんと日を跨いで時間をかけていたので大丈夫です。使用用途は研究のためだとしか聞けませんでしたが……」
“それだけ分かれば十分だよ、ありがとう”
「い、いえ…その、ナヤさんは何かやらかしてたり?」
未だに拭えない犯罪者疑惑。先生なら何か知っているだろうかと興味本位で聞いてみる。だが帰ってくるのは曖昧な答えのみ。先生自身も分からないことが多いようだ。
”またねセリナ。“
「お気をつけて先生。それと、ちゃんと寝てくださいね?」
”ど、努力するよ‥‥“
「細胞分裂を利用して作成した近未来型自動戦闘システム、プロダクトNo.D-0030『クローンデデデ』だよ!」
「「「………………」」」
沈黙が部屋中に刺さる。急に帰ってきて何かを作ったと思えばクローン…えなんて?
「クローン……へクローン?ええ?はい?あ゛あ゛?」
「うわぁ、ウタハ先輩が壊れてしまいましたよ!?」
「そうなる気持ちは分かるよ、発狂したくなるね」
「あ、あれ。もっとこう、『おお』とか『かんぺき〜』みたいな反応が来ると思っていたのに」
長年開発出来なかったクローン技術をあっさり出されたら誰しも匙を投げたくなる。しかしここで止まらないのがマイスター。
「ふぅ……それで、主な材料は?随分と紫色になってるけど」
「私の血だよ。2L全部使っちゃった」
「開発に自分の血液を使うなんて前代未聞ですよ!?」
「それでトリニティの救護騎士団に…」
血は量に限りがあるので丁寧に扱っていたが、それでも手に付いたりはする。両手を真っ赤に染めて作業する姿は殺人鬼と言われても違和感が無かった。
「やはりクローン技術に血液は必要不可欠なのかい?」
「んや、それもあるけどもう一つ重要な役割が………」
その時、部室のドアが開く。今は20時と日もどっぷり暮れており出回る生徒も多く無いはずだが…。
「誰かいる?って、結構いた」
「エイミにトキ?珍しいね、こんな遅い時間帯に」
「部長から仕事を押し付けられてね、今最後の仕事を終わらせにきたとこ」
手にはいくつかの書類。どうやら複数の仕事を終わらせて最後にここに来たようだ。
「初めまして、貴方がナヤですか」
「あ、初めまして。ええと……」
「私の名前はトキです。完璧でクールビューティーな最強エージェントです」
一体誰に影響されたのか、随分自己評価が高い人になってしまった。
「最後の用事というのはなんでしょうか?」
「ナヤ先輩が作ったっていう戦闘システムのデータを取りにきたんだ。最近有名になってきたのか部長も気になったみたい」
「それだったら丁度良いタイミングで来たね。ついさっき新しいのを完成させたから」
紫色の液体が入ったカプセルを見せるナヤ。トキが興味深そうにそれを見つめる。
「………ただの液体にしか見えませんが、爆発でもするのでしょうか」
「液体爆弾か何かと勘違いしてない?大丈夫だよ、中身は私の血が大部分だから」
「えっ」
そっとナヤから距離を置くトキ。エイミからはマッドサイエンティストとボソっと聞こえる。何故そこまで引くのか、解せぬ。
そこでまたもや部室のドアが開く。今日は来客が多いなと来た人を見ると昼間にも顔を出した先生がいるではないか。
“お邪魔するよ………なんか人多いね。“
「こんばんは先生。そして
”次の機会ね。それで、君がナヤかな?“
名指しされ前へ出るナヤ。相変わらず手にはカプセルを抱えているが。
「初めまして、シャーレの先生。なんだかんだで挨拶出来てませんでしたね」
”初めまして。敬語は無くても大丈夫だよ。“
では遠慮なくと少し楽にするナヤ。先生は手に持っているカプセルを見て少し顔を曇らせる。
”それは……“
「これのことかな?プロダクトNo.………あー、大雑把に言えばクローン型戦闘システムだよ」
”ナヤ自身の血を使ってるんだってね。先生としてはもう少し自分の身体を大切にしてほしいかな”
銃や爆弾でFooooo↑する世界ではあるが血を流すことは少ない。こういった直接的に命を利用するのは心配になるものがある。それと隔離された調査記録の内容もあるが。
「出来れば肯定して欲しかったけど、まぁいいか。血を使うのは試験的な部分も多いし何度もやらないから安心して」
それよりも、と無理矢理話題を逸らす。これ以上無理に詰めるのは逆効果かなと先生も一旦引くことにした。
ナヤは手にあるカプセルをちゃぷちゃぷと揺らし、楽しげに言う。
「トキに…エイミだっけ。データが欲しいなら自分の身で体験した方が良いと思わない?」
「やっぱり帰ろうかな」
「帰しませんよエイミ。死なば諸共です」
「意味違くない?……まぁ、どうせデータ取らないと駄目だし。しょうがないか」
データを取る準備をとウタハ達も一緒に機材の準備をする。にへらと笑うナヤに先生が近づく。
“ナヤ、やっぱりやめておいた方が”
「そろそろしつこいですよ先生。私は何も悪いことをしていません。先生に生徒のやる事を止める権利は無いと思いますが」
“(また敬語になってる…)でも、後遺症とかあるでしょ?操作中も不自由になるらしいし”
ピクっとナヤから笑顔が消える。
「……追記は消したはずですが。勝手に見るとはプライバシーの侵害ですよ」
“ごめんね、でも必要なことだったんだ。”
「他人の見られたくない情報を勝手に見ることが必要なことですか。そこらの変質者と何も変わらないですね」
そう言っているとウタハから準備okのサインが送られる。ナヤは逃げるように持ち場に行ってしまい、残ったのは先生だけ。
“(嫌われちゃったなぁ。………当たり前か)”
確かにモラルが無かった。今回はどうぞ舐めてください的なことも言われていないし非は先生に十ある。しかしただでは転ばない。
“エイミ、トキ。今回は私に指揮させてもらえないかな?”
「喜んでお受けします。完璧な指揮で最強の私を勝利へ導いてください」
「私も良いけど……ナヤ先輩は大丈夫?」
視線を送ると若干不服そうだがokサイン。よし、戦闘を通して色々見ていこう。
「始めるぞ。準備はいいな?」
「バッチリです。今の私に死角はありません」
「機材も万全です!」
「よし、では……」
カプセルの蓋を外し、紫色の液体を床にぶち撒ける。
液体は徐々に形を作り、まとまりを持つようになる。
「僅かな細胞から情報を分裂させその身を固め、己の敵を排除せよ」
「プロダクトNo.D-0030………『クローンデデデ』!」
カ゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!
“トキ、エイミ。行くよ!”
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時系列バラバラやなぁ……(諦め)
そろそろリオ会長や病弱(省)ハッカーは介入しそうなんですが、いかんせん頭良い輩のしそうなことが分からない。
感想等お待ちしております!