怪物と英雄の狭間で 作:伝説の一般元ブロリスト
ドラゴンボールの新たなアニメ映像………興奮しましたね。
楽しみすぎてデットゾーンを開きかけてました。
ちなみにドラゴンボール映画だと、復活とフュージョンと地球まるごと大決戦、とびっきりの最強対最強が大好きです。
ターレスのあの笑い声が好き。
上鳴とブロリーの戦闘が繰り広げられた後、すぐさま次の試合が開始された。
四回戦は飯田VS発目では、発目の話に乗った飯田が彼女が作り出したサポートアイテムを装備し、そのまま試合が開始されたのだが……発目は飯田を利用し、自分のサポートアイテムを宣伝し、満足した後そのまま自分から場外に出て飯田が勝利した。
五回戦は芦戸VS青山では、芦戸が青山のベルトを壊した事でそのまま青山を戦闘不可に追い込みそのまま勝利。
六回戦は、常闇が八百万に策を巡らせる隙を与えずに速攻をかけて勝ち上がった。
七回戦では、尾白が個性である『尻尾』を使って体術を使い切島を攻撃し続けたが、切島の個性『硬化』による強化された肉体の前に追い込まれ、先に尻尾の限界が来て、そのままカウンターを喰らわされ尾白は敗北、切島が勝利した。
そして八回戦の麗日VS爆豪では……少し厄介なことになっていた。
純粋な戦闘能力では爆豪の方が圧倒的に上である為、麗日は圧倒的な不利な現状にあった。
だが麗日はそんな物お構いなしとばかりに爆豪に向かって突撃、爆豪も麗日に自分を触らせないために反撃、モロに攻撃を当て続ける。これが何度も続いた。
その結果、一方的な爆豪の試合はヘイトを集めてしまい、流石に見ていられなくなったのか、一部のヒーロー達から爆豪へブーイングが巻き起こる。
そんなブーイングを切り裂くように、放送席から乾いたマイクの音声が響き渡った。
『ブーイングを飛ばしてんの、プロか?』
それは相澤の、低く冷え切った声だった。
『プロ何年目だ。本気で言ってるんなら、もう帰って転職考えろ。……爆豪は、警戒しているんだ』
マイクの実況席で、相澤がグラウンドの二人を見下ろしながら淡々と言葉を紡ぐ。
『この場に立ち、勝ち上がろうとする相手の力を認めているからこそ……油断なく、手加減もせず、全霊で迎撃している。抗う相手を侮らず、全力で迎え撃つことのどこが『いたぶり』だ』
相澤の辛辣な正論がスタジアム中に染み渡り、観客たちは静まり返る。
だが、爆豪の猛攻を受け続ける麗日は、そんな外野の声など端から耳に入っていなかった。
「……ありがと、爆豪くん」
低く煙を吐き出しながら、麗日が震える足でぐっと大地を踏みしめる。
「手加減……しないでくれて……!」
「あァ……?」
訝しげに眉を寄せる爆豪の前で、麗日は血のにじむ指先をそっと合わせ、力強く叫んだ。
「――解除ッ!!!!」
その瞬間、スタジアム中の視線が一斉に天へと跳ね上がった。爆豪の爆破によって砕かれ、麗日の手によって密かに空へと浮かび上がり続けていた無数の瓦礫――スタジアムの上空を埋め尽くす巨大な『流星群』が、爆豪めがけて一斉に降り注いだ。
大逆転勝利、誰もそう思っただろう。
しかし、爆豪の力はその逆転すらも打破する程だった。巨大な爆破で瓦礫を一斉に粉砕。麗日は疲労によりその場に倒れ、彼は勝利を得た。
これにより第一回戦が終了、次なる第二回戦の組み合わせは
緑谷VS轟
ブロリーVS飯田
常闇VS芦戸
切島VS爆豪
となり、ここからさらに戦いは勢いを増していく。
第2回戦・第1試合――緑谷出久と轟焦凍の激突は、スタジアムの全観客、そしてプロヒーローたちの常識すらも根底から覆す壮絶な死闘となった。
己の身を顧みず、指の骨を粉砕しながら『ワン・フォー・オール』を放ち続ける緑谷。ボロボロになりながらも『全力でかかってこい!』『君の力じゃないか!』と魂を削って叫び続けるその姿は、頑なに心を閉ざしていた轟の氷壁を激しく揺さぶり、砕いた。
そして――轟の左半身から吹き荒れた、天を焦がすほどの紅蓮の業火。
父親への憎悪ではなく、自らの意志で解き放たれた炎を纏った轟と、限界を超えて跳躍した緑谷が真っ向から激突。巻き起こった大爆発と猛烈な熱風がリングを一瞬にして粉砕した。
白煙が晴れた時、場外に倒れていたのは緑谷だった。
勝者は轟。だが、観客席の誰もが声を失うほどの熱量と痛みを残し、二人の戦いは幕を閉じた。
「……緑谷」
担架で運ばれていく緑谷の後ろ姿と、リングの上で自らの左手を見つめて立ち尽くす轟の姿を、ブロリーはスタンドの通路からじっと見届けていた――そして、彼の覚悟を目にし、自分も相応の覚悟を持って勝負に挑むと改めて誓った。
『さァァァァァッ! 砕け散ったリングもセメントス先生の超絶修復で元通りッ!! 休む間もなく第2試合行ってみようかァァァッッ!!!!』
プレゼント・マイクの絶叫とともに、会場のボルテージが再び跳ね上がる。
『第2回戦・第2試合!! 騎馬戦で見せた圧倒的な速さで、今回も勝ち上がってくれるのか!?期待してるぜ!飯田天哉ァァァッ!!』
『対するは!先ほど王道漫画のような展開を俺達に見せてくれた男! 八木蕗利ィィィィ!』
歓声が降り注ぐ中、二人は修復されたばかりのリングへと歩み出す。対峙する飯田の表情には、いつもの厳格さに加え、研ぎ澄まされた刃のような決意が張り詰めていた。
騎馬戦の最終局面、奥の手である『レシプロバースト』を完全に目で追われ、躱されたあの屈辱と驚愕。相手がどれほど隔絶した実力者であるかは、誰よりも骨身にしみて理解している。
(ブロリー君の反射神経、そして圧倒的な筋力……真正面から押し切ることは不可能に近い。だが……!)
飯田は両ふくらはぎのマフラーを唸らせ、前傾姿勢を取った。
(あの時見せた、緑谷くんの不屈の闘志……! 兄の背中を追う者として、ここで強敵を前に怯むわけにはいかない! 策を弄するのではなく、今できる最速をもって、彼に挑む!!)
メガネの奥の鋭い瞳が、ブロリーの巨躯を真っ直ぐに射抜く。
その一切の迷いがない気迫を受け止めるように、ブロリーもまた静かに息を整え、両足を肩幅に開いてどっしりと構えた。
「ブロリー君! 騎馬戦では見事に躱されてしまったが……今回はそうはいかないぞ! 兄の名に恥じぬ走り、キミにぶつけさせてもらう!!」
「―ああ…!」
互いの眼差しが交錯し、張り詰めた沈黙がリングを包み込む。そしていよいよ―試合が始まる。
『それでは――第二試合!スタァァァァァトッ!!』
「――ハァッッ!!」
先手必勝。一瞬の逡巡すら許されない相手だと分かっているからこそ、飯田は最初からトップギアで踏み込んだ。
視界が歪むほどの超加速でリングのコンクリートを蹴り砕き、ブロリーの懐へと肉薄。遠心力を極限まで乗せた渾身の右ハイキックを、その側頭部めがけて振り抜く。
鈍く重い衝撃音が響き渡った。
だが、その蹴りはブロリーの首筋に届いてすらいない。
ブロリーは体勢を崩すことすらなく、ただスッと掲げた左の掌ひとつで、飯田の蹴撃をピタリと受け止めていた。ビクともしない。まるで分厚い鉄壁を蹴りつけたかのような反動が、飯田の足首を痺れさせる。
(分かってはいたが…!ここまでの…差があるとは!)
「飯田……いくぞ…!」
ブロリーが静かに告げると同時に、空気を裂く鋭い音が鳴った。
ブロリーが繰り出した牽制の右ストレート。当てるつもりはない、いわゆる風圧のパンチを飯田に喰らわせる。
「ぐ、あああっ!?」
ただ拳が空を切っただけ。それなのに、直後に生まれた凄まじい風圧の塊が飯田の全身を真正面から殴りつけ、その身体を数メートル後方へと無理やり押し戻した。
着地した飯田は足を踏ん張り、ツツツッと靴底を焦がしながらなんとか場外への落下を踏みとどまる。
(くうっ…!見ると食らうとでは全く違うな…!!)
冷や汗が顎を伝う。風圧のパンチでこの威力…ブロリーと言う男がどれだけの力を持っているのかは分かっていた、その為かなりの覚悟を決めここに立った。
だが、戦闘をしてみて改めて理解する――ブロリーの理不尽さを。
(騎馬戦で見せたレシプロバーストは既に見切られていた――ならば!!上鳴君のように、後先を考えずに今の自分の限界を…超えるしかない!!――兄さん……! 俺に、力を貸してくれ!!)
飯田は奥歯を砕けんばかりに噛み締め、両腕を直角に構えて腰を深く沈めた。ふくらはぎのマフラーから、青い炎が激しく排出され、立ち上る熱気が周囲の空気を歪ませた。
「Puls… ultra!!『トルクオーバー!レシプロバーストォォォッッ!!!!』」
瞬間、飯田は騎馬戦で見せた超スピードを発揮し、ステージを超高速で動き回り始めた。ブロリーは飯田を目で追いかけ、構えを取り続ける。
飯田は己の限界を超えた動きでブロリーを翻弄しながら隙を狙う、彼の目的はブロリーの目を回す事。
(少しでいい、ほんの少しでいい!彼に…、隙を作らせれば…!!)
残像が何重にも重なり、リングの上に青白い閃光の円陣が描き出される。
常人の動体視力ではもはや飯田の姿を捉えることすら叶わず、観客席の誰もがその凄まじいスピードに息を呑んでいた。
だが――。
ブロリーの目は、めまぐるしく回転する残像に惑わされることなく、その中心にある飯田の『実体』だけを完全に捉え続けていた。
「…………ふぅ」
ブロリーは静かに息を吐くと、両足にふっと力を込めた。
ドシンッッ!!
リングを軽く踏み切った瞬間、ブロリーの巨躯が掻き消えた。
「―なにっ!?」
「……」
超高速で旋回していた飯田の視界の端に、突如として巨大な影が滑り込んでくる。
目の錯覚ではない。
風を切り裂き、自慢のレシプロバーストで限界を超えた速度を叩き出している自分の真横に――ブロリーが、まったく同じスピードでピタリと並走していた。
(――追いつかれている、完全に…!!)
巨躯からは想像もつかないほど軽やかで、無駄のない疾走。
(くっ!!)
「!」
(ならば…!!)
「!!」
(――ダメだ…!何処に行こうと……彼は、ついてくる!!)
飯田は距離を取る為様々な場所へと移動をするが、ブロリーはまるで瞬間移動でもしたかのような動きで飯田に追いついて行った。
(――せめて、一撃を!!!)
飯田はせめてブロリーに一撃を喰らわせようと、最後の最後で力を振り絞るが――無情にも、その瞬間が訪れる。
プスンッ……!!
乾いた破裂音とともに、飯田の両ふくらはぎのマフラーから黒煙が噴き上がった――エンストだ。一気に駆動力を失った両足がもつれ、あまりの急減速に飯田の身体が前方の虚空へと無防備に投げ出されそうになる。
「!」
その瞬間にブロリーがスッと右手を伸ばし、前へと崩れ落ちかけた飯田の手首を、まるで見計らっていたかのように正確に、キュッと摘まむように掴み取った。
「―ふぅ"ぁ"!!!」
ブロリーは飯田の突進の勢いを殺すことなく、遠心力を巧みに利用してくるりと身体を反転させた。骨を折るような乱暴さは微塵もない。相手の自重と運動エネルギーを流れるようにコントロールしながら、腕を一閃――。
飯田の身体はフリスビーのようにふわりと浮き上がり、滑らかな放物線を描いてリングの白線を軽々と飛び越えていった。
「うわああああっ!?」
空を舞った飯田は、場外へほとんど衝撃を感じないほどの絶妙な角度で滑り込むように着地した。壇上で呆気にとられていたミッドナイトが、ハッと我に返って高らかに鞭を振り下ろす。
『飯田くん場外!! 勝者!八木蕗利君!!準決勝進出!!!!』
一拍遅れて、スタジアム全体が地鳴りのような大歓声に包まれた。
「……手も足も出ないとは、まさにこのことか」
痛みはどこにもない。あるのは、完膚なきまでに実力差を見せつけられたという清々しいまでの事実だけだった。場外へと投げられた飯田はそんなことを思いながら、ゆっくりとその場から立ち上がった。
「飯田、大丈夫か?」
リングから駆け下りてきたブロリーが、いつもの心優しい困り眉に戻って心配そうに大きな手を差し伸べてくる。
飯田はその手をじっと見つめた後、ふっと憑き物が落ちたように笑い、その大きな掌を力強く握り返した。
「ああ、全くの無傷だ! キミのあの見事な走り……心から敬意を表するよ、ブロリー君!」
「ありがとう…飯田も、すごかった」
負けたが、何処か清々しい気持ちのまま、飯田はその場から退場。ブロリーも次の試合に向けて体を休める為、控え室へと向かうのだった。
次回
氷結vsグミ撃ち!!
焦凍ォォォォォォォォォ!!!(CV島田敏さん)
お楽しみに