怪物と英雄の狭間で   作:伝説の一般元ブロリスト

25 / 25


まあまあな長さになり、もはやギャグが挟まることがナッシングでした。

評価数155………⭐︎9がもう少しで青を超える??????

本当にありがとうございます!!ご期待に応えられるように頑張ります!!


そして関係なんですけど、皆さんはポタラかフュージョン、どっち派ですか?私はフュージョン派です


喰らわせろ、数十年の思い

 

 

 飯田とブロリーとの戦いが終わり、次は常闇vs芦戸と、切島vs爆豪の戦い。

 

 常闇と芦戸の試合は、やはりというべきか常闇のダークシャドウの火力を前に芦戸はなすすべなく敗北。

 

 切島vs爆豪は、切島のガッツが光に光ったが、爆豪の火力の連打に耐えきれず、そのまま一撃をモロに食らってしまった切島が敗北。

 

 

 そして次はいよいよ準決勝。

 

 

 

 

「焦凍」

 

「…………なんのようだ」

 

 

 

 準決勝のステージへ向かうための道、その道を塞ぐように立ち塞がっていたのは父親――エンデヴァーだった。

 

 焦凍は足を止めず、視線すら合わせようとせずにその脇を通り抜けようとする。

 

 

 

「あの八木蕗利との準決勝……今まで通り氷だけで勝てるなどと、ゆめゆめ思うなよ」

 

 

 

 低く、大気を震わせるような重苦しい声が焦凍の足を縛りつけた。エンデヴァーは腕を組み、冷徹な眼光を息子へと据え置く。

 

 

「彼は電撃を意にも介さず、インゲニウムの血を持つ少年の最高速度を難なく御してみせた。……お前の左、俺から受け継いだ『炎』を初手から全開で叩き込まねば、場外へ弾き飛ばされるどころか、一瞬で圧殺されるぞ」

 

「……消えろ」

 

 

 焦凍の口から、氷点下の拒絶が吐き捨てられた。

 

 

「お前の指図なんて受ける気はない、お前の力なんて…死んでも使わない」

 

「いつまでそのようなことを言っている――わかっているのか」

 

 

 エンデヴァーは拳を握りながら、声を少し荒げながら告げる。

 

 

 

「あの少年は――オールマイトの息子なんだぞ。俺の息子であるお前と、オールマイトの子が戦う!この意味がわからないわけはあるまい!」

 

「――またそれか」

 

 

 

焦凍は足を止めたまま、低く、侮蔑に満ちた声を絞り出した。振り返りもしないその背中から、床を白く染め上げるほどの冷気がジリジリと立ち上る。

 

 

「どこまで行っても、アンタはそれだけだ。自分が勝てなかった男を、自分の息子を使って引きずり降ろす……くだらない執念だ」

 

「何だと……!?」

 

「俺は、アンタの道具じゃない」

 

 

 焦凍は冷徹な横顔をわずかに向け、左右で色の異なる双眸で父親を射抜いた。

 

 

「アイツが、オールマイトの息子だろうが、なんだろうが関係ねぇ。母さんの力だけで勝つ。お前の炎なんざ、死んでも使わねぇよ」

 

「戯れ言をッ!!」

 

 

 エンデヴァーが足を踏み鳴らし、周囲の空気が激しい熱波で爆ぜた。鬼気迫る形相で息子へと詰め寄り、その肩越しに怒号を叩きつける。

 

 

「意地で勝てる相手ではないことくらい、お前自身が一番よく分かっているはずだ! あの少年……八木蕗利の底知れなさを、その目で見ていたはずだぞ! 氷結だけで奴を押し切れると、本気で思っているのか!?」

 

「…………」

 

「緑谷出久との戦いで、お前は一度その左を解き放ったはずだ! 今さらその覚悟を引っ込めて、無様に敗れ去るつもりか! 奴に勝つには、熱と冷気の完全な両立……俺の血を、その身の業火を全開でぶつける以外に道はないのだぞ焦凍ッ!!」

 

 

 父親の放つ熱気が、焦凍の左半身をじりじりと焦がすように刺激する。だが焦凍は、それ以上何も言わなかった。

 

 小さく息を吐き捨てると、エンデヴァーの横をすり抜け、重い足取りで通路の奥へと歩き出した。

 

 

「待て、焦凍――!」

 

 

 背後から叩きつけられる呼び止めにも応えず、焦凍は光差す出口へと向かっていく。

 

 

(……クソ)

 

 

 角を曲がり、父の姿が見えなくなった瞬間、焦凍は壁に片手をついて立ち止まった。奥歯が軋むほど強く噛み締められ、だらりと下がった左の拳が、微かに、だが激しく震えている。

 

 父親の言い草は反吐が出るほど嫌悪しかなかった。

 

 あいつの操り人形になって勝つくらいなら、負けた方がマシだとすら思う。

 

 ――だが。

 

 

 

(……分かってるんだよ)

 

 

 

 目を閉じれば、先ほどのリングの光景が鮮明に蘇る。

 

 上鳴の三百万ボルトを意にも介さず、飯田の限界を超えたレシプロバーストを軽々と受け止め、傷一つ負わせずに場外へ送り出したブロリー。

 

 あの理不尽なまでの質量と、大地のように揺るぎない力。自分の氷壁など、あいつの拳の風圧ひとつで一瞬にして粉々に砕け散るだろう。

 

 

 氷だけでは、絶対に勝てない。

 

 

 一歩たりとも押し込めず、触れることすら叶わずに弾き飛ばされる未来が、痛いほど明確に見えていた。

 

 

(勝つためには………いや、チャンスを掴むには、あの『炎』を使わなきゃ届かないことくらい………俺は)

 

 

 轟は左腕を押さえながら、ステージへと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

『――さぁぁ!!喜べリスナー!!いよいよ待ちに待った準決勝だぁ!!』

 

 

 

 会場から湧き上がる、熱気を帯びた歓声、今回の試合は『エンデヴァーの息子』vs『規格外中の規格外な少年』の夢のある戦い。

 

 焦凍とブロリーは既にステージの上に立ち、お互いの目を見合っているが……それだけでも、これから起こる事の規模がわかる。

 

 

 二人が放つ異なる気迫がステージ中央で衝突し、まるで空気そのものが軋みを上げているかのようだった。観客席の喧騒すら遠くに感じられるほど、リングの上だけが異質な静寂に包まれている。

 

 

 

 

『氷結と業火の二重奏、プロの血を引く若きエリート――轟焦凍ォォッ!!』

 

 

『迎え撃つは、ここまで全ての対戦相手を圧倒し、規格外の力を見せつけてきた男――八木蕗利ィィッッ!!』

 

 

 プレゼント・マイクの絶叫がスタジアムに響き渡るが、二人の視線は1ミリたりとも揺らがない。

 

 

「轟」

 

 

 静かに、だが会場の底を叩くような澄んだ声が届く。

 

 

「……オレは、上鳴や飯田との全力を受け止めた。だから…轟のことも、全力で受け止める」

 

「……」

 

 

 ブロリーの瞳には、哀れみも傲慢も微塵もなかった。あるのは、目の前に立つ一人のライバルに対する、どこまでも純粋で真っ直ぐな敬意だけだ。

 

 

 

 

「――来い、轟!!」

 

「―ああ………行くぞ、ブロリー」

 

 

 

 二人が構えを取り始めたタイミングで、プレゼントマイクが口を開く。

 

 

 

『準決勝・第1試合――』

 

 

 

 スタジアム中の観客が息を止め、静寂が極限まで張り詰める。

 

 

 

 

『スタァァァァァッットッ!!!!』

 

 

 

「――っ、おおおおおッッ!!」

 

「いきなりのブッパ!!」

 

「やっぱそう出るよな…!!」

 

 

 

 初手からの最大出力。

 

 

 1回戦で瀬呂を瞬殺したあの氷壁すら生温いと感じるほどの、巨大な氷の連峰がリングを突き破って出現した。大気を凍てつかせ、スタジアムの天蓋を突き破らんばかりの白銀の大津波が、凶暴な牙を剥いてブロリーの巨躯へと雪崩れ込んでいく。

 

 見る者すべてを凍りつかせる、絶対零度の暴力。

 

 だが、その氷山が眼前数センチにまで迫ったその刹那――ブロリーの瞳が鋭く光った。

 

 

「―はぁ"!ぬ"ぅ"りゃゃゃ!!!」

 

 

 ブロリーは迫り来る氷結に向かって力の入った拳を叩き込んだ。氷結には一気にヒビが走り、瞬く間に粉々に粉砕れ、四方八方に吹き飛んだ。

 

 

「まだだ…!!!」

 

 

 轟は止まらず氷結をもう一度繰り出す、無論ブロリーも同じように拳を振るい粉々に粉砕していく。轟は何度も何度も繰り返し同じような氷結を繰り出していき、ブロリーはそれをただただ破壊していく。

 

 

(――やっぱ、アレしかねえか!!)

 

「!」

 

 

 次の瞬間、轟は今あるありったけの力を込めた氷結をブロリーに繰り出す。ブロリーは何かあると考え利き手ではない左手で轟の攻撃を破壊する

 

 

「悪いなブロリー、もうこれしか方法はねえ…!!」

 

「!!」

 

 

 その刹那、足元に氷結を発生させ滑ってきた轟がブロリーの体に触れ、そのままブロリーを氷結に包み込んだ。ただ氷で包んだ訳ではない。

 

 全身の関節、指先、首筋に至るまで一切の隙間を残さず、内臓の熱すら奪い尽くすほどの超高密度な氷塊。触れた瞬間から数秒でブロリーの全身を氷の彫像へと変え、完全に行動不能へと追い込む――轟焦凍の、技術と氷結のすべてを注ぎ込んだ決定打だった。

 

 

「これで……動けねぇだろ……!!」

 

 

 荒い息を吐き、後方へとステップして間合いを取る轟。スタジアム中の観客が固唾を呑み、実況席のマイクすら言葉を失って立ち尽くす。

 

 青白く輝く巨大な氷塊の中に閉じ込められた。決着がついたと、誰もがそう確信した――その刹那だった。

 

 

 

 ドクンッ……!!

 

 

 

 氷塊の中心から、心臓の鼓動のような重苦しい地鳴りが響いた。

 

 轟の瞳が驚愕に見開かれる。

 

 

 

「――マジ…かよ」

 

 

 凍りついたはずのブロリーの腕が、脚が、胸の筋肉が、氷の中で信じられない力で微かに膨張した。

 

 絶対零度の拘束をものともせず、物理的な筋力と内から湧き出る気迫だけで、氷を内側から無理やり押し広げているのだ。

 

 

 

「――はあ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ッッ!!!!」

 

 

 轟音とともに、氷塊が内側から爆裂した。粉々に砕け散った無数の氷片がまた四方八方へと吹き荒れる。

 

 そしてブロリーは、氷を粉砕した勢いのままリングのコンクリートを爆音とともに踏み砕き、天へと跳び上がった。

 

 重力を嘲笑うかのような超高空への跳躍。

 

 

 影がスタジアムの光を遮り、巨大な身体が空中でピタリと静止したかのように浮かび上がる。

 

 

「空中……!?」

 

 

 見上げる轟の視界に、空中のブロリーが両掌を前方へと突き出す姿が映った。

 

 その掌に、バチバチとエメラルドグリーンに輝く球状のエネルギーが凝縮されていく。

 

「はぁ"ぁ"!!」

 

 

 ブロリーが両腕を交互に振り下ろすと同時に、空から光の雨が降り注いだ。ブロリーにとっては威力を極限まで抑えた牽制のエネルギー弾。

 

 

「くっ……防壁……!!」

 

 

 轟は瞬時に大地を踏み鳴らし、幾重にも重なる巨大な氷の防壁を頭上に展開した。だが、空から着弾したエネルギー弾は、触れた瞬間に猛烈な衝撃波を撒き散らしながら炸裂した。

 

 

「だだだだだだだっっ!!!」

 

(―まずい……体が……これ以上……くそっ…!!)

 

 

 降り注ぐ光弾の嵐と吹き飛ぶ氷の破片の中で、轟は歯を食いしばりながら必死に氷結を展開し続けた。

 

 

 

「………」スゥ

 

「ハァ……ハァ………ぐっ……」

 

 

 やがてブロリーは地面に降りる。轟の口から吐く息は白くなっていて、さらに右腕や右頬に氷が付着し始めていた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「……」

 

(――分かってる、のか……俺の弱点を………そうか、だからあんな攻撃を…!)

 

 

 

 ブロリーの狙いは、轟を圧倒的な暴力で叩き潰すことではなかった。

 

 1回戦の瀬呂戦、そして2回戦の緑谷との死闘。

 

 ブロリーは轟の戦い方をずっと真剣に見届けていたのだ。個性を使って行く中で、徐々に轟の右半身に霜が降り、足元の氷結の速度が落ちていったあの瞬間を。

 

 

 個性は身体機能の一部。

 

 

 氷を放ち続ければ、自身の体温が奪われ、やがて凍傷によって動けなくなる。人を無闇に傷つけたくない心優しいブロリーだからこそ、拳で直接轟の身体を砕くような真似はしたくなかった。

 

 

 だからこそ――空中からのエネルギー連射。

 

 

 氷結を簡単に砕く威力の弾幕を浴びせ、轟に『防壁を作り続けさせる』ことで、手っ取り早くその身体を限界へと追い込んだのだ。

 

 

「……ハァ……っ……ハァ……っ……!」

 

 

 白煙の向こう、静かに息を整えながら立つブロリーの瞳には、冷酷さなど微塵もない。ただ、相手をこれ以上傷つけずに決着をつけようとする、静かな配慮と計算だけがあった。

 

 

(俺の攻撃を破壊し、逃げ場をなくして氷を強制的に使わせる……。殴り倒さず、安全に俺を行動不能にするための、最短のルート……!)

 

 

 圧倒的な力の上に、相手を観察する冷静な目まで持っている。轟は自嘲するように、凍りついた唇の端を微かに吊り上げた。

 

 

 

(――何から、何まで……上か…)

 

 

 体温はすでに危険域に達している。

 

 このまま氷結だけで戦い続ければ、あと数回の攻防で自らの体が完全に凍りつき、立っていることすらできなくなるのは明白だった。

 

 

 勝つための道は、もう完全に塞がれた。

 

 いや――たった一つだけ、残されている。

 

 全身の震えを止め、凍りついた右半身を解かせる唯一の熱量が、自らの左腕に眠っているのだと、現実が容赦なく突きつけられていた。

 

 

 

「焦凍ォォォォォォォッ!!!!!」

 

 

 その現実を受け止めていた轟の名を、呼ぶ叫び声が一つ。父親であるエンデヴァーだ、会場全体がギョッとし、視線を一つに向けるレベルの声量で、彼は叫び続ける。

 

 

 

 

「使えェッ! その左を解き放て焦凍ォォォッ!!」

 

 

 

 観客席へと続く通路の手すりを握りつぶさんばかりに力を込め、エンデヴァーは顔面の業火を猛り狂わせながら吠え猛っていた、プロヒーローとしての威厳も体裁もかなぐり捨てた、狂気じみた形相。

 

 

 

「このままでは負けてしまうぞ!!使え!!使って 奴を超えろ! 俺の血を、その炎を今すぐ解き放てェェッッ!!」

 

 

 スタジアム中に響き渡るNo.2ヒーローの常軌を逸した絶叫に、観客たちは戦慄し、実況席のマイクすら息を呑んで凍りつく。

 

 だが、その声をもろに浴びせられている焦凍は、父親の方へ視線すら向けようとはしなかった。

 

 

(黙れ……黙れ、黙れッ……!!)

 

 

 右半身の凍傷の激痛を塗り潰すように、腸が煮えくり返るほどの怒りと嫌悪が全身を駆け巡る。

 

 

 

『誰がお前の思い通りになんてなるか。』

 

 『誰がお前の歪んだ野望の道具になってやるものか。死んでも使わない。どんなに無様に負けようと、この身体の熱だけは絶対に解き放つものか』――意地と反抗心だけが、凍てつく身体を辛うじて支えていた。

 

 

 

「勝ちたいのだろう焦凍ッ! ならば意地を捨てろ! 俺の業火を――焦凍ォォォォォッ――」

 

 

 父親がさらに狂乱の怒号を重ねようとした、その刹那だった。

 

 

 

「――焦凍ォォォォォッッ!!!!」  

 

 

 

 エンデヴァーの声を真正面から叩き潰すような、大気を根底から揺るがす凄まじい咆哮が轟いた。スタジアム全体の空気がビリビリと震え、すべての観客の鼓膜を震わせるほどの圧倒的な声量。

 

 

『……ッ!?』

 

 

 エンデヴァーの口がピタリと止まり、焦凍の瞳が信じられないものを見るように大きく見開かれる。

 

 

 叫んだのは――ブロリーだった。

 

 

 足元のコンクリートを割るほど強く大地を踏みしめ、胸を張り、真っ直ぐに焦凍だけを見据えて仁王立ちしている。

 

 親友にすら一度も見せたことのないほど激しく、熱く燃えたぎる戦士の魂をその双眸に宿したブロリーの叫びが、静まり返った会場の隅々まで響き渡っていた。

 

 

「―焦凍、オレを、みろ」

 

「ブロリー…」

 

「今、お前と戦っているのはオレだ。他に目をやるな」

 

「…!」

 

 

 ブロリーは両手を大きく広げ、真剣な眼差しでさらに声を上げる。

 

 

 

「オレは言った、全力で受け止めると…だから轟―――オレに、お前の気持ちを、叩き込め」

 

「俺の…気持ち……」

 

「お前は今、色んな思いを溜め込んで…苦しんでいる。だからお前のその思いを…怒りを、今全部吐き出せ――吐き出して、俺にぶつけてこい!!轟!!!」

 

「!!」

 

 

 ブロリーのそんな言葉を聞き、ブロリーの言葉に、焦凍は呆れたように――そして、憑き物が落ちたようにフッと口元を緩めた。

 

 

 

「――ほんとに…何から何まで……すごいな、お前は」

 

 

 

 次の瞬間、焦凍の左半身から爆音とともに紅蓮の業火が天を衝いた。

 

 

 右半身を蝕んでいた氷と霜が一瞬にして蒸発し、凄まじい熱風がスタジアムの空気を激しく揺らす。父の呪縛でもなく、ただ目の前の巨漢に応えるために解き放たれた炎。

 

 焦凍は炎を纏う左腕を前に掲げ、炎と氷の混ざり合う双眸でブロリーを射抜いた。

 

 

「知らねぇぞ……俺の十数年分のクソみてぇなドロドロした感情、全部ぶちまけたら……ただじゃ済まねぇぞ」

 

「平気だ。オレは……硬いから」

 

 

 臆するどころか、胸を張ってどこまでも大真面目にそう言い切るブロリーに、焦凍は獰猛な笑みを浮かべた。

 

 

「なら……遠慮なく行かせてもらうぞ――ブロリィィィィィィ!!」

 

 

 冷気と業火、二つの相反する熱量を極限まで引き絞り、焦凍は己のすべてを込めて大地を蹴り出した。氷結でブロリーの足元を凍らせた後に繰り出される、炎を纏った左手のパンチ。

 

 

「ハァァァァァァァァァッ!!!」

 

「!」

 

 

 ブロリーの硬い肉体に当たる炎の拳、一撃、たった一撃だが、ブロリーの上半身の服が一瞬にして燃え尽きてしまった。

 

 轟はそのまま止まらず何度も何度も拳をぶつけ続ける、顔、腹、溝、それはもう止まらずだ。ブロリーは受け止める……ただ黙って受け止め続けた。

 

 

 

「――ハァァァ!!」

 

 

 そして轟は止めとばかりに、一度ブロリーを氷結で凍らせた後。

 

 

「―ウゥゥゥォォォォォォッッ!!!」

 

 

 燃え盛る業火の拳をブロリーに叩き込んだ。ブロリーに使った氷結により周りの冷やされた空気が、熱によって膨張し爆風を引き起こす。

 

 轟はその爆風に飛ばされ、場外に出るギリギリで氷の壁を作り止まる。そして、爆風をモロに食らったブロリーは。

 

 

 

 

 

 

 

「…………」

 

 

 

 仁王立ちで、その場に止まっていた。会場にいるすべての者がその瞬間確信した……『―無理だ』と、もう轟では、ブロリーに勝つことはできない……いや、どんな相手であろうとも、ブロリーには勝てないと。

 

 ブロリーは歩き、轟の前に立つ。

 

 

 

「轟、スッキリしたか?」

 

「…ああ、ようやく…心の底から、スッキリした」

 

「強かった、轟はとっても強かった。でもそれはお父さんの力じゃ無い――轟自身の、力だ」

 

「……緑谷と言い、お前と言い………本当に…変な……奴だな――――ありがとな…ブロリー……やってくれ」

 

「…分かった」

 

 

 

 ブロリーは素早く轟に軽い当て身を喰らわせ、そのまま意識を刈り取った。これにより勝敗は決した

 

 

 

『――轟焦凍君、気絶を確認っ!!勝者!!八木蕗利君!!!』

 

 

 倒れる轟を右手で支えながら、ブロリーは観客たちの拍手喝采を受けとるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「……危ない危ない、後もう少しで、天に召されそうだったわ」

 






次回はいよいよかっちゃんとの試合です。


かっちゃんのタフネスを…ーこの作品でのベジータポジションである彼に、ご注目くださいませ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

『刹那! トランザムは使うなよ!』『了解! トランザム!!』(作者:とんこつラーメン)(原作:僕のヒーローアカデミア)

ガンダム好きの人間がいきなり転生!▼転生先の世界の事はよく分からないけど、ガンダム愛さえあれば何でも出来る!!▼ガンダムは最強! ガンダムは無敵! ガンダムに不可能はない!!▼そう! 俺が! 私が!!▼私たちが…ガンダムだ!!!▼


総合評価:3194/評価:7.99/連載:25話/更新日時:2026年08月28日(金) 21:46 小説情報

俺の個性はサイキョー(作者:鈴木颯手)(原作:僕のヒーローアカデミア)

エンデヴァーこと轟炎司の生き写しのような焦凍の双子の兄が雄英高校に通う話。▼※ヒロインタグを追加しました。▼※ヴィラン予備軍タグを追加しました。


総合評価:2607/評価:7.03/連載:32話/更新日時:2026年07月18日(土) 12:30 小説情報

ダンジョンに魔虚羅がいるのは絶対に間違っている(作者:パクチーダンス)(原作:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか)

深夜に思いついたネタ▼呪術廻戦とのマコラとは一部乖離がある。▼


総合評価:4949/評価:8.53/連載:4話/更新日時:2026年05月18日(月) 08:30 小説情報

死ぬ気で戦ったら宿儺に親友認定された件(作者:雨天)(原作:呪術廻戦)

▼ 呪術廻戦のファンだったオリ主が平安時代に転生し、生まれ持った強さから両面宿儺討伐に参加することになり、仲間達がやられても戦い続けたら宿儺に親友と呼ばれるようになった話。▼ 活動報告はXで行っています。▼ → https://x.com/uten80▼タグは随時追加


総合評価:3164/評価:7.63/連載:6話/更新日時:2026年07月19日(日) 02:00 小説情報

転生したのに念能力が使えない男(作者:ゴリラ廻戦)(原作:HUNTER×HUNTER)

ざけんなや オーラが無いんじゃ ドブカスが▼


総合評価:4935/評価:6.36/連載:10話/更新日時:2026年09月04日(金) 12:00 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>