あと二話で完結させます。多分。
失った物の価値を金額へ置き換える作業には、いくらかの残酷さがある。
家宝。思い出。名誉。歴史。どれほど大層な言葉で飾っても、補償契約の末尾では金貨何枚かに変換される。人間は金では買えないものを尊ぶ一方、それを失った途端に値段を尋ねる生き物らしい。
「開けるわよ」
レオノーラが、資料箱の蓋に貼られた赤い封印札へ指をかけた。
「待ってください」
「何?」
「貸与交渉記録は、博物館の内部文書です。閲覧権限を確認しましょう」
「館長から口頭で許可を得ているわ」
「書面は?」
「混乱が収まったら作成するそうよ」
「許可証が未来から届く制度は初めて聞きました」
「今すぐ館長を呼ぶ?」
俺は考えた。
ベルク館長を呼べば、事情を理解させるまでに十分。自分は何も知らなかったという説明に二十分。王立博物館の威信について三十分。最後に責任の所在を曖昧にする話が加わるので、合計一時間では済まない可能性が高い。
「口頭許可で構いません」
「柔軟な判断ね」
「時間と損害を比較した結果です。あなたに影響されたわけではありません」
「そういうことにしておきましょう」
赤い札は文書の分類を示すもので、開封を防ぐ術式は組み込まれていなかった。俺が糊を傷めないよう端から剥がし、レオノーラが蓋を開ける。内部には十数通の書簡と、二種類の契約書が日付順に綴じられていた。
一つは、ヴァルク伯爵家と王立博物館の追加貸与契約。
もう一つは、ヴァルク伯爵家とヴィダル商会の間で交わされた融資・担保契約だった。
「商人との私的契約まで、なぜ博物館に?」
「追加の補償条件を要求する根拠として、伯爵家が提出したのでしょう」
レオノーラは書簡を日付順に並べ始めた。俺は向かい側へ座り、まず博物館との追加契約を開く。
特別展示期間中、博物館側の管理上の過失によって青涙が盗難、滅失、または修復不能の損傷を受けた場合、博物館は事前に合意した評価額を基準として損害を補償する。
評価額は、金貨十二万枚。
地方都市の年間予算が霞む金額だった。
「こちらが、サリアの評価書を必要とした理由ですね」
「補償額の根拠にするためね」
次に、ヴィダル商会との融資・担保契約を読む。
第一条。
ヴィダル商会は、ヴァルク伯爵家が保有する農地および王都の邸宅を担保として、金貨八万枚を融資する。
第二条。
返済期限は翌年の春。
第三条。
期限までに返済されない場合、担保財産を商会へ譲渡する。
ここまでは、金額の大きさを除けば一般的な融資契約だった。
問題は第四条である。
「青涙に関する補償請求権」
俺は条文を読み上げた。
「契約期間中、王妃エルシアの青涙が盗難、滅失、または修復不能の損傷を受けた場合、ヴァルク伯爵家に発生する補償請求権のうち、未返済元本、利息および回収費用に相当する部分を、あらかじめヴィダル商会へ譲渡する」
「担保の追加ね」
「伯爵家は、青涙そのものを担保にできなかった」
「完全な所有権を持っているか不明確だったから」
「代わりに、失われた場合に得られる金を担保にした」
青涙を売ることはできない。だが、展示中に盗まれれば、博物館へ補償を請求できる。その権利を商会へ譲渡することで、伯爵家は融資を受けた。
制度の隙間を使った、よくできた契約だった。
よくできているという言葉は、褒め言葉とは限らない。
「補償額は十二万。借入額は八万」
レオノーラが、サリアの評価書を契約書の横へ置いた。
「盗難が認められれば、ヴィダル商会は優先的に貸付金を回収できる。残額から費用を差し引いても、伯爵家には一定の金が残る」
「奉献財産令による帰属の変化は?」
「補償の対象外」
彼女は追加貸与契約の細則を指した。
――法令、相続、没収、奉献、その他の権利変動による喪失は、盗難、滅失または損傷とはみなさない。
文言は明確だった。
奉献財産令によって青涙が王家へ帰属したものと推定されても、それは盗まれたことにはならない。ヴァルク家は青涙への権利を失うおそれがある一方、補償は支払われず、借金だけが残る。
「だから、盗難事件にする必要があった」
伯爵が青涙を失いたかったわけではないだろう。
本来なら反対印を掲示し、通常の貸与品用封印を使い、展示後に何事もなく返還させるつもりだった。ところが一般公開前、反対印が外され、王家大封印が使用されていることに気づいた。
その時点で展示を止めれば、青涙は守れた。
貸与条件の第三項を示すだけでよい。奉献財産令について説明する必要も、ヴァルク家の権利関係を明かす必要もなかった。
それでも伯爵は、展示を止めなかった。
ヴァルク家が奉献によって青涙への権利を失えば、補償は支払われない。だが、その直後に盗難を申し立て、法的な権利変動ではなく管理上の盗難として扱わせることができれば、金貨十二万枚の補償請求権が生じる。
伯爵は、奉献の成立を防げなかったのではない。
他人が作った二つの不備へ自分で最後の一手を加え、補償事由に見える事件へ変えようとしたのではないか。
「それが事実なら、悪質ですね」
俺が言うと、レオノーラは契約書から顔を上げた。
「そう?」
「違いますか」
「伯爵は、最初の二つの不備を作ってはいない。反対印を外させたのは館長。王家大封印を使ったのはドランよ」
「奉献の条件が揃いかけていると気づきながら、展示を止めなかった」
「それだけなら保身でしょうね」
レオノーラは書簡を一枚ずつ確認しながら続けた。
「でも、反対印は銘板の裏から台座の下へ移されていた」
エリナは反対印を白絹に包み、銘板の裏へ置いた。契約上の「掲示」には反するが、旧法上の反対意思まで失われたわけではない。
反対印は、人間の目に見える必要はない。王家大封印の認証範囲内にあり、伯爵家の名紋を読み取れる限り機能する。常時掲示という契約条件は、反対印が確実に認証範囲内へ置かれるようにするためのものだった。
「反対印の置き場所を知っていたのは、エリナのほかに館長、ドラン、伯爵」
「エリナが修復室へ向かう前に、館長は入口へ、ドランは警備配置の確認へ移動している」
「証言上、展示台の前に残ったのは伯爵だけ」
「ただし、証言だけでは足りません」
「だから物証を探すのよ」
レオノーラが立ち上がった。
――――
展示室では、見物客の大半が別室へ移されていた。中央のケースには依然として青涙が置かれ、内部に王家の冠を浮かべている。
俺たちは銘板と展示台の前へしゃがみ込んだ。
「反対印が見つかったのは、ここです」
台座の下には、指二本ほどの隙間がある。手で奥まで押し込むには床へ伏せなければならず、一般公開前とはいえ、伯爵が礼服姿で行えば相当に目立つ。
「道具を使ったのでしょうね」
レオノーラが周囲を見回す。
展示準備中に持ち込まれる細長い道具なら、清掃具、指示棒、記録板の支柱が考えられる。
あるいは――。
「「伯爵の杖」」
俺たちは同時に言った。
ヴァルク伯爵が持っていた杖は、黒い漆を塗った木製で、先端に銀の石突きが付いていた。銘板の裏にある金属板を床へ落とし、そのまま台座の下へ押し込むには十分な長さがある。
俺は検査鏡を取り出し、石床へ斜めから光を当てた。
正面から見ただけでは分からない。だが角度を変えると、台座の右側から隙間へ向かって、細い擦過痕が伸びている。
その表面を採取布で拭う。
わずかな銀粉。
黒い塗料片。
さらに、石突きの縁で削られたらしい二本の平行線が残っていた。
「銀の石突きと、黒い漆」
「杖と比較できる?」
「材質が同じというだけでは、誰の杖かまでは証明できません。ただし石突きの幅と傷の形まで一致すれば、かなり絞れます」
「では借りてくるわ」
「正式な捜査官か、警備責任者を立ち会わせてください」
「分かっているわ」
「それから、穏便に」
「もちろん」
彼女の言う穏便とは、相手が自発的に提出したと記録できるところまで、逃げ道を論理的に塞ぐことを意味する。
俺が床の痕跡を記録していると、背後から声をかけられた。
「青涙は、いつまで王家の紋章を浮かべているのでしょう」
振り返ると、仕立てのよい褐色の上着を着た男が、警備兵とともに立っていた。四十歳前後。指には複数の宝石指輪。胸元には、帆船と天秤を組み合わせた商会章がある。
「エーレン・ヴィダル殿です」
警備兵が紹介した。レオノーラが、契約内容の確認が必要だとして呼ばせていた人物である。
ヴィダル商会。
ヴァルク伯爵家への融資元であり、サリアへ私的な評価を依頼した人物だ。
「私は商人です」
ヴィダルは俺の視線に気づき、柔らかく笑った。
「高価な宝石の状態が気になるのは当然でしょう」
「所有者ではないのに?」
「王妃の至宝は、王国全体の財産です」
「便利な理念ですね。契約書では、もう少し具体的な関心をお持ちのようですが」
男の笑みが一瞬止まり、すぐに戻った。
「契約書?」
「ヴァルク伯爵家への融資についてです」
「私的な契約には守秘義務があります」
「青涙が盗難として処理されれば、伯爵家に発生する補償請求権のうち、未返済分に相当する部分は、あなたの商会へ譲渡されている」
ヴィダルは俺を見た。
商品価値を測るような目だった。商人は契約書を閉じても、査定まではやめないらしい。
「あなたが、元王都警備隊の結界技師ですか」
「現在は民間です」
「それなら、契約の適法性へ口を挟む立場ではないでしょう」
「立場はありませんし、契約の適法性を裁くつもりはありません」
「では、何を聞きたいのです」
「伯爵は、今日の展示で青涙に問題が起きると伝えていましたか」
「いいえ」
「奉献財産令については?」
「奉献が補償対象外であることは承知しています。ただし、今日その条件が成立するとは聞いていません」
「伯爵から、反対印や大封印について連絡は?」
「ありません」
「盗難が起きる可能性を知っていたから、展示会へ来たんですか?」
「招待を受けたからです。融資先の家宝が公開されるなら、出席するのは不自然ではないでしょう」
回答に迷いはなかった。
あらかじめ用意していた可能性はあるが、伯爵と事件を計画していたと示すものはない。
「サリア鑑定士へ評価を依頼した理由は?」
「補償請求権の担保価値を確認するためです」
「彼女の父親の工房に対する債権を利用したんですか?」
ヴィダルの笑みが消えた。
「私は条件を提示した。受け入れたのは彼女です」
「契約上の提案だと?」
「そのとおりです」
サリアと同じ言葉だった。
金を貸す側と借りる側が、同じ表現を使って自分の行動を整理している。契約とは便利なものである。双方が不本意でも、署名さえあれば合意という形にできる。
「フェリクス」
レオノーラが戻ってきた。
警備兵が、比較対象として一時的に預かった黒い杖を持っている。その後ろには、顔を赤くしたヴァルク伯爵がいた。
「伯爵の同意を得て、警備責任者立会いのもと、一時的に預かったわ」
「同意などしておらん! 拒否するなら、正式な捜査官が来るまで杖に触れず、別室で待機してもらうと言ったではないか!」
「選択肢は提示しました」
形式上の自発性には、少し疑問が残る。
俺は杖の石突きを確認した。銀製で、縁には新しい擦り傷がある。傷の一部は浅く欠け、二本の小さな突起が並んでいた。
床に残った平行線の間隔と一致する。
黒漆の剥離箇所もある。簡易分析術式へかけると、採取した塗料片と同じ反応を示した。
「床に残った銀粉と漆片は、この杖の材質と一致します。石突きの幅と、欠けによって生じた二本の傷も、擦過痕に合う」
伯爵の顔が固まった。
「杖が使われた可能性は高い。ただし、これだけで使用者まで確定するものではありません」
「当然だ。杖など、展示室のどこへ触れたか分からん!」
「では、伯爵以外の誰かへ貸しましたか」
「貸しておらん」
「今朝、手元から離した時間は?」
伯爵は答えなかった。
レオノーラが彼の前へ立つ。
「あなたは一般公開前に、反対印が外されていると知った。銘板の裏に白絹で包んで置かれていることも聞いた。そして、王家大封印が使われていると気づいた」
「それが何だ」
「その後、反対印は台座の下から見つかった。床には、今朝あなたが所持していた杖と一致する痕跡が残っている」
「言いがかりだ」
「そうかもしれません。だから、理由を尋ねています」
レオノーラは声を荒らげなかった。
「なぜ展示を止めなかったのです?」
「私が答える義務はない」
「なぜ正午の鐘を止められるか確認したのです?」
「記念の日だから時刻を気にしただけだ」
「なぜ名紋が変わった瞬間、鑑定ではなく盗難による帰属停止を要求したのです?」
伯爵の視線が揺れた。
「そして、なぜ反対印が隠された場所に、あなたの杖の痕跡があるんですかね?」
「私は青涙を失った被害者だ!」
「ええ」
レオノーラは静かに答えた。
「だからこそ、被害者になる必要があった」
横で聞いていたヴィダルが、伯爵へ顔を向けた。
「閣下」
先ほどまでの商人らしい余裕が、声から消えている。
「奉献を意図的に成立させたうえで、盗難を装ったのであれば、補償請求は無効です」
「黙れ」
「商会として確認する必要があります」
「黙れと言っている!」
伯爵は警備兵が持つ杖へ手を伸ばしかけたが、途中で止めた。
レオノーラは一歩も動かない。
「あなたは展示を止められた。貸与条件の第三項を示すだけでよかった」
「違う」
「しかし止めれば、青涙は何事もなく伯爵家へ戻る。補償請求権は発生せず、借金だけが残る」
「違う」
「だから、王家の冠が現れるまで待った。法的な奉献として処理されれば補償は出ない。そこで、その瞬間に偽物だと訴え、管理上の盗難として扱わせようとした」
「違う」
「では、反対印を隠した理由を説明してください」
伯爵は答えなかった。
青涙の内部で、王家の冠が静かに光っている。
やがて彼は、絞り出すように言った。
「一族を守るためだ」
これまでで最も小さな声だった。
「白絹から印を落とし、杖で台座の下へ押し込んだ。反対印が見つかれば、誰かが戻してしまうと思った」
「ヴァルク領は三年続きの不作だ。用水路は壊れ、橋は崩れ、税収だけでは修復できない。青涙は我が家にある。だが売れない。担保にもできない。歴史と名誉を抱いて、領民に飢えろと言えというのか」
伯爵は握った拳を震わせた。
「救済金は二度申請した。どちらも却下された。王都の邸宅も農地も、すでに商会の担保だ」
誰も答えなかった。
「商会の金が必要だった。補償が支払われれば、借金を返し、残りで用水路を直せる。青涙は王家へ戻るだけだ。石そのものが失われるわけではない。博物館に認めさせるつもりだった。王家の紋章を浮かべた石は、ヴァルク家が貸した青涙ではないと。博物館が争いを長引かせるより、補償を選ぶことに賭けた」
「だから、盗まれたことにした?」
レオノーラが尋ねる。
「王家は宝石を得る。商会は金を得る。領地は救われる」
「博物館は補償を負い、館長と警備責任者と鑑定士は、盗難に関与した疑いをかけられる」
「博物館の金で領民が生きられるなら、どちらを選ぶべきかは明らかだ」
「ずいぶんときれいに他人の損失を配分しましたね」
俺が言うと、伯爵はこちらを見た。
「あなたの計算では、誰も致命的には損をしない。王家は石を得て、商会は金を回収し、伯爵家は領地を守る。ただし、誰が嘘の責任を負うかだけが計算から外されている」
「領地も領民も持たぬ技師に、何が分かる」
「分かりません」
領地を治める責任も、不作の苦しさも、橋を直せない当主の判断も、俺には分からない。
「ですが、俺に事情が分からないことと、あなたが他人へ責任を負わせてよいことは別です。封印も契約も、使用者の事情を察して意味を変えてはくれません」
伯爵は目を逸らした。
レオノーラは比較を終えた杖を、保全用の布とともに警備兵へ預けた。
「正式な捜査官が到着するまで、伯爵を別室へ。身柄の拘束が必要かは捜査官に判断させてください。ただし、証拠品と関係者には接触させないように」
「私は逮捕されるのか」
「私には決められません」
サリアへ告げたのと同じ答えだった。
「ただし、単なる盗難の被害者として扱われることはないでしょう」
伯爵は警備兵に伴われ、展示室を出ていった。
ヴィダルも契約内容の確認を受けるため、別室へ案内された。
残されたのは、俺とレオノーラと、ケースの中で王冠を浮かべる青涙だけだった。
「これで終わりですか」
「ほぼ」
「その言い方をする人間は、必ず仕事を残しています」
「真相を関係者全員の前で説明する必要があるわ」
「今ので十分では?」
「館長、ドラン、サリアは、それぞれ自分の嘘しか知らない。すべてを一つに組み立てなければ、誰か一人が事件全体を計画したことにされかねない」
「説明するのは?」
「私が話す」
珍しい。
いつもなら必要な資料を俺へ渡し、技術的な部分を途中から説明させる。
「あなたが?」
「不満?」
「いいえ。ようやく役割分担という概念を学んだのかと」
「その代わり、ケースの封印を安全に解除する準備をして」
やはり仕事は残っていた。
「なぜ開けるんです?」
「青涙が本物であることを正式に再鑑定し、帰属について王室財産院が裁定できる状態へ戻すためよ」
「王家大封印の解除には、解除資格を持つ技師三人の立会いが必要です」
「操作そのものは?」
「一人でもできますが、規程上は同じ資格を持つ補助技師が二人必要です」
「もう手配してあるわ」
「いつの間に?」
「あなたが伯爵の杖を調べている間に」
「王室財産院の許可は?」
「申請済み。許可が下りて、正式な捜査官の現場確認が終わり次第、解除できる」
レオノーラは青涙を見上げた。
「それに、あなたはあの封印を開けてみたいでしょ?」
「業務上、構造に関心があるだけです」
「展示目録を三日前から読んでいた人が?」
「関係ありません」
「そういうことにしておきましょう」
俺も青涙を見る。
王家大封印の内部構造を、正規の手続きのもとで直接解析できる機会は多くない。少なくとも、夕食一回では安すぎる程度には希少だった。
「酒は二杯です」
「一杯」
「では、俺は立会いだけにします。主担当は別の技師へ」
「二杯で」
「交渉成立です」
レオノーラは呆れたように笑った。
この事件には、それぞれ異なる値段が付いていた。
伯爵にとっては、八万枚の借金を消し、残額で領地を立て直すための補償金。
商人にとっては、融資した金貨八万枚と、その利息。
鑑定士にとっては、父親の工房を守るための返済猶予。
俺にとっては、夕食と酒二杯。
最後に並んだ俺の値段は、いささか安い。
だが、他人の歴史や領地を背負う趣味はない。
俺はただ、自分の仕事に必要な対価を請求しただけである。
誤字・脱字などがありましたら、誤字報告から教えていただけるとありがたいです。