全てを無くしてもダンジョンに行くのは間違っているだろうか? 作:赫星
姉を
圧倒的な実力を
その剣技を
憧憬を
目の前のものに重ねてしまった。
怪物祭の翌日、クラナはいつものようにダンジョンへと行っていた。
「ふっ!」
クラナは、ダンジョンの10層にいた。ダンジョン10層目は、
「ふぅ、今日はこれくらいにするか」
するとクラナは後ろから声をかけられた。
「ちょっといい?」
「?、はい、だれですか?」
と振り返ればそこには、このないだの怪物祭で出会った。レイトが説明してくれたオラリオの有名人。剣姫アイズ・ヴァレンシュタインがそこにいた。
「確かあなたは、ヴァレンシュタインさんでしたっけ?」
「うん」
「それでどうしてここに?」
「それは…」
「君の剣技が昔一緒にいた姉に似ているらしいからだ」
「!」
「リヴェリア…」
「この前の怪物祭の騒動の後、アイズはずっと、君を探していたんだ」
「はぁ、でも何が似てるんですか?」
「お姉ちゃん」
「?」
「私のお姉ちゃんの使っていた剣技にそっくりだったから」
「へぇー、ヴァレンシュタインさんのお姉さんもこれを使ってるんですね」
「うん、ねぇ、その剣技はどこで習ったの?」
「ああ、この剣技はね。夢の中で知ったんだ」
「夢の中でか?」
「はい、紅桜、今私の持っている刀を手に入れてから。夢の中で金髪の女性が技を見してくれるんですよ」
「君は、それを見て使っていると」
「はい、!。すみません」
そういい、クラナは近くにいたオークに向かって、
「旋風・鎌鼬」
斬撃の竜巻はオークたちを飲み込みその体を刻み込んで消し去った。
「今のが、そうなのか?」
「はい、旋風・鎌鼬って言うんです。とっ、時間ですねそれでは私はこれで」
クラナはダンジョンから帰ろうとするが、アイズに服を掴まれてしまう
「どうしたんですか?」
「少し、お願いがあるの」
「はい、なんでしょうか?」
「私と」
その一言に、クラナ、リヴェリアは目を見開く。
「戦って」
''黄昏の館・訓練所''
クラナはアイズと模擬戦をすることになった。
クラナは、どうして戦うことになったのかいまいちわからない。
アイズは、姉と同じ剣技を使うクラナを見て、彼女の剣技を見れば憧れた姉、クリスに近づけると思ったから。
「それでは、審判は私、リヴェリア・リヨス・アールヴがとり行う。両者準備はいいか?」
「うん」
「できてる」
「それでは…、はじめ!」
先に動いたのは、アイズであった。
「
アイズの持つ剣が風を纏った。その剣を、クラナに向かって振るう。クラナはそれに合わせるように振るが、Lv1と5ではあまりにも差があり吹き飛ばされてしまう。
「流石は、剣姫ですね。打ち合いになりません」
クラナが、感嘆しているとアイズが
「ねぇ、次はあなたの剣技を見せて」
そう言ってくるので、構える。
「まあ、通じるとは思いませんが……、行きますよ」
そう言うと、クラナの姿がぶれて消えたと思えば目の前に現れ。
「閃」
「っ!」
アイズに目にも止まらない斬撃が振られた。アイズは、剣で上手く受け止める。クラナは止められたとわかるとすぐに距離を取る。
「ふむ、やはり効かないか」
「違う」
「?」
「お姉ちゃんはもっと早かった。相手が切られたことに気づけないくらいに」
「なるほど、閃はそれほどの速さが必要なのか。ならばもっと鍛えなければ」
その後も、アイズとクラナの模擬戦は続いていく。だがレベルの差は、長い間戦えば戦うほどに顕著になっていった。
「はあ、はあ」
「もう限界?」
「いや、まだいけるさ。だがやはりレベルの差はでかいな」
「うん」
「でも、それが辞める理由にはならない!」
アイズと斬り合っていくだが疲れが頂点に達した。剣を打ち合えず大きいのをもらい飛ばされてしまう。
「がっ?!」
「あっ…」
クラナは吹き飛ばされてしまう。そこでリヴェリアが止めようとアイズに声をかけようと近づいた時。
「アイズ」
「リヴェリア待って」
「?どうした」
「くる」
「何が?っ!?」
リヴェリアはすぐに察して構える。自分が咄嗟に杖を構えてしまうほどの覇気がいきなり襲ってきた。さっきクラナのいたところから飛んでくる。
クラナがそこでは構えていた。クラナが目を開けば赫ではなく深い蒼目の色をしていた。
「''覇刀・嵐静''」
クラナは刀を上から下へと勢いよく振り下げる。世界から音が消える。アイズは見た。自らが尊敬する姉の剣を。自分の憧憬を。到達点を幻視する。
クラナはその太刀を放った後その身をぐらつかせその場に倒れる。リヴェリアは意識をハッと戻し急いでクラナの元へと駆けつけた。
その時、空の雲は何かに斬られたように縦に割れていた。
~黄昏の館~
そこには、アイズ、リヴェリア以外にロキ・ファミリアの主力。『勇者』フィン・ディムナ
『豪傑』ガレス・ランドロック『怒蛇』ティオネ・ヒュリテ『大切断』ティオナ・ヒュリテ
『凶狼』ベート・ローガ『千の妖精』レフィーヤ・ウィリディス(アイズにくっついてきた)
そして、主神のロキが集まっていた。
「それで、その話はほんまかいな。アイズたん」
「うん、もしかしたらだけど」
「そんなことがありえんのかよ」
「にわかには信じられんな」
アイズの言ったことを、信じられないとった声を上げる。ベートにリヴェリア。
「だがそれなら良かったじゃないか」
「ガッハッハ!確かにな!ずっと探してたみたいじゃしのう」
「確かにそうだよね!」
フィン、ガレス、ティオナが言う。
「でも、確かめることができないんじゃないですか?」
「そうなんや」
ティオネの言っていたことにロキは同意した。
「もし、クラナたんがアイズたんの姉クリスたんだったとしても。アイズたんを見てピンときてなかったのを見るに。記憶がないんやないか?」
「私もそう思っている」
ロキの言っていることに、リヴェリアがそう言う
「だが、断片的だが思い出してるのではないか?」
「どうしてそう思うのですか?リヴェリア様」
「クラナは、次々とアイズの言っていたクリスの技を使っていっている」
「それがどうしたってんだよ」
「ベート、忘れていないか?」
「あん?」
「その技は、レベル5のアイズですら力任せにしか再現できていない。閃や風断ちなどは無理やりできていたが。旋風・鎌鼬、伸刃などの技はできなかった」
「うん」
「だが、クラナはどうだ完璧とは言わずとも使えている」
「あっ、でもさそれでも。スキルでそういうのができるのがあったらダメじゃないかな?」
「確かにそうだね」
「う〜む、これではクラナはクリスとは別人となるんじないか?」
だがアイズは首を振るう。
「それはないと思う」
「なんでや?」
「だって、レベルが1で、
空は斬れないでしょ」
「「「「はあ?!」」」」
「どう言うことだい?」
「そ、そうやでアイズたんどう言うことや!」
「うん、クラナが倒れた後、空を見たら。雲が何かに斬られたように縦に綺麗に真っ二つになっていた」
「そんなのたまたまか見間違いじゃ」
「いや、それはないな」
「リヴェリア様」
「私もふと空を見上げてみればアイズの言っていたように縦に斬られたようになった雲があった。
そして、クラナが倒れる前の構えの時、レベル1とは思えない覇気が私達を襲った」
「そんなことが」
「ああ」
「それが、クラナたんがクリスたんだって言うことにどうつながったんや?」
「覇刀はクリスお姉ちゃんしか使えない」
「?どう言うことだい?」
「お姉ちゃんが言っていたことだけど。完全なる覇刀は構えだけで全てを押さえ込む。放たれれば誰もそこには立っていられないもの。立っていられるものは。埒外に立つもの。神をも超えるもののみ。真なる王者に名を連ねるもののみ。って言っていた」
「真なる王者な。そんなのおるんか?きいたことないで?」
「お姉ちゃんも今の時代には1体しかいないって言っていた」
「?いたんか。そいつはどこのどいつやったんや?」
フルフル「教えてくれなかった。よく聞くと、アイズにはまだ早いって言われちゃって」
そんなふうに話していると。
「失礼します?」
クラナが部屋に入ってくる。
「おや?怪我は大丈夫なのか?」
「はい、おかげさまで。ところで何を話していたんですか?」
「ああ、さっきの模擬戦のことについてだよ」
「何か問題でもあったんですか?」
「そう言うわけじゃない、久しぶりにアイズが生き生きとしていたからね。それに君の剣技に興味があったんだ」
「なるほどです。後申し訳ないのですが」
「なんだい?」
「時間も時間なので、主神のところに帰ってもいいでしょうか?」
「もうそんな時間かい?」
「はい、私のところの主神は家事ができないので」
「わかった。それじゃあ今日はこれでお開きにしよう」
クラナは、黄昏の館から出て帰路についていた。
すると路地裏で、フードを被った少女とエルフの女性が何か言い合っているのを見つける。
「どうしたんだ?そんなところで言い合って?」
クラナが近づくと少女が急に自分の横を駆け抜けていってしまった。それを追うようにエルフの女性も走り出し、クラナも後を追うと倒れ込むベルとその上に倒れ込む先ほど見た少女がいた。
「これは、どう言う状況だ?」
そんなふうに首を傾げるクラナをよそに話が進んでいく。その後、エルフの女性と銀髪の女性は離れていった。クラナはベルに向き直って、
「一体どうしたんだ?」
「あぁ、実は神様からもらったナイフを無くしちゃて、探していたところをリューさんに届けてもらったんです」
「なるほど、それじゃあそこにいる子は?」
「この子は、僕と一緒に潜ってくれているサポーターの」
「リリルカです。よろしくです」
「ああ、よろしく私はベルと同じファミリアのクラナだ。こちらともよろしくな」
「よろしくです」
そう言いお互いが握手したのちに解散となった。