【推しの子】もしも星野アイの隣人が天才外科医だったら〜命を救う、その先へ〜   作:ペンギンって可愛いですよね

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第五十話「家族団らん」

 

片付けが終わる頃には、キッチンもダイニングもすっかり綺麗になっていた。

 

アイは満足そうに辺りを見回す。

 

「よーし!」

 

「これで終わり!」

 

「みんなありがとう!」

 

「いえ」

 

悠真は軽く微笑む。

 

「こちらこそ、美味しい料理をご馳走になりました」

 

ルビーがリモコンを手に取る。

 

「じゃあテレビ観よ!」

 

「今日、お母さんが出る歌番組あるんだよ!」

 

「収録だけどね」

 

アイは少し照れ笑いを浮かべながらソファへ座った。

 

悠真も勧められるまま隣へ腰を下ろす。

 

アクアは静かにソファへ座り、ルビーはアイの隣へぴったりと座った。

 

テレビではちょうどバラエティ番組が終わり、歌番組が始まるところだった。

 

「もうすぐ始まる!」

 

ルビーはワクワクした様子で画面を見つめる。

 

アイは苦笑した。

 

「うーん……やっぱり自分が出てるのを、みんなで見るのってちょっと恥ずかしいね。いつまで経っても慣れないや」

 

ルビーは笑った。

 

「えー!私はお母さんがテレビに出るの大好き!」

 

アクアも小さく頷く。

 

「俺も嫌いじゃない。家で見るのとテレビで見るのは少し違うし」

 

「そう?」

 

アイは照れくさそうに頬をかいた。

 

「何か変な感じなんだよね」

 

「自分が違う自分を見てるみたいで」

 

そんな話をしているうちに、番組は次の出演者を紹介し始めた。

 

『続いては、今大人気のアイドルグループ――B小町です!』

 

スタジオから大きな歓声が上がる。

 

「始まった!」

 

ルビーが身を乗り出す。

 

アクアも自然とテレビへ視線を向けた。

 

画面には七人のB小町が映し出される。

 

色鮮やかなステージ。

 

大勢の観客。

 

そしてセンターに立つアイ。

 

イントロが流れ始めると、会場の熱気が一気に高まった。

 

ルビーは目を輝かせながら見つめる。

 

「お母さん、すごい……!」

 

アクアも真剣な表情でステージを見つめていた。

 

普段家で見せる優しい母親の姿とは違う。

 

そこにいるのは、日本中を魅了するトップアイドル・星野アイだった。

 

悠真も静かにそのステージへ見入る。

 

(これが……星野アイ)

 

家では優しい母親として笑う女性。

 

その人物が、ひとたびステージへ立てば、一瞬で空気を支配してしまう。

 

歌声。

 

表情。

 

ダンス。

 

観客の視線をすべて惹きつける圧倒的な存在感。

 

医療とは全く違う世界でありながら、その姿には一流の人間だけが持つ輝きがあった。

 

悠真は自然と小さく微笑む。

 

「……さすがですね」

 

その呟きを聞いたアイは、照れ隠しをするように笑った。

 

「もう先生」

 

「そんな真面目に見ないでよ」

 

「恥ずかしくなっちゃうじゃん」

 

その言葉に、部屋は再び穏やかな笑いに包まれた。

 

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