【推しの子】もしも星野アイの隣人が天才外科医だったら〜命を救う、その先へ〜   作:ペンギンって可愛いですよね

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第五十一話「新しいファン候補」

 

B小町の歌唱が終わると、会場から大きな拍手が響いた。

 

テレビには出演者たちの笑顔が映り、そのままCMへ入る。

 

「終わっちゃったね」

 

アイはどこかほっとしたようにソファにもたれかかった。

 

「やっぱり自分が出てる番組を見るのは緊張するなぁ」

 

ルビーはまだ興奮が冷めない様子だった。

 

「今日も最高だった!」

 

「ダンスも歌もすっごく良かった!」

 

アクアも静かに頷く。

 

「今日の出来はかなり良かったと思う」

 

「フォーメーションもほとんど乱れてなかった」

 

「えへへ」

 

アイは少し照れくさそうに笑う。

 

「ありがとう」

 

そんな中、ルビーがくるりと悠真の方を向いた。

 

その目は期待でキラキラと輝いている。

 

「先生!」

 

「B小町どうだった?」

 

「良かったでしょ!」

 

アクアも悠真へ視線を向ける。

 

「率直な感想を聞かせてください」

 

二人の期待に満ちた表情を見て、悠真は思わず苦笑した。

 

「そうですね」

 

少し考えてから、ゆっくりと言葉を紡ぐ。

 

「私は音楽の専門家ではありません」

 

「ですが、一人の観客として申し上げるなら――」

 

「素晴らしかったです」

 

「歌もダンスも息がぴったりでしたし、皆さん一人ひとりが輝いていました」

 

「そして何より」

 

悠真はアイへ視線を向ける。

 

「アイさんの存在感は圧倒的でした」

 

「自然と目で追ってしまいます」

 

「これがトップアイドルなのだと実感しました」

 

その言葉を聞いたアイは照れたように頬をかく。

 

「もう先生ったら」

 

「そんなに褒めても何も出ないよ」

 

しかし、その表情はどこか嬉しそうだった。

 

ルビーは満面の笑みを浮かべる。

 

「でしょ!」

 

「B小町最高なんだよ!」

 

「先生もファンになっちゃいなよ!」

 

勢いよくそう言ったあと、ルビーの笑顔が少し曇る。

 

「……まぁ」

 

「今年で最後なんだけど」

 

その一言で、部屋の空気が少し静かになった。

 

アイも優しく微笑みながら頷く。

 

「そうだね」

 

「私含むB小町は今年で解散だから」

 

ルビーは少し俯く。

 

「もっとずっと歌って踊るお母さんを見ていたかったなぁ……」

 

アクアも何も言わず、テレビの消えた画面を見つめていた。

 

そんな二人の様子を見た悠真は、穏やかな表情で口を開く。

 

「確かに解散は寂しいですね」

 

「ですが、だからこそ今日のステージには大きな価値があります」

 

「限りがあるからこそ、人はその時間を大切にできます」

 

「今日の皆さんの姿は、きっと多くの人の記憶に残るでしょう」

 

悠真は優しく微笑みながら続けた。

 

「もちろん、私の記憶にも」

 

その言葉に、アイは少し目を丸くしたあと、柔らかく笑った。

 

「……ありがとう、先生」

 

ルビーの表情にも少し笑顔が戻る。

 

「じゃあ先生!」

 

「今日からB小町ファンね!」

 

悠真は笑いながら頷いた。

 

「はい」

 

「これから応援させていただきます」

 

「やったー!」

 

ルビーは飛び上がるほど喜び、アクアもどこか満足そうに小さく微笑んだ。

 

その光景を見ながら、アイもまた、幸せそうに笑っていた。

 

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