俺切二次 やさぐれ転生盤外戦術使いがサレン=アンダーに堕とされるまで。   作:地霊殿の壁

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当初は此処まで大きくクロスさせるつもりはなかったと供述しており……
※今回からアニメ・原作『遊戯王』の要素が強く入ってきます。


第八話

───ぼんやりと自分の血が溢れるのを眺めていた。

 

───元々、私はメガバベル社のために造られた部品だ。

 

 

それ以上でもそれ以下でもない。

 

───役目を果たせなければ廃品として処理される。

 

 

当然だ、私はハグルマなのだから。

 

───だから、()の言葉も、行動も、何の意味もないものだった。

 

──本当に?

 

 

 

「残念です。子供に負けるなど」

 

「なにをしてるの!? 貴方の、社長なんでしょ?」

 

「社長? こんなもの、メガバベルにおけるハグルマ、換えの利く備品に過ぎません。それも失敗作の」

 

 

 秘書は次はお前だと言わんばかりにその拳銃をユウキへと向け───

 

≪危ない!≫

 

───鳴り響く一発の銃声。 

 

 それと時を同じくして放たれた鉛の弾丸はユウキの前に立つアリーシャ───ではなく、突如発生した闇のベールに阻まれていた。

 

 

───途轍もないプレッシャーが周囲を襲う。

 場馴れしたサレンすらも気圧されるような、純然たる『闇』が辺りに充満する───。

 

 全身ごと深い闇に覆われた中、鋭いトゲの突いた首飾り(リング)と黄土色の瞳が振り向きざまにギラギラと輝く。

 

 

「待て。貴方は何者?闇のカードを使って何する気?」

 

 

 そこで、いち早く気を取り直したサレンは冷静を保つように努め、彼に問いかける。

 闇に纏われ、容姿は見えない。

 

 彼はそちらを一瞥し、すぐさま視線を横に流す。

 

 

「……は───こひゅっ、ゴホっ、けほっ……」

 

「ひっ!───」

 

 

───倒れている社長に目を向け、さらにその側の秘書へと目線を向け直す。

 

 

「ククッ、宿主サマのご希望何でな───さあ、闇のゲームの始まりだぜ」

 

 

 彼は首元のリングを指先で持ち上げる。

 まるで宇宙が膨張するかのように闇が急速に広がる───濃密な闇は1秒も立たずして社長室全てを呑み込み尽くした。

 

 

「!?」

 

 

 瞬間、秘書の足元から闇が侵食していく。

 

 

「アシロ!?……いや、違う……」

 

()()()()()()()()すら持ってないヤツはこの場に立つ資格はねぇよ。くっははっ!一足先に冥府が見れたな?」

 

「っ───ッ───ぁ───」

 

 

 秘書に闇のカードを向けて───すっと指を曲げる。

 たったそれだけの動作で秘書は瞬く間に逆巻く闇に呑まれ、消えていった。

 

 秘書が持っていた爆弾と拳銃が地に落ち、それすらも地を這う闇に音もなく呑まれる。

 

 

『!!!』

 

「さて、次は───」

 

 

 此方に警戒と敵意を向けてくるサレン=アンダー、及びその隣の紙浄ユウキへと目を向ける。

 その目は尽きぬ盗賊としての欲望に囚われながらも、自らの信念が底深くで未だ輝いていた。

 

 

「ゴホッ、けほっ……ま、待ってください……!常磐アシロ───」

 

 

 血を吐き出しながら静止する社長。

 何故呼び止めたのかすら自覚していない彼女(社長)だが、以外にもその言葉はしっかりと聞き入れられた。

 

 

「……この世界でのデュエルはしておきたかったが、まぁいい。くく、俺の千年(リング)は形あるものに汎ゆる魂を移す───」

 

 

 彼女の下に歩いていき、掌に出現した一つのキューブを翳す。

 取り込まれるようにして彼女の姿が消える。

 

 

「───量子キューブは『(意思)』を持たない。純然たる『無』だ。何、悪いようにはしねぇよ。それがヤツの願いだからな。───後始末は任せたぜ、マリク・イシュタール」

 

 

 そう言い残すと纏う闇が見通せないほどに濃くなり、質が変わる。

 

 

「っまって、貴方は───」

 

「ユウキ!油断しちゃダメ───さっきまでと何か違う」

 

 

 そこから現れたのは、より濃く粘ついた纏わりつくような闇───その中には先程の彼に感じられた信念の光などは無かった。

 そして、首元のリングは()()()()()()()、代わりに錫杖のようなものを手にしていた。

 

 

「フフフ……オレ様はマリク・イシュタール───!!闇の領域決闘(デュエル)の時間なんでね……賭けるのはこの空間での記憶だぁあ!ゔへへへへぁあ───この領域決闘(デュエル)に敗北した瞬間、オレ様の千年錫杖(ロッド)によって、キサマらは偽りの記憶を植え付けられる……!」

 

「ユウキ!」

「うん!」

 

『ファイト!』「デュエルだぁ!!」

 




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