タフという言葉はフリーレンのためにある   作:雁木まりお

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見事やな………ニコッ

「ここにアイゼンが住んでるはずなんだけど……フェルン、どう思う?」

「クソぼろい家っすね。忌憚の無い意見ってやつっス」

 

フリーレン一行は旅の途中、前衛の戦士の必要性を感じかつての仲間『戦士アイゼン』の元を訪れていた。

しかしいざ訪れたアイゼンの家は、借金取りが貼っていったのだろう「差押」「返す気あんのか?」「死ね!ボンクラ」などの張り紙が壁一面に張られており、人が住んでいるとは思えないぼろ屋であった。

 

「アウラ、中を見てこい」

「はうっ」

 

命令されたアウラは渋々といった様子で家に近づき、ドアノブに手をかけた。

 

「カギはかかってないみたいじゃない…あうっ!」

 

          ベキィッ

 

突如として内側からドアが破壊され、アウラの首に何かがとびかかった。

それは何者かの鍛え上げた太い腕であった……そのままアウラの細い首に指を食いこませていく!

 

 

「ククク…捕まえたで……」

 

          バキッ

 

「コソコソと中を覗いとる魔族(ゴミ)がいるようやのォ」

 

          バキッバキッ

 

「どこの回し者じゃっ!顔を出さんかいっ」

 

          ベキッベキベキィッ

 

剛腕の主はドアを破壊した勢いのまま、今度は壁ごと破壊しながらアウラを家に引きずり込んだ!

 

「! アウラ!?」

 

「あう……あう」

「メスガキャア!三枚におろして食うたろかァ!」

 

剛腕の主は戦士アイゼンその人であった。

アイゼンはアウラを腕力で宙吊りにしながら徐々に力を強めていく!

 

「ア……アイゼン!殺したらアカン!その魔族(アホ)はまだ使えるんや!」

 

「フリーレン!久しぶりやないけ!……よく見たらこいつアウラか!フリーレンの使いなら早うそうと言わんかい!」

 

          ブンッ…ドガッ!

 

壁に投げつけられたアウラは失神した。

 

「すまんかったのう……借金取りと間違えてもうたわ。堪忍してや」

「腕は衰えてないみたいだね」

「フリーレン様、この方がアイゼン様ですか?」

 

戦士アイゼン……勇者ヒンメルの仲間の一人であり、数多の魔族を時には斧で、時には鍛え上げた肉体で屠ってきたドワーフである。

常人なら死ぬレベルの致命傷を負っても次の日には元通りになっているタフさ……タフという言葉はアイゼンのためにあるのだ。

ドラゴンに齧られても腹を貫かれても生きている怪物を超えた怪物である。

 

「お嬢ちゃん、フリーレンの弟子か?…………見事やな」ニコッ

「……?ありがとうごさいます?」

「それだけじゃない…ハイターの教え子でもあるよ」

「おお!あの生臭坊主の!」

 

壁際でピクピクしているアウラを尻目に、アイゼンとフリーレンはしばらくぶりの再会を喜び合った。

 

 

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