「ライブの予定…ですか?」
「そう、ライブの予定!」
「もうライブするんですね」
花ちゃん先輩とあだ名を付けてあの日から2日後の練習終わり、先輩方から吟も含めて話がしたいと言われて部室に集まっていた。その話というのは、吟も入れてライブをする事だった。
「ええ、そろそろ。吟子さんも練習に慣れてきたでしょう。だったら次の目標があったほうが励みになるんじゃないかしら。ね、花帆」
「はい、梢センパイ!」
「あなたが良ければ、このままスリーズブーケで一緒に…というのを、花帆は望んでいるみたいだけど」
「一緒にやろうよ、吟子ちゃん!」
「それは…まだちょっと、考えさせてもらっても、いいですか?」
先輩方から誘ってもらったが、まだ決めかねてるみたい。
「なんでえ!?むぐっ」
何かを言いそうになっていたが、花ちゃん先輩の口を梢先輩が塞いだ。
「ええ、もちろん、あなたの三年間がかかっているんだもの、慎重になりすぎても悪いということは、まったくないわ」
流石梢先輩だ。
「一応、ライブの日までにユニットを決めてもらえれば助かるけれど、でも、後は変更することも大丈夫よ、その辺りは、ちゃんと配慮するわ」
「乙宗先輩…」
「あら、私のことも『梢』でいいのよ。綾羽君みたいにね」
梢先輩はそう言って、ウィンクをしてきた。
「う…じゃあ、こ、梢先輩。すみません、お手数をおかけして。花帆先輩にも、こんなによくしてもらってるのに…」
「いいんだよ、吟子ちゃん!後輩の面倒を見るのが、二年生の!先輩の!あたしの!務めだからね!」
前に聞いた通り、花ちゃん先輩。張り切ってるし、なんというか_
「うわあ暑苦しい…」
僕も思ったけど、吟も直球に言ったなぁ…
「ふふっ、それじゃあ、ライブの予定を組んでしまって構わないかしら?」
「あっ、はい。ありがとうございます。ライブ自体は、その、緊張するけど…楽しみ、です。それは、ほんとに」
「吟子ちゃんの初ライブ、だもんね!あたし、最前列でペンラ振るね!」
それってつまり…?
「花ちゃん先輩、それって吟が違うグループ?で踊るって事になるんですが」
「そうですよ!場合によってはあなたも出るんですが!」
「え、ってことは、吟子ちゃん、やっぱりスリーズブーケに……!!」
「ああ言えばこう言う!この人!」
そうは言うけど、吟は本当に嫌そうにはしてないけどな
「ふふふっ。花帆はね、ライブが大好きなのよ。自分のライブだけじゃなくて、人のライブもね」
「花ちゃん先輩、スクールアイドルになるために生まれたような人ですね」
「ええ、本当にね」
「ついに吟子ちゃんのデビューライブかあ。そうと決まったら。スペシャルな演出を考えたいなあ」
「あら、いいわね」
「それなら、派手にドーンとやりましょうよ!」
「ちょっと綾羽…」
「とっても良い!あっ、そうだ!ステージをピカピカに飾って、金沢城を作っちゃうのはどうですか?ドーンと!」
花ちゃん先輩と意見があった。
それならインパクトはもの凄い事になるね。うんうん
「そうね。ちょっと難しいかしらね」
…ま、現実的に考えて無理だよね、案は素晴らしい物だったけど。
「演出考えて~あとは衣装も新しくしたいなぁ~」
「衣装……あ、でしたら、あの……」
「お、吟子ちゃん、希望とかある!?」
「いえ、なにもかも任せるのは、申し訳ありませんし…衣装づくりなら、もしかしたら…私も、お手伝いできるかも、と」
「あら」
「そういえば吟子ちゃん、デザインもしてたもんね!」
「はい。実は、百生家の家業は――」
吟はそう言って、先輩達に自分の家の事を話し、午後、練習も無かったため、吟と一緒に金沢市内に向かった。何故か花ちゃん先輩も一緒に
******
「吟子ちゃんの家って、
市内に向かうバスの車内でそう話す花ちゃん先輩。吟は普段着である着物に着替えて
「おー花ちゃん先輩、もの凄く調べてる」
「えっへん!先輩だからね!」
「それに先輩は関係ないような…」
花ちゃん先輩と話していると、隣に座っていた吟が話に入ってきた。
「あの」
「なになに?」
「私、花帆先輩に、『外出届の書き方を教えてほしい』ってだけ、言いましたよね?」
吟は確かにそう言っていた。
「?うん」
「…なんで一緒に来たんですか?」
「街の方に向かうんでしょ?あははっ、だったらもちろん行くよー」
「だからなんで!?」
「なんで…?おやすみの日に、友達とお出かけするのが、なんで…?」
「そうだよ、お休みの日に友達とおでかけするの普通じゃない?」
「ぐっ…と、友達…。綾羽もだけど、花帆先輩、私とは違う理屈で動いてる人…」
「それとも、迷惑だった…?」
「ああもう! そんなことないよって言えば満足ですか!?」
「えへへ、よかったぁ」
「…あなたって、誰にでもそんな風なんですか?」
吟は、花ちゃん先輩にそう聞いた。
「そんな風って?」
「あっ、着いた」
バスは最寄りのバス停に着き、僕は席を立った。
「早く降りる降りる!」
「っそんな風ってなーにー!?」
「花ちゃん先輩、降りれなくなりますよー」
「行くから、待ってー」