吟と花ちゃん先輩を寮まで送って、男子寮に帰って、散歩の為灯りのない夜道を歩いていると
「ああ、徒町、道に迷ってしまいましたー!」
なんか目の前で叫ぶ女の子が居た。
同級生か。仕方ない声をかけてあげるか。
「大丈夫?」
僕が声を掛けると女の子がびくっとした。
「あっ…ごめんごめん、いきなり声を掛けてしまって…えっと、道に迷ったの…?」
「はい…徒町、チャレンジをしていたら道に迷ってしまいまして…」
「チャ、チャレンジ…?」
「はい!徒町がやりたいと思った事をするチャレンジのことです!」
「な、なるほど…?」
まぁ…人それぞれだしなー
「それで、本題なんだけど…道に迷ったってどこに行こうとしてたの?」
「女子寮です、ここは真っ暗なので…どっちに向かえばいいのか…」
「あー…確かに、真っ暗だから…方向分からなくなるよね…一応、僕が来た方向に戻れば女子寮に行けるよ」
「本当ですか!」
彼女は、そう言って僕の手を取ってきた。
柔らかいなうん
「うん、案内しようか?えっと、徒町さんだっけ?」
「はい!一年生の徒町小鈴です!よろしくお願いします!」
「元気良いね~徒町さん」
「小鈴って呼んでもらっていいです!」
「オッケー小鈴ちゃんって呼ぶね。僕は一年の堀川綾羽、同級生だから敬語は無しで。よろしくー」
「徒町は、綾羽君って呼んでもいいですか!」
「問題ないよ。好きなように呼んで」
この後、小鈴ちゃんを女子寮まで案内して、ちょっとだけランニングをしてこの日はこのまま寝るのだった。
*******
「ん、あれ、暗~い」
校舎内を歩いていると、カゴに捕まっている女の子を発見した。
カゴを取ってあげる必要はないけれども、関わってしまった以上、助けてあげるしかないかー
「よいしょ…何やってるの?」
「ありがと、えへへ~めぐちゃん拾ったの~♪」
そう言って、彼女はアクリルスタンドを見せてきた。
「それって元タレントのめぐちゃんのアクリルスタンドじゃん!」
「お~君も知ってるの!?」
僕が名前を呼ぶと、彼女はガッと距離を詰めてきた。
近いなぁ~
「まーね、というか、なんでめぐちゃんのアクリルスタンドがこんな所に…」
「さあ~?親切な人が置いていったと思うよ~」
「そんな人が居るものなのかな…」
アクリルスタンドってそんな安くはない代物だったはずなんだけど…
「でも、めぐちゃんを知ってるのか」
「ん?どした?」
すると、彼女は僕の腕を掴んできた。
「今から、めぐちゃんの事で語ろうよ~えっと…」
「あっ、そっかお互いに名前言ってなかったね。僕は堀川綾羽」
「綾羽君!うん、あたしはね安養寺姫芽だよ~よろしく~」
「うん、よろしくね姫芽ちゃん」
その後、姫芽ちゃんと食堂に行って、めぐちゃんの事で話が盛り上がるのだった。
-教室で-
「昨日と一昨日、どこ行ってたの?」
「えっとね、食堂で友達と話してたよ」
「ふ~ん」
「あはは、吟子ちゃんって本当に綾羽君と仲が良いんだね」
「べ、別にそういう訳じゃ…」
次の日、教室で吟から問い詰められていた。
昨日、一緒に帰るって予定にしてたのに、どこに行ってたんだと。間違っても姫芽ちゃんとずっと話していて約束を忘れていたとか、小鈴ちゃんと二人きりで居たとか、そんな事を言ってしまえば、怒りという名の落雷が僕に落ちてくるに決まってるだもん
「幼馴染だから。これぐらいはね」
「幼馴染でも疎遠になるって子もいるじゃん」
「あっ、そっか。そういう話もあるのか」
「あはは」
「もう!」
クラスメイトとそんな会話をしていると_
「あっ!吟子ちゃんー綾羽君、部活いこー!」
「あ、花帆先輩」
「ちわっすー花ちゃん先輩。もうそんな時間なんですね」
花ちゃん先輩が迎えに来てくれたようだった。
「む~私が知らない間に、綾羽と花帆先輩が仲良くなってる…」
「ふへへ、あたしと綾羽君は吟子ちゃん可愛い同好会を結成してるからね」
そんな同好会を組んだ記憶はないが、ここは花ちゃん先輩の話に乗っておこう。
「うん。吟の可愛い所を広めるのが活動目的なんだ」
「なんなんそれ」
飽きられてしまった。
「花ちゃん、部活行きましょうー」
「うん!」
「はぁ…」
*******
そして、クラスメイトに挨拶を交わし、廊下に出て。
「すみません。わざわざ迎えにきてもらって」
「え、ううん、ぜんぜん…それより!吟子ちゃんお友達できたの!?」
「えっ、ええと…」
「吟が自分から行かないので、僕が絡んであげてと言ってあげたらさっきみたいになっててた」
「綾羽のおかげで、話に付き合ってくれる人は、何人か、できたけど…」
「それ友達だよね!?やったー!」
「いえーい!」
僕と花ちゃん先輩は、手をバンバイしながら喜ぶ。
「…なんで、花帆先輩と綾羽が喜ぶの?」
「えーだって嬉しいよ!あたしちょっと戻って、吟子ちゃんと仲良くしてねって言ってこようかな」
「はっ!そこまでは言ってなかった、よし、花ちゃん先輩行きましょう!」
「本気でやめて!」
花ちゃん先輩と一緒に教室に入ろうとしたら、腕を掴んで止めてきた。
強めの力で掴んできたから、跡が残っていた。どんだけ強い力で握ってんだ。
「…スクールアイドルクラブに入ったから、って」
「え?」
「私がスクールアイドルクラブやってるのを見て、なんか…スクールアイドルが好きみたいで、応援してくれて…後は、私と綾羽のやり取りが面白いからって…言ってくれて…」
「すごい、すごーい!」
「ちょっ、先輩っ」
花ちゃん先輩が吟にかなり近づいたので、恥ずかしかっていた。
「それじゃあ、素敵なところを見せてあげなくっちゃ!世界でいちばんの初ライブにしようね!吟子ちゃん!」
「ああもう!言わなきゃよかったー!」
吟は、自分の言葉に後悔するのだった。
徒町小鈴
本作におけるメインヒロイン候補の一人
チャレンジを行って気づけば道に迷っていた所を、たまたま通りかかった綾羽に助けられる。他の詳細はまだまだ内緒
安養寺姫芽
彼女もまたこの作品におけるヒロインの1人。
偶々通りかかった所を助けてもらった。
めぐちゃんの話題で意気投合する事となった。