(本話は、メガニケの最新話までのネタバレを含む場合があります)
ゴッデス過去編を書きたくなった思い付きの作品です。続いたらいいなぁ…。
(本話は、メガニケの最新話までのネタバレを含む場合があります)
『勝利の女神:NIKKE』
突如宇宙から飛来した侵略者"ラプチャー"によって、人類が敗走し、残された人類の生活圏が、地下都市アークに移って数十年経ってから物語が始まる。
…と、
「_ぐや…_かーぐーやー!!!」
「なんじゃレッドフード!妾の耳元で騒ぐでない!」
「だって、お姫様が反応しないからだろ?」
妾を"お姫様"と呼ぶ長く赤い髪のオオカミのような印象を受ける妾と同じゴッデス部隊の一員レッドフードは、屈託のない笑顔で、頭の後ろで腕を組んでおる。
まさかとは思うていたのじゃが、人類がまだ、地上でラプチャー達と戦争をしている真っ只中だったのじゃ。それもそのはず、妾の目の前のレッドフードは、妾の知る限りすでに
「どうせ、ラプンツェルにあぶな絵を渡そうと画策しておるのだろう?」
「うぇ!?やっぱり聞いてたんじゃないか!」
「当たり前じゃ…そんなしょうもないことで、妾の時間を使うでない!」
妾が呆れながらも手元の小説に目を落とすが、レッドフードはこれみよがしに『熱くて盲目的なもの』と表紙に描かれたあぶな絵を片手に妾の肩を揺さぶる。
そう…妾が最初に、この世界に目覚めた時には、こんなにもコミカルになるはずはないと、楽観的にも決意を固めたものじゃ…。
ニケとして誕生した時を考えてもそうじゃ…あれは妾が水で満たされた試験管の中で目覚めた数年前の話じゃのう…。
「また今回の実験体も失敗か…」
「やはりリリーバイス殿のような個体は最初から無理だったんだ…」
「ん?…いや、待て…あの試験管…何か光っているぞ?」
「そんな馬鹿な…リリーバイス殿の数値を超える耐久値は机上の空論の筈…」
妾の入っていた人間台の筒状の試験管が突如光出して、偶然適合してしまったリリーバイス並みのポテンシャルを持つボディ、『リリーバイス型』と名付けられたニケのボディ個体名"かぐや"とかいう___設定を知っていれば、むしろなんでリリスちゃんを超えるマシンスペックが成功してるの?という妾の存在…やっぱり厄ネタを超えた厄ネタなのは、名前からしてそうじゃろう…。
だって目覚めた瞬間から、妾はニケになる前の"更に前の前世"の記憶を保持しておるのじゃからな…。
◆◆◆
かぐや姫といえば、日本人には馴染み深い"竹取物語"の絵本の話だろう…。その中でも妾は、五人の貴公子から求婚された時に、かぐや姫がその貴公子に要求した無理難題な宝物の名前がそのまま武装の名前となっている。
『おお!これはこれは、麗しき姫君___目の前の大量のラプチャー達を殲滅してくださいな』
「…お主は、妾の出撃の度にその前口上を言うつもりかえ?」
通信に乗る指揮官の言葉をインカムを通して聴いておるのじゃが…___本音を言うと割と真面目に耳が孕みそうになる…。
『…仕方がないだろ?上の連中から、"お前にはすこぶる金が掛かってるから、少しでも大事に丁重に扱え"って口を酸っぱくして言われているんだ…俺だって、大事な仲間にこんなこと言いたくて言ってるわけじゃない。お前の扱いは、まるで戦略兵器じゃないか…』
「ふっ…"まるで"ではない___妾は本当の意味の戦略兵器なのじゃからのう?第二兵装"蓬莱の玉の枝"レディー」
妾の背中から、銀色の根が地面に固定され、金色の幹が羽のように伸び、枝分かれした幹の先の一つ一つには真珠のような実が形つくり、その全てから、嵐のようは光学兵器の光を発射させ、目の前のラプチャー群を文字通りの塵芥へと変える。
そのラプチャー群を一つ残らず殲滅するのに、六十秒はかかっておらぬ…武装の生成方法が特殊すぎて、他のゴッデスメンバーにはあまり見せられておらぬのも、妾だけが部隊から外れた単独行動の所以なのじゃろうのう。
「お主もあまり気にするでない、妾は戦略兵器としての誇りをしっかりと持っておる」
『___正しい意味で指揮を必要としない戦略だな…やっぱり毎回の戦闘に出てくれないか?』
「ぬかせ、妾が毎回出撃するなら、人類連合軍の財源は一週間で底をつくぞ?」
『だよなぁ…やっぱり、燃費が悪いのはネックだな…』
「…ほぅ?お主は、妾を重いと言うたのかえ?」
『げぇ!?失礼しまーす!』
ぷつりと通信を切った指揮官に軽く舌打ちをしてから、比喩ではない、本当に重くのしかかっている
「ふむ、そろそろ…第二世代フェアリーテールモデルが設計される頃合いじゃのう…やはり、止めるとすればレッドシューズかのう?」
◆◆◆
「やっほー!かぐやちゃん!この間の戦闘では大活躍だったそうじゃない?」
「リリスちゃん!会うのは2日と13時間ぶりじゃのう!」
勝利の翼号のメインデッキで、ドロシーが普段使っている二人掛けのテーブルで緑茶をしばいていたところに、リリスちゃんが話しかけてきてくれたので、急須で入れ立ての緑茶を差し出す。
リリスちゃんとは、この世界に生まれてから双子の姉妹みたいな存在じゃった。片や白髪短髪の高出力高起動の近距離パワー型ニケ、片や黒髪ロングの超出力低機動の遠距離殲滅型、設計思想からまるで反対のような妾達じゃ…しかし、妾が人間時代の軍にいた頃も関わりの少ない空軍のリリスちゃんと、陸軍の妾と離れていても連絡を取り合うほどの仲じゃった…。
ニケになった時も、直近の姉妹機と言われた時は鼻血が出そうなほどじゃったのは、今でも覚えておる…。
「あっはは!かぐやちゃん、いっつも覚えていてすごいね!」
「当たり前じゃ、妾はリリスちゃんが恋しくて恋しくて…」
思わずリリスちゃんの背中側に回り込み、横顔を覗き込む。…むっ?化粧が落ちかけておる。
「リリスちゃん、化粧が落ちかけておるぞ。ほれ、手鏡じゃ」
「ありがとう、かぐやちゃん。…いつ見てもこの手鏡の装飾凝ってるね」
妾が形が似ているところから勝手に名付けた八咫の鏡で、リリスちゃんは化粧直しをする。その鏡にチラリと写るのは、妾の顔___この世界では、もしかしたら知っている人は既にいないかもしれないその見た目は、"ラプチャーのクイーン"と瓜二つの顔をしていた。
やはり、妾は厄ネタなのじゃろうなぁ………。
お疲れ様です。
本編主人公、『リリーバイス型二号"かぐや"』(本作ではリリーバイスと同じプロセスで二人目が何故かできちゃった系譜で、"リリーバイス型"という名称が出来上がる。その名称が使われるのは多分、「リリスの実物を知らない人がリリーバイス級では?」って思った時に使ったフリージアまでない(尚フリージアは、リリーバイスと同じように時間がゆっくりと動くような錯覚を感じられるものとする)
ちなみにリリーバイス型ではないけど、ボディが崩壊しない安定性を重視されたできるだけの高性能のダウングレードで作られたのがフェアリーテールモデルドロシー。
かぐやは顔がラプチャークイーンと瓜二つの澄まし顔、原作プレイ勢が過去編プレイした時に、絶対黒幕を予想するような存在。
一人だけ必ず平仮名表記で、怪しさプンプン。おまけに紅蓮も漢字表記で邪推される。
もしかしたら、続くかも?