姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~ 作:東雲(しののめ)
天照卿カグヤ・スメラギによる直指名。
前代未聞のそれは、会場を一瞬で修羅場に変えた。
新入生は泣くわ叫ぶわ、七聖同士で揉め始めるわ……。
総会は、強制終了に近い形で、幕を下ろすことになった。
「……はぁ……はぁ……殺されるかと思った……!」
僕は天照卿に名指しされたわけだが。
それが周囲の嫉妬と憎悪を買い、中には襲いかかってくる生徒もいて……。
「あはは! 巻き添えでこっちも死ぬかと思ったよ!」
「助けてあげたんですから、貸し一つですよぉ?」
総会が終わると、大講堂から一目散に逃げた。
流れで一緒になったサンディやクルド。
彼女たちが先導してくれ、どうにか追っ手を巻くことができた。
「――カゲルヤといると、ロクな目に遭わないわ!」
建物の影に隠れたところ、ウルズがそう毒づく。
「ったく、あのニコニコお嬢様も、これみよがしに自分のモノ宣言とか……」
何度も舌打ちをして、つま先を激しく上下する。
「ウルズ、なんか、イライラしてる……?」
「はぁ!? んなわけないでしょ! あんた馬鹿なの!?」
うん。これは相当イライラしてるな。
――確かに、揉め事に巻き込んだのは申し訳なかった。
それに天照卿があそこで僕を勧誘した意味……。
おそらく女王の意向があったのだと思う。
――次の刺客は、天照卿カグヤ・スメラギ。
ウルズに馬鹿と言われたが、事の重大さは理解している。
「悪かったよ。いざこざに巻き込んじゃって」
「あ、あたしは、そういうこといってんじゃなくて……」
「え? じゃあどういう――」
いまいちピンとこない僕に、さらにウルズは苛つく。
見かねたサンディとクルドが彼女を励ます。
「ウルズはカゲルヤと同じ部会に入りたがってたからねー!」
「図書部会は人気すぎて無理ですねぇ。残念ですが諦めるしかないです」
そんな友人たちの言葉に、ウルズは慌てた様子で反論する。
「べ、別に、こいつと同じ部会がいいなんて言ってないわよ!」
「えー!? 面倒みてやるかって散々言ってたじゃん!」
「でしたねぇ。そもそもどうしてこんな男に執着して――」
「執着してなぁぁぁぁい! 誰がこのクズ男なんか好きになるか!」
「「好きかどうかなんてこっちは一言も……」」
「くっ! マジでボコるわよあんたたち!?」
もしかしたらウルズの苛々は、分離不安からくるものなのかも。
そりゃ気軽に絡んでた相手が、今後は絡みにくくなるのはストレスだよな。
「大丈夫だウルズ。僕はクラスメイトかつ隣の席。いつだって話せるぞ」
「真っ直ぐな目で励ましてくんな! ホント女心の分かんないクソ馬鹿ね!」
怒られた。そしてまた罵倒された。
「……サンディ、クルド、あんたたち先に教室戻ってて」
「ウルズは? どうするのー?」
「あたしはこいつと少し話をしてから戻るわ」
手下二人は顔を見合わせて頷き、僕の肩を無言で叩いて去って行く。
な、なんだその意味深な肩ポンは。僕はこれから一体どうなる?
「付いてきなさい、カゲルヤ」
ウルズに首根っこを摑まれ連行される。
とても口を挟める感じではなく、黙って付いていくが――
「――で、なんで、トイレなんかに?」
トイレに連れ込まれ、共に一番奥の個室に入る。
「ここなら二人きりで話せるから」
「それなら他にも場所が……」
「それであんた、本当に図書部会に入るの?」
小言は無視され、いきなり本題を尋ねられる。
「入ってもいい……かな」
無所属でいくと言ったことを改める。
天照卿の考えはまだ読みきれないが、きっとこれは罠だ。
部会員になれば、どんな試練が課されるか分からないが――
「これは相手の隙や弱点を、見つけるチャンスだと思ってる」
あそこまで完璧そうだと、傍で観察しないと欠点は見えない。
そんな中、わざわざ懐に潜れる口実をくれたんだ。
これを活かさない手はないだろう。
「図書部会は学園内でも最大級の勢力よ。あんたがどこにいても天照卿の目が光ってる。前みたいにあたしが助け……じゃない、ダル絡みするの無理なんだからね?」
それでも本当にやるのか、と彼女は再確認してくる。
「僕は、天照卿を完全攻略するよ」
どうせいつかは戦う。ここで逃げるのは正解じゃない。
「……しばらく遊べないのはウザいけど、覚悟できてんなら仕方ないわね」
いまだ苛々しつつも、溜息をついて折れてくれた。
まぁ部外者の彼女に、許す許されないを気にするもの変だけども……。
「じゃあ話はこれでお終いってことで――」
「待ちなさい。どこ行こうとしてんのよ?」
「どこって、女子専用のトイレに、男がいるのはマズイから……」
さっさとここを脱出し、教室に向かうべきである。
「どーせなら一発ハメてきましょ」
「ハ、ハメ……なんで?」
「放課後はまず会いにくくなるし。あとイライラしたからストレス発散?」
そ、そんな無茶苦茶な理屈で……。
「いいかウルズ。ストレス緩和には十分な睡眠と、特に乳製品の摂取が――」
「席取っといてやったわよね? やんの? やんないの?」
「や……やります」
そのすごみに、思わず敬語で頷いてしまう。
僕、二つ星になったし、獄炎卿にも勝ったんだけどな……。
ここぞという女の強さには、どうしても抗えないのだった。