姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

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第34話:女子トイレ

 天照卿カグヤ・スメラギによる直指名。 

 前代未聞のそれは、会場を一瞬で修羅場に変えた。

 新入生は泣くわ叫ぶわ、七聖同士で揉め始めるわ……。

 総会は、強制終了に近い形で、幕を下ろすことになった。

 

「……はぁ……はぁ……殺されるかと思った……!」

 

 僕は天照卿に名指しされたわけだが。

 それが周囲の嫉妬と憎悪を買い、中には襲いかかってくる生徒もいて……。

 

「あはは! 巻き添えでこっちも死ぬかと思ったよ!」

「助けてあげたんですから、貸し一つですよぉ?」

 

 総会が終わると、大講堂から一目散に逃げた。

 流れで一緒になったサンディやクルド。

 彼女たちが先導してくれ、どうにか追っ手を巻くことができた。

 

「――カゲルヤといると、ロクな目に遭わないわ!」

 

 建物の影に隠れたところ、ウルズがそう毒づく。

 

「ったく、あのニコニコお嬢様も、これみよがしに自分のモノ宣言とか……」

 

 何度も舌打ちをして、つま先を激しく上下する。

 

「ウルズ、なんか、イライラしてる……?」

「はぁ!? んなわけないでしょ! あんた馬鹿なの!?」

 

 うん。これは相当イライラしてるな。

 

 ――確かに、揉め事に巻き込んだのは申し訳なかった。

 

 それに天照卿があそこで僕を勧誘した意味……。

 おそらく女王の意向があったのだと思う。

 

 ――次の刺客は、天照卿カグヤ・スメラギ。

 

 ウルズに馬鹿と言われたが、事の重大さは理解している。

 

「悪かったよ。いざこざに巻き込んじゃって」

「あ、あたしは、そういうこといってんじゃなくて……」

「え? じゃあどういう――」

 

 いまいちピンとこない僕に、さらにウルズは苛つく。

 見かねたサンディとクルドが彼女を励ます。

 

「ウルズはカゲルヤと同じ部会に入りたがってたからねー!」

「図書部会は人気すぎて無理ですねぇ。残念ですが諦めるしかないです」

 

 そんな友人たちの言葉に、ウルズは慌てた様子で反論する。

 

「べ、別に、こいつと同じ部会がいいなんて言ってないわよ!」

「えー!? 面倒みてやるかって散々言ってたじゃん!」

「でしたねぇ。そもそもどうしてこんな男に執着して――」

「執着してなぁぁぁぁい! 誰がこのクズ男なんか好きになるか!」

「「好きかどうかなんてこっちは一言も……」」

「くっ! マジでボコるわよあんたたち!?」

 

 もしかしたらウルズの苛々は、分離不安からくるものなのかも。

 そりゃ気軽に絡んでた相手が、今後は絡みにくくなるのはストレスだよな。

 

「大丈夫だウルズ。僕はクラスメイトかつ隣の席。いつだって話せるぞ」

「真っ直ぐな目で励ましてくんな! ホント女心の分かんないクソ馬鹿ね!」

 

 怒られた。そしてまた罵倒された。

 

「……サンディ、クルド、あんたたち先に教室戻ってて」

「ウルズは? どうするのー?」

「あたしはこいつと少し話をしてから戻るわ」

 

 手下二人は顔を見合わせて頷き、僕の肩を無言で叩いて去って行く。

 な、なんだその意味深な肩ポンは。僕はこれから一体どうなる?

 

「付いてきなさい、カゲルヤ」

 

 ウルズに首根っこを摑まれ連行される。

 とても口を挟める感じではなく、黙って付いていくが――

 

「――で、なんで、トイレなんかに?」

 

 トイレに連れ込まれ、共に一番奥の個室に入る。

 

「ここなら二人きりで話せるから」

「それなら他にも場所が……」

「それであんた、本当に図書部会に入るの?」

 

 小言は無視され、いきなり本題を尋ねられる。

 

「入ってもいい……かな」

 

 無所属でいくと言ったことを改める。

 天照卿の考えはまだ読みきれないが、きっとこれは罠だ。

 部会員になれば、どんな試練が課されるか分からないが――

 

「これは相手の隙や弱点を、見つけるチャンスだと思ってる」

 

 あそこまで完璧そうだと、傍で観察しないと欠点は見えない。

 そんな中、わざわざ懐に潜れる口実をくれたんだ。

 これを活かさない手はないだろう。

 

「図書部会は学園内でも最大級の勢力よ。あんたがどこにいても天照卿の目が光ってる。前みたいにあたしが助け……じゃない、ダル絡みするの無理なんだからね?」

 

 それでも本当にやるのか、と彼女は再確認してくる。

 

「僕は、天照卿を完全攻略するよ」

 

 どうせいつかは戦う。ここで逃げるのは正解じゃない。

 

「……しばらく遊べないのはウザいけど、覚悟できてんなら仕方ないわね」

 

 いまだ苛々しつつも、溜息をついて折れてくれた。

 まぁ部外者の彼女に、許す許されないを気にするもの変だけども……。

 

「じゃあ話はこれでお終いってことで――」

「待ちなさい。どこ行こうとしてんのよ?」

「どこって、女子専用のトイレに、男がいるのはマズイから……」

 

 さっさとここを脱出し、教室に向かうべきである。

 

「どーせなら一発ハメてきましょ」

「ハ、ハメ……なんで?」

「放課後はまず会いにくくなるし。あとイライラしたからストレス発散?」

 

 そ、そんな無茶苦茶な理屈で……。

 

「いいかウルズ。ストレス緩和には十分な睡眠と、特に乳製品の摂取が――」

「席取っといてやったわよね? やんの? やんないの?」

「や……やります」

 

 そのすごみに、思わず敬語で頷いてしまう。

 僕、二つ星になったし、獄炎卿にも勝ったんだけどな……。

 ここぞという女の強さには、どうしても抗えないのだった。

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