姫騎士学園の下剋上性活 ~最弱スキルで異世界のプライド高め美少女たちを堕としたら、毎晩ご奉仕に来る日々が始まった~   作:東雲(しののめ)

42 / 53
第38話:地下室

 図書部会に所属した翌日。

 始めは、どんな過酷な現場が待っているかと覚悟したが……。

 

「……職場環境、悪くないんだよなぁ」

 

 仕事量は膨大だが、強要はされないし、きちんと報酬もくれる。

 

「それもこれも、カグヤ先輩のフォローがあってこそだけど」

 

 彼女が、男の僕にも平等に接してくれるから。

 周りもそれに倣って、表面上は普通に応じてくれる。

 

「部会の仕事は何とかなる。問題は天照卿の欠点探し――」

 

 いくら観察しても一切のボロなし。周囲も悪口の一つ漏らさない

 

「で……こうしてわざわざ、深夜の図書館に来てみたけども」

 

 聞き込みしてダメなら、自分の足で調べるしかないのだ。

 

「これが見つかったらヤバい、そういうものを地下に隠してるとか……」

 

 昨日説明されたが、本館の地下は六階まである構造。

 地下は全て書架として使われ、本棚だけがズラリと並んでいる。

 

「……調べながら地下六階まで来たけど、何もなさそう、か」

 

 冷たく薄暗いだけの空間。そんな都合良く手がかりは見つからな――

 

「ん……? 火が、大きく揺れた……?」

 

 蝋燭の灯りを頼りに歩いると、とある本棚の前で異変に気づく。

 僕はまさかと思って、床に耳を当てながら何度か叩く。

 

「……僅か、ごく僅かだけど……音が、おかしい?」

 

 迷宮攻略者ならいざしらず、一般人ならまず気づけない違和感だが。

 

「この反響の仕方――下に空間がないと発生しない音色だ」

 

 地下六階までしかないはずの建物に、もし地下七階があるとすれば。

 

「……秘密の部屋には、秘密にしたいモノを隠す、よな」

 

 どうやら、手ぶらで帰らなくて済みそうだ。

 

「――蝋燭の火が乱れたのは、壁に細い隙間があるから――そこから風が吹いてきているせい――つまり地下七階への入口は――この本棚をどかした先に――――」

 

 しかし本棚はかなり重く、簡単には動かせない。

 

「すると何か、入口を楽に出現させる方法があるはずだ」

 

 例えば、特定の本を抜くなり押すなりするとか?

 古典的な仕掛けだが、意外と実用性は高かったりする。

 

「一旦そうだと仮定して、難題はどの本が入口の鍵になっているか……」

 

 軽く千冊以上ある中で、正解の本を見つけなくては。

 

「――人間の心理的には、棚の四隅に鍵がある可能性は低い――」

 

 注目を集めやすい端っこにはまず置かないから。

 

「――棚の上段と下段もない。目線の高さだ。手の届きやすい中央付近――」

 

 毎回脚立を必要としたり、這いつくばらないといけない位置にもない。

 

「この辺に的を絞ってみるか」

 

 鞄からこういう時用の道具、木炭の粉が入った小袋を取り出す。

 ヴェルグ先輩に木材を燃やしてもらい、僕が粉末状にしたものだ。

 

「で、これを背表紙に向けて優しく吹きかけると……」

 

ここに並んでいる本は、長い間誰も読んだ形跡がない。

 しかし地下への鍵となる本は、頻繁に触るだろう。

 となれば新しめの皮脂が残っているはずで、多孔質の炭粉はそれに吸い付く。

 

「――炭が付着したのは三冊。鍵が複数冊なんて随分と用心深い」

 

 特定した三冊を押すと本棚が動き、地下への道が出現した。

 

「仮定は正しかったと。あとは鬼が出るか蛇が出るか……」

 

 そうして地下七階へと進んだわけが。

 そこは書架ではなく、いくつかの部屋に別れている構造をしていた。

 手始めに、一番近くにあった部屋を開けてみると――

 

「椅子と縄? そして床には……血痕、ね」

 

 ここで何が行われているか、嫌な想像が頭を過る。

 また隣の部屋は倉庫らしく、ムチやペンチなどが置かれていた。

 ただ、そういういかにもって凶器は意外と少なく、むしろ大量にあったのは――

 

「……この棒状のものは……男性器を模した……」

 

 大小形様々な、ディルドと呼ばれるが沢山あった。

 その他にも、猿ぐつわやコスプレ衣装に乳首用のリングまで……。

 

「……エッチな、それもハードなエッチなための道具ばっかりだ」

 

 持ち主本人が自分に使うのか、それとも――……。

 

「最後の部屋は書斎……いや、小さな図書館、って感じか?」

 

 中央には机と椅子。壁際にはいくつもの本棚が並んでいる。

 本棚から試しに一冊手に取って、ページをめくってみると――

 

「――――っ!?」

 

 その恐るべき内容に、言葉を失った。

 一言で言うなら『陵辱拷問の記録書』である。

 一人の女生徒が壊れるまでの過程が、一冊丸々使って詳細に綴られていた。

 

「……異常だ……どんな神経でこんなものを作って……」

 

 待てよ。本棚にはまだ大量の本が収まっていて――

 

「……まさか、このすべてが、陵辱した記録、なのか?」

 

 冷たい汗が頬を伝う中、これを作ったのは誰かと考える。

 そんなの決まってる。それはこの巨大施設の支配者の――

 

 

 

 

 

「こなたの秘密、知られてもうたなぁ」

 

 

 

 

 

 耳元から、ゾッとする女の低音声が響く。

 ……っ! 背後を取られた!? いつの間に!?

 本を床に投げ捨て、すぐに振り返ろうとするが――

 

「ッッッ!?」

 

 彼女はそれより早く、後ろから僕を羽交い締めにしてくる。

 さらに伸ばしてきた左手で、僕の男性器を勢いよく摑んだ。

 

「動いたら――だぁいじなこれ、潰してまうえ?」

 

 普段とは違う独特の訛り口調、それは雅ながらも高圧さが滲み出る。

 僕は頭だけ少し傾け、片目で相手の姿を視認。

 そこには細長く鋭い目つき、狐目で薄ら笑う黒髪清楚な美少女がいた。

 

「嫌な気(け)がして来てみたんやけど、一歩遅かったみたいやわぁ」

「カグヤ、先輩……!」

 

 騙された。彼女は優等生の仮面を被っていたのだ。

 しかし裏に潜んでいたのは、鬼でも蛇でもない。

 

 迷宮攻略者の観察眼さえ欺くほどの――天性の、女狐(めぎつね)だったのである。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。