王道ロボット戦記小説、血巡る戦場の記憶 作:dwwyakata@2024
重粒子砲がある限り、途轍もない損害が出続けます。しかもコヴァルライト星系第五惑星にいる侵略者の数からして、後数発が確実に飛んできます。
これを防ぐには、重粒子砲を発射している工場ユニットを潰すしかありません。
特務の出番です。
作戦開始。
兵士達は一言も発しない。それはそうだろう。ミランだって、口数が減る。
ちなみにハコトは駆逐艦に搭乗してついてくる。
出来ればとめたいのだが。
そうもいかない。
ハコトは、ウォーリア三型の整備について熟達していて。ウォーリア三型の装備についても理解している。
外せない人員だ。
味方宇宙艦隊がコヴァルライト第五惑星を守る敵艦隊に攻撃を開始。兵力は七倍だ。負ける要素がない。
戦力を集中して、相手を追い込んでいく。
勿論相手も、第五惑星に装備されている重粒子砲を活用すべく、徐々に戦線を下げていく。
苛烈な戦闘が続く中、ゴーサインが出た。
味方の砲撃型戦艦をはじめとする火力投射チームが、一斉に敵の一角を突き崩す。パドフ中将の麾下の艦隊は、極めて堅実に訓練されていて、火力投射も整然としている。それはあらっぽくはないが、確実に任務を果たす。敵の一角が崩れ始めると、その穴を埋めさせないと、他の艦隊も平押しを始める。
第五惑星が、重粒子砲を準備し始める。
高エネルギー反応あり。
同時に、動く。
あれが発射されるまで、一時間と判断されている。
一時間以内に地上に降りて、工場を破壊する必要がある。突入チームを支援すべく、複数の分艦隊が動き、敵艦隊に穴をうがつ。
激しい戦闘の中、敵艦隊が爆発していく。大量のデブリすら、対艦レーザーに蒸発していく。
その中を、特務の駆逐艦艦隊が動く。盾艦が周囲に壁を作る。他の艦隊も、中央突破を模した動きをして、特務の艦隊を守るように機動。
敵は防ごうとするが、そのたびに旗艦から発射される大威力の硬X線ビーム砲になぎ払われ。
ことごとく動きの先手を読まれて。
激しい攻撃の中、次々と爆沈していく。
流石だな。
ミランは熟練の艦隊指揮を見て、素直に凄いと思う。パドフ中将は噂に聞いたのだが、方面軍司令官にならないかという誘いを何度も断っているらしい。
なんでも艦隊司令が一番あっているとかで。
一番戦果を挙げられるから、というのが理由だそうだ。
「第五惑星軌道上に到達!」
「特務艦隊、第五惑星に降下開始!」
「支援攻撃! 対宙攻撃を出来るだけ黙らせろ!」
「盾艦展開!」
分艦隊が動いてくれる。
敵艦隊と入り乱れての激しい戦いの中、囮としての地上への攻撃も実施される。勿論ギリギリまで狙いを悟らせないように、これも手を抜かない。敵工場がいくつも苛烈な攻撃で、見る間に位相変換シールドが限界を迎えつつあるようだ。
その中を、特務が最大速度で突入開始。
此処も惑星環境は、窒素主体、酸素15%程度の大気。18℃前後の気温に保たれているようだ。
それでいながら、とにかく何一つない。
植物の類も存在していない。
星一面が、ゴミ処理場だ。
この星系そのものがゴミ処理施設として使われている。それを理解しているから、あまり良い気分はしない。
他の種族を殺戮して奪い取った場所をゴミ処理場にするか。
それで素晴らしい文明だと、相手を評価できるだろうか。
地上付近までに、強烈な対宙攻撃を受けて、盾艦が次々と脱落する。だが、駆逐艦隊はほぼ無傷のまま、地上に到達できた。
ここからが本番だ。
このまま、速度を上げて、北に突っ切る。
相手は北極点に問題の工場を設置している。通常のユニット化された工場を四つも接続している代物で、親衛軍を作り出せる工場も兼ねている可能性が高い。つまり、親衛軍ウォーリアが出てくる可能性すらある。
ミランが出なければならないのだ。
「駆逐艦の主砲の射程にターゲットを捕捉!」
「よし、主砲斉射!」
クラフ中佐が指示を出す。
一斉に駆逐艦隊が主砲である硬X線ビーム砲を射撃。
途中で展開しているスウォームの大軍をそれで蒸発させる。ただし、全方位から集まってくる。
ここからが、正念場だ。
地上部隊が展開。
駆逐艦隊は残っている盾艦とともに陣形を組み、地上部隊を上空から守る。既に掃射砲がフル活動している。
戦車隊、戦闘機隊がまず出て、徹底的に詰め込まれていた無人ドローンが出る。ウォーリア隊も出る。
勿論、ミランも出撃した。
工場は指呼の距離だ。駆逐艦が主砲を浴びせているが、流石に簡単に位相変換シールドは破れない。
今回も作業チームが出る。
戦闘力が極めて低い部隊だ。これを守りながら、工場まで近接しなければならない。
「ブレイカー多数接近!」
「侵略者も来るぞ!」
分かっている。
大量の侵略者が、押し寄せてくる。
掃射砲がなぎ払って、片っ端から赤い霧に変えているが。その直後に爆発。例のナノマシンの働きだ。
それでも一切怯まず。
表情も変えず。
ひたすら侵略者は、体が壊れようと知ったことかと言わんばかりに突っ込んでくる。戦車隊、ウォーリア隊は、ブレイカーやイーターよりも、それこそ大地を埋め尽くすばかりの侵略者に兵器を向けなければならない。
相手が無手でもだ。
相手は走る爆弾だ。
「くそっ! 頭がおかしくなりそうだ!」
「俺もだよ。 我慢してとにかく撃て! こいつらに意思なんてものはないんだ!」
「畜生、なんでこいつらこんなことされて受け入れてるんだよ! 指導者とか言う奴、完全にいかれてるだろ!」
「なんでだろうな! とにかく生き残るために撃て!」
戦闘機隊が、一時的に制空権をとる。
其処に攻撃機隊が出て、ダミーとなる対工場用ミサイルを工場にたたき込む。だが、対宙装備を充実させているほどの工場だ。
一発や二発では埒があかない。
攻撃を続行。
とにかく侵略者が津波のように押し寄せてくる。
あれらが重粒子砲に出力を提供している。
そういえば。
「ハコト、侵略者の肌が前見たのより赤いように思いますが」
「はい。 体内のナノマシンが活性しています。 あれは寿命を削りながら、重粒子砲にエネルギーを供給しているだけではなく……攻撃のために身体能力も上げているようです」
「寿命を削りながら……」
「消耗品なんです」
ぐっと歯を噛む。
本当にいかれている。こんな扱い方、あっていいのか。仮にも同族だろう。指導者は、何を考えているのか。
知能を必要としないような動物には、こういったことをする種族も存在はしている。
だが、仮にも知的生命体がやることか、これは。
支援者に参加している種族には、他種族と相容れない存在だっている。ただし、そういった種族は相容れないことを認め、接することを避けて、後方での物資生産などで協力してくれている。
知的生命体だ。
それくらいのことは出来るのだ。
ミランはパルスレーザーで、作業チームに接近する侵略者を蹴散らしながら、とにかく冷静さを保つ。
作業チームは、侵略者の爆発の跡、血の跡で真っ黒になった地面を。戦車に偽装した車両を進めていく。
あれが工場までたどり着ければ。
不意に警告。
ドローンが大量に爆発した。盾艦がさっと割って入るが、凄まじい負荷に悲鳴を上げる。
クラフ中佐からの指示。
「ミラン少佐!」
「はい」
こちらに突っ込んでくるのは、間違いない。
親衛軍ウォーリアだ。
背中に十字型の羽を生やしていて、手に巨大な砲を持っている。今の砲撃、あの砲によるものだろう。
その通った後の侵略者が、ばたばたと倒れている。
「データはありますか」
「交戦データ三件。 地上戦闘で確認されたことが三回だけある、希少な親衛軍ウォーリアです。 侵略者のナノマシンから力を吸い上げて、本体性能を補い、砲撃をする性質を持っています。 通称月の使いです」
どういうことだろう。
そう思ったが、なんでも最初に交戦した時に、制圧中の惑星の月にある侵略者のコロニーから、侵略者を根こそぎ燃料に変えながら戦っているのが確認されたのが理由であるという。
それで月の使いか。
ろくでもない命名だ。
ミランは突貫すると、月の使いとやらに、長槍で突きかかる。月の使いとやらは、十字に展開している羽を、そのままに、恐ろしい速度で機動。ミランの一撃を、余裕を持って回避した。
「お前か宇宙でも俺の仲間を殺した肉は。 無抵抗の民間人を殺戮しまくって楽しいか?」
「どこが無抵抗の民間人だ。 それに貴様こそ、その民間人を殺戮しまくっているのではないのか?」
苛立ちに口調が荒くなる。
数度切り結ぶ。
相手が装備しているのは熱剣で、今の装備であれば対応できる筈だが、相手の出力の方が大きい。
しかもだ。
奴が動くと、そのたびに辺りで群がっている侵略者が爆ぜている。
ナノマシンの負荷が限界を超えているのだ。
ナノマシンを活性化させて、此奴はエネルギーに変えている。しかも、そのナノマシンは、侵略者が集まってきている今、無尽蔵。
此奴にエネルギー切れは起きない。
「俺はいいんだよ。 俺は選ばれた存在だ。 お前達肉とは違う」
「話にならないな。 斬る」
「おお、やって見ろや! お前のその機体、指導者様に売り払ってやるよ! 指導者様はお喜びになるし、俺も評価が上がる! ホームグラウンドでしか戦えなくて、評価の稼ぎようがなくて退屈してるんだ! 少しは楽しませろよォ!」
ゲラゲラ笑っている親衛軍。
凄まじい速度で襲いかかってくる。
地上に落ちれば、即座に侵略者に群がられて爆殺される。それに対して、相手はやりたい放題。
切り結ぶが、パワーも速度も相手が上。
だが。
声で分かったが、此奴。潰し屋と同じく、乗っているのは子供だ。何かしらの理由で、子供の親衛軍を乗せている。
潰し屋も大概狂った奴で話にもならなかったが、こいつもそれは似ている。或いはだが。指導者は、子供の方がこういう風におかしく作りやすいとでも思っているのか。
がつんと、激しく弾き会う。
相手はほとんど下がらなかったが、ウォーリア三型は突き飛ばされるように下がる。
相手が詰めてくる。
連続して斬りかかってくるのを、冷静に防ぐ。周囲を見る。敵はどんどん集まってきているが、味方は頑張ってくれている。
ウォーリア隊が、工場への道を確保してくれているし。
攻撃機が、ブレイカーを次々に潰してくれている。
被害は出ているが、もう少しだ。
「こんな奴に俺の仲間が散々殺されたのか? 信じられないくらいザコなんだが?」
言葉に笑いが混じる。
結構結構。
油断してくれていればいい。
そのまま再び斬りかかる。相手は余裕を持って受け流そうとするが、その瞬間間合いを詰めて、体当たりを浴びせる。
パワーはともかく、機体の重量は変わらないのだ。
ぎゃっと、わかりやすい悲鳴を月の使いの操縦者は上げていた。
そのまま、攻勢に出る。
連続して突きをたたき込むと、月の使いは何で、と喚き散らす。今までの交戦で、分かったことがいくつかある。
まずこいつ。
限定的に心が読めている。
何回か、あり得ない動きでこちらの攻撃を読んできた。機体出力があるというだけでは説明できない。
もう一つ。
此奴、機体性能頼りで、はっきりいって操縦の技量は未熟だ。あくまで他の親衛軍に比べて、だが。
以前戦った恐らく最弱の親衛軍ウォーリアほどではないが、それにしても低い。
速度を上げて襲いかかってくる月の使いだが、攻撃をいなしつつ、長槍を回転させて石突きをたたき込む。
月の使いが下がる。下がるところに、槍を旋回させて、数度浅めに傷を入れてやる。反撃に繰り出された刃がこちらの機体に傷をつける。
だが、それは承知の上。
別に装甲くらい、幾らでも持って行かせてやる。
無心で攻撃してくるミランに、明らかに月の使いが恐怖するのが分かった。
「な、なんなんだよお前っ!」
「さっきまでの言葉はどこへやった。 ザコに圧倒されているようだが?」
「う、うるせええっ! な、何か卑怯なことをしている! そうに決まっている!」
「生憎だが、これは特別な能力もない、コストだけ掛けたただのカスタム機だ。 更に行くぞ」
そのまま、速度を上げて突きを連続で入れる。
エネルギーの残量を気にしなくて良くなったのはありがたい。
明らかに守勢に回って余裕がなくなった月の使いが、慌てた様子で大げさに回避するが。その瞬間、先に入力しておいたコードを入れる。
ハコトが、駆逐艦の方で話をつけておいてくれた。
配置されている対地レールキャノンが火を噴き、月の使いを滅多打ちにする。それを速度にものを言わせて回避する月の使いだが、その行く先に置き石で射撃が飛ぶ。
その射撃で身動きがとれなくなる一瞬をついて。
ミランは、月の使いの羽を切り飛ばしていた。
全部は落とせなかったが、二本の羽が吹っ飛び、侵略者の群れに落ちていき。そして大量の侵略者を切り裂きながら、地面に突き刺さっていた。
「な、な……っ!」
「終わりだ」
これでこいつの生命線を断った。
だが、直後、射撃が来る。連続で射撃が突き刺さった。それを回避。機体の何カ所かを抉られて、アラートが出る。
親衛軍だ。親衛軍ウォーリアではない。恐らく宇宙からの攻撃とみていい。砲艦だろう。
「ちっ……戻るように指示を受けた。 お前、その機体覚えたぞ! 次は必ず八つ裂きにしてやるからな!」
「ほざいていろ子供。 周りの命を吸い取らないとまともに戦う事も出来ない半端者が」
「……っ! 畜生畜生畜生っ!」
喚きながら、親衛軍ウォーリアが飛び去っていく。
これでいい。
次はあいつ、ミランを集中的に狙ってくる。味方の被害を減らせる。それに恐らく、地上でしかあれは本領を発揮できない。
だとすれば、次の交戦は、恐らくだがこの第五惑星での掃討戦か。そうでなければ、第四惑星。惑星コヴァルライトでの戦いになるだろう。
一度駆逐艦に戻る。
それなりのダメージを受けた。
すぐに応急処置をしてもらう。最悪、通常のウォーリアで出ることも考えなければならないが。
味方の作業チームは、もう少しで目的地点だ。
ただ。四方八方から敵軍が押し寄せてきている。クラフ中佐から、連絡が来る。
「無事で何よりだ」
「いえ、かなり手強い相手でした。 機体に乗っているのが子供だったのが救いでしたね」
「そ、そうか。 良くない知らせがある。 重粒子砲のエネルギー装填と、作業チームの進軍速度を考えると、どう考えても間に合わない。 もし重粒子砲が発射されると、最低でも2000隻以上の被害が出る。 それももっとも楽観した場合の数字で、その程度では済まないだろう。 最悪30000隻以上の被害が出るかも知れない」
今、パドフ中将の第四艦隊が、第五惑星の軌道上で敵艦隊を駆逐しているが。
確かにその横腹を突かれればそうなる。
時間がない。
応急処置だけをしてもらう。その間にトイレと水分補給を済ませておく。すぐに戻る。ハコトが言う。
「装甲は修復できませんでした。 とにかくもう攻撃は貰わないようにお願いします」
「分かりました。 出来るだけ……努力します」
勿論厳しいのは分かっている。
だが。作業チームが遅れれば、記録的な被害が出る。味方も押され始めている。ミランが出るしかない。
再出撃。
トイレと水分を取るだけでも、だいぶマシになる。
そのまま突貫。
敵の群れの中に突っ込む。
ブレイカーを見つけたので、行きがけの駄賃に長槍で突き刺す。出力が上がっているので、相手の俊敏な動きを更に上回って、無防備な背中を狙える。そのまま一機を爆殺すると、最前衛に。
迫り来る大量の侵略者の処理が追いついていない。
「作業チーム、これ以上進めない!」
「今対処します」
「ミラン少佐!」
「支援をお願いします!」
ミランは地面すれすれまで降りると、歯を噛み。
そして、パルスレーザーを最大拡散モードにして、辺りの侵略者をなぎ払った。
パルスレーザーのパワーが違う。
そのまま、レーザーに貫かれて、蒸発するもの、体がバラバラになって焼き千切れるもの。
侵略者が砕け散っていく。
ウォーリア三型に飛びつこうとしてくる侵略者もいるが、好きにさせる。それだけ、作業チームが動きやすくなる。どうせ飛びつけない。
作業チームの護衛無人ドローンが次々破壊される中。
それでも、大型戦車を模した作業車両は再度前進を開始。護衛のウォーリア隊も、必死に迫る侵略者を排除している。
ブレイカーが横から突っ込む。
即座に動いたミランが、そのブレイカーを横殴りに切り裂くが。あまりにも至近で切り裂いたから、腕の装甲をまるごと持って行かれた。
ブレイカーが軌道をずらして、工場の位相変換シールドにぶつかって爆発四散。
今ので一気に機体のダメージが増えた。
エネルギーの残量も目に見えて減ってきている。
「くそっ! 倒しても倒しても湧いてきやがって!」
「この星中の侵略者が集まってきているんだろ……」
「なんだってんだよ!」
「ワーカーの大群よりマシだ! あいつらにつかまったら喰われる! こっちは焼き殺されるだけで済む!」
あまり笑えない冗談が飛び交っている。
ミランはそのまま、心を無にして、辺りの侵略者を掃射。程なくして、作業チームが工場にとりつく。
作業チームの周囲の無人ドローンも、かなり減ってきている。ウォーリア部隊も消耗が激しい。
ブレイカーによる攻撃の結果だ。
それに、工場からの高エネルギー反応が、更に拡大するばかりである。これは、まずい。
「作業チーム、急げ!」
「セット! 展開!」
「位相変換シールド中和! 急げ!」
戦車に偽装した工作車両が展開する。それの正体は位相変換シールドの中和装置だ。それも何連にもなっているものである。
今、工場が四連になって展開している位相変換シールドは、主に宇宙に向けて展開していて。
それには宇宙からの攻撃が降り注ぎ続けている。
だが、低空への備えはどうか。
位相変換シールドの出力が落ち始める。ミランも聞いているが、元々反物質炉がものすごく発展して、それでやっと展開できるようになったものであるらしいのだ。宇宙では元々、起こりえない現象を起こしている。
であれば。
「エネルギー中和、10、20、30」
「駆逐艦の砲撃で貫けるのは何時だ!」
「70まで行ったらです! 40、45、50、52……!」
「高エネルギー反応、更に上昇! 重粒子砲、まもなく発射されます!」
まずい。
惑星軌道上の艦隊は、敵艦隊を既に殆ど駆逐したようだが。それでもまだ戦闘は続いている。
盾艦が展開しているようだが、簡単に貫通される。もしも直撃したら、途方もない被害が出る。
「位相変換シールド、弱体70%! 行けます!」
「全艦、主砲斉射!」
「斉射っ!」
相互リンクした駆逐艦隊が、一斉に主砲を放つ。硬X線ビーム砲の束が、工場をまとめて貫いていた。
凄まじい爆発が引き起こされる。
作業チームをウォーリア隊が守る。ミランは高度を下げて、それで必死に耐える。装甲がかなりやられていて、エネルギーの残量も殆どない。
周りで、爆風で侵略者が紙切れのように吹っ飛んでいく。殆どは空中で引きちぎれて、その場で爆発しているようだ。
閃光が、辺りを包む。
味方もこれは無事ではない。退避できなかった戦闘機や攻撃機が巻き込まれているかもしれない。
全ての爆音と光が収まった後。
重粒子砲は発射されず。辺りはまだ蠢いている侵略者が、時々果てて爆発する地獄となっていた。
「作戦完了だ。 各自撤収……」
クラフ中佐が呻く。
それだけ、厳しい戦いだった。
ミランもため息をつく。ウォーリア三型は酷くダメージを受けていて、後でアリカ中佐に怒られるだろうなと思った。
※月の使い
親衛軍ウォーリアです。全高18.4m。特徴的な羽が巨大で、全高以上に大きなイメージを与える機体です。
この機体は侵略者製の重粒子砲と同じく、侵略者の一般個体を燃料にして火力を出すタイプの兵器です。極めて非人道的な行動ですが、これをやらせているのは侵略者の指導者。彼にとっては侵略者の一般個体は私物であるので、それを消耗する事なんてなんとも思っていません。
その兵器の性質を反映するように性格は残忍そのもの。
ただし今回は少しばかり相手が悪かったですね。
感想評価などよろしくお願いします。励みになります。
本作にどういった要素がほしいですか。要望があれば遠慮なくどうぞ。
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詳細なマシンデザイン
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圧倒的な武力による蹂躙
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緻密な人間ドラマ
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種族や文明の描写
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近接した力量のライバルとの死闘