王道ロボット戦記小説、血巡る戦場の記憶   作:dwwyakata@2024

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途方もない損害を出しながら、どうにか化け物を倒した第四艦隊。

しかし其処に、ほぼ同規模、無傷の敵艦隊が襲いかかります。

苦戦を強いられるのは当然ですが……

ここからがパドフ中将の名将たる所以です。





2、コヴァルライト星系会戦

激しい砲火がかわされる第四艦隊と敵艦隊。敵艦隊は揚陸艇の類は持ってきておらず、本当に第四艦隊だけを殺すために出てきたのだと分かる。

 

ミランは再度出撃すると、指示されたとおりに移動。

 

破壊された敵味方の艦艇のデブリを縫って移動。味方ウォーリアが、イーターに撃ち抜かれるのを見た。

 

直後、そのイーターが戦闘機に撃ち抜かれて破壊される。

 

敵味方がゴミのように殺し殺され。

 

その残骸が、辺り中を漂っている。

 

時々パルスレーザーで破壊しなければならないデブリには、味方機の成れの果てもある。それは、とても心苦しかった。

 

「こ、こちらウォーリア隊44! 敵親衛軍ウォーリアを発見! 手も足も出ません! 即座に引きます!」

 

「味方から砲撃支援する。 親衛軍ウォーリアは相手にするな!」

 

「は、はい……う、うわあああああっ!」

 

雑音。

 

これは、落とされたか。

 

戦地に急ぐ。

 

辺りには、手足だけ切り落とされて。コアを後から破壊されたウォーリアの残骸や、戦闘機や攻撃機の残骸が漂っている。

 

あいつだな。

 

そう思いながら、加速。

 

出会い頭に、高出力のレーザーが浴びせられる。無言で回避。立て続けに飛んできたこれは、ドラゴンキラーだが。

 

即座に斬り伏せて、爆破する。

 

「相変わらず戦いたくないとか平和のためとか、好き勝手なことを言っているのか、解体屋」

 

「心外だな。 僕が平和を願っていて、戦いたくないのは本当だよ」

 

斜め後ろ。

 

凄まじい加速から、襲いかかってくる。

 

熱剣での一撃を回避。立て続けに襲いかかってくるドラゴンキラーと、それからのオールレンジ攻撃。

 

問題ない。

 

勿論何カ所か装甲を抉られるが、その間に更に三機のドラゴンキラーを斬り伏せていた。

 

ドラゴンキラーが解体屋の側に戻っていく。

 

ゲスが。

 

どうやら乱戦の中に殴り込んで、殺戮を楽しみまくっていたらしい。更に、側で浮いていたまだ中で支援者の戦士が生きているウォーリアのコアを、ドラゴンキラーで切り裂いてみせる。爆発するコア。

 

「君たち残虐で無能な肉は、こうやって駆除しないと、指導者様も安心して休むことが出来ないからね」

 

「そうか。 今回も殺す」

 

「やれるかな?」

 

どこかか射出されたのか。

 

今破壊した五機の代わりらしいドラゴンキラーが飛んできて、解体屋に装備される。今行われているのは艦隊戦だ。此奴の装備を格納している支援を行う艦艇が、近くにいる可能性は高い。

 

まあいい。

 

ともかく倒す。

 

ミランははっと息を吐くと突貫。

 

解体屋はそれを見ると、ぐるっとドラゴンキラーを展開して、一斉射撃を浴びせてくる。それも数機ずつから、途切れなくだ。

 

攻撃の密度は凄まじく、ミランは接近する過程で、少なからず手傷を負う。以前、ウォーリア二型でよく此奴を倒せたなと、冷や汗が出る。ウォーリア三型に乗り換えても、恐ろしく強い。

 

ドラゴンキラーが展開して、いわゆるオールレンジ攻撃に切り替えてくる。

 

全ては回避できない。

 

急所を狙う攻撃だけ回避しながら接近。

 

一機、二機、三機。

 

次々にドラゴンキラーをたたき落とす。

 

四機目をたたき落とした瞬間、解体屋本体が斬りかかってくるが、悪いが接近戦の技量はこっちが上だ。

 

回避しつつ、腹蹴りを入れてやる。

 

勿論それが通らないのは分かっている。

 

此奴は位相変換シールドをウォーリアでありながら装備し、規格外の対G性能を持つコアに乗っているからだ。

 

それでも機体はぐんと吹っ飛ばされる。

 

ミランはスラスターで調整しながら、背中から撃ってきたドラゴンキラーの一撃をよけつつ、斬り伏せる。

 

二機が、連続して飛んでくるが。

 

それらに手足を切られながらも、立て続けに撃墜して見せた。

 

だが、解体屋は更にドラゴンキラーを追加する。

 

「ハハッ! いつまで持つかな! あの野蛮な槍も、生憎持ち出していないようじゃないか!」

 

「それはこちらの台詞だ。 そんな高コストな専用武器を湯水のように使い捨てて、お前が大好きな指導者様に怒られるんじゃないのか」

 

「勝てば帳消しなんだよ!」

 

「あっそう」

 

さて、もう少し。

 

再び突貫。相手は距離を取りながら、ドラゴンキラーでなぶり殺しを狙ってくる。まあ、そういう奴だ。

 

その性格も、ミランには分かっていた。

 

だから、奴に亜光速ミサイルが、立て続けに直撃した時。

 

奴が驚愕に吠えるのも。

 

確かに聞いた。

 

そして一発は耐えられても、二発目は奴の機体の仕様上耐えられない。位相変換シールドを、ウォーリアでありながら展開する事にそも無理があるのだ。

 

解体屋の断末魔は、聞けなかった。

 

だが、破壊されたのは、至近で確認した。まずは、それで充分だ。

 

「解体屋、撃破しました」

 

「流石ですね。 一度引き上げてください」

 

「了解です」

 

これで此奴になぶり殺しにされた戦士達は報われたか。

 

空母に戻る。

 

味方の被害は大きく、なんとか空母に帰り着いたものの、瀕死の重傷を受けている者もいた。

 

だが、戦意は誰も折れていない。パドフ中将が、それだけ信任が厚いと言うことである。

 

確か兵士に勝利を確信させる将軍を、名将というのだったか。

 

間違いなくパドフ中将はそれだ。

 

ウォーリア三型もかなりやられている。すぐにハコトが修理を開始してくれている。

 

通信。

 

アリカ中佐からだ。

 

「会戦が始まってから、立て続けに面倒な親衛軍ウォーリアを二機撃破。 やりますね相変わらず」

 

「既に倒したことがある相手だった、それだけですよ。 それに、味方はこれ、押されていませんか」

 

「流石に数は互角でも、大型艦は敵が多く、更にはこちらは満身創痍です。 苦戦しない方がおかしいんですよ」

 

「まあ、そうでしょうね」

 

それでも、即座に潰走とならず。

 

踏みとどまっているだけでも、流石と言うべきなのだろう。

 

ともかく、水をとって、トイレにいって。

 

それから、仮眠を取ることにする。

 

テキパキとやっていく。

 

アリカ中佐は何で連絡をしてきたのだろう。よく分からないが、余裕があるかどうかを見るつもりだったのだろうか。

 

少し仮眠を取ってから、また出撃する。急いで修理をしてくれたが、解体屋との戦闘のダメージはまだ残っている。

 

空母の周辺に敵が集ってきている。

 

それを撃破してほしいと言うことだ。

 

すぐにウォーリア隊を見つける。味方も奮戦しているが、数で負けつつある。やはり押されているのか。

 

いや、なんだか不自然だ。

 

何か、パドフ中将は狙っているのではないのか。

 

斬りかかってきた敵ウォーリア。これは中身がいるな。巨大な剣を振るってきたが、太刀筋を見切って、そのまま逆に両断する。

 

斬り伏せたウォーリアなどわざわざ数えない。数えずに、最大効率で順番に撃破していく。

 

何、親衛軍ウォーリアに比べれば楽な相手だ。

 

特に苦労もなく、数機を倒し。

 

イーターかららしい射撃を回避しながら、次を片付けにいく。

 

今の時点で、親衛軍ウォーリアが来ているという報告はない。親衛軍砲艦はいたようだが、既に撃破されたようだ。

 

パドフ中将が乗り換えた超大型戦艦に攻撃が集中しているようだが、直衛の艦隊とともによく支えているようである。

 

今の時点では、ミランが心配することではないか。

 

敵が来る。

 

戦艦だ。かなり大きい。

 

戦艦には用途が色々あるらしいが、今迫ってきているのは明らかに砲撃を主体とする艦艇だ。

 

空母を狙ってきている。

 

味方が必死に押し返そうとしているが。しかし敵戦艦の動きの方が早かった。

 

一瞬遅れていれば、主砲に消し飛ばされる所だった。

 

主砲が放たれる。

 

空母に直撃。

 

分厚い位相変換シールドが、一瞬で出力を失うのが分かった。敵の直衛の戦闘機やウォーリアも多い。

 

それに対して、こちらは消耗が激しい。

 

まずいな。

 

ミランがそう思った瞬間、アリカ中佐から連絡がある。

 

そうか、これも作戦か。

 

敵戦艦に突貫。

 

針山のようにいるイーターが、一斉に射撃してくる。それを、回避回避回避。

 

宇宙空間での戦闘では、意外と難しくない。勿論当たる場合は仕方がない。どうしようもない。

 

擦っただけでも大ダメージだ。

 

二度、擦る。

 

それでも相手に接近し、至近距離からパルスレーザーで、イーターを始末していく。味方の戦闘機隊も奮戦していて、数で倍近い敵戦闘機を相手に、互角以上に戦っている様子だ。

 

戦艦が更に空母に接近してくる。

 

そして、容赦なくレールキャノンや荷電粒子砲で攻撃してくる。

 

主砲も充填しているようだ。

 

巨大な空母であっても、位相変換シールドを撃ち抜かれたら、ほぼ確定で助からない。普通の艦の砲撃ならともかく、こんな巨大艦にやられたら流石に。

 

必死に戦闘を続行。

 

斬りかかってきたウォーリアを受け流すと、蹴りをたたき込んで、イーターからの射撃の盾にする。

 

見る間に粉みじんに砕ける敵ウォーリア。

 

ミランはそのまま、敵艦すれすれに飛びながら、射撃してイーターを片っ端から削っていく。

 

亜光速ミサイル。

 

間一髪で、それが飛んできていることのアラート。

 

回避運動が間に合った。

 

ミサイルが敵戦艦を直撃。

 

二発立て続け。

 

戦艦の強力な位相変換シールドは、それをも防ぎきる。だが、直後に浴びせられた四隻の砲艦からの斉射は、ついにその分厚い位相変換シールドを貫いていた。

 

戦艦が爆発して、大きく揺らぐ。

 

側面に大穴が開く。

 

ミランはその大穴から、内側に潜り込むと。空母から射出された、荷電粒子砲を受け取る。

 

いくつかの区画を今の砲撃が貫いていて、内部には侵入できた。

 

侵略者の戦艦は用途ごとに設計が全て共通しているらしく、ウォーリア三型の支援AIが内部マップをすぐに表示してくれる。

 

一番広いのは此処か。

 

迎撃に小さなロボットが出てくるが、それもAI制御じゃない。プログラム式だ。相手にせずに、広めの空間に出ると。

 

其処で荷電粒子砲をぶっ放す。

 

どんな戦艦だって内側からは弱い。

 

ただ、大型の戦艦になると、ブロックごとに位相変換シールドを貼っているものであるらしく。

 

内側からの荷電粒子砲に、戦艦が耐えた。耐えたが、無傷ではないし、致命傷に近い。

 

ミランは即座に脱出。爆発が連鎖している。何より、戦艦内部には大気があり、それで二次爆発が引き起こされたからだ。

 

戦艦から飛び出す。

 

即座に爆炎がミランを追ってきた。

 

戦艦は轟沈まではいかない。だが、ダメコンで必死になっているようだ。しかし、である。

 

内側からの砲撃で破壊され、ダメコンにリソースを割いた結果。続いての砲艦からの斉射と。

 

更には、味方が遠距離から発射した亜光速ミサイルには、耐えられなかった。

 

凄まじい爆発が起き、ウォーリア三型が吹き飛ばされる。姿勢制御だけでも一苦労である。

 

どうにか空母に逃げ込む。空母も、今の爆発をしのぐので、精一杯だったようだった。

 

呼吸を整える。

 

二度とやりたくない。

 

敵艦に乗り込んで内側から破壊するなんてのは、本当に親衛軍みたいな命がいらない奴がやることだ。

 

絶対にもうやりたくない。

 

もう少し遅れていたら、空母がやられていた。

 

それは分かっているが。

 

それでもなお、厳しすぎる任務だった。

 

 

 

じりじり押される味方を、パドフ中将が冷静に指揮して立て直す。それを見て、第四艦隊の将兵は必死に耐える。

 

何か策がある。

 

そう信じてのことだ。

 

パドフ中将も既に策は用意してある。

 

そしてそれは、程なく訪れていた。

 

「星系外縁に艦隊出現! 味方です! 識別コード確認! 第九艦隊です!」

 

「おおっ!」

 

「艦艇数およそ40万隻!」

 

「勝ったぞ!」

 

わっと、歓声が上がる。

 

そもそもだ。

 

なんだかおかしな動きをしている敵艦隊がいる。

 

その時点で、何かしらの罠が仕込まれていることは分かっていた。

 

そして惑星コヴァルライトに化け物がいると分かった時点で、パドフ中将は司令部に連絡。

 

援軍を頼んでいたのである。

 

第九艦隊はそれほど強力な艦隊ではないが、現状劣勢の戦線は少なく、支援者は容易に増援を出せる。

 

これに対して、侵略者は現在明確な劣勢になり始めていて、今回の規模の艦隊を此処に割いたのは相当な打撃の筈だ。

 

第九艦隊は突進すると、敵艦隊の背後を襲う。

 

劣勢だった味方戦線が、一気に気力を取り戻していた。

 

「第九艦隊、猛烈な攻勢を敵に仕掛けています! これに対して、敵はこちらに総攻撃を仕掛けてくる模様!」

 

「そうでしょうね。 背後に対応できないなら、前方を突破するだけです。 全軍に通達。 此処を守り切れば勝ちです。 全軍、敵の最後の抵抗をねじ伏せなさい」

 

「了解!」

 

直撃弾が臨時旗艦にあるが、耐え抜いてみせる。

 

大きな被害は出したが、悪いがこの戦いは貰った。パドフ中将は、冷静にそれでも指揮を続ける。

 

この状態から、旗艦が落とされて混乱などというのは避けたい。

 

あくまでこちらは守勢。

 

攻勢は第九艦隊に任せればいい。

 

猛烈な最後の敵の反撃を、文字通りはじき返す。第四艦隊は堅実な用兵をする艦隊である。

 

相手の狂騒に付き合うことはない。

 

前線の提督達も、よくやってくれている。

 

特に勇猛な事で知られているキキキルルルキル准将は、アリカ中佐と連携して、ミラン少佐と上手な連携戦をこなしているようだ。

 

最前線のことは任せる。

 

また直撃弾があるが、艦長に任せる。

 

後方を蹂躙され始めた敵艦隊は、明確に動きが鈍り始めている。

 

普通だったら、さっさと逃走するのが定石だが、これは或いはだが。侵略者の指導者が怖くて、それで出来ないのかも知れない。

 

侵略者の指導者が、何もかも自分の私物としか考えていないことは、パドフ中将も知っている。

 

だとすれば。

 

もしも負ければ、それは全部無能な部下のせい。

 

これだけの膳立てをして負けたのだから、部下は万死に値するというわけだ。

 

くだらない。

 

その膳立てが不十分だったから今負けようとしている。

 

それを理解しない奴は進歩だって出来ない。

 

敵の用兵、特に広域戦略は殆どずっと進歩が見られないとパドフ中将も研究の論文を見たことがある。

 

もしも敵の広域戦略を、侵略者の指導者が直に指揮しているとすれば。

 

あり得ることだった。

 

「敵艦隊、密集隊形を組み始めました! 中央突破を狙ってくるつもりのようです!」

 

「好都合です。 作戦のコード4を発動してください」

 

「了解!」

 

全艦隊が動き始める。

 

敵は後方を蹂躙されながらも、必死に紡錘陣形を組み始めた。

 

敵としては、前面の第四艦隊を撃滅し、直後に旋回して第九艦隊を叩くしかない。それ以外に、勝利の道筋がないのだ。

 

しかしそれが分かっているのであれば。

 

こちらとしては対策は難しくない。

 

敵艦隊が動き始める。

 

旗艦級の戦艦を中心として、威圧的な紡錘陣形が突貫を開始した。それに対して、第四艦隊は必死に抵抗するが、力不足という雰囲気で押されていく。敵が更に前進する。そして、ある一点で。

 

その前衛は、V字に伸びた第四艦隊の、クロスファイアポイントに引きずり込まれていたのである。

 

上下左右前から飛んでくる砲火に、突貫を続けていた侵略者の艦隊は蒸発し始めた。盾艦も次々に爆発していく。

 

勿論第四艦隊も被害は大きい。

 

特に敵の最後の猛攻を支えているパドフ中将の旗艦周辺は、いくつも艦艇が爆発し。そのたびに旗艦が激しく揺動した。

 

アラームが鳴る中、パドフ中将は冷静に指揮を続ける。

 

味方はその姿を見て、踏みとどまる。

 

猛烈な砲火を耐え抜きながら、敵を完全に十字砲火の焦点で蒸発させ。更には、第九艦隊もそれを見て、敵を完全包囲する体制を整えていく。

 

中央突破を失敗した侵略者の艦隊が、完全包囲される。

 

既に全方位からの猛攻を受けた侵略者の艦隊は、抵抗も撤退も出来ず、次々に火球と化していった。

 

親衛軍ウォーリアや親衛軍ミサイル艦などが必死の抵抗を見せるが、それもこの状況ではどうしようもない。

 

親衛軍ウォーリアが亜光速ミサイルの直撃で爆散。

 

親衛軍の砲艦やミサイル艦が、次々に爆沈する。

 

歓声が上がる中。

 

パドフ中将は冷静に備え続ける。

 

そして、来る。

 

直撃弾。

 

旗艦の機関部をやられた。

 

アラームが鳴り響く中、パドフ中将は冷静に対応を支持した。

 

「狙撃地点を割り出してください」

 

「りょ、了解!」

 

「確認しました! 敵のデブリの中に潜んでいた敵親衛軍砲艦です!」

 

行方をくらまして、ずっと見つけられなかった存在だ。

 

即座に味方部隊が反撃して、デブリごと親衛軍砲艦を火球に変える。

 

だが、この旗艦はもう耐えられないな。

 

パドフ中将は決断した。

 

「退艦を。 私は最後に脱出します。 皆、急いでください」

 

「は、はいっ!」

 

「第七の花大使、こちらへ」

 

「分かりました!」

 

慌ただしく皆が逃げ出す中、パドフ中将も脱出用のカートを呼んで逃げる。その間にも、被弾した機関部の反物質炉が破壊されつつある。

 

敵の火力も集中しているし、長くは持たないだろう。

 

アラームが鳴る中、味方の撤退が進む。

 

残っている戦艦が盾になって、退避を支援してくれる。敵の生き残っている親衛軍ウォーリアが突貫してくるが。

 

其処に真上から躍りかかったのは。

 

ミラン少佐のウォーリア三型だった。

 

激しい格闘戦を開始する。

 

あれはそれほど悪辣な事で知られる親衛軍ウォーリアではないが、連戦でウォーリア三型もボロボロのようだ。

 

絶対はない。

 

急いで退艦する。

 

シャトルに乗り込み、側にある旗艦級戦艦に移動。

 

その旗艦級戦艦もかなり手ひどく傷ついているが。全方位から猛攻を受け続けている侵略者の艦隊は既に死に体。

 

後はとどめを刺すだけだ。

 

今まで乗っていた旗艦級戦艦が、爆沈はしないが、完全に機能停止する。

 

後で回収して修理することになるだろう。

 

指揮シートに移ると、パドフ中将は先の旗艦から逃げ遅れた人員がいないか確認をしつつ、敵の最後の抵抗をねじ伏せに掛かる。

 

ミラン少佐は。

 

敵親衛軍ウォーリアをどうにか倒したようだが、ウォーリア三型の右腕を破壊され、それでもどうにか空母に戻っていった。

 

凄いな。

 

もはや親衛軍殺しの名は、虚名ではあり得ない。

 

パドフ中将もお墨付きを出すレベルだ。

 

プロパガンダで英雄を作り出して士気高揚、というのは。侵略者に押されていた頃は、よくやっていた。

 

偶然生き延びただけの将兵をそうやって持ち上げて、必死に戦意高揚を図ることも多かった。

 

だが、あれは。

 

本物だ。プロパガンダなど必要ない。

 

素晴らしいな。そう思いながら、パドフ中将は見る。

 

敵の生き残っていた最後の旗艦級戦艦が、爆沈していった。







撃沈される旗艦級戦艦を次々乗り換えながら、それでも決死の会戦を生き残るパドフ中将。その粘り強い指揮は、ついに味方が到来するまで堅守を通し、そして勝利につなげました。

名将というのは、兵士に必勝の信仰を持たせる存在の事です。

パドフ中将はまさにその権化ですね。




本作にどういった要素がほしいですか。要望があれば遠慮なくどうぞ。

  • 詳細なマシンデザイン
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  • 緻密な人間ドラマ
  • 種族や文明の描写
  • 近接した力量のライバルとの死闘
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