シュウホウとヒスイの必死の捜索も虚しく、サリテ村の生存者は、結局一人も見付からなかった。
声が
焼け跡を掘り返し、灰をかき分けるたび、新たな骸が現れる。
七日を経て、シュウホウとヒスイが村の広場に掘った墓穴の数は、二百十六。
二人を除いた、村人の総数だった。
「…………」
最後となる墓標を立て、どうにか形を保っていた装身具を、遺品として供える。
土と灰と黒炭で
「ッ……」
程なく、じわりと視界が滲む。
服の袖で目元を拭うも、次から次に涙が溢れる。
それでも泣くまいと嗚咽を噛み殺し、拳を握り締めるヒスイ。
震える彼女の後ろ姿を見とめたシュウホウが、ゆっくりと歩み寄った。
「──泣けばいい」
静かな
目に涙を溜めながら、彼女は首を振った。
「昨日も、その前もっ、さ、散々っ、泣きました……! だから、だから……!!」
もう泣かない。
明らかな強がりで、それでも精いっぱい気丈に振る舞おうとする。
けれど。そこまでが限界だったらしい。
「~~ッッ!!」
ひとしずく、ふたしずくと頬を伝い、滴る涙。
足元に落ちた雫の数が七つを数えた頃合、ヒスイはその場にしゃがみ込み、泣き叫んだ。
「……こんなことが自然に起きるなんて、有り得ない」
膝に顔をうずめ、くぐもった声音で、ヒスイが呟く。
「絶対、ただの火事なんかじゃない」
黒い炎。
赤い雨。
村の外の世界などロクに知らぬヒスイだが、そのようなものが尋常の存在であるハズがないことくらい分かる。
やがて彼女は、いつだったか
「きっと
魔術。
火災や水災などの災害を、不自然な形で引き起こすという術理。
それを操る者は魔術師と呼ばれ、怖れられる。
「いったい、誰の仕業……!?」
ヒスイの中で今日まで積み上げられてきた悲しみが、徐々に怒りへと転化する。
そんな彼女を、どこか険しげな表情で、
シュウホウが見つめていた。
「許さない」
地を這うような、怨嗟の声。
涙は乾き、キュッと瞳孔が引き絞られた
「許さない。許さない。許さない、許さない、許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない──」
…………。
そして、この数日後。
ヒスイは、自分の推量が正しかったと確信を抱くに足る、決定的な証拠を探し当てる。