(ここは…どこだ…?)
俺は確か…お嬢様の命令で……。
ダメだ。とりあえず起きて状況の確認をしなければ。
そうして俺は身体を起こす。
周りを見渡してみればどうやらどこかの廃墟に倒れていたらしい。ボロボロな建物の中の様子から間違いなく廃墟だ。
しかし、このような建築様式の建物は見たことがない。残っている記憶の中にある建物の雰囲気を思い出す。
「とりあえず、出ないといけないな」
ドカァァァーーーーン!!
…なんてことだ。さっきまでなかったところに出入り口ができてしまった。(;´・ω・)
ならちょうどいい。この空いた大穴から何が起きているか見させてもらおうか。
…ほう。人がいる。ここは…街か?俺の知っている物とはだいぶ異なるが。
さて、あそこにいる奴らは一体なにをしているんだ?
…!……!
………!
少し遠くてよく聞こえないが…なんか争ってる?
友好的じゃない可能性も考慮してここは慎重に行くとするか。
しばらく物陰に隠れながら様子を見ていたが女子高生?だったか。そいつらが様々な大きな音を発する物を使って
なにかをお互いに飛ばしあっていた。
あれは…確か銃?とかいう物だったはず。あんなに連続で撃てるものだったか?
確か俺の記憶では一発撃った後にかなり時間をかけて装填する必要があったはず。
………ん?地面が揺れてる?………いや、何かがこちらに向かってきている?
あれは…なんだ?鋼鉄の箱が…動いている?
あれを見た途端に頭にかぶり物をした者たちが勢いづいた。逆に黒い服を着た者たちは慌て始めた。
どうやら面倒な相手のようだな。そして黒い服の一人が俺に気づきやがった。マジかよ。
「そこの人!こんなところで何してるんすか!危ないんで下がってください!」
おっと下がれと言われたら下がるしか…
「イチカ先輩!逃げて!」
「…っ!やばっ!?」
あの鋼鉄の箱についている長い筒がこちらを向いていた。…少なくともいい予感はしないな。
そして、
ドォォォォーーーーン!!
爆音が響く。
「「「イチカ先輩!!!」」」
それが撃った物が当たることはなく、空中で爆ぜた。
「………え?」
「お前、イチカ…といったか?とりあえず状況を教えろ」
「あ…えっと…」
唖然として質問に答えないイチカと呼ばれた女性。
「はあ、お前らは治安維持組織であってるか?」
「あ、はい。あってるっす。」
「そうか。なら手伝ってやる。」
「え?」
俺は前線であろう場所に立つ。
まったく様子見するつもりが面倒ごとに巻き込まれることになろうとは。
とりあえず、目の前の邪魔者たちを片づけることが最優先か。
被り物をしたヤツが話しかけてくる。ここではそれが流行っているのだろうか。
「お前、いったい何なんだよ!?なんで関係もない奴がここにきて戦ってるんだよ!」
そう叫ぶ一人に対しうんざりした仕草をしながら答える。
「あいにくと、こちらはただそこを歩いていたら攻撃されただけだ。」
「だからなんだよ!?」
「つまりだな…ここからは正当防衛ってことだ!!」
武装開放 『深紅の糸』
手から紅色に鈍く光る糸を出しながら空へ跳躍する。
「飛んだあ!?」
間抜けな声が下から響くが関係ない。
体を反転させながら敵の得物に一瞬の間に糸を巻き付け着地
両手をクロスさせ、指の間に糸をかけ、 引く。
その瞬間、敵たちの得物がチリのように崩れ去る。
「………は?」
一人がそんな声を漏らす。
全員何が起きたのか理解できていない顔だ。好都合。
「次はそのデカブツを片付けるか」
「な、なにが起きたのかわかんないがこいつの前でも同じ技が効くと思うなよ!」
そいつがそう言ったとほぼ同時に再びこちらにその筒が向く。が、こいつの撃つ弾…遅いんだよなあ。
まだお嬢様たちが売ってくる弾幕のほうが密度も速度も殺人的だったぞ。
しかし、あれの弾は爆ぜる、周りを巻き込むとまた面倒ごとになりそうだ。
仕方がない。別に使うつもりはなかったんだが。背に腹だ。
「おいおい。まさかビビったのかよ?」
「………スペルカード…」
「ああん?」
「【模擬】【神槍】スピア・ザ・グングニル」
手には我が主の神槍が握られる。
紅に染まったその槍はやはりいつ見ても美しい。
「覚悟はいいか?」
「ピッ…」
眼前には完全におびえ切った敵の顔。だが、そんなもので俺は止まらない。
鉄の箱に向けグングニルを投げる。
槍はその箱を貫通した。
一瞬何も変わらないように見えたがそのすぐあと
ドォォォォーーーーン!!
それは粉々に爆発四散した。
「う、うあ、、、」
その中に入っていた者たちも爆発とともに外に投げ出され、周りにいた者たちも爆発に巻き込まれ気絶している。
…やりすぎたかな?
まあ、これで一件落着ということで…
「あ、あの、…」
イチカと呼ばれていた者が話しかけてくる。
「助かりましたっす。多分わたしたちだけじゃ厳しかった相手だったっす。」
あれ?そんな強い相手だったかな?
「まあ、助けになったならそれでいい。それじゃ俺はこれで」
そう告げて去ろうとした瞬間、自身の脳内に電流が走った。
自身の帰るべき場所がない。
現在自分における最大の問題に今更気づいたのだ。
一度振り返り、尋ねる。
「なあ、一ついいか」
先ほど倒した奴らを縛っているイチカに聞く。
「ここってどこなんだ?」
そんな俺の言葉に帰ってきたのは
「は?」
という困惑の言葉だった。
その後さまざまなことを聞き、だいぶ情報は集まってきた。
ここはキヴォトスと呼ばれる銃社会?が基本となっている学園都市らしい。学園とは何だろうか…?
ここにいる者たちには大半がヘイローと呼ばれる天使の輪のようなものが頭の上にあるらしい。
まったく、面倒な世界に迷い込んだものだ。
そして、
「なあ、どうして今俺も連行させられているんだ?」
その言葉に少し驚いたイチカは歯切れ悪く言う
「い、いやぁ、あなたのことをうちらの上層部に連絡したら連れてこいって言われまして…なんの説明もできずすみませんっす…」
そう言って凹むイチカ。いや、まあ、こちらとしては少しだけ好都合なんだが、言わないでおこう。
「ああ、見えてきたっす。あれがうちらの学園、トリニティ総合学園っす。」
そういわれ見た先には広大な土地に美しく手入れされた庭園のようなものが広がる場所であった。
この大きさ…お嬢様の館よりも大きいな…
「さ、こちらっす。この先でうちらの上層部であるティーパーティーのところまで案内してくれる人が待っていますので、あとはその人に頼ってください。」
そう言って立ち去るイチカに対し感謝を告げ、
先に向かって歩くとイチカと似たような黒い翼を持った女性が立っていた。
「こんにちは。イチカから話は聞いております。助けてくださりありがとうございました。」
こちらの方からも感謝を告げられてしまった。
「私は羽川ハスミと申します。先ほどイチカからあなたがこの世界ではない場所から来た可能性があると告げられ、私たちの生徒会であるティーパーティーは急遽先生に連絡を取り、話し合いの場を設けることを決定しました。」
これはこれは、まるでお嬢様のような丁寧な仕草と話し方だ。うちの主人にも見習ってほしいね。
まったく…(=_=)
しばらく建物の中を歩いているとやがて一つだけ雰囲気の違うものが見えてきた。
「着きました。この扉の先にいるのがティーパーティーの皆様です。」
この先に俺を呼んだハスミたちの上司がいるのか。
ガチャッと音がして扉の開く音がする。
その先にいたのは純白の翼を持つものが二人と、キツネ耳を持ったものが一人、茶会をしながらくつろいでいた。
あ、ティーパーティーってそうゆうこと? なんて考えは一度捨て、姿勢を正す。
「ティーパーティーの皆様、例の人物をお連れしました。では、私は外で待っております」
そう言い残して、ハスミは扉の外に消えた。
それを確認してから俺は口を開く。
「皆様、お初にお目にかかります。私は月下 来夏と申します。」
口調をいつも通りの物に治し、自己紹介をする。すると翼を持つ女性の一人が話しかけてきた。
「初めまして来夏さん。私はトリニティ総合学園の生徒会長の一人であるフィリウス分派代表の桐藤ナギサと申します。」
そして、次にピンク髪の女性が話し出した。
「やっほ~!私は聖園ミカ!同じく生徒会長で、パテル分派代表だよ!よろしくね☆」
そして最後にキツネ耳の小柄な女性が話し始めた。
「ミカ、君はもう少し礼儀というものを気にしたまえ…。やあ、遅れたね。私は百合園セイア、生徒会長であり、サンクトゥス分派の代表を務めているよ」
こうして全員の自己紹介が終わった直後、俺は背後に気配を感じ見てみるとここにいる者たちとは違う人間が立っていた。
゛やあ、みんな、゛
なるほど、この人間が先ほど言っていた『先生』という人間か。
見た感じはただの人間にしか見えないが、その手に持っている板のようなもの、この人間の中に見える心の強さは
ただならぬ雰囲気を出している。
゛君がナギサが言っていた外の世界から来た子? ゛
おっと、質問には答えなければ…待て、今外の世界って言ったか?
「はい。ところで今おっしゃられた外の世界というのは?」
゛ああ、それはね、私や君みたいにキヴォトスの外のことをそう呼ぶんだよ ゛
なるほど、元居た場所にもあった言葉だから少し緊張したがただの心配しすぎらしい。
゛じゃあ、君について、詳しく教えてくれる? ゛
え?主人公の口調が変わっているだって?
主がいないときも敬語でいる必要はないからね。
そんな彼の主ももう予想ついてるんじゃない?
それが正解だよ(^^)
てかなんつー時間に出してんだよ俺は午前4時て。