キャプテン翼if武蔵の10番〜三杉淳の意志を継ぐ者〜 作:ロンゲスト・ロード
東京都内のサッカー少年たちにとっての憧れの聖地——西が丘サッカー競技場。
幾重もの激闘を勝ち抜き、この青々としたピッチに立つことを許されたのは、わずか4校。この中から上位3校のみが、次なる舞台である「関東大会」への切符を手にすることができる。
超満員のスタンドが見守る中、準決勝第1試合**【東邦学園 VS 習実中学】**がキックオフされた。
しかし試合は、開始直後から絶対王者・東邦学園の独壇場となった。
日向小次郎、反町一樹、新田瞬という強力な3トップを、1列下の岬太郎と沢田タケシが変幻自在のパスで巧みに操り、その後方を主将の松山光が鉄壁のバランスで締め上げる。習実中は東邦の波状攻撃の前に防戦一方となり、つけ入る隙すら与えられない。
前線の破壊力と中盤の圧倒的なゲームコントロールで着実に得点を重ねた東邦は、終わってみれば5—0という大差で圧勝。圧倒的な強さを見せつけ、関東大会への一番乗りを果たした。
そして迎えた第2試合——【武蔵中学 VS 城星学園中学】。
城星学園のキックオフで試合が始まった。
城星は自陣深くから、軽快なワンタッチのショートパスをポンポンと繋ぎ始める。しかし、普段なら前線から猛然と襲いかかってパスコースを潰しにかかるはずの武蔵が、今日は一向にプレッシャーをかけてこない。自陣でしっかりとポジションを取り、重厚な守備ブロックを形成していた。
ボールを保持する城星の10番・古川洸太郎が、武蔵の陣形を見てニヤリと口元を緩めた。
(なるほど……前線からのゾーンプレスが、俺たちのパススタイルと相性が悪いと見抜いて戦術を変えてきたか)
隣を走る11番・風見信之介も強気の笑みを返す。
(だからどうした! どのみち俺たちのコンビプレーは止められやしないぜ!)
古川と風見は、まるで互いの呼吸が聞こえているかのような華麗なダイレクトパスの交換で、武蔵の中盤を瞬く間に突破していく。
「させないぞ!」
バイタルエリアで、武蔵の3年ボランチコンビ・本間と真田信次が立ち塞がった。
だが風見が巧みなフリーランで本間をサイドへと引き連れてスペースを空けると、そこへ古川が鋭くインサイドへ侵入! 真田との1対1を迎えた。
古川は細やかなタッチで真田の逆を突き、そのまま右足を振り抜く!
シューッ!!
鮮やかに描かれた軌道は武蔵ゴールの枠を正確に捉えていた。しかし——
ドカッ!!
「甘いっ!」
1年生GK相川大和が、抜群の反応速度で横飛びし、鋭いパンチングでボールを弾き飛ばした!
続く城星のコーナーキックも、相川が空中でしっかりとキャッチ。すぐさま前線へ鋭いフィードを送り、ボールは中盤の翼へ通る。
翼はボールを受けるや否や、前線へ抜け出す火野竜馬へピンポイントのスルーパスを供給! 火野がそのまま抜け出してシュート体制に入ろうとした瞬間——
ピーッ!!
副審の旗が上がり、主審の笛が鳴り響いた。
「オフサイド!」
翼がパスを出す直前、城星のDFラインが見事な統制で一斉に押し上がっていたのだ。
古川が自陣へ戻りながら、翼に向かって不敵に言い放った。
「オフサイドトラップは、お前たち武蔵だけの専売特許じゃないぜ、大空翼!」
プレッシングを封印してブロックで構える武蔵と、高度なパスワークとライン統制で立ち向かう城星学園。
関東大会への切符をかけた大一番は、序盤から互いの意地と戦術がぶつかり合う、一歩も譲らぬ互角の展開となった。
今まで順調に勝ち上がってきた武蔵中学にとって初めて強敵といえる学校との対戦。翼たちはどう戦うのだろうか!
※これで今週の投稿は終了です。来週末の投稿となります。お付き合いいただけたら幸いです。