個性「彼岸花?」 作:着物っていいよね
――――この世は地獄だ。
世界が真っ赤に染まり、鉄の味が空間を満たしている。先ほどまで動いていた肉の頭部が虚ろな目で私を見つめており、胃の奥から酸っぱいものが込み上げてきた。そんな私を気にせず鬼・は肉をグチャグチャと貪り食っている。ふと鬼・がこちらに目を向けた。そして鬼・は真っ赤な口を歪ませて、私に手を伸ばし――
彼岸花が咲いた。
――――――――――――――――――――――――
今日は素敵な日だ、花が咲いてる、小鳥たちもさえずっている。そして何より今日は雄英高校の入学試験の日である。私、『花園黄泉はなぞのよみ』は浮足立った気持ちで玄関扉に手をかけた。
「今日も怪我せず頑張ってきてね。」
「そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。木枝さん。私はこれでもヒーローの卵ですから。」
そう私は胸を張っていった。
この木枝さんという女性は今の私の保護者である。遠い親戚にあたる人で私が天涯孤独になったときに引き取ってくれた大恩人だ。この人がいなければ今の私はいないと言っても過言ではない。
あと今年で彼女は30代なのだがめちゃくちゃ美人だ。でも独身だ、もったいない。
「今、失礼なこと考えなかった?」
「ヴェッ、マリモッ!」
「……そう。」
ヒェッ、目が笑ってない……
「それじゃあ、いってきます!」
命の危機を感じたので私はそそくさと雄英高校に向かった。
―――――――――――そして雄英高校内にて、
『今日は俺のライブへようこそー! エヴィバディセイヘイ!!』
……受験会場を間違えちゃったのかな?
特徴的な髪形をした、黄色頭のサングラス野郎が何か言っている。いやたしか雄英高校ではプロヒーローを教師として雇っているんだったよね。確かあの人は………プレゼントマイケルさん?だったかな?
それにしてもやっぱり、変な恰好である。やはりプロヒーローとなると役作りをしなきゃやっていけないのかな?
そもそも、人を助けるのに必要なのか?ボブは訝しんだ。
まあ、そんなことは置いといて、試験内容を確認しよう。ふむふむ、市街地を模した試験場で仮想敵ヴィランを倒してポイントを得てその総数を競うというもの。
とても分かりやすくて助かる。あと眼鏡の真面目そうな男の子が質問していたが0ポイントのお邪魔用敵ヴィランもいるらしい。
まあ、何にしても私がやることは変わらない。絶対にヒーローになる。そう思い、試験場に向かった。
――――――――――――――――――――――
試験場に着いたが周りを見ると色んな人がいるんだなと感じる。
カエルみたいな女の子とか、耳が特徴的な女の子とか、肌がピンク色の触角生えた女の子とか………
可愛い子多くない?最高かな?
ただ、紫頭の男の子がエロい目で周りの女の子を見ていたのが気になった。万死に値する。
まあ、そんなこんなで周りを観察していると………
「ハイ、スタート!!」
あの黄色頭のサングラス野郎の声が何の前触れなく響き渡る。
……なるほど、現実はそう甘くないってことね。
「どうした!? 実戦にカウントダウンなんざねえんだよ! 走れ走れ、賽は投げられ―――」
言い終わる前に私は、すぐにその場から走り出した。
周りの受験生たちも、ようやく状況を理解したように一斉に駆け出していく。
『標的補足!! ぶっ殺す!!』
「……」
早速、目の前に仮想敵が現れた。
それにしても口が悪い。雄英高校、ロボットへの教育の仕方はどうなっているんだ。
まあ、そんなことを考えている場合でもない。
「――そこ!」
私は手のひらを仮想敵へ向ける。
次の瞬間、手のひらから赤い花弁を持つ彼岸花が勢いよく飛び出した。
ヒュンッ!
彼岸花が仮想敵の装甲へ突き刺さる。
「……咲け」
その一言に呼応するように、彼岸花の根が一気に伸びた。
ギギギギギッ――!
根は装甲の隙間から内部へ侵入し、まるで機械そのものを締め上げるように絡みついていく。
そして――。
バキィィン!!
仮想敵の身体が、内側から粉々に砕け散った。
「まずは1ポイント」
私はそのまま次の標的へ視線を向ける。
一体。
二体。
三体。
見つけた敵へ次々と彼岸花を植え付けていく。
「咲いて」
ヒュッ!
「咲いて」
バキィッ!
「――咲け」
ドゴォン!!
次々と仮想敵を破壊していく。
「な、なんだ、あの個性!?」
「異質だ……!」
「ロボットが、花で粉々に……!?」
周囲から驚きの声が上がる。
けれど、そんなことを気にしている暇はない。
私は次々と、仮想敵をぶっ飛ばしていった。
それからしばらくして、あらかた視界内の仮想敵をつぶし終わった直後、地響きと大きな衝撃が伝わってきた。
私は足を止め、周囲を確認する。
すると正面に――。
「……デカ」
デカい巨人。
いや、あれは……。
「0ポイントの仮想敵……?」
「やばい!やばい!逃げろ!逃げろ!」
「デカ過ぎんだろ……」
「もうダメだ…おしまいだぁ、あんな奴に勝てるわけがない」
周りの受験生たちは、我先にと0ポイントヴィランから逃げていく。
私の横を。
私の後ろを。
次々と駆け抜けていく。
――あれと戦うのは無理だ。
本能が警鐘を鳴らしている。
逃げろ。あんなものと戦う必要なんてない。
0ポイントなのだから。
私も足を後ろへ引いて――
「うぅ……誰か、たすけて」
私は反射的に顔を向ける。そこには、一人の女の子がいた。
足を挟まれている。動けない。
そして――0ポイントヴィランが、こちらへ向かってくる。
「…………」
何をやっていたのだろう、私は。
そうだ。私はヒーローだ。
ヒーローとは――。
理不尽から人を守り、理不尽をぶっ飛ばす奴のことだ。
ここで、あんな理不尽な敵を前に日和っていてはヒーローではない。
何も守れない。
「……そうだ」
私は拳を握り締める。
「私は――ヒーローになるんだ」
そして、私は迷うことなく、彼岸花を自分の肌へ突き刺した。
「――自己侵食」
瞬間、彼岸花の根が、私の身体へ侵食していく。
皮膚の下を根が這い、自分の体を変えていく。
身体がミシミシと悲鳴を上げる。
「ぐっ……!」
痛い。
それでも――構わない。
「この程度……!」
私は拳を握り締める。
そして、迫り来る理不尽敵へ向かって――。
「ぶっ飛べぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
拳を叩き込んだ。
ドゴォォォォォォォォン!!
轟音とともに、巨大なヴィランの巨体が大きく吹き飛んだ。
そして間もなく『終~~~了~~~!!』という声が試験場内に響き渡った。
花園黄泉ちゃんの見た目は
髪→黒髪
目→赤色
顔→クール系美少女
身長→165センチぐらい
となっています