ワイ「雄英の偏差値高すぎワロタ」 作:夜酒見
またいつか補足か修正かをするかもしれません。
あとついでに頭弱自己中警報。
『さぁ準決勝だぁっ!!!ここまで圧勝圧勝圧勝っっ!!!全てを抜き去り全てを凌ぎさり全てをねじ伏せの圧倒的トップっ、普通科戦強 頭弱ーーーっ!!!!』
歓声はない。残念ながら当然である。
『それに相対しは戦強を除けばこちらもトップっ!最終試合でも相対する相手を苦戦することなく対になる属性で突破してきた実力者っ、轟 焦凍ぉぉおっ!!!』
歓声が湧き上がっている。当然である。
(あいつの防御を破ることは俺にはまず無理だ。あれが強化ガラスみてぇに寒暖差で脆くなってくれたらいいが、おそらくそんなんもねぇ。それにそんなことする余裕はおそらくない、なら、向こうから来てもらうしかない。つまり俺が取るべき選択は受け、始まった瞬間に氷を展開して相手の攻撃の到来を防ぎつつ向こうから来る時の氷の砕ける音を利用して方向の感知。音がしない場合は空を警戒。戦強相手に視界を防ぐのはデメリットだが、見えないのは向こうも同じ。どうにかこっちの土壌に引き摺り込む)
『ready??Goッッッ!!!』
「っ!!」
その瞬間に轟の周囲以外のステージ全てを覆う氷山が出現する。もはやある種の信頼の上、相手へのダメージを気にせずの個性の発露は会場に一瞬のうちに氷山が出現するにとどまらず観客席も含め会場内に霜ができるほど。
夏の本番とまではいかないが人込みもあり、感情的な熱気もあり暑苦しかった会場内はその一瞬のうちに冬へと変化した。
ミッドナイトは凍りつき震えていた。
そして、凍らせたぶん冷えた体を左の熱で調整しつつ轟は相手がどのように動くかを推測していた。次の瞬間にその音はした。しかし、それはあまりにも、騒がしすぎた。
「っ!!!」
【パキャキャキャキャすがぁぁぁぉぁぁぁあっっっ!!!】
「紅白くんの個性ってかっこいいよねぇ」
轟から取れば見えないが、音や振動だけでもわかる。本人が氷を貫きながら進んでいるとかそういう次元ではない。圧倒的質量を持っていたはずの氷が全て、更に圧倒的ななにかに破壊され、それが迫っている。
観客席から見れば一目瞭然。氷山に呑まれたと思われた頭弱を中心からドーム状に次々と氷が砕け、砕けた氷の粒がそのままドーム状に周辺に押し出されていく。場外までにも氷の粒は降り注ぎ、観客席には落ちずにいるが近くにいた震えるミッドナイトには降り注いでいた。
迫っていることに気づいた轟は少なくとも受け切れるものではないと判断し完全にかわす姿勢へと移行しようとする。空中は奴の機動力を考えるとあまり出たくない手ではあるが、地上その全てを蹂躙されると判断した轟は瞬間的に氷のジャンプ台を作り出し右の炎をターボとし空中へと滑り飛ぶ。
本来設定していた氷の高さ、轟が万が一の時に設定していた瞬間的に脱出できると考えた高さ。しかしそれを無意味とする穴をすでに覆い隠そうとする氷の波。
そんな氷を轟は火炎で一蹴するが、その対処に一瞬を使ったのが運の尽き。ドーム状に展開されたオーラの衝撃波はその速度を減衰もさせずに大量の氷の波とともに轟を吹き飛ばす。
ついでにミッドナイトも氷の波に呑まれ、舞台上にはただひとり頭弱がいる。
試合開始から10秒とたたない一瞬の流れ。
一般人から取れば、氷山が現れ、その氷山が瞬間的に崩壊が始まったかと思えば思えば噴火がおき、しかし崩壊の氷波がその穴と火炎ごと飲み込み気づけば舞台にはただ1人だけがいた。
そんな圧倒的な自然現象にも、神話のようにも思えるような現象が目の前で繰り出されていたようにしか思えないもの。もはや圧巻され、歓声を上げるような精神的余裕すらもない。
どちらかといえば氷に沈んだ2人への心配、その悲鳴の方が聞こえてくる。
「V」
『おぉぉぉおいいっ!?なにがあったこりゃぁっ!?ともかくwinner1-C戦強っっ!!!!轟とミッドナイト大丈夫かーーー!?』
「……また歓声がない。いや、別に歓声が必要なわけじゃないんだけど、なんかむしゃくしゃする……もしや民衆は無双が嫌い?……次手を抜くか。何気に接戦ってしたことないし、経験あるのみ」
頭弱がスポーツマンシップのへったくれもないことを考えてるうちに氷粒の中から炎が吹き上がり、そこから這い上がってくるのは轟焦凍。そしてたくましくゾンビのように氷の中から手を出し、這い上がってくるのはミッドナイト。
2人の生還とミッドナイトの少しぐったりとし濡れ濡れとなっている様子に観客や男性客が歓声をあげる。頭弱は余計に顔をくしゃっとさせた。
『さぁてっ、舞台ももう万全の様子となったので次行こうかぁっ!!!次っつってもこれでラストだが、こん雄英体育祭一年の部ラストぉっ!!!ここまで圧勝に続く圧勝、説明がずっとそれ続きな戦強頭弱ぁぁぁっ!!!』
「次は歓声をもらう」
『それに相対するは第一第二と苦渋を飲まされた相手、緑谷を準決勝で突破せし実力者ぁっ!!その爆破の先にあるのは勝ちか負けか、1-A爆豪勝己ぃっっ!!!』
「ちっ」←第一回戦第二回戦と緑谷に順位で負けた人
『皆のもの準備はいいかぁっ!?ready Go!!!』
試合開始とともに轟音が鳴り響くとともに爆豪が超加速のもと先手必勝とばかりの一撃を加えに行くが、防御も展開せず攻撃もする様子のない頭弱はその攻撃をすんでのところでかわす。
爆豪も考えなしにつっこんでいるわけではない。ここまでに頭弱が見せたことを踏まえれば攻めも受けもまともにこちら側が成立することはできないとセンスのある爆豪だからこそ、プライドがあって認めたくなかろうがそんな爆豪だからこそわかってしまった。
まともに勝つことはできない。
それならばどうするかとなれば、相手が行動を起こす前にとにかく攻め落とすの一択となった。これでも勝てる可能性としては低いが、何かをされれば爆豪の負けが決定するのでこれしか選択肢としてはない。
騎馬戦の防御、まず正面からの突破は不可能と判断するしかない。そのことを騎馬戦の最中に自身の手で証明してしまっている。
そしてオーラによる広範囲の薙ぎ払い。これはまだ対処できる。爆破による瞬間的な加速でかわす。高速の攻撃も爆破と反射神経をもとにかわす。
最後に轟に対して使われた、氷があろうが減速せずにドーム状に広がっていった衝撃波。不可能とまでは言わないが、轟がなすすべなく飛ばされたことを踏まえれば自身が確実に突破できるというと考えるにはあまりにも。
そうなれば、やはりこちらが勝てなくなるような行動を起こされる前に倒すしかない。
そのためにわざわざ最大限事前に体も暖め、試合最初から瞬間最高速で接近できる状況にしていた。
しかし、その先手もかわされ、爆豪は諦めずに二撃を打ち込もうとするがそれもすんでで避けられ。
その後も避けられ、避けられ。
あまりにも速い爆豪の爆破による攻撃の連鎖、そしてそれらを全てすんでのところでかわしきっている頭弱に観客が息を呑む中。それが成立していることに1番疑問を抱いている存在がいた。それは当然。
「てんめぇっ!舐めてんのかっ!!攻めてこいやぁっっっ!!!」
爆豪本人である。爆豪からすれば最初の一撃に対しては避けるという選択を頭弱はとらざるをえなかったとも考えることはできた。しかし、わざわざすんでのところで自身の攻撃を余裕そうにかわしている相手をみれば即座に気がつく。
相手は今、こちらにそもそも勝つ気がないと。それはこの場において最大の侮辱である。
「ん、じゃあそろそろ」
頭弱はその場から跳躍すると共に宙には無数の光弾が出現し、それが舞台へと流星群のように降り注ぎ舞台をけずり原型を消していった。
爆豪はただのエネルギーのようにも見えるそれが爆発でかき消せるものではないと判断し、それをかわす。そしてかわしつつも表情は浮かばれていなかった。
距離を取られた時点で自身の負けは決まったようなものだと爆豪自身考えてしまっていた。しかし、戦いが成立してしまっている。
爆豪は勝てない気で勝負に挑みはしない。最大限勝利を掴みに行く。だからこそ勝ち筋というのは必ず掴むようにしており、そしてそれを見逃さないようにする。逆に言えば、勝ち筋を失った瞬間を1番理解しているということ。
だというのに戦いが成立しているのは、頭弱がはなからちゃんと勝つためにやっていないということ。
その事実に苛立ちを募らせつつ、それでも足を止めずにまた爆豪は攻めを開始する。舐めプしている相手すら、まともに倒しきれていない以上、舐めプをやめさせるのならば、舐めプしたらやばいという状況を自身で作り出すしかない。
攻め、かわされ、頭弱が攻撃して、爆豪がかわすか防ぎ、攻め、かわされ、そんなイタチごっこが続く。
その状況が一転したのはある瞬間。
「ふざけんなぁぁぁあ!!!」
爆豪が地面を叩きつけるとともに頭弱はそれを避けるが、地面へと点々としていた、爆豪が爆破させずにこぼしていった無数の汗へと誘爆し頭弱を巻き込んだ。
ようやくまともに入った一撃に満足せず爆破による黒煙の中に容赦なく拳を入れ、その攻撃は通ることで頭弱を掴み上げることに成功し、そして爆破の勢いのままに場外へとへと吹き飛ばすが、頭弱は舞台ギリギリで不自然に減速し足一つ分もない位置へと着地する。
「あっぶぅっ、やっぱ接戦なんてするもんちゃうな」
その体にはまともな傷は何一つ存在していなかった。
そこから追撃をせずに爆豪は睨みつける。
「てめぇ、虚仮にすんのも大概にしろよ、勝つ気もねぇなら俺の前に立つなっ!!!!」
「……あー、すまん。そんなに悪いことやと思ってなかったわ。いやね?なんか圧勝続きで少し飽きてきたのと観客の歓声もないから少し戦い方を」
「……は?んな、理由で、手を抜いてたってのか?ふっざけんなぁぁぁぁぁぁあっっっっ!!!!ぶっ殺すぞっ!全力出しやがれぇっ、俺が飛んのは完膚なきまでの一位なんだよ、舐めプしてるお前倒したところでなんの価値もねぇんだよぉっ!!」
「……そっか。そういうことね、反省するわ。悪かった。そりゃ、最強目指してんのにその過程に納得できんもんあったら怒りもするわ。お礼に、直々にこの拳で殴り飛ばす」
「っ!ようやくその気になったかっ」
頭弱は爆豪を正面にし、足を下げ、体全体へと力とオーラを入れる。
物間寧人と戦う際も最初に使った戦闘体勢。
ある種ではその体勢すらも舐めプであった。
そもそも、オーラを使えば上空から舞台を消滅させ強制的に場外に落とすこともできた。絶対に壊せない壁を全体に出現させ問答無用で場外に突き落とすこともできた。その気になれば相手の周囲にオーラがあると仮定して瞬間的に拘束することもできた。
頭弱にしてみれば、ここまでの戦いというのは最強という一つの目的のみでやっている、茶番にも等しいもの。指先一つ動かすことなくこの会場を消し去ることもできる頭弱にとっては肉体を使う攻撃をする必要なんて物何一つない。
そもそも、ある種視点が違うとも言えた。本気で挑む爆豪に対し、あまりにも隔絶した差と相手のことを考えられるほどの頭もない頭弱は完全に娯楽のようなもの。
そんな中、手を抜いていたとは言えまともな戦闘の中での初めての不覚。その上でのあちらへようやくできた理解。
頭弱は誠意を持ってやることにきめた。
しかし、その上で、全身を使い、本気で戦うと宣言し体勢も作った頭弱に対し、爆豪はその必要が本来あるかないかはともかくある種の覚悟を感じ取った。ようやく真面目にする気になったのだと。
「ready Go」
「っ!こいyっ!?」
足を下げ、力が貯められた瞬間、爆豪には頭弱の拳が間近に出現したかのように錯覚する。それほどまでの速度、当たれば確実な敗北が到来する。逆に言えば、あまりにも早くそして直線的なそれを避けられれば勝機がある。
一か八かの、体操着が破裂することも視野に入れた右半身全体の爆発による超瞬間的な最大加速。
『そこまでっ!!勝者っ、爆豪勝己っ!!!』
「ふぇ?」
「……は?」
オーラ豆知識。オーラとは頭弱にとっての架空のエネルギーであり、頭弱があるものと思えばオーラとして具現化し、ないものと思えばただなにもない。
つまり、その気になれば相手の体内にオーラがあると思えば内部から破裂させることが可能。