主人公が罪で手を汚していくお話。

更新は気が向いたらします。

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更新は未定。


廃神社、蜘蛛

現実は小説より奇なり。という言葉がある。

俺はそれが正しいと考えている。

だって、自分が体験したことは、非現実的で、理不尽で、不公平なものだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺は色波冬夜。そこら辺にいるただの一般男子中学生、男子中学生だ。

何で二回言ったのか?それは俺が世間一般的に、「男の娘」と言われる見た目をしているからだ。

 

薄いピンクの髪に、女子とあまり変わらない体型。高い声など、勘違いされそうな要素で満杯だ。

それにこのピンクの髪も、周りは黒や茶色なのに何故か自分はピンクと言う意味が分からないことになっている。

 

だがそんな俺でも、女性がやっぱり好きだ。女性にいいとこ見せたい。

そして遂に、そのチャンスがやって来た!

 

俺はクラスで仲のいい女子、咲希に肝試しに誘われたのだ。

これは男らしい所を見せるチャンス...!

 

早速準備して行くぞ...!

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

「ごめん、待った?」

 

「いや、全然待ってないぞ。」

 

深夜、俺は咲希と鳥居の前で待ち合わせをしていた。

この神社はすでに廃墟になっており、誰も居ない少し不気味な雰囲気を醸し出す心霊スポットになっていた。

 

スマホのマップでこの場所のレビューを見てみると

『カチカチと変な音が奥からした』

『何かを引きずる音がした』

などと男性達のレビューが残っている。

 

「よし、俺が先導するから、咲希はしっかりついて来いよ!」

 

そう言い、咲希の手を掴み、俺は鳥居を潜った。

 

「な、何だか雰囲気が暗いね...。」

 

「空気が一気に変わった気がするな...。」

 

目の前にある階段を登っていく。

 

「...」

 

「階段長すぎだろ...どんだけ登らせる気なんだ...咲希は疲れてないか?」

 

「...」

 

「咲希?」

 

「!冬夜くん、何?」

 

「いや、何だか様子が変だったけど大丈夫か?」

 

「...冬夜くんには聞こえないの?」

 

「何がだ?」

 

「カチカチって音...」

 

「いや、聞こえないな、聞き間違いじゃないんだよな?」

 

そんな会話をしていると、階段を登りきり、社が見えた。

辺りは一層暗さが増した気がする。

 

「これが社か...嫌な雰囲気がする。」

 

「ね、ねえ、もう帰らない?」

 

「ん、まあ、見るだけだしな。写真撮って帰るか。」

 

俺はポッケに手を入れ、スマホを取り出し咲希へ向ける。

 

「ハイ、チーズ。」

 

そう写真を撮ろうとした時。

 

 

 

バシュッ

 

 

「え、え!?」

 

何かが咲希を奥に引きずり出した。

 

「咲希!?」

 

俺は直ぐに咲希へ走り出す。が何かに引っかかり、転けてしまった。

 

「糸...?」

 

糸が一直線にピンと伸びていた。

前を見ると糸がそこら中に伸びていて、奥に消えていった咲希を追うことはできなかった。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

 

どうすればよかったのか。

 

そんな疑問が頭を渦巻いている。

俺は家へ帰っていた。

警察に連絡はした。しかし幼稚な与太話だと一蹴されてしまった。

当たり前だ。こんな話が信じられるはずが無い。

 

しかし俺は諦めれなかった。ふと頭に今からもう一度行けばまだ間に合うのではないかと考えが浮かぶ。

 

一本の模造刀が目にはいった。修学旅行で一目惚れして買ったものだ。

俺はそれを手に取り玄関を飛び出した。

 

 

――――――――――――――――――――――――――――――

 

模造刀を片手に、階段を急いで登り、社に着く。

張り巡らされた糸を模造刀で掻き分け、奥へ進んだ。

 

糸が偶に切れている所があるが、これは咲希が抵抗した後だろうか。

それを辿って進んでゆく。

 

すると更に奥からクチャクチャと何かを食べる様な音が聞こえてきた。

 

「咲希!」

咲希が喰われているのか?!

そんなのは駄目だ!見ていられない!

奥へ走って行く。

 

 

 

 

手に赤いものが付いた。

 

上から何かが垂れてきている。

 

上を見た。女性の下半身と、赤い肉塊を食べている咲希がいた。

 

 

「咲、希?」

 

咲希の下半身は巨大な蜘蛛になっていて、俗に言うアラクネの様になっていた。

黒かった目は赤色に光り、目が左右3つずつになっている。

 

咲希はこちらに目をうつし、言葉を発した。

 

「オイシそう」

 

咲希がこちらに飛びかかって来る。俺は後ろに後退った。

 

「咲希...なのか?!何でこんな事...何があったんだよ!」

 

咲希へ叫ぶが聞こえていないかのようにこちらに近づいて来る。

 

俺は理解した、してしまった。あれはもう咲希ではないのだと。

手に持っていた模造刀の柄を持ち、鞘から抜いた。

 

 

 

 

 

 

そこからはあまり覚えて居ない。気が付いた時には足元に頭から血を流している咲希が倒れていた。

 

俺は動く事が出来ず、アラクネになった咲希の死体の前で立ち尽くしていた。

咲希の死体は、地面を掘り、埋めた。

模造刀にはまだ赤い血が付いている。

 

家で洗っても、刀身に付いた血は赤いまま消えなかった。

 

これが俺の罪の証だというのならば、俺はそれを背負おう。

このこれから手は汚れたままなのだから。


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