王位を継ぎそうにない好みのショタ第3王子を成長するまで愛でて放流する気だったのに気付いたら王妃にされて囲われてしまったんだけれども(白目)   作:ステラ

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これまでのあらすじ
ショタコン対おねえさん





第18話 こんな形で出会わなければあなたとは……

「お前を倒し証明するのよ、私を(魔帝には劣ると)散々バカにしてきた連中に! この【破滅の魔女】カンタレラの力を!!」

 

「くっ……!」

 

 分かる……分かりますわ、他ならぬわたくしにだけは分かります。

 あなたの心の叫びが手に取る様に分かる!

 

 恐らくは心無い方たちに【破滅の魔女】(クソだせえ渾名)と名付けられて悲しい思いをしてきた筈……ッ! やめろと言っても聞かない連中のしつこさ……共感(分かりみ)しかありません。

 故に彼女は【破滅の魔女】とかいうバカ丸出しな名前をアイデンティティにして自らのプライドを保つしか無かったのです、当然です!

 こんな渾名を付けられておいて自(・)分(・)か(・)ら(・)嬉(・)々(・)と(・)し(・)て(・)周(・)囲(・)に(・)語(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)ら(・)頭(・)が(・)お(・)か(・)し(・)い(・)奴に決まってますもの。

 そんなやつ居るわけありませんわ(断定)

 

 まさかわたくしに趣味(ショタ)以外でここまで心から共感出来る人が現れるなんて思わなかった……くっ、何という運命の悪戯!!

 ダメです……私には出来ない……この方を倒すなんて……こんな……こんな……っ!

 出来ればお友達になりたい……一緒にショタを食べたい……っ! 喜びを分かちあいたい……!!

 

「さあ雷蛇よ、風の魔王を天から引き摺り落としお前(私)の力を証明するのよ!!」

 

「ッ……暴風よ、吹き荒べ!」

 

 こんな……本気を出せば特に問題なく勝てるとはいえ、この世で唯一私と同じ悩みを持つ相手を倒すだなんてわたくしには出来ない……っ!

 

 申し訳ありませんわショコラ。

 貴方の頼み通り陛下を生かして連れ帰りたかったけれど、これじゃあどうしようもありませんわね(わくわくそわそわ)、しゃーなしですわ〜!

 

 さようなら陛下(❀ᴗ͈ˬᴗ͈)"ペコリ

 わたくしの思い出の中で永遠に可愛い王子ちゃま(ショタ)のままで生き続けてね! あなたの犠牲はまぁ2日ぐらいは忘れませんわ〜☆

 

 さあカンタレラ様♡

 もう少し茶番をしてガッとしてギュッとやったら、後は流れで引き分けにしてこの戦い(遊び)を終わらせましょうね!

 

 

 

 

 

 あの【魔帝シンシア】を確かに押している。

 己の魔法があの暴風を砕き、犯し、切り裂いて食らっている。勝てる……!

 カンタレラの胸に万感の思いが去来する、かつて一度だけ戦場で相見えたあの11年前以来ずっと燻り続けていた狂おしいまでの思いと共に。

 

『なあにアレ、まさか学生(ガキ)を戦場に動員したって言うの?』

 

 流れの魔法士として雇われ戦場に赴くのはよくある事だった、当時は【白雷の魔女】として名を売っていたカンタレラ(もちろん自分で命名)は戦場に場違いな格好で現れた小娘に対し憤りと嘲りを隠さなかった。

 この傲慢とも思える態度も当然のこと。

 当時【白雷の魔女】カンタレラと言えば最強の魔法士を表す名前だったのだから。魔法学園に通ったこともない在野の魔法士でありながら戦場で修練を重ね、ここまでの力を手にしたのだ。

 

 そんな彼女に対して。

 貴族特有の着飾った魔法学園の制服を着た如何にもなお嬢様が此処(戦場)を何と勘違いしたのか知らないが優雅な足取りで1人で此方に向かって歩いて来ているではないか。

 ダンスパーティーで踊っている方がよほどお似合いな貴族の少女が幾許もしない内に戦端が開かれる戦場で伴も付けず呑気に歩いて来る。

 こんなもの殺してくれと言っている様なもの。

 

『なんだあのガキ、どういうつもりで歩いて来るんだ』

 

『へへ、ガキにしちゃ良い体つきしてんな』

 

『なんだお前ロリコンだったのかよ』

 

『貴族様ってのはあんなに綺麗なもんなのか、犯してみてぇなあ』

 

 同じように傭兵として雇われた無頼漢たちが口々に少女に対して下卑た欲望をぶち撒けている姿を白けた目で見ながら、カンタレラはこの戦争に対するモチベーションが冷めていくのを感じていた。

 

(あんなガキ1人突っ込ませて此方を動揺させようってのかい? まったく、つまんないったらありゃしない。私は正々堂々と腕を競いたいって言うのに)

 

 だから陣形を崩し少女を手篭めにしようと暴走した者たちと離れ、後方で適当に過ごして早めにこの戦場から離脱しようと考え動き始めた。

 適当に時間を潰し、最後に残った敵を片せば義理も果たせるだろう。

 

『あら? もう始めますの、わたくしから宣戦布告しようと思っていましたのに』

 

 この時の行動が文字通り生(・)死(・)を(・)分(・)け(・)る(・)事となった。

 

『わたくしの名前はシンシア・ダイショスターキ、覚える必要はありませんわ……あなた方はここで───』

 

 死ぬのですから。

 

エンチャント・フルストーム(魔法強化・暴風招来)

 

 突如として出現した巨大な竜巻が人を飲み込み、空へと弾き飛ばした。暴風に飲まれた時点でズタズタに全身を切り裂かれていた者達が上空から地面に叩き付けられ、まるで血袋をぶち撒けた様に赤黒い染みとなって地面を彩る。

 

 反射的に防御魔法を張っていたカンタレラだけは助かった、それでも無様に地面をバウンドして転がる。何が起きたのか分からないままに周囲を見渡すと、先程まで馬鹿なことを言ったり笑っていた者たちが物言わぬ死者となり沈黙していた。

 

『は……ぇ…………な……にが……??』

 

 嘘だ。本当は分かっていた。

 だがそれを認めてしまったら。あんななんの苦労もした事のないガキが自分よりも遥か高みにいる魔法士である事を認めてしまったら。

 これまで積み上げてきた人生の全てが脆くも崩れてしまいそうだったから。

 

『あ〜こんなに威力が出ますのね? やり過ぎてしまいましたわ、師匠に叱られそうでめんどくさいですわねぇ』

 

 何時の間にか空に浮かんでいたガキは(何をどうすれば空を飛べる?)自分の生み出した魔法の威力にドン引きしつつ、広がる死体そのものには興味すらないらしく、それはこうして生き残っているカンタレラの事も同じようで(どうでもいい)一瞥すらせず陣地へと帰って行った。

 

『…………はぁ?』

 

 見逃された?

 いいや違う、最初からカンタレラの事は敵として認識していなかった(その他大勢)だけなのだ。

 

 一瞬で主力部隊が壊滅した寄せ集め共は半狂乱になりながら散り散りに逃げていった、それを背中から追いかける敵軍の残党狩りが容赦なく行われている。

 

『死ねぇくたばり損ないが!』

 

『……は?』

 

 バシュン。

 僅かに視線を動かし、雷を圧縮した魔法【白雷】を発動し兵士の心臓付近を貫通し即死させる。この徹底的に効率化された魔法は呆然としている今でさえ反射的に発動出来る自慢の魔法だ。

 ここまで最短最速で発動出来る高威力な魔法などありはしない。

 

 ハズだった。

 

『なによ……あれ……』

 

 カンタレラは優れた魔法士だ。

 だから手に取る様に分かる、あの少女が起こした魔法の規模も威力も速度も構成も魔力も…………そう何もかもを。

 

 あんなものは存(・)在(・)し(・)て(・)い(・)い(・)魔(・)法(・)ではない。

 

 アレに比べたら他の全ての魔法は陳腐な子供だましだ、いや魔法と呼ぶ事さえ烏滸がましい。

 最強の魔法だと自負していた【白雷】を使ったとしても遠く及ばない。これはあくまで対人(常識)の魔法だ。

 あんな……世界そのものの在り方を根底から覆す(非常識)魔法とは比較にすら値しない。

 

『……………………』

 

 認めない。

 認めない認めない認めない。

 認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない認めない!

 

 認めるワケにはいかない。

 

『シンシア……名前は覚えたからな』

 

 それから僅か半年。

 【魔帝】の名が世界に轟き【白雷の魔女】の名は世間から忘れ去られる事となる。そして闇の世界に身を堕としたカンタレラは己の能力を高め、ある機会が訪れる日を待ち続けた。

 そう、新しく生み出した対【魔帝シンシア】の為だけの新しい最強の魔法・破滅の雷蛇を用いて【破滅の魔女】の名を世間に広める為に。

 

 

 

「私の雷蛇がお前の魔法を打ち砕く! そうして私は(この不快な思いから)解放されるんだ!!」

 

「あ、あら〜! なんて凄い魔法なのかしら〜負けてしまいますわ〜(棒)」

 

「勝つのは私よ! この【破滅の魔女】カンタレラ様なのよっっっ!」

 

「キャ〜わたくしの暴風が(自動再生をオフにしてるから)砕かれていく〜♪」

 

 あの日の屈辱を、ここで晴らす!!

 

 




・弱体化シンシア
魔力値48000(480)
回復速度:秒速1%
魔力翼:使用魔力合計3000
暴風招来:使用魔力10000〜12000(基準値、魔法強化(ブースト)によるランダム)

魔法強化:使用魔力の効率を最大100倍にする特殊技能


・カンタレラ
魔力600
回復速度:秒速0.5%
白雷:使用魔力20
破滅の雷蛇:使用魔力300(対風特攻:最大15倍)


・一般魔法士
魔力100(平均値)
回復速度:秒速0.01%
一般魔法:1〜3
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