【完結】大学の友達がボロアパートで獣人彼女と同棲し始めたので遊びに行ったら「ニャーは何も悪くないにゃ」とか言っている美人に一目惚れしました。 作:SUN'S
佐藤ヤニ子は悩む。
ここ3ヶ月ほど年下の人間、日暮晩によって私生活は一般的な生活水準(一人暮らし前ぐらい)に戻り、タバコや食費に消えるお金は生活費に使え、ガスや電気、水道がいきなり止まることは無くなった。
ただ、バンは鬱陶しく愛を吠える。
「……んにゃ、朝かにゃ?」
ヤニねこはバンもたまに泊まるため、仕方なく新調した布団を出ると、朝イチのタバコを吸い、ベランダに出ると紫煙を吐く。
「朝イチのタバコはうんまいにゃー」
いつもの最高の朝だ。
ベランダの下を覗けば、大家と一緒に掃き掃除を手伝う彼誰秀夫と日暮晩がいる。コーポ大谷の獣人の二階に暮らすヤニねことヤクねこの恋人と旦那達だ。
ヤクねこはまだ引っ越し予定は無く、子供の出産後は一時的に秀夫の実家に帰省し、一緒に子育てするとヤニねこは聞いている。
ニコチンという呪縛を抱えたヤニねこは、ここ数ヶ月ほどニコチンをチャージした状態でヤクねこの傍には寄らず、子供の安全性を考えて、コーポ大谷の外周を出た先のコンビニでタバコを吸っている。
彼女は出来るヤニカスなのだ。
しかし、そんな出来るヤニねこも年下の彼氏?には少しだけ困っている。自分の事を全身全霊で愛そうと愛を叫ぶ青年に悪い気はしない。
だが、照れ臭いのだ。
「おはよう!ヤニ子さん!」
「おはようにゃー」
「今日も好きです!」
「知ってるにゃー」
いつものように笑顔を向けられ、照れる。照れ隠しに視線を逸らして、ニコチンをチャージする。シラフで話せるほど生半可な覚悟では渡り合えない。
それが、バンという男なのである。
「今日は、さっぱり系のソーメンに冷しゃぶを加えた冷やし中華です!」
手慣れた動きで料理は始まり、机に並ぶ料理を食べると笑いそうになる。しかし、ヤニねこは媚びたりしない。クールな年上お姉さんなのである。
「ヤニ子さん、美味しいですか?」
「……うまいにゃ」
年下の彼氏?に世話されるのは悪くないと笑いそうになるヤニねこだが、それなりに文句を覚悟していたりする。自分の自堕落さは知っている。
だが、バンは退かない。
愛の咆哮が、ヤニねこを襲う。
「大好きですよ、ヤニ子さん」
「知ってるにゃ」
「結婚しましょう、幸せにします」
「……キモいにゃー」
わざと、はぐらかす。
直接的な言葉にヤニねこは照れるのだ。
そんなに愛されても返せない。
ヤニねこは自由なのだ。
「ヤニ子さん、トマトが落ちますよ」
「んにゃ」
「ヤニ子さん、オレはずっと大好きです」
「知ってるにゃ、ばーか」
今回のお話で『大学の友達がボロアパートで獣人彼女と同棲し始めたので遊びに行ったら「ニャーは何も悪くないにゃ」とか言っている美人に一目惚れしました。』は最終回です。
全12話、読んでくれてありがとうございます!
此方も楽しく書けました!