カクヨム様、小説家になろう様にも投稿させていただいております。
本稿では「ペンギンは鳥である」という主張について論証する。
ペンギンは鳥か、と論証するためにはまず鳥とは何かを定義する必要がある。そのためここでは、鳥を以下の要件を満たすものとして定義する。
一つ。鳥は羽毛を持つ。
二つ。鳥は嘴を持つ。
三つ。鳥は空を飛ぶ。
まずひとつ目のものから検証していく。
論証ひとつめ。鳥には羽毛がある。そしてペンギンにも羽毛がある。
よかろう、この時点で鳥の要件の1/3を満たした。もっとも、より論証に正確性を求めるなら、ではその羽毛とはなんぞやというところから定義していかねばならないのだが、これをやり始めるときりがなくなるのでこちらの論証は割愛する。この場ではわかりやすく、羽毛を毛と定義することにしよう。つまりこの時点で、おおよその人類も1/3は鳥類といえる。
では次に、要件のふたつめを検証する。
論証ふたつめ。鳥には嘴がある。
この時点で人類は鳥類の定義から外れた。残念なことだ。大分いい線まではいったがダメか。翼が欲しいという、古来よりの望みが叶う日は遠い。
他方、ペンギンには勿論嘴がある。これでペンギンは2/3鳥類となった。これもやはり論証に正確性を求めるならば嘴とはなんぞや、というところから定義しなければいけなくなるのだが。ほら、その辺はわかって欲しい常識的に。硬い顎とか定義しちゃうと羽のある昆虫類がまとめて鳥類にぶちこまれるけど、それじゃ困るでしょ? そういうところで上げ足をとろうとするのはダメだ。そういうことを口に出す人間の品性を疑う。論ずるに値しない。つまりこの件については合意を得たものとして先に進む。
では次が最後の検証である。
要件みっつ目。鳥は空を飛ぶ。
ペンギンは……もちろん飛ばない。
要件を外れた。よってペンギンは鳥類ではなかった。
2/3が鳥類ならもうオマケで鳥にしてやってもいいではないか、という声も聞こえてきそうだがしかし、どうか冷静に考えてみてほしい。ここをナアナアにするとカモノハシの奴まで鳥類と分類しなくてはならなくなる。確かにやつには毛があり、嘴があり、しかも卵生で繁殖をするが……なんだあいつ……それでもカモノハシは鳥類ではない。あんなわけのわからない奴を鳥類に分類することは美学に反する。よってカモノハシは鳥ではないし、翻ってペンギンも鳥ではない。
わかって欲しい。こんな結論本当は筆者だって出したくなかったのだ。でも、これが論証した上で出た結論だから。世界の真実だから。学問の末席を汚す身として、私は一度証明されてしまった真実を曲げることだけはできない。無力な私を許してほしい。
……しかし、困った。
鳥類ではなかったということは、ペンギンの分類が迷子になってしまった。ひとりきりでは可哀想だ。なんとか仲間を作ってやりたい。
……新たな論証に移る。
本稿では新たに、「人類はヒトである」という主張について論証する。
これを論証するにはまず、人の定義を定めなければならない。
ここでは人を以下の要件を満たすものとして定義する。
一つ。ヒトは二足歩行をする。
人類は二足歩行をする。よって人類はヒトである。
そして、ペンギンも二足歩行をする。よってペンギンはヒトである。
世界平和バンザイ!