土下座して船に乗せてもらったある女の話

pixivにも投稿してます。

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1話完結

 

 

 

 

少し、昔話をしようか。

 

 

 

戦闘経験が少ない自分でも分かる……あの人はとてもセンスのある人だって。あの人に着いていけば私も強くなれるって。

 

という訳でロジャーさんに、消しゴムみたいに床に頭を削るほど下げて見習いにしてもらった女の子_____それが私である。

 

 

 

 

最初は女ってことでダメだし食らってたけど、目の前でギャン泣きしたら、なんだかよく分からないけど目をカッ開いた船長に『“はおうしょく”を持ってるのか!?』とのことで、「ピェッ」って返事したらOKもらった。

チョロいぜ……!!!って顔が出てたらしい私はすぐに頭を引っぱたかれたが。

 

ロジャーとの冒険は、山あり谷ありで飽きることは無かった。

戦闘経験の浅い私はレイリーに稽古を付けてもらいつつ、数日ごとにロジャーがお試しで稽古の成果を見てくれる。

 

たまに他の海賊団と会っては、「戦ってこい」とロジャーに投げ出されたものだ。

肉食獣を前にした草食動物の私は、最初の頃なんて、海賊との戦いにピェェェェ!!!!と泣きながら戦ったものである。それでもボロボロになりながらも勝ったけれども。

怪我なんてものは、生きてるならば差程気にはならない。

無事に帰ってくると、ロジャーは私を抱き抱えて我が子のように喜んでくれた。レイリーもそれを見て笑っていた。

だけど顔に傷を作った時は「バカヤロウ!!!」と顔を般若にして怒られたものである。あれはチビりそうになった。怖かった。

 

たま〜に白ひげと会っては、遊び半分で戦ったりして宴を開いたりして、私もその中に混ざった。

お酒は苦手だと言うと「やーい子供子供ォ!!」とロジャーに馬鹿にされたものである。ムカつくので「クソ親父ィ!!」と言うと無言で拳骨が帰ってきた。あ、愛が重い……。

 

 

そんなこんなで数ヶ月を過ごし、私もロジャー海賊団に慣れてきた頃。

 

ロジャーは巷で噂の伝説の海賊を倒すことになった。

何がどうしてそうなったのか。

レイリーに聞けば、「大人の事情だ……」と事実を聞くことを窘められた。

ロジャーは、その相手は決して侮れないと言った。

なのでガープとか言う海軍の人とも一緒に戦うらしい。そのガープっていう人は、話しかけたら意外にも気さくな人だった。私が子供で女なせいかもしれない。だからこそ向けてくる笑みが温かかった。

 

 

ロジャー……勝つかなあ。

1人だけ船で待機の私はロジャーの帰りを待った。

 

だけどね……何日かしてからロジャーは帰ってきたんだ。

ゴッドバレーの戦争には参加させて貰えなかったけど、代わりにロジャーは宝箱を大事そうに抱えて帰ってきた。

 

 

宝箱の中身は……小さな赤毛の赤子だった。

 

 

赤子と言っても、1歳くらいに見えるちょっぴり成長してる子供。

赤子は洋服を着ていたが、体の中心に小さな膨らみを見つけた時は「こら、女はジロジロ見るな」とロジャーに窘められたものである。

そこで男の子なんだと悟った。

 

赤毛の男の子はシャンクスと名付けるらしい。

そのあとに「赤太郎」と呼び始めたロジャーにはビックリしたが。

 

クリクリとした目に、つきたて餅のような頬っぺた。

可愛らしい、むちむちの手足。でもちょっと痩せてる。

私は母性本能を擽られた。

 

 

はわわ……!!となってる私の照れ具合に気づいたのだろうロジャーが、ビシッと私を指さす。

 

 

「今日からコイツを育てる。お前は世話係その1だ」

 

 

そこからは私はシャンクスのお世話係になった。

 

 

 

 

*

 

 

 

 

シャンクスは好奇心旺盛な子供へと、すくすく育っていった。

同じく子供であるはずの私も、成長を感じて感動する親(生意気な小娘)に育った。

 

相変わらずロジャーは、私がやらかすと拳骨の雨を繰り出してくる。『酷い!!私が馬鹿になったらどうすんだ!!!』って怒ったら『安心しろ。お前はもう馬鹿だから大丈夫だ』って言われた。

あ、そっかあ!!と私はすぐに納得した。

するとロジャーに「やーい子供ォ〜」と弄られる。ムキィィ!!!と私は頬っぺたを膨らませた。

 

 

途中、なんやかんやでバギーという男の子とも出会った。

バギーはすぐに見習いになった。

そして「バギ次郎」という赤太郎に因んだ名前を貰っていて…………正直羨ましかったのは否めない。うぐぐ……なぜだロジャー。なぜ私には渾名が無いんだ。

私は土下座してまで苦労したというのに酷い差である。

まあ気にしてないけど。

 

 

 

バギーはまだ幼いとのこともあって、私のお世話先にバギーも加わった。するとまぁ……その時はシャンクスに凄く拗ねられた記憶がある。可愛いったらありゃしない。

 

朝は起きたら何故かシャンクスも一緒に寝てるし、昼は昼食に必ずと言ってもいいほど私の事を誘ってくるし(なんなら昼食をアーンさせてくる)、夜には枕を持ってきて「一緒に寝よ」と甘えてくるのである。

 

もちろん私もデロデロに甘やかした。

ロジャーは呆れた顔をしていた。

 

休憩がてらの島に寄る度に、「着いてきて!!!!」と、バギーを置いてこうとするシャンクスに腕を引っ張られて行かれたものである。

まあ勿論バギーも連れていったが。バギーを担いだらシャンクスに悲鳴をあげられたが知らん。

 

 

数ヶ月後には、光月おでんがメンバーに加わってきた。

アイツはタフだと思う。海に流されても着いてきたし。さらに言うとイゾウとか言う美人も連れてて、ちょっぴり羨ましかっ…………いや、なんでもない。

 

光月おでんには、子供が居た。

ももの助という子供はレイリーには可愛がられ、日和という赤ちゃんはロジャーに抱かれてキャッキャッと喜んでいた。

私もロジャーに呼ばれて「抱いてみろ」と言われたので、赤ちゃんの日和を抱いてみる。

 

はわわ……!!!

 

 

「可愛い」

「だろ」

 

ロジャーと光月おでんはケラケラと笑った。

 

 

その後ろで、拗ねてるシャンクスとバギーには気づかず……。

 

 

あとで機嫌を回復させるに労力をとても使った。

 

 

 

 

 

 

 

*

 

 

 

シャンクスは甘えん坊だった。

 

甘えん坊だったが、成長するにつれて少しずつ私に冷たくなっていった。

 

近づけば「女は来るな」「俺の事に口出しするな」などと口を酸っぱくして言われたものである。

 

レイリーに「どうしたら、また懐いてくれるかなあ……」と聞いてみたら「あれは反抗期ってやつだ。……つまり、お前よりガキって事だよ」と教えられた。

そっかあ……。

 

レイリーに「赤太郎の行動は愛情の裏返し」と聞いてからは、シャンクスに冷たくされながらも、私は愛情を注げることにした。例えそれが見返りが無くても。

 

私は……最初からシャンクスのことが大切だ。

だから見返りは求めていない。

 

ロジャーに呆れられながらも『シャンクス、ばか可愛ええ』と顔をニヤけさせて言ったものである。

 

 

 

 

 

そんなこんなでシャンクスもバギーも少しずつ少年になってきた頃だ。

 

 

______私は、やらかした。

 

 

降りた島には、最悪なことに天竜人が居た。どうやらお忍びで来てたらしく、ロジャー海賊団はもちろんその事を知らなかった。

私は……馬鹿なことに、自分が戦えるからってシャンクスとバギーと私だけの3人だけで単独行動を取ってしまっていた。

 

無論___先日、ゴッドバレーの戦争にて海賊王となったロジャーのその船員も有名になっていた訳で……。

 

分かりやすく言えば、ロジャー海賊団の船員という肩書きは天竜人に襲われた。

 

ロジャー海賊団は珍しいからって、弱っちい見習いだからこそ天竜人に狙われて襲われかけて。

必死こいてシャンクスとバギー抱えて走ったけど、天竜人の奴隷に巨人族が居てさ……正直、もうダメだったんだ。

肝心な時に覇王色の覇気は出てこないし、私が走ってコケた拍子にシャンクスを奪われるし。

 

 

何もかもダメかもしれない……って諦めかけたんだけどさ。

 

 

「……ッあ!!」

 

 

シャンクスの泣きそうな顔を見たら、私が動かない訳にはいかないじゃん?

 

 

だから全力で走ったよ。全力で巨人族と戦ったよ。

それでね、結論を言うとシャンクスは取り返した。でも私は、後ろから拳銃で心臓を撃ち抜かれちまってさ……。

 

私が、だえだえ鳴くクソどもに負けるなんてさ。

 

馬鹿みたいだよね。

 

でも、私は私の行動を馬鹿だとは思ってないよ。

だってシャンクスのこと守れたもん。

 

ボロボロの体にムチを打って、ちゃんとレイリーの所まで走って死に間際までには預けられたもん。もちろんバギーも。

走っていた時、「やめろバカ!!!そんな体で走るな……ッ!!」ってシャンクスとバギーに言われたけど、私は聞かなかったよ。

 

偉いでしょ?ロジャー。

 

銃声音に連れられてやってきたレイリーには「バカもの」って怒られた。「親より先に死ぬやつがあるか」ってね。私はビックリしたよ。あのレイリーが私の目の前で泣いたんだぜ?

ロジャーにも怒られたんだ。「親は子が生きてることが何よりの幸せなんだぞ」って。

 

 

だから、その言葉を聞いてから物凄い後悔が押し寄せてきてね。

瀕死状態なのに目の前がボヤけてさ。

 

 

もっと頭が良ければ、違う方法で助けられたのかな、って。

 

 

そしたらシャンクスも私もバギーも、ずっと笑っていられたのかなって。

 

ロジャーには拳骨貰って、それを見たレイリーがロジャーの代わりに甘やかしてくれたりして。

シャンクスは甘えん坊に戻って、バギーはそれを見てシャンクスのことを馬鹿にしたりして、2人して喧嘩したりして。

 

それを見て笑ってる私がさ……夢に見えた。

 

 

そんな夢みたいなことがずっと続いたのかな、って。

 

 

 

心残りがあるとすれば______、

 

 

 

「シャンクスの……結婚式、見たかった……なあ」

 

 

泣くなよ、親父。レイリーも泣くな。

 

 

それにシャンクス。

お前は、何をされても笑って生きるんだぞ。

太陽みたいにカッコイイ男なんだから。

でも友達や家族が馬鹿にされた時は怒ってね。

 

 

ゲホゲホと血を吐きながら言うと、シャンクスはポロポロと涙を零した。

心臓を打たれただけなのに、血を吐くとは思わなかった。

恐らく巨人族と戦った時に逆流したのだろう。

 

 

 

____君に、幸あれ。

 

 

 

 

 

その日は、赤毛の男の子が酷く泣いた日だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「____という昔話があってだね。だから私たちの親父は凄いんだぞ」

「嘘つけ。クソ阿婆擦れ女」

 

 

悪態を付きつつ、ふいっと、そっぽを向いた弟。

ニコリと微笑んだ私は、ソバカスが目立つ弟の頬っぺたを掴む。

 

そして_____思いっきり横に引っ張った。

 

 

「イッッッ!?!?!?なにすんだこのクソババア!!!」

「あぁん???誰がクソババアだ!!この可愛い弟め!!!」

「だから貶してないって言ってんだよ!!!このブラコンが!!」

 

 

ギャイギャイと騒ぐと、後ろからやってきたダダンという山賊女に「やかましい!!!姉弟喧嘩は他でやってきな!!」と怒鳴られた。

おかしい。何故私がこんなにも可愛がっているのに弟は全然懐かないんだ。

 

「何故だレイリー……」

 

そう呟いた言葉は空に消えていった。

 

 

 

何はともあれ、私は転生した。

なんと今世はおっかなびっくり、ロジャーの娘であった。

隣で鼻くそをほじろうとしてるコイツは双子の弟のエースである。

汚いから、やめろ。

 

赤子の頃から記憶がある私は夜泣きはしないせいで、母親であるルージュには心配をさせてしまったが、ロジャーの子供探しをしている海軍の目を欺くことは出来た。

ルージュはロジャーと子供の名前を決めていたらしい。「女の子ならアン。男の子ならエースを名付ける」と。

 

だから私の名前は……今はアンと言う。

 

そんなルージュは今は亡き母親である。

エースを産んだ直後に死んでしまった。だからといってエースを憎む訳でもない。それがルージュの寿命だったのだろう。

 

 

 

母親が死んでしまった日、私とエースはガープに抱えられて引き取られた。

これはガープの独り言だが、どうやらロジャーとガープは約束をしたらしい。

ロジャーらしい約束を。「産まれてくる子供に罪はない」ってさ。だからガープに私たち姉弟を託したんだって。

 

なあ、ロジャー。

それは私にも当てはまるのか?

 

そんな疑問はレイリーやロジャーが解決してくれる訳でもなく、吐息と共に消えていった。

 

ガープに連れてこられた場所は、森だった。

詳しく言えば、森の中に住んでいる山賊の家だった。

 

ダダンと言われた巨体の女が出てきては「アタシがこのクソガキ共を育てるってのかい!?!?」と悲鳴をあげられたものである。

分かる分かる。子供を育てるのって最初は戸惑うよな。でも育てると案外可愛いものだぜ?

 

 

ロジャーは……私が産まれる前に死んでいた。

そのことに気づいたのは、ダダンが私に隠れて捨てようとしていた新聞を拾ったからである。

新聞で見た時は驚いた。だってあのロジャーが、である。

何かの嘘かと思った。

だって、あいつが……あのクソ親父が海軍ごときに捕まるなんて有り得ない。ゴッドバレーの戦争以降、伝説の英雄と言われたガープにすら負けないロジャーがだぞ。

 

私が最初で最後に憧れた海賊王だったのに。

 

それが今や…………子供のエースに嫌われてる父親になって死ぬなんて、なぁ。

 

 

……親父の方が、馬鹿野郎じゃないか。

 

 

あの世でロジャーが笑った気がした。

 

 

 

 

*

 

 

 

 

数ヶ月後、ダダンの家にもう1人子供がやってきた。

 

ガープに担がれてやって来たその子供は、ルフィと言うらしい。

目がクリクリしてて、元気ハツラツで、よく走り回る子供である。

可愛いからすぐに好きになった。「ルフィ好きだ〜!!」と言うと、「おう!!俺もだ!!」と返してくるので、エースとの差に泣けてきた。ちなみにエースがちょっぴり寂しそうな顔をしていたのは内緒である。心の中で発狂した。

 

 

ガープの独り言で聞いたのだが、ルフィはあの革命家ドラゴンの息子だと聞く。

ドラゴンのことは新聞で見るので知っていた。

 

ダダンには迷惑かもしれないが、こりゃあ成長したらどんな親孝行が待っていることか……。

楽しみにしとけよ、ダダン。

そう思ってると、ダダンが「いま寒気が……!!」と悲鳴をあげた。

おいこらダダン。

 

 

ああ、そういえば。

たまにエースが連れてくるサボという男の子にも出会った。

その男の子は身なりがきちんとしていて、なんとなく貴族の子なんだろうと悟った。だけど家のことは何も話したがらないし、話したくないのだろう。

 

なんとなくの気持ちで私はサボとエースとルフィの頭を撫でた。

するとルフィは気持ちよさそうにし、エースは「触んな!!」と耳を赤くして怒鳴り、サボは泣きそうになってた。

 

3種3様、面白い。

ケラケラと笑う私を、3人は異口同音に「笑うな!!!」とプンスカと怒ってきたのであった。

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

ある日、私は気づいてしまった。

こいつら……ダダン達が野菜を与えてないことに。

 

いや、前から気づいてはいたが『いつの日か出してくれるだろう』と、高を括っていたのである。だがしかし、いつまで経っても野菜が登場することは無かった。私は思わず真顔になった。

 

こうなったら野菜を買うか……育てるか。

 

なにか野菜を買える場所は無いかとダダンに聞けば「あぁん!?村に行ったらあるんじゃねぇのか!!」と言われたので、村に行くことにした。

ダダンには、いかに成長期の子供にとって栄養が大切であるかを力説し、脅迫し、金をもぎ取った。

エースたちに村はどこにあるかと聞けば、ルフィはこの山に来る前はとある村に居たらしい。つまるところ、ルフィにフーシャ村を案内して貰うことになった。

 

そこならば野菜の種が売ってるはず。

ダダンから押収した金を握りしめながら、私はルフィと共に村に向かうことにした。

 

 

その途中で、ルフィが「会わせたい奴が居るんだ!」とワクワクして言うので、私はニコニコになってしまう。うん、可愛い。ルフィ可愛い。

 

そうして連れてこられたのは、とあるお店。

中に入るとガラの悪そうな男ばかりが屯っていた。

 

そして私は、その奥のカウンター席で見つけてしまった。

 

 

 

 

 

 

唐突だが、ガープには私が蘇ったことは話していない。

アイツはすぐにバラしそうだからな。あと話したら話したで捕まりそうな予感がするからやめた。

 

だから私が蘇ったことは誰にも話さない。

 

 

……そう…………思ってたんだけどなあ。

 

 

店の奥のカウンター席に座っているのは、見覚えのある赤髪。

後ろ姿しか見えないが、背格好はあの時よりも成長していて、並じゃない風格が出ていた。

 

 

なあ、ルフィ。

お前が紹介したいって人は、この人か?

 

そう聞くと、コクコクと元気に頷くルフィ。

 

 

「紹介するよ!アン!!!こいつはシャンクスってんだ!!!」

 

 

ニシシ!と楽しそうに言ってくるルフィに思わず顔が俯いてしまう。

知ってる……。知ってるよ、ルフィ。

シャンクスはルフィの声に釣られて、こちらへとゆっくりと振り返る。そして私の姿を見つけて____目を見開いた。

 

気づいたかなぁ。

私の今の子供の姿が、前世も同じだってこと。

 

 

そうして私は……ゆっくりと唇を動かした。

 

 

「_____君に、幸あれ」

 

 

死に間際に言った言葉を言うと、シャンクスはガタン!と椅子をひっくり返してその場に立ち上がった。驚愕の表情に染まっており、「そんな……だって……」とブツブツ言っている。

 

 

「成長したね、シャンクス」

 

 

って言うと、目を見開いてくるシャンクス。「なんで……アイツとそっくりなんだ」と言ってくるから「本人だからじゃない?」ってケラケラと笑うと、あろうことかポロポロと涙を零してきた。

その様子に、周りに居た海賊も、ルフィも、店員も、あまつさえ私もギョッとする。

 

 

この状況はシャンクスにとって悪い……!!

そう思った私は慌ててシャンクスに駆け寄り、店の外へと腕を引っ張った。

 

 

 

店の外に出れば、暑さがまたやってきた。

ジワジワと暑いのにシャンクスの黒いマントがちらつく。

 

晴れてる天気を見上げながら、私はボーーっとした頭でボヤく。

反対にシャンクスは俯いてるだけだ。

 

 

「シャンクス……今日は雨が降ってるなあ」

「ああ……」

 

 

シャンクスは俯いたままだ。

ぽたりぽたりとシャンクスの足元だけに零れる、しょっぱい雨。

 

 

「お前、オジサンになったなあ」

「あぁ……」

 

 

 

なあ、シャンクス。

私また生きてるんだよ?

お前よりも小さい年頃の女の子にさ。

 

 

「泣くなよ、おじちゃん」

 

 

私が泣きながら言うと、さらに泣き虫になったシャンクスが居たので、私はさらに慌てるのであった。

 

 

 

ただいま、シャンクス。

 

 

 

そう言うと、シャンクスは大粒の涙を子供みたいに零して「今まで……ぇっ、ごめん”ん”!!!」と、泣いてきたのであった。

 

 

 

 ♦

 

 

 

そのあと、ズビスビと鼻をすすってるシャンクスに担がれ、レッドフォース号に連れていかれそうになったのは言うまでもない。ルフィが「誘拐だァ!!!」と叫んだため、たまたま居たガープとシャンクスがガチモードでぶつかり合ったのは歴史に新しい。

 

 

その間に私が逃げ出そうとしたら__________「俺の婚約者だぞ!!!!」という、シャンクスのとんでも発言が聞こえてきて、私は華麗にすっ転んだのであった。

 

 

 

 




後書きという名の説明。




▶夢主

今世の名前はアン(仮名)
中身の年齢はシャンクスよりちょっとだけ上。
前世の名前は決めてないので、みなさんお好きな名前を。みなさんの母親の名前つけるのもアリです。SAN値チェック入ります。
海賊王に土下座して、海賊王の雑用係兼シャンクスとバギーたちのお世話に努めたひと。
ロジャーの病気のことは知らない。(ロジャーとレイリーが悲しむだろうと思って夢主に教えてない)
ロジャーのことは前世も今も、ばか親父だと思ってる。
ロジャー海賊団はずっと大好き。
シャンクスからの好意には全く気づいてなかった。歳近い私しか甘えられないのかな〜と思ってた。
タンポポの指輪をシャンクスから貰ったことがあるし、それで「けっこん、しようね」って言われたことがあるけど、「蹴っこ、しようね」と聞こえた馬鹿なのでそのままランナウェイした馬鹿。
至って健全な馬鹿娘。
シャンクスと再開してからは誘拐される。その度にガープが助けに来る。多分、未来だとASL(エース・サボ・ルフィ)が助けに来る。
シャンクスがオジサンになってたので、(シャンクスに嫌われてると思ったから)仕返しにわざと「おじちゃん」呼びしてみた。
頂上決戦では、レイリーとロジャーに鍛えてもらった最強娘()なので、エースのこと助けるんじゃないかな。






▶シャンクス

小さい頃からのお姉さん(バカ娘)に惚れてた人。
(自分よりも)強くて、芯があって、前向きで、笑うと可愛くて……tc.とにかく彼女に惚れた。
バギーとは、どっちが彼女を落とせるか張り合ってた(※バギーにその気は無い)
バギーが抜け駆けをする度に白いハンカチを噛んでた(※バギーにその気は無い)
反抗期で、自分では分かってるのに好きな子に天邪鬼になってしまったバカンクス。
____だからこそ、死ぬほど後悔した。
しばらく食べ物も喉を通らなかったし、天竜人を見つける度に手を出しそうになった(その度にバギーとレイリーに止められている)
「……俺の結婚が見たいって馬鹿かよ」と1人泣きながら愚痴を零した。
ロジャー海賊団が最後の島ラフテルに行く時、バギーが高熱を出したのもそうだけど「アイツが居ない今、俺自身1人でいつか行く」と言って行かなかったひと。でも帰ってきたロジャーにいくつか質問して泣いた。

彼女とフーシャ村で再会したとき、目からアクアラグナ(ギャン泣いた)。

以降、誘拐犯として活躍する。
ロリコンとして名を馳せる四皇。
(ちなみに中身の年齢は、シャンクスも夢主もどちらも似たり寄ったりなので何とも言えない)

もしもニュース・クーの新聞に乗るとしたらこんな感じ。
「四皇、ついに狂ったか」
「赤髪の性癖に世界政府は沈黙」
「海軍、ついに動き出す」
「世界から慰めの視線を送られる少女」






▶ベックマン

待て。早まるな、お頭。
『オジサン×幼女』になることに頭を抱えた。
自分らが慕ってるお頭が、赤髪のロリンクスになっちまうのは嫌だ。
俺は……どうすればいいんだ……。






▶マキノ(店員)

なるほど……これは新たな私の扉が開きそうだわ。
てれれてってれー。
マキノは同人誌を書くことにした。
タイトルは『幼女に恋をしてしまった俺を許してくれ』。
通称【恋俺(こいおれ)
とある界隈で人気を博す。
壁サーへと上り詰める猛者になるとは、今はまだ誰も知らない。無論、そんなことを当人たちは知らない(ただし赤髪を除く)






▶エース

父親に負のレッテルを持ってたけど、姉貴が「ロジャーは凄いんだよ!!!あんなカッコイイやつは他に居ないぜ!!」って言ってるものだから、原作のエースよりかは親父(海賊王)のことを嫌ってない。(なんでお前が見てきたかのように知ってるんだよ……)とは言えなかった。なんとなく悟ってる。
後日、赤髪が姉貴を誘拐しようとしてて赤髪への殺意が芽生えた。
多分、このまま原作通り白ひげ海賊団に家族入りして赤髪に会ったら喧嘩が勃発すると思う。

えーす「出てけぇ!!!このロリコンがぁ!!!!」
ろりこんクス「ぴえん」

に、なると思う。







▶ルフィ

「なあ、シャンクス!!いつ(この村から)出てくんだ?」って、原作とはシビアな主人公が待ってる。
船には乗りたいけど姉ちゃんに手を出す奴の船には……なぁ。その言葉が1番シャンクスに刺さったとは神のみぞ知る。
成長したらお姉ちゃんに対して1番の甘えん坊になる弟。





▶サボ

夢主に惚れてしまった被害者その2。
原作通り、1度死んだことになって記憶が無いまま革命軍に入るが、なぜか赤髪への嫉妬&怨念だけは体が覚えてる不思議体質。
「知ってるか。惚れた女に男は弱いんだぜ


だから赤髪は死んでくれ」

ロリンクスへの1ダメージのこうげき!!!







▶晴れた太陽

雨なんか降ってねーよ







▶全世界のおじさん

おい!!!赤髪があんな可愛いくて若い女の子と付き合えるんだ!!!!俺たちにも希望があるぞ!!!!!
オォォォォォォ!!!!!!!
____こうして、赤髪はロリコン王と名付けられた。












続きの続きはマキノが私(作者)から1万ベリーで買収した。
マキノ「同人誌の為なの……許して」
サクシャ「安い俺なの……許して」


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