シャアとガルマの同期。成績は平凡ながら信頼に厚い。彼らに次ぐ第三の男。
それが俺、『ユウキ・ジレット』の評価である。







はい、過大評価です。勘弁して……


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短編

 

 

 

「やあ、ユウキ。ちょっと相談があるんだが」

「ユウキ、今ちょっと良いかな?」

「……ああ」

 

 

ジオンの士官学校でガルマとシャアに呼び止められた俺は二人の話を聞く事に。

ガルマの話は今後のザビ家のあり方について。シャアの話は今後の進路はどうするのか?と言う進退の話だった。

 

お前等、俺に相談する内容じゃないだろ……なんで俺に話を持ち掛けるんだよ?

 

この士官学校はジオンの未来を担うであろう若者を育てようと言う学校であり、その中でザビ家の御曹司のガルマ・ザビは一番注目されている学生だ。そしてシャア・アズナブルは主席であり俺は本来関わらない様な存在だった筈。

だが、重装行軍訓練。この訓練が俺をガルマとシャアに関わる様になった最大の要因だろう。

 

重装行訓練とは30キロにも及ぶ背嚢装備を身に纏い、50㎞を踏破する訓練である。しかもこれを日暮までに完了しろと言う気が狂った様な訓練。

この訓練でシャアは当然の様に首位を独走し、ガルマがその僅か後ろをついて行く。僅差で首位争いをする二人の更にもう少し後ろにいた俺が見ていた。俺も体力だけは自信があったがあの二人は凄いな。

あの二人、スゲーな……と思っていたのだが、事件は起きる。降雨によるビバーク中にガルマがシャアを出し抜こうとして滑落。それを目撃した俺とシャアが助けた。とは言ってもガルマが居なくなった事に先に気づいたのはシャアだし、俺はその手助け程度だ。

 

その後、ガルマとシャアは親友になりめでたしめでたし……だったのだが、何故か俺もその中に含まれて今に至る。

いや、ちょっと待って?首位と次席の二人が親友になるのはわかるよ?なんで平凡な成績の俺も親友枠に収まってるの?周囲もシャアとガルマと俺は親友三人組みたいな一括りで見てる感があるし。

 

それを二人に直接聞いた所、ガルマは「シャアは僕を高めてくれるがキミは僕を嗜めてくれる存在だ。それにキミは僕をザビ家の御曹司と言う色眼鏡で見なかっただろう?これからも僕の至らぬ所を教えてくれ」と言われ、シャアからは「ユウキの成績は確かに平凡だ。だが、キミからは天性の才能とでも言うのかな?それを感じるんだ」と言われた。

要は珍しいだけだろ。飽きればこの関係も終わるだろう。

 

そんな事を思っていたのに更なる事件が起きた。後に『暁の蜂起』と呼ばれるクーデターが起きた。士官学校の学生による地球連邦治安部隊への武装蜂起事件。指揮官はガルマでありサポートにシャアが副官の様に指示を出す。

そして俺はそれに巻き込まれた形で参加しており、最後まで付き合う事となった。俺はガルマの近くで接敵した相手を牽制しながら狙撃や手榴弾で追い払う。時折、バズーカで纏まって動いていた部隊を散らせたりしたけど。その光景にガルマやシャアから「流石だな……」と言われたがなんでやねん。無難に戦ってただけだぞ。

 

 

その後、戦車に乗ったドズル校長が怒鳴り込んで停戦させた事で暁の蜂起は終わった。立派に戦ったであろうガルマに感動したのか、それともその身が無事だった事への安堵なのかドズル校長は涙ながらに抱き寄せ咆哮した。

この後だがシャアはガルマを焚き付けた責任を問われ、シャアは除隊した。近くに居ながら止められなかった俺も同様に責任を問われるかと思ったが逆に「よくガルマを守ってくれた。ガルマから話はよく聞いている」とお咎めは無かった。いや、怒られはしたけどね。

 

シャアが居なくなった事で俺はガルマからも解放された……と言う訳もなく、ガルマの推薦で俺はこの後、ジオン軍で開発が進められているMS開発のテストパイロットになる事となった。

 

その後も紆余曲折あるが、ツィマッド社で新型のテストパイロットに抜擢されたり、そのツィマッド社のお偉いさんの娘さんに懐かれたり、失敗作の烙印を押された試作機の改修を命じられたり……そして一年戦争という渦中に巻き込まれていく事となる。

 

 

どうしてこうなったのかなぁ……俺への評価は過大評価だよ。





『ユウキ・ジレット』
成績平凡だったがシャアとガルマと交流が生まれた故に運命に巻き込まれて行く。
周囲の過大評価と勘違いにより本人の意図しない所で評価が上がっていき自身の能力以上の仕事を割り振られてしまう。

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