某バレー漫画に影響されすぎたオリ主がSAOでも「ちゃんと」やる話 作:論理的のうきん
今回は北さんに頭焼かれた系主人公悠介がどのようにしてSAOに参加することになったのかまでを描ければと思います。
前半はほぼハイキュー!!みたいなスポコンもの、後半からようやくSAO本編に入っていきますので、前半までは部活でもちゃんとしてる隙なし人間悠介の人となりを感じていただければと思います。
西暦2022年7月某日
デスゲーム開始まで、残り4か月
高校最後の大会、夏のインターハイ男子剣道部門団体戦。南悠介は兵庫県代表私立「
「お面ぇぇぇぇぇぇん!!!」
「面ありっ!!!」
「よぉぉぉしっ!!!」
普段はバレーボールなどの室内競技に用いられる東京都の大型アリーナが会場であり、その中では選手一人一人の思いを乗せた気迫や体育館特有の固い床を打突と同時に踏み鳴らすことで生まれる踏み込み音、竹刀同士がぶつかり合う衝撃音、保護者や応援に回った部員たちの歓声と拍手が各コートで常に鳴り響いている。
「おぉ!これで狸福2年連続ベスト4や!」
「今度こそあるで優勝っ!」
他コートの試合では代表戦に突入しているが、悠介率いる狸福高校は一足先に準々決勝を終え2年連続となる大会ベスト4に名を連ねていた。
「次も頑張りやー!!!」
「はぁ、はぁ‥‥あったりまえやでー!」
ついさっき大将戦を終えた狸福高校2年生大将、
「……水分取らんで次も試合に勝てるんか?」
「うぇっす!?」
突然背後からの正論パンチ。
伝統ある道着と面以外の防具に身を包み、とんでもない圧と共に無表情で勇を見つめるこの男こそ狸福高校剣道部主将、南悠介である。控え選手ではありながら強豪の主将に抜擢されており、手には今までの試合結果を事細かく記録したボードを携えている。
「相変わらず、こ、怖ぇ……」
「圧強すぎて三浦先輩変な声出てるやん」
慌てて面を外し、水分補給するエースの姿を見たことで、保護者席から応援する1年生も、2人のいるスペースから放たれる真冬のような寒さを感じ取らざるを得なかった。
「1年まで凍らしとる……ホンマ試合後に勘弁してほしいわ、南さん」
「南さんの前でやんのがアホすぎんねん」
少し離れたところから悠介の圧に気圧されているのはチームの副将を務める2年生の
遠い目で勇にあきれているのは中堅の2年生
「お前らもああなりたくないんやったら、はよ集まりや」
「大丈夫。俺ら3年目やのに未だに慣れてへんから(笑)」
苦笑いしながら2年生達を呼びに来た3年生は、先鋒の
「悠介、監督が集合やって」
「分かった。いけるか?勇」
「はっ、はぃ……」
控えの選手から連絡を受けた悠介は、すっかりおとなしくなった勇を連れて監督のもとへ向かう。
「礼っ!」
「「「お願いします!」」」
「お疲れさん、次は準決勝や。上がってきた相手は去年うちを負かしとるとこやけど、やることは変わらんで。オーダーは引き続き悠介に任せとるから、さっきの反省含めて話し聞き逃さんように。以上」
「「「はい!」」」
「礼っ!黒田ちょっとええか」
「なんや?」
「監督と話しあるから、先あいつら端っこに集めといてくれへん」
「あぁ、オーダーやろ?分かった」
監督からの指示出しを終えると、悠介は同じ3年性の黒田にメンバーを集めさせ、監督と話し合いを始めた。
「……悠介のこと疑っとるわけやないけど一応聞くわ、ホンマなんやな?」
「状況的には、そうとしか言えないです」
「…………分かった。頼んだで」
「……はい」
監督は普段よりも重い顔つきをしており、それは多少ながら悠介も同様であった。
「相互に、礼っ!!!」
各コートでの準々決勝終了からしばらく経ち、勝ち残った各校の選手たちが整列を終えた。そして主審の合図と共に、4校が礼を行う。インターハイ準決勝が始まったのだ。しかし開始早々、会場ではざわめきが起きていた。
「……あれ、狸福の中堅変わってる?井上じゃなくて……南って、誰?」
「狸福の主将らしいよ。ただ、ここまでの試合で出場はないし、県とかでもちょっとしか出てないとか」
「個人でも出てないし……まあ、2年生エースの片方いないのはラッキーだな!」
準決勝、狸福高校側のスタメンを見てみると、今まで勇とともに2年生エースとしてチームを引っ張ってきた大我が控えに回っており、悠介が中堅として出場していたのだ。
「はぁ、はぁ……もう準決勝始まってるじゃない!里香が寝坊するからー!」
「だからごめんってー!」
ざわめきが落ち着きを見せ始めた頃、保護者席にある人物が到着し、観戦を始めようとしていた。
「よかった、まだ席空いてるみたい!」
この少女の名は高峰紅葉。悠介の幼馴染であり、悠介と同じ高校3年生。受験勉強の片手間に幼馴染を同級生で友人の里香と応援しに来たのだ。しかし友人の里香は自身の寝坊により、紅葉から寝起き猛ダッシュを強いられたため、今にも倒れそうな勢いだ。
「ちょっ、ちょっとたんま……もm」
「すみません、お隣いいですか?ほら里香も!「いっ、いいですか……?」」
紅葉は隣に座る身体ががっしりとした中年の男性に声をかける。
「あぁ、いいですけど……お連れさん大丈夫かいな?」
「き、気にしなくても大丈夫ですよ(笑)」
すると2人の顔を見て何か気になったのか、男性は続けて話す。
「君ら……うちの関係者かなんか?あんまり見いひん顔やけど」
「あー、私は南悠介君の幼馴染なんです。話聞いてるかもなんですけど、悠介は小学校3年生から中学校卒業までこっちにいたので」
「そういえばそうやな!へー悠介に幼馴染なんておったんやな!で、連れの子はどうなん?ずいぶんぐったりしとるけど……」
そういって男性は苦笑いでぐでっとしている里香を見た。
「この子は私の通ってる学校の同級生ですね」
「うぅ……寝坊したのはごめんだけどぉ、ホントに紅葉の幼馴染イケメンなんだろうな~!」
「え!?…………た、多分?」
そう言って紅葉は顔をやや紅潮させて目をそらした。どうやら紅葉は面食いである里香を誘うための口説き文句に悠介の顔付きを利用したようだ。
「そうやなぁ(笑)確かにあいつはええ顔しとるわ!」
「ほんとですか!?誰ですか!?どこですか!?」
「えぇ……」
あまりの里香の食いつきの良さに、紅葉はドン引きしざるを得なかった。
「ちょうどいま試合出てるとこやな。あの畳の真ん中らへんに正座しとるやつや」
剣道の試合では、コートの手前に両チームに一つずつ控えの畳などが置かれており、先鋒から次鋒、中堅、副将、大将と順に試合を進めていく。男性はその畳の中心にて、すでに始まっている先鋒戦を静かに見つめている悠介を指差す。
「え!めっちゃかっこいいじゃん!!!なんか塩顔っぽいけど若干幼いっていうか、可愛いとこも残ってるっていうか~好み!」
「あ、悠介だ……って、ちょっと里香!?」
「そうやろー!あいつ周りと比べたら小柄に見えるけど、身長そこそこあるしなぁ、最近よくいう……細マッチョ?なんやでー!」
「えー!!!なにそれギャップ萌えすぎてヤバい!!!」
「せやろー!!!」
「あんた……」
いい年した中年男性と高3ギャルがキャッキャッと騒ぐ謎の光景を目前に、紅葉は困惑していた。何とかして話題を変えなければと考えている中、周りを見渡した際にふとした疑問が湧いて出た。
「……あ、そういえば、さっきからなんか会場全体でざわついてるというか、変な感じがするんですけど、なにかあったんですか?」
さっきまで落ち着きを見せ始めていたざわつきが、再び盛り返してきたのだ。
「ん?あー、そういえばそうやな」
男性自身は特に気にしていない様子だが、続けて里香もあることに気づく。
「でもこっち側だけ別に普通じゃない?みんな普通に応援してるって感じ」
里香の言う通り、会場全体というよりも狸福高校の応援席以外でどよめきが起きてるように紅葉や里香には感じられた。
「……状況的に見たら、そうなってもおかしくはないわな」
「え?どういうことですか?」
「気になる~」
男性は紅葉達の問いに対して淡々と答えていった。
「まず前提として、うちは中堅の井上と大将の三浦、2年生2人が強いねん。要するにWエースでうちのポイントゲッターっちゅうわけや。剣道は5人のうち3人が勝てば確定で試合には勝てるようになっとる。やけど井上が抜けとるからいつもより得点力が下がってしまっとる」
「でもそこに悠介が入ってるってことは……悠介って控えなんですか?」
「そうやで?聞いてなかったん?」
「はい……あんまり自分から部活のこと話すタイプじゃないので」
「やろうな(笑)」
紅葉に男性は軽く笑みを浮かべるが、何か少し、いやらしさが含まれているように紅葉は感じた。
「そこまでが1つや。そしてもう1つ」
そう言って、男性は試合場のスコアボードを指さした。スコアボードから、先鋒の黒田が1本負け、次鋒の有馬も試合序盤に1本を相手に許していることが分かる。
「?あたしルール知らないんだけど……」
「このまま行けば、5人中2人が負けちゃうってこと……ですよね?あと一人負けたら……」
「そう。しかもチームから見たら、ここまで好調で頼りになる3年生2人が負けて、もう誰も負けられやん状況の中、頼りの綱のエースのうち一角はコートにおらん」
「それって……やばくない?」
男性の的確な説明に、ルールを全く知らない里香もことの重大さに気付き始める。
「悠介……」
幼馴染である紅葉の顔にも、不安が浮かぶ中、試合が動く。
「くそっ!このまま逃げ切るつもりか……最後の大会なんや!……負けてたまるかぁ!!!」
次鋒の寛太が思い切って面を繰り出す。しかし……
「……あかんな」
「胴ぉぉぉぉぉ!!!」
「胴ありっ!!!」
主審の判定と同時、技が有効打突として認められたことを示す主審及び副審2人の持つ赤白の旗の内、相手の1本である白色の旗のみが無慈悲にも3本上がってしまった。
1本の基準は、3本の旗の内2本以上が上がった時である。しかもルール上2本とられた場合、4分のうち残り時間に関わらず、試合は強制的に終了となる。
「あ…………負けちゃった」
「これでうちは最低でも残り3人のうち2人が相手の先鋒、次鋒と同じスコアで勝つ必要があるな。それでやっと代表戦や。逆に言えば、まだ1人引き分けられる。」
「ただ、相手のオーダー的に元々中堅と大将で勝負しに行っとる。つまり、次の悠介の相手、ここまで上がってきたからには、相当手ごわいやろうなぁ」
「え…………悠介、大丈夫かな」
「……なんや?悠介の試合見んの初めてなん?」
より一層深刻な表情で悠介を見つめる紅葉に、男性は物珍しそうな顔で聞いた。
「…………ちゃんと見るのはこれが初めてかもです。ルールもはっきりはわかってないですし……」
「ほんなら、しっかり見とき。こうゆう時の悠介ほど頼りになるもんはないで!ほら、周り見てみ?」
「え?…………あっ」
言われるがままに、紅葉は辺りを見渡してみる。相手校の保護者席は勢いそのままにいけ!といった印象を受けるほど盛り上がっているが、対してこちら側は、流石に流れ的にも盛り上がりは見受けられないが、誰一人深刻そうな顔をしていないことに紅葉は気づいた。
「誰も落ち込んだりしてないですね……むしろこれからっ!って感じでなんか……」
「せやろ?それは俺も同じことや。それに、そのことは、あいつが一番ようわかっとるで」
「もしかしてだけど、あっけなく勝ってきたりするんじゃない!」
里香がこの中の誰よりも期待に満ち溢れた目で、そう話す…………面食いではあるが。
「うーん、それはどうやろうなぁ(笑)」
「…………悠介なら、きっとやってくれますよっ!!!きっとっ!!!」
「なになに?紅葉って悠介くんのこと好きなの?」
「……………………はぁ!?!?!?」
真面目な話の最中に突如放たれた爆弾によって、紅葉の顔は赤旗のごとく真っ赤に染まってしまった。幼馴染故なのか、紅葉の悠介に対する信頼は相当熱いのだが、面食いかつ恋愛脳の塊こと里香の前では余計なお世話となってしまうようだ。
「やっぱそうなんだ~wwwこのこの~」
「ちっ、違うわよ!!!もうー!!!」
「落ち着きやお2人さん!悠介の試合始まってまうでー!」
関係のない話題で盛り上がる2人(主に原因は里香)をなんとか制止させた男性は、ふと真剣な顔に戻り、語りだす。
「控えといえど、強豪狸福や。並み以上の実力はもちろん備わっとる。でもな、悠介の本当の強さはそこやない。体格でも、技術でも才能でもないんや。それはなにか。大人しく試合見とれば、ちょっとずつわかってくるはずやで」
「強豪狸福の主将、南悠介。一体どんな剣道を…………県大会でもフルでは出場していない。しかし、あの井上に代わってかつ、この大会で個人でもまあまあ上まで勝ち進んだ俺とやらせるくらいだ。様子見は必須か?…………」
…………そんな警戒せんでもええよ。
俺はただの代役にすぎん。ただ練習でやってきたことをここでもやって、後ろのあいつらに繋ぐだけや。俺にチームを勝たせるようなパフォーマンスは出来ん。やけど試合の敗因も作らん。いうたら、ただの継続や。やから緊張もせえへん。ただやってきたことをやるだけなんやから。
ここで勝った方がヒーローや。
死んでも負けるつもりなんかあらへん。
ここで負ける奴は、うちには要らんねん。
なんか無茶苦茶長くなっちゃいました。
前編後編でSAO導入まで終わらせるつもりだったんですけど、このまま行ったら中編挟むことになりそうです…………
SAO本編楽しみにしてくれていた方いたら申し訳ないです。
気に入っていただけましたら、お気に入り登録、評価などなど数字でわかるもの押してくれますとモチベーションになりやすいので是非よろしくお願いします。
ついでに簡単なアンケートもとってますので、よければそちらも!
もうちょい部活編こすってもええでしょうか
-
ええよ
-
はよSAOいかんかい
-
他のとこちゃんとせえ(感想お願いします)