ドラゴンクエストⅥの世界に転生した一般転生者もの 作:ロクモン
「おはよう、シリウス」
「おはようミレーユ」
やあ、俺の名前はシリウス。
この挨拶もなんだか久しぶりな気がするが、夢占い師グランマーズの館で美少女達と一夜を過ごした一般転生者だ。
昨夜はお楽しみでしたね、だって•••?
な〜にいってんだ、そんなことあるわけないだろ?
館にベットは二つしかないから、床に布団を敷かせてもらったよ。
ちなみに、バーバラとミレーユは同じベットで寝ていたぞ。その光景を実際にお見せすることができないのは残念だが、大変素晴らしいものでござったとだけ言っておこう。
「昨夜はよく眠れましたか?次からはやはり遠慮なさらずおばあちゃんと同じベットで•••」
「謹んでご遠慮させていただきます」
グランマーズにも誘われたが、流石に勘弁してもらいたい。
布団の上で三つ指をついてお断りすると、苦笑をする声が聞こえてくる。
「冗談よ、外の井戸で顔でも洗ってきたら?」
「そうさせてもらうよ」
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「お前さんら、ちょっとお待ち」
準備を整えて、玄関を出ようとした時。背後からグランマーズに呼び止められる。
「これを持っておいき。」
そう言って、幾つかの薬草を手渡された。
「ありがとう、おばあちゃん」
「気をつけてな」
薬草を袋に詰め、玄関を出る。手を振って見送ってくれるグランマーズを背に夢見の洞窟へと足を進めた。
「ここが、夢見の洞窟ね」
洞窟のひんやりとした風が頬を撫でる。
「結構中は冷えるな」
この階層は整備されているのか、人工の石壁になっている。壁に燭台が掛けられていて、内部は明るい。これなら松明のような灯りは要らないだろう。
「ミレーユはこの洞窟に入ったことがあるのか?」
「何年か前に、一度だけね」
俺が前衛で、2人には後方から魔法での補助をお願いしている。
相棒の【はがねのつるぎ】はサンマリーノの鍛冶屋に預けているので、今は【どうのつるぎ】とサンマリーノで購入した【ブーメラン】を使用している。
この【ブーメラン】、ゲームだと非常に優秀な全体攻撃武器なのだが、この世界でもやはり優秀な装備なのだ。
空中を飛ぶ《ヘルホーネット》に【ブーメラン】を投げつけると、その尻の部分に命中し、《ヘルホーネット》が落ちてくる。
《ヘルホーネット》の胴体を【どうのつるぎ】で両断すると、悲鳴をあげて消滅した。
俺は魔力総量がそこまで多くはないので、温存の為に空中の敵へと攻撃手段として、この【ブーメラン】にはよく助けられているのだ。
「ミレーユ、ここはどっちに曲がればいいの?」
洞窟の2層目は、1層目と違い道が枝分かれして入り組んでいるようだ。
「ここは手前の道を右ね」
とはいえ、今回は洞窟の経路を理解しているミレーユが同行しているので、迷うことなく次の階層へと進むことができる。
出来るのだが、それはそれとして奥の通路へと足を進める。
「•••?シリウス、そっちじゃないわよ?」
「折角の洞窟探索だからな、他の道も見ていこう」
「シリウスはね、洞窟のお宝探しが好きなんだって。だから洞窟の隅々まで探索しないと気が済まないらしいの」
「お宝探しは洞窟探索の醍醐味だからね」
「この洞窟、【夢見のしずく】以外には何もなかったはずだけど•••」
通路を進むと、奥の方に宝箱があるのが見えてきた。
「ミレーユ!宝箱があるぞ、開けてもいいかな?」
「こんなところに宝箱があるなんて•••」
グランマーズが【夢見のしずく】の採集で、この洞窟には何度も立ち寄っているはずなので、もし宝箱があれば気づいていそうなものなのだが•••。
「•••なんでこんなデカい宝箱にわざわざ入れてるんだろうな、これ」
宝箱の中には渦巻き型の種のようなものが、ポツンと一つだけ転がっていた。
「これは、【まもりのたね】ね。空の宝箱に魔物が入れていったのかしら」
「グランマーズさんのものではなさそうだし、一応貰っておこうか」
【まもりのたね】を袋に入れると、残りの通路を探索しつつ次の階層へと足を進めた。
次の階層へと通じる階段を降りると、中は石壁ではなく鍾乳洞が広がっていた。中には人工の階段があり、人が通れるように整備されているのがわかる。
「凄い•••」
初めて見る鍾乳洞に感動しているのか、バーバラは辺りをキョロキョロと見渡している。
俺も鍾乳洞を生で見るのは初めてなので、少し興奮してしまっている。
「二人とも、頭をぶつけないように気を付けてね」
そんな俺たちの様子に、微笑を浮かべながらミレーユが注意を促してくれたので、頭上に気を付けながら足を進めた。
「ヒャド」
ミレーユがそう唱えると、氷の礫が《ベビーゴイル》へと突き刺さった。
洞窟内には《スライムナイト》や《ベビーゴイル》といった魔物が棲みついているらしく、それらを倒しつつ階層を進む。
「メラ!ここの魔物多すぎない?」
「ちょっと疲れてきたな」
魔物自体は強くはないのだが、数が非常に多い。グランマーズやミレーユが立ち寄るのを躊躇していた理由もよくわかる。
「ちょっと休憩しましょうか」
ミレーユにそう促されて、壁に背を預けて体を休める。バーバラとミレーユは水筒に入れていた【まほうのせいすい】を飲み魔力を回復させている。
「あともう少しで夢見の祭壇に着きそうね、二人のおかげよ」
「夢見の祭壇で【夢見のしずく】が取れるんだよね?」
「そうね、祭壇の上から垂れてくる雫を、壺に溜めて集めているの。そこの階段を降りたら、あとはその壺から雫を回収して持ち帰るだけよ」
「へー」
周囲を警戒しながら、二人の会話は耳を傾ける。
朧げな記憶を遡ると、確かその祭壇の前でボスモンスターとの戦闘があったはずだ。どんな魔物かは覚えてはいないが、苦戦した覚えはないから問題はないだろう。
「さて、そろそろ行きましょうか」
そう言って立ち上がり、先へと進むミレーユの後を追い、階段を下っていった。
階段を降りると、広い階層へと辿り着いた。奥には祭壇らしきものがあり、左右に女神像が飾られているのが見える。
「ミレーユ」
「•••魔物がいるわね」
祭壇の中央に、緑色の体皮を持つ四足歩行の魔物らしき姿が見える。
「ああ、うめえうめぇ」
何かを啜るような音と共にそんな声が聞こえてくる。
「ぷはぁ、この雫は本当にうめえわい」
どうやら祭壇の壺に貯められた【夢見のしずく】を飲んでいるらしい。
足音を隠すことなく近寄ると、その音に気付いたのか魔物がこちらへと振りかえる。
体色こそ違えど、かつて戦った《ホラーウォーカー》という魔物と姿形が似ている。同一系統の魔物なのだろう。
「ん?なんだ•••おめえらは?おめえらもこの雫を飲みたいのか?」
「そうだな、俺もそれが欲しいんだが、譲ってはくれないか?」
「そうか•••。けどこんなうめぇもんを他のやつに飲ませるわけにはいかねぇなあ。それに、ちょうどオレさまは何かおつまみが欲しかったところなんだ」
ジュルリと舌なめずりをしながらこちらを見やる魔物を警戒しつつ、腰の剣の柄へと手を伸ばす。
「おめえら中々うまそうじゃねぇか。どれ、一口齧らせてもらおうか!」
お気に入り登録と評価設定、それに誤字報告ありがとうございます。
それと、いつの間にかお気に入り登録者100人余裕で突破してましたね•••大型アプデ入った三国志14をやってる間に•••。
前回投稿時の倍くらい増えてて仰天しましたよ、皿に溢れんばかりの飯を入れられてドン引きしてる猫になった気分ですね、ありがとうございます。
◯グランマーズの館
調べても風呂の場所がわからない館。
ミレーユが風呂キャンなのかと思うと、少し興奮s•••げふんげふん。
当小説ではお風呂は館の裏手にあるという設定にしてます。
まあ、風呂がなくても【服の汚れをきれいさっぱり落とす魔法】とか、【カラダを清潔に保つ魔法】とかあっても良さそうですよね。
◯シリウスくんの転生特典?について
タグに入れてますがクロスオーバー作品からのものです。作中で活躍することは殆どありません、ちょろっと触れられる程度のものです。どんなものかは予想してみてください。
◯ロクモンのドラクエ進捗
ロンガデセオに到着。朽ちた剣を放置してスロットをぶん回すスロカス勇者。
ドラクエ関係ないですが時のオカリナ発売が待ち遠しいでござるな皆の衆。