月代ユキ「ヒロ。貴女に伝えたいことがあります」 作:( 눈_눈)
今更プレイしたら流石に名作過ぎて書いてしもうた。
ヒロが総受け過ぎて好きだ。
ヒロ。
貴女に伝えたいことがあります。
この手紙は、儀礼剣に貫かれた状態から、少しのズルをして貴女に届けたものです。
魔法によって体感時間を極限まで延ばし、そして冷静になった思考を以て、貴女にもう少しだけ伝えたいことがあります。
ですから、私と貴女のために、
この手紙を、遺しました。
何時、開くことになるでしょうか。
その時のヒロとエマは、どんな生活をしているのでしょうか。
楽しみですね。
想像するだけで、温かい気持ちになりますね。
居るのは、もしかしたら、
エマだけでは無いかもしれません。
貴女は沢山の人に寄り添ってきたから。
…少し、気になったことがあるのですが、ヒロは白髪で線の細い女の子が特別好きなのでしょうか?
…なんだか、私も、エマも、液体操作の子も、洗脳の子も、貴女が傍で支える女の子はみんな同じような雰囲気があるような…。
貴女の好みに余り口出しするつもりはないですが、エマのことを悲しませるようなことはしないでくださいね?
しっかり責任は、とりましょうね。
真面目な話をしましょうか。
私は貴女にこう言いましたね。
『貴女に救いをすがっていた』
と。
間違いなくすがっていたのでしょう。
自分で仕組むまでもなく、
人は私を疎外し、
迫害し、
そして傷つけました。
それはそれは、薄ら暗い感情が確かに育つのを感じました。
やはり、人類は邪悪。
死んでしまえ。恨みを知れ。
その感情と同時に言い聞かせるような理性の声も、確かにありました。
思い通りに事が進んでいるだけ。
何もかもが予定通り、何も驚くことはない。
…そう言い聞かせて、けれどきっと、心は悲鳴をあげていたのかもしれません。
人に期待していた訳では無いと思います。
どちらかといえば、魔女であることを隠してしまえば、
そう思って思いつきで試していただけでした。
それでも結局ひどく苦しい目にあって、
…そうですね。訂正しましょう。
この感情を失望と形容せざるを得ない時点で、私は確かに、期待していたのでしょう。
それを裏切られた私は、いつか人を皆殺しにする日を夢想しながら、半ば惰性で、諦めたように人々を観察して過ごしていました。
だから、貴女が私を見つけ、そして庇うようになってからも、最初は貴女を疑うように観察していました。
自分に酔っているのか、或いはいつ裏切るのか、と。
でも、
貴女が私に寄り添い、
暖かな言葉で支えようとし、
行動で示すように守り、
そして私にすらも時折注意して、
そんな姿を見ているうちに、私は自分の考えが間違っていたことを悟りました。
貴女はいつどんな時でも、自分の中にある理想に向けて、ひたむきで、一生懸命なだけ。
もちろん、貴女の中にある正しい自分が、常に公平で公正だったとは思いません。
身内にはすこしだけ甘く、身内を傷つけたものには厳しく、けれど自分には何よりも厳しく。
貴女に冷たく突き放されたと感じた者でさえ、いつの間にか貴女の牽引する理想に向けて、努力すらするようになる。
貴女に憧れて全てを肯定しようとする者でさえ、貴女の言う正しさに嘘をつけなくなる。
貴女は私を導いてくれる存在。
非道な計画を進めている最中でさえ、
貴女が引いてくれた手は、暖かかったのです。
前置きが長くなりましたね。
ヒロ。
私を説得する際、貴女はまるで、
エマの善性に惹かれた私が計画を賽に任せた。という言い方をしました。
もちろんその通りではあります。
ですが、貴女に勘違いして欲しくないことが、
ひとつあります。
貴女も、特別なんです。
私はきっと、死に戻りをもつ貴女がエマを、
そして私の計画を止めることを、何となく分かっていたのです。
貴女が手を差し伸べてくれた日から、
ずっと貴女の傍にいたから。
背伸びした信念。
貴女の優しさが大好き。
これは遊びでも、ふざけてもいません。
貴女は、どこまで傷ついてくれるでしょうか。
…大好きです。ヒロ。
私を守ってくれる姿も、
私を叱ってくれる姿も、
エマに嫉妬してる姿も、
エマを嫌っていた姿も、
そして、
私を忘れないと、そう誓ってくれた姿も。
ヒロ。
貴女が大好きです。
きっと、初めて私の手を引いてくれた時から、
私は貴女に止められることを期待していたのです。
叶うのなら、全てなかったことにしてしまいたい。
エマと貴女が辿るこれからを眺めていたい。
きっと、
エマにも、貴女にも事ある毎に嫉妬して、嫉妬されて、
そんな人間みたいで、島の魔女達みたいで、
幸せな日々を。
…こんなことを長々と書いても、貴女を傷つけるだけですね。
私が伝えたかったことは、もう伝えました。
大好きなヒロ。
私を止めてくれて、ありがとう。
よく、できましたね。