2330年日本国、異世界へ   作:水野芽生

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第4話:言葉が育つ

 

 最初の一時間、会話は会話と呼ぶにはあまりにも不格好なものだった。

 

「ニホン」

 

 三浦が胸元の国章を指した。

 

『日本。国。われわれ』

 

 翻訳AIが、覚えたばかりのヴァレシア語を慎重に並べる。ガルディオは頷き、今度は自分の胸ではなく西を指した。

 

「ヴァレシア。王国」

 

「ヴァレシア王国。リヴァーノ」

 

 ネリオがそう補足して、さらに西を指し示す。

 

『語彙候補更新:ヴァレシア=国家名、王国=政治制度、リヴァーノ=地方名または都市名』

 

 壁面表示の隅で、文字が次々と増えていく。三浦たち日本人には読めるが、ガルディオにはその意味が分からない。ただ、一つだけ分かったことがあった。

 

 この白い船は、会話をするたびに何かを覚えている。

 

「……さっきより早くないか?」

 

 ガルディオがネリオに囁いた。

 

「何がです?」

 

「返事だ」

 

 ネリオも気づいていた。

 

 最初のうちは、彼らが一語話すたびに、白い船の人間たちは数秒から十数秒のあいだ、奇妙な板や空中に浮かぶ表示を見ていた。だが今は違う。短い言葉なら、ほとんど間を置かずに返ってくる。

 

 ネリオは試すように言った。

 

「海」

 

『海』

 

「空」

 

『空』

 

「船」

 

『船』

 

「王」

 

 ほんのわずかに、間が空いた。

 

『王。統治者。君主』

 

 ネリオの眉が上がった。

 

「……三つ返ってきた」

 

「どれも似たようなもんだろ」

 

「違います」

 

「俺には同じだ」

 

「だから船長は政治の話をしないでください」

 

「港の役人みたいなこと言うな」

 

 三浦には内容までは完全に分からなかったが、翻訳AIは推定を表示していた。

 

『軽度の冗談、または皮肉を含む会話と推定』

 

 高瀬が小さく笑った。

 

「向こうも普通に仲が悪そうで、安心しますねぇ」

 

「仲が悪いんですか?」

 

 神谷が訊いた。

 

「仲が良いから、ああいう言い方ができるんですよ」

 

「高瀬さんの人間関係論、信用していいんです?」

 

「失礼ですねぇ」

 

 三浦は二人を放っておいた。

 

 ◇

 

 接触開始から一時間十二分。言語解析の進捗は、当初の予測を大きく上回っていた。

 

 理由は二つあった。

 

 一つは、日本側の翻訳AIだ。

 

 このAIは、人間の音声だけを解析しているわけではない。発話時の視線、指先の動き、表情、周囲の物体、直前の会話、そして相手同士の反応──それらすべてを同時に照合している。

 

 たとえば「船」という単語を学ぶときも、単に日本語の「船」と現地語の音を結びつけるだけではない。ガルディオが自分の船を指したこと。ネリオも同じ語を使ったこと。別の会話では、「船」が複数形らしい形に変化したこと。「船長」という言葉に同じ語幹が含まれていたこと。そのすべてを材料にして、意味と文法を組み立てていくのである。

 

 そしてもう一つが、ファルネの翻訳魔法だった。

 

「もう一度お願いします」

 

 ファルネが三浦に言った。もちろん、その文章はまだ日本側には通じない。ネリオが身振りを添えると、三浦は意図を理解し、ゆっくりと言った。

 

「私たちは、あなたたちと戦うために来たのではありません」

 

 ファルネが目を閉じる。指先から淡い光が広がった。

 

 その魔法は、言葉そのものを読み取るものではない。発話者の意図と音、文脈、そしてすでに覚えた対応関係を手がかりに、最も近い概念を探り当てるものだ。

 

 数秒の後、ファルネが口を開いた。

 

「……我々は……お前たちに、刃を……持って来ていない?」

 

「違う」

 

 ネリオが即座に言った。

 

「戦いを望んでいない、じゃないですか?」

 

「分かってますよ! 術式がそう出すんです!」

 

 AIは、そのやり取りまで記録していた。

 

『対訳候補修正。“刃を持つ”=敵対・戦争に関する慣用表現の可能性』

 

 日本側の言語担当官が声を上げた。

 

「面白いですね」

 

「何がです?」

 

 神谷が訊いた。

 

「あの人の魔法、直訳器じゃありません。意味空間の対応を取ってるんです」

 

「……日本語でお願いします」

 

「向こうも、翻訳に失敗してるんですよ」

 

「ああ」

 

「でも、その失敗の仕方がものすごく有用なんです」

 

 AIにとって、それは宝の山だった。日本語の原文、ファルネの魔法が吐き出した不完全な現地語、ネリオによる訂正、そしてガルディオの反応。それらが次々と対訳資料になっていく。

 

『翻訳品質推定:初歩的日常会話領域、七九パーセント』

 

「一時間で?」

 

「単純な会話だけですけどね」

 

 言語担当官は、少し興奮していた。

 

「これ、魔法の側が教師役になってるんですよ」

 

 ◇

 

 一方のガルディオは、別の意味で興奮していた。

 

「じゃあ、これは?」

 

 彼はテーブルを叩いた。

 

『机』

 

「これは?」

 

 椅子を指す。

 

『椅子』

 

「これは?」

 

 壁を叩く。

 

『壁』

 

「これは?」

 

 最後に、高瀬を指差した。一瞬、室内が静まり返る。

 

『女性。人。船員』

 

 高瀬が吹き出した。ガルディオは目を丸くする。

 

「分かるようになってるぞ!」

 

 今度は、その言葉がそのまま訳された。

 

『理解できるようになってきた』

 

 ほとんど自然な訳だった。ガルディオの顔から、笑みが消えた。

 

「……今のは、ちゃんとしてたな」

 

『現在の発話は、高い確率で正しく翻訳されています』

 

 ネリオが椅子から半分腰を浮かせた。

 

「しゃべった!」

 

「ずっとしゃべってただろ」

 

「そうじゃなくて!」

 

 ファルネは青ざめていた。

 

「術式を使ってない……」

 

 彼は日本側の端末を凝視した。

 

「誰も魔力を流していない。魔石もない。なのに……」

 

 高瀬が三浦に囁いた。

 

「向こうの魔法使いさん、機械を見る目が怖いですねぇ」

 

「こっちの研究者があの魔法を見る目も、たぶん同じだ」

 

「それはそうですね」

 

 ◇

 

 二時間目に入るころには、会話は単語の交換から質問へと変わっていた。まだ遅く、まだ間違う。だが、意味は通る。

 

「この船」

 

 ガルディオが床を指した。

 

「何人?」

 

『質問:乗員数』

 

「通常は三十数名です。今は追加の要員も乗っています」

 

 三浦の答えが、ヴァレシア語へ変換される。

 

『この船は、普段三十より少し多い人が働く。今は、特別な仕事の人もいる』

 

 ガルディオが固まった。

 

「……三十?」

 

「ええ」

 

「この船を?」

 

「はい」

 

「三十人で?」

 

「はい」

 

 ガルディオはネリオを見たが、ネリオも言葉を失っていた。

 

 自分たちの《セルカ》でさえ、三十六人が乗っている。帆を操り、舵を取り、砲を扱い、荷を動かすためだ。目の前の白い巨船は、その何倍もの大きさがある。

 

「奴隷や漕ぎ手は?」

 

 翻訳AIが、一瞬止まった。

 

『“奴隷”の概念を認識。慎重な応答を推奨』

 

 三浦の表情が、少しだけ変わった。

 

「いません」

 

『いない』

 

「下の方にも?」

 

「いません」

 

「機関部とかいう場所には?」

 

「いません」

 

 ガルディオは腕を組んだ。

 

「じゃあ、誰が動かしてる」

 

 三浦は少し考えてから答えた。

 

「機械です」

 

『人ではない仕組みが、多くの仕事をする』

 

 ガルディオは天井を見上げた。

 

「……魔法じゃなく?」

 

「我々の知る限り、魔法ではありません」

 

 今度はファルネが身を乗り出した。

 

「本当に?」

 

 訳を聞いて、三浦は頷いた。

 

「少なくとも昨日まで、我々は魔法が実在するとは考えていませんでした」

 

 翻訳AIの動作が止まり、警告が表示された。

 

『“魔法”に相当する現地概念との定義差が大きい可能性』

 

 言語担当官が、すかさず言い換えた。

 

「我々の世界では、あなたが先ほど行ったような現象を、人間が起こすことはできませんでした」

 

 今度は、きちんと通じた。

 

 ファルネは口を半開きにし、ネリオも呆然としている。ガルディオだけが、三浦の顔をじっと見つめていた。

 

「……では」

 

 彼はゆっくりと尋ねた。

 

「この船も?」

 

「魔法ではありません」

 

「光も?」

 

「魔法ではありません」

 

「さっきの、勝手に動く小舟も?」

 

「魔法ではありません」

 

「言葉を覚える板も?」

 

「魔法ではありません」

 

「お前たち、本当に何なんだ?」

 

 翻訳AIは、数秒考えた。

 

『あなた方は、一体何者なのか』

 

 三浦は苦笑した。

 

「それを説明するために、言葉を覚えているところです」

 

 今度の訳は、九割方正しかった。

 

 ◇

 

 さらに一時間後、日本側は一枚の画像を表示した。

 

 日本列島の地図だった。ガルディオが画面に顔を近づける。

 

「島?」

 

「はい」

 

「全部、ニホン?」

 

「はい」

 

 縮尺が示され、比較用として、海上で確認されたリヴァーノ周辺の海岸線が横に並べられた。ガルディオは地図を睨んだ。

 

「でかいな」

 

「国としては、面積はそれほど大きい方ではありません」

 

『我々の世界では、日本は特別に大きな国ではなかった』

 

 訳を聞いた瞬間、ガルディオの表情が変わった。

 

「待て」

 

 ネリオもすぐに気づいた。

 

「“我々の世界では”?」

 

「はい」

 

 三浦は頷いた。

 

「さっき言っていた話か」

 

「はい」

 

 部屋の空気が、静かになった。ガルディオはもう冗談を言わなかった。

 

「では、本当に」

 

 一語一語を確かめるように、彼は言った。

 

「お前たちは、昨日まで、この世界にいなかった?」

 

 翻訳AIが日本語へ変換する。信頼度は九四パーセント。三浦も慎重に答えた。

 

「我々が知っている限りでは、その通りです」

 

「国ごと?」

 

「おそらく」

 

「……国ごと」

 

 ネリオが呟いた。ファルネの顔からは、血の気が引いていた。

 

「そんな転移魔法、存在しません」

 

「お前が知らないだけじゃないのか」

 

 ガルディオが言うと、ファルネは睨み返した。

 

「国土をですよ? 何百万人住んでいると思ってるんです!」

 

 三浦がその言葉を拾った。

 

「人口について聞かれましたか?」

 

 ネリオが頷く。ガルディオが、何気ない調子で訊いた。

 

「ニホン。何人?」

 

「約八千三百万人です」

 

 翻訳AIが数字を変換する。一度、二度と桁を確認してから、訳が流れた。

 

『約八千三百万人』

 

 静寂が落ちた。ガルディオが眉を寄せる。

 

「八百三十万?」

 

「違います」

 

 AIが画面に大きく数字を表示した。83,000,000。それが現地の数字表記へと変換される。

 

 ネリオが桁を数え始めた。一、十、百、千、万、十万、百万、千万──途中で、その指が止まった。

 

「……八千三百万」

 

 ファルネは椅子に深く座り直した。

 

 ガルディオは三浦を見て、次に白い壁を、それから天井を見た。

 

「お前の国には」

 

 ゆっくりと言う。

 

「こういう船が、何隻ある?」

 

 神谷の表情が、わずかに変わった。三浦も気づいていた。

 

 質問の質が変わったのだ。これはもう、ただの好奇心ではない。相手は船乗りだ。八千三百万という人口と、この船の技術とを、結びつけて考え始めている。

 

「その質問には、今は詳しくお答えできません」

 

『安全に関わるため、今は詳しい数を話すことができない』

 

 ガルディオは数秒、三浦を見つめ──それから笑った。

 

「いい返事だ」

 

『良い回答だ』

 

「何でも喋る馬鹿じゃないらしい」

 

 そこで、AIが少し迷った。

 

『あなたは、何でも話す愚か者ではないようだ』

 

「そこまで正確に訳さなくていい」

 

 三浦が言い、隣で高瀬が笑いを堪えていた。

 

 ◇

 

 接触から三時間四十六分。翻訳AIの一般会話における推定精度は、九十パーセントを超え始めていた。

 

 もちろん、あらゆる分野で九十パーセントという意味ではない。政治制度、宗教、法、魔法理論、抽象的な哲学──そうした分野に踏み込めば、まだ危険なほど不正確だった。

 

 しかし、「食べる」「眠る」「船」「国」「町」「王」「海」「敵」「友人」「行く」「戻る」といった程度の言葉なら、ほとんど支障がない。

 

 さらにAIは、会話の最中に自ら質問を返すようになっていた。

 

『“領主”という語について確認します。土地所有者、軍事指揮官、行政統治者のいずれですか?』

 

「全部です」

 

 ネリオが答えると、AIが一秒ほど止まった。

 

『すべて』

 

「そうです」

 

『制度理解の再構築を開始します』

 

「AIが困ってる」

 

 神谷が呟いた。

 

「そりゃ困るでしょうねぇ」

 

 高瀬が答えた。

 

 日本側にとっても、この数時間は未知の社会制度を学ぶ時間だった。ヴァレシア王国、国王、貴族、リヴァーノ領、都市自治、港務所、魔術師ギルド、ルメリア教──そして。

 

「エルフ?」

 

 言語担当官が聞き返した。

 

「エルフ」

 

 ネリオが頷く。AIが周辺の会話を検索した。

 

『知的種族の名称と推定』

 

「人間とは違う?」

 

 三浦の問いに、ネリオが首を傾げた。

 

「人間?」

 

 そこで、双方の会話が止まった。「人間」という概念の境界が、そもそも違っていたのだ。

 

 ネリオは自分を指して「サピエンス」と言い、ファルネを指して、もう一度「サピエンス」と言った。それから紙に別の人影を描き、耳を長く伸ばす。

 

「エルフ」

 

 さらに、小柄で頑丈そうな者を描いた。

 

「ドワーフ」

 

 獣の耳を持つ者。

 

「カルネ人」

 

 そして、爬虫類のような頭部を持つ、また別の種族。

 

 日本側の全員が黙り込んだ。最初に声を出したのは神谷だった。

 

「……比喩じゃ、ないですよね」

 

『発言の解釈不能』

 

 翻訳AIが淡々と表示する。高瀬はネリオの絵を眺めていた。

 

「会ってみたいですねぇ」

 

 三浦は頭を抱えたくなった。

 

 日本が別の惑星へ移動した。魔法らしきものが存在する。そして今度は、複数の知的種族だ。今日一日だけで、人類史の教科書を何冊書き直せば済むのか見当もつかない。

 

 ◇

 

 やがて、帰る時間になった。

 

「船長。初回の接触としては十分です。接触時間も長くなっています」

 

 検疫担当者の進言に、三浦も異論はなかった。ガルディオたちには、最初から帰還を保証している。

 

「今日は、ありがとうございました」

 

『今日、我々と話してくれたことに感謝します』

 

「俺たちもだ」

 

 ガルディオが頷いた。今ではもう、ほとんど遅延なしで訳されるようになっていた。

 

「領主に話す」

 

「あなた方の統治者ですか?」

 

「この土地のな」

 

 ガルディオは西を指した。

 

「リヴァーノの領主だ。たぶん、俺の百倍は質問してくるぞ」

 

 訳を聞いて、三浦は一瞬黙った。

 

「……覚悟しておきます」

 

 ガルディオが笑った。今度はAIも、その笑いの意味を理解したらしい。

 

『友好的な冗談』

 

 そんな補足まで表示された。

 

 ◇

 

《セルカ》へ戻る直前、ガルディオは甲板から、もう一度「いわみ」を見渡した。

 

 白い船体、金属、電灯、自動の扉、無数の理解不能な機械。そして、魔法を知らない人々。

 

 彼がこれまでの人生で見てきた、どんな怪異とも違っていた。

 

 魔物なら、理解する必要はない。嵐なら、耐えればいい。敵船なら、戦うか逃げればいい。

 

 だが、これは違う。話ができる。考える。笑う。おそらく、嘘もつく。そして、八千三百万人の国から来たという。

 

「ミウラ」

 

 ガルディオは振り返った。そこに三浦が立っていた。

 

「また、話す」

 

 三浦が口にしたのは、現地の言葉だった。翻訳機を使わずに、自分の声で。発音はひどく、文法も怪しい。だが、意味は通じた。

 

 ガルディオは、にやりと笑った。

 

「今度は、酒でも飲みながらな」

 

 三浦の端末が、即座に訳した。

 

『次回は酒を飲みながら話したい』

 

「検疫が終わったら考えます」

 

『病気の危険がないと分かった後なら、考える』

 

 ガルディオは一瞬怪訝な顔をしたが、すぐに笑った。

 

「よく分からんが、約束だ」

 

 ◇

 

 数十分後。帆を広げた《セルカ》は、西へ向かっていた。

 

 ファルネが再び《風走り》を起動し、帆が強く膨らんで船足が増していく。背後では、「いわみ」が白い巨体を海上に浮かべたまま、彼らを見送っていた。

 

 ネリオは机に向かい、すでに報告書を書き始めていた。一枚、二枚、三枚──書いても書いても終わらない。

 

「船長」

 

「何だ」

 

「領主閣下には、どこから説明します?」

 

 ガルディオは少し考えた。

 

「帆がないところからだ」

 

「人口八千三百万は?」

 

「後だ」

 

「魔法を知らない件は?」

 

「もっと後だ」

 

「異世界から国ごと来たという話は?」

 

 ガルディオは、しばらく黙った。

 

「……最後にしろ」

 

「なぜです?」

 

「最初に言ったら、そこから先を信じてもらえん」

 

 ネリオは、妙に納得してしまった。ファルネが横から口を挟む。

 

「私は、最初から全部信じられませんけどね」

 

「お前は実際に乗っただろ」

 

「乗ったから余計にです!」

 

 ガルディオは声を上げて笑った。

 

 遥か西、まだ見えないリヴァーノの港では、領主と家臣たちが報告を待っている。

 

 彼らはまだ知らない。帆のない白い船よりも、魔法を使わずに言葉を学ぶ機械よりも、八千三百万という人口よりも──もっと面倒なものが、海の向こうに現れたことを。

 

 ──話のできる、巨大な国家が。

 

 そして、その報告を聞いたリヴァーノ領主が最初に口にする言葉が「すぐ会いたい」であることも。それを止めるために、家臣団が総出になることも。

 

 ガルディオは、まだ知らなかった。

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