連載するかどうかは未定です
赤壁の戦いと華容道の戦いに勝利を収めた孫劉連合軍。
赤壁の戦いで曹操率いる大軍勢と艦隊を東南の風と紅蓮の焔で焼き尽くし、華容道で逃しはしたものの曹操に大打撃を与えてから数ヵ月が経過した時だった。
荊州の都、襄陽城。とある一室にて。
その劉備陣営に仕えている一人の若い男性が、椅子に座り一つの物を眺めていた。
黒と銀を基調にした装束を着用し、腰から霊鳥の尾羽を思わせる長い深紅の帯を帯びている。装束に包まれてはいるが、細身だがガッチリとした体格だ。
髪の色は漆黒で長さは首あたりまで伸ばし、所々に癖が見受けられる。目つきは切れ長で、瞳の色は暁天を思わせる鮮やかな紫色をしている。
その紫鸞が眺めているある物というのは、この斜陽になっている後漢時代にはあり得ない素材で出来ている。まるで生きているその日その時を永遠にその一枚の紙に収めているような精巧さだ。
その紙、知っている人間には写真と呼ばれる物には、自分のみならず幾数人が写っている。見目麗しい女性と頼りがいのある男性達が皆にこやかに笑みを浮かべている。自分は無表情に見えるがほんの僅かに口角が上がっている。
その時、扉が開かれて誰かが入ってきた。
漆黒の髪を水色の髪留め用の布を用いて頭の低いところで結び、切れ長の目つきと漆黒の瞳。白磁のような肌色。水色の衣服の上にさらに白衣を着用に、肩から竹簡や薬草、その他の医療用具を入れた鞄を掛けている。
華佗。字を元化と言う医者の卵で、紫鸞が冀州の広宗の黄巾党との決戦の後、とある隠れ里の跡地を訪れた時に出会い、それから共になっている。
だが、華容道の戦いの後にとある患者の息子から弟子入りを志願された。もうこれからは別れなければならない。
「紫鸞殿。俺もそろそろ、旅立ちます」
「そうか。寂しくなるな」
紫鸞自身も仕えている劉備から栄達の道か、影の道かのどちらを選ぶかという問い掛けが来ており、自分も考えている身であるが華佗の方も道が別たれる。
「でも、旅立つ前にそれのことについて、話してもらえますか?大丈夫ですよ。俺こう見えて口硬いんですから」
あの隠れ里の廃墟で出会って以降ずっと長い間苦楽を共にしていただけあって、これが誰にも話せないからこそ黙っていた事は既に理解しているし、紫鸞の方もその華佗の口の堅さを理解している。
紫鸞はゆっくりと部屋の外に続く扉の向こう側を見る。
「あ、部屋の外には誰もいませんよ。劉備殿は諸葛亮殿と龐統殿と今後についての話し合いをしていますし、他の皆々様もここに来る余裕がありませんから」
流石に付き合いが長いだけある。何を心配しているのかをすぐに理解した華佗が笑みを浮かべて言うと紫鸞も苦笑いをする。
孫劉連合軍は曹操軍を徹底的に追い詰めたものの、曹操軍の底力たるや、窮鼠猫を嚙むと言うが連合軍に決して少なくない被害を与えた。
誰もが曹操を許昌へ逃がそうと、一将一兵問わず力を発揮して撤退していった。
「それでは、話すぞ」
そこから言葉を紡ぎだす。瑞鳥が飛び立った、あの魔法世界の事を。
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連載未定
続き希望の声があれば良いなぁ……